会 議 録

第131回 衆 「逓信委員会」 2号
1994/11/9

○高木(陽)委員  改革の高木陽介でございます。
 NHKは、ハイビジョンを初め海外放送等々多角的な事業を展開されているのですけれども、まず最初に、平成二年度及び三年度の収支決算の概要、これがきょうのメーンテーマですので、それについてNHKにお伺いしたいと思います。
 まず平成二年度は、受信料改定などもあって、二百十五億円の黒字決算で、予算に対しては一億円の増加、三年度は、さらに収入の確保と業務全般にわたる合理的、効率的運営の徹底に努められて、百七十八億円の黒字決算となって、予算に対
しては四十二億円収支改善が見られた。
 これらの数字を見ると、NHKもよく頑張っているな、そういう感じがするんですけれども、しかし、ここでちょっと気になることがあるんです。それは、平成二年度は受信料収入四千六百五十六億円で、未収受信料、いわゆる払ってない人ですね、集められなかった、これが百六十四億円、平成三年度が四千九百六十三億円の受信料収入に対して未収金が百七十二億円。これはかなりの額に、一般の感覚からいうとあると思うんですけれども、同じ放送を見ながら、一方では受信料を払う、また一方では払わないという、視聴者としては非常に不公平感を感じると思うんです。
 そこで、今二年度、三年度、決算書でわかりましたけれども、四年度、五年度までの未収金の推移、あと滞納者ですね、これが何人ぐらいいるのか、これをちょっとお伺いしたいと思います。

○菅野参考人 お答え申し上げます。
 滞納数というとらえ方をしているわけでございますけれども、滞納数は五年度末で九十九万九千件でございます。それから、四年度分の確定分では、未収金は百五十億円でございました。そして、このいずれもがこの数年ほぼ横ばいということでございます。五年度分の未収金については、現在回収中ということでございますので、まだ確定してないということでございます。

○高木(陽)委員 滞納者が五年度九十九万九千。この滞納者の抑制というのが受信契約数の増加と並んでNHKの営業努力の指標となっているようなんですけれども、これまでこの逓信委員会で、八二年の三月には、公平感というものを維持していくためには、百万を超えてはいけないということを基本にして鋭意努力を重ねているとNHK側は答えられて、さらに、九一年の四月のまた逓信委員会で、百万というものを一つの防御ラインにしながら精いっぱい頑張っている、このように言われているんですけれども、九十九万九千、まあ横ばいで、あとぎりぎりのところまで来ているんですけれども、この百万件を突破した場合にどうなっていくのか、また、さらに今後も未収金また滞納者にどう対応していくのか、これをちょっとNHKにお答え願いたいと思います。

○菅野参考人 先生おっしゃいますとおり、百万というものを一つの線にいたしましてこれまで努力してまいりました。そして、毎年五十万程度の世帯増があるわけですが、そういう中でこの百万の線を維持するために努力をしてきたわけでございますけれども、視聴者の生活時間帯の二十四時間化というんですか、それから価値観の多様化というんですか、そういう中で営業現場としては非常に苦労が多い。その中でただいま九十九万九千ということでございます。
 もちろん、その対策としては、お客様の生活時間帯に合わせた訪問それから文書対策それから電話を使ってお願いをするということも組み合わせた、文書それから電話それから訪問の三つを効果的に組み合わせた滞納対策というものを工夫しながら今やっているところでございます。

○高木(陽)委員 今のお答えで、努力しているということでそれを認めるしかないんでしょうけれども、例えばマンションなんかでパラボラアンテナが一つだけ立っていて、その中で各世帯、いわゆる衛星放送のチューナーあるかないかわからない。訪ねていって、それで、いや、うちはないんです、こういうふうに言われてしまえばそれ以上やりようがないと言われればそうなんですけれども、やはり百万件が払っていない、ここら辺のところでやはり不公平感というのが視聴者側にはかなりあると思うんですよ。
 あと、NHKも受信料収入ということでいろいろと努力されている中で、視聴者が不快感を感じないような集め方、これはかなり努力してもらいたいと思うのです。
 実は、私も議員になる前に普通のサラリーマンというか新聞記者をやっていて、うちの家庭にちょうど引っ越したときに訪ねてきました、受信料を取りにですね。そのときに、ちょうど家内が一人だったんですけれども、それに対して、何か忙しかったんですけれども、なかなか出てこないということで、この家は受信料を払わないみたいな言い方を、玄関先で大きな声で騒いだというんですね。そういうようなこともやっている。これは人にもよるんでしょうけれども、そこら辺のところもしっかりと指導をNHKサイドとしてはしていただきたいな、そのように思います。
 続いて、要員の効率化について伺いたいのですけれども、要員の効率化、いわゆる削減ですね。これもかなり努力されているみたいで、平成二年度が純減三百十一人、三年度が三百五十三人と純減を行ったのですけれども、その後の要員の効率化、これも四年以降どういうふうに推移しているのか。また、本来あるべきNHKの適正要員数、一体どれくらいの規模がNHKの業務をやっていく上で必要な人数なのか。ただ単に減らせばいい、目標もなくやっていくとなるとよくわからなくなってくるんじゃないかと思うので、そこら辺の適正要員数ということについてもちょっと伺いたいと思うのです。

