衆議院議員 高木陽介
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建設通信新聞

2007年5月18日付

 

 

   
 

 

未来像描き地道に整備

 

 

 ―我が国の社会資本整備は今、どのように展開すべきか

 社会資本整備は、100年先、200年先に我が国がどのような姿になっているのか、また、どのような国としていくかを念頭に、国土・地域の未来像を描き、地道に整備していく必要がある。

 もちろん、財政再建は避けて通ることはできない。しかし、自分の世代、自分の地域だけのことを考えて、矮小化した形で社会資本整備の手を休めることは避けるべきである。「未来に責任を持つ政治」を具体化するためには、長期的な視野に立って、国土を作っていくという気概が重要だ。必要なものには、積極的に国費を投入すべきである。

 財政が逼迫しているなかで、投入すべき国費を手当てする方策として、公務員改革などを積極的に展開すべきだ。国鉄民営化、郵政民営化などを例に出すまでもなく、公のものはすべて官でやる必要はない。国家公務員、地方公務員の仕事を見直し、民でできること、民でできるようになった事業は、民間に移管する。

 何を公がやるのか、何を民がやるのか、絶えず検証し、時代に応じた事業仕分けを進め、実施することにより、社会資本整備などに必要な財源を確保・充当していくことが大切である。

 建設業を取り巻く環境が厳しい中で、建設企業各社は、企業のスリム化を進めた。人員削減、リストラなどを断行、今も生き残るために、コスト削減を徹底している。こうした民間企業、組織では当たり前のことを、国、地方自治体が実施することを避けて、財政再建のために公共投資を減らしましょう、社会資本整備を抑制しましょうという論を展開することは筋違いだ。

 

道路特財の一般化は疑問

 

 喫緊の課題となっている道路特定財源について言わしてもらえば、個人的には一般財源化はおかしいと思う。本格的な自動車道路建設は戦後スタートした。

 高速道路をはじめ本来であれば、すべて税金・国費を投入して作るべきだった。が、戦後の財政逼迫のなかでは無理だった。そこでできたのが道路特定財源である。

 昨年暮れに道路特定財源見直しの方向性が閣議決定された。ことしの暮れに細かなスキームなどについて、再び論議されることになっている。道路特定財源が果たしてきた役割を考えるのであれば、道路整備をきちんとしたうえで、道路特定財源を使用しない部分があるのなら、暫定税率を本来の本則税率に戻すべきだろう。

 もちろん、不必要なものに貴重な税金をつぎ込むことをしてはいけないのは大前提である。

 ―重点的に整備すべき社会資本は何か

 一口に社会資本整備と言っても、間口が広い。道路、河川、港湾、空港、住宅、医療・福祉施設、文化施設など多様である。観光やレジャーの視点から見れば、自然環境も重要な社会資本となっている。環境保護も広義の社会資本整備と言える。自然環境保全も積極的に展開することが求められている。これらすべてをおろそかにすることはできない。

 

横田基地民間利用へ論議を

 

 21世紀の世界で、国際競争力を保持していくためにも、社会資本整備はもう十分だという論議は間違っている。韓国、中国に比べ、港湾整備は遅れている。空港を見ても、羽田に4本目の滑走路ができ、成田に2本目の滑走路ができても、すぐに満杯なることは必至である。横田の米軍基地返還、民間利用も視野に本格的な議論をはじめなければならない。

 物流、人流を考えれば、高速道路交通網を早急に整えることも求められる。道路はネットワークしなければ、能力を100%発揮できない。さらに、空港・港湾設備をより効果的に使うためには、道路、鉄道などとリンクさせることが不可欠である。

 住宅、医療・福祉施設、文化施設も、交通アクセス網が整って初めて、施設が持っているポテンシャルを生かし切ることができる。社会資本を整備していくに当たって、相乗効果(シナジー)を考えて選別し、重点的に整備することが必要だ。

 住宅では、都市部の木造家屋密集地域を解消し、安全・安心して住むことのできる魅力的なまちづくりを推進すべきだ。さらに、耐震化を促進し、高齢社会に対応し高齢者が安心して住むことのできるようにすべきである。こうした費用負担ができない高齢者には、国、行政の支援策の充実が求められる。

 

自助、公助、共助を念頭に

 

 自分が行う自助と、官が行う公助、コミュニティーが助け合い補い合って行う共助という3つの考えを念頭に置き、バランスよく進めることが大切である。負担する物は、お金や自分の行動でもいいというように、選択肢に幅を持たせるべきだ。

 住宅耐震化など、お上がやって当たり前という考えは捨てる必要がある。自立してできる人は、自分で努力してもできない人達を助けるのが政治である。

 ―我が国の建設産業に求めることは

 日本の建設技術は極めて優秀で、世界最高水準にある。社会資本整備を円滑に進めるためにも、さらにコストを低減できる技術開発を進めてほしい。コストが下がれば下がるだけ、必要なものをより多く整備することができる。

 高齢化問題を考えるとき、年金、介護、医療、住宅問題は避けて通ることはできない。年金問題は別としても、こうした分野にも我が国建設産業が持っている技術・ノウハウを生かすことのできる部分が多くあると思う。

 未来に責任を持つ政治を具現化するために、建設産業の果たすべきこと、なすべきことは、多くある。厳しい時代ではあるが、力を貸して欲しい。

 

 

 

(建設通信新聞 2007年5月18日付掲載)

 
 

   
     
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