○安藤参考人 要員の効率化の推移についてまず御説明をいたします。
 協会は要員の効率化を昭和五十五年から実施をしております。当時の協会の要員数は一万七千人弱、一万六千九百二十という体制でございまして、その後年三百名以上を超える効率化を着実に実施をしてまいりまして、平成六年度の計画が実施されますと一万三千二百六十名ということでございますので、この十五年間で見ますと三千六百六十名ぐらいの要員を削減したことになります。
 これは五十四年の当時の要員規模の二一%を超える効率化になるということでございまして、この間これだけの効率化をやりながら衛星放送等新しい放送サービスの充実に努めてきたということで、こういう協会の効率化努力に対しては、私どもとしては、視聴者も一定の御理解をいただいているのではないかなというふうに自負をしているわけでございます。
 ただ、そういう形で、先生も効率化いつまで続けるんだという御指摘かと思いますが、相当規模の効率化ということで、スリムな要員体制も一定の規模に達してきているのではないかなというふうに私ども感じておりまして、これからは若干要員削減の規模を抑制をしつつ、なおかつやはり効率的な経営努力というものを念頭に置きながら、新しい時代の中での、特にハイビジョンとかあるいは映像の海外発信とか災害の緊急報道といったような、果たすべき新しい放送サービスの充実というものに心がけていかなきゃいけない。そういう意味で、新しい事業展開に向けての要員体制というものを、なかなかこれは何名体制が適正だということは申し上げにくいのですけれども、そういうものを築き上げていかなきゃいけないかなというふうに考えております。

○高木(陽)委員 具体的な数字、何人が適正規模かというのを出せないみたいな感じなんですけれども、例えばNHKの経営というのは受信料収入でやっている、国民に負担を強いているわけですね。そう考えますと、今税制特でかなりもめていますけれども、税金をどうするかということに対して、例えば、これだけ必要なんです、福祉のビジョンはこうです、また行政改革で要員をこうします、これを明確に示さないと多くの国民は納得しないと思うのですよ。
 それと同じように、NHKがこれだけの事業展開をこれからしていきたいと思います、そのためには要員はこれだけ必要なんです、またこの設備投資にはこれだけ必要なんです、こういった具体的な数字を提示していかないと、受信料を取りに来たから払う、今振り込みが多くなってきたから、どんどん国民は知らないうちに払っているという形で、ここら辺を、NHKの責任として今後何か具体的な、検討委員会でも何でも結構です、そういうのをしっかりとつくりながら国民に提示をしていただきたい。これは要望として申し上げたいと思います。
 続いて、NHKの関連企業について伺ってみたいと思うのですが、川口会長の諒の島体制のとき、商業化という批判をかなり浴びて、関連企業、クリエイティブですとか、またはエンタープライズだとか、どんどん広がっていったような気がするのですね。
 ただ、受信料収入でやっていくために経営の効率化とともに副次収入もしっかりと確保しなければいけない、そういったジレンマがNHKの中にあると思うのですけれども、ここでちょっと指摘しておきたいのが、関連企業各社が営業面で民放の各社だとか民間のプロダクション各社と競合して圧迫を受けている、そんな指摘が結構なされていると思うのです。
 これも御存じだと思うのですけれども、ことしの三月に「NHKの「商業化」問題に関する調査報告書」というのが民放連の営業委員会で出されました。その中でこんなことが書かれているのです。これは九二年、三年くらいにかなりいろいろと調査をして、それをまとめたのがことし発表されたみたいなんですけれども、NHKの九二年度の受信料収入は約五千三百億円。これに対してNHK系関連企業・団体の主要二十八社・団体の同じ年度の売り上げ総計は二千四十億円。この売り上げのうち、NHKからの委託費は三〇%程度を占めるとみられるので、この三〇%分の約六百億円を引いた残りの約千四百億円が一般企業、自治体、一般視聴者を対象にした営業活動による売り上げになる。このうち、一般企業と自治体からの収入がどの程度かハッキリしないが、一般企業や自治体では、当然広告宣伝費や広報費名目で支出しているわけで、この部分が民放の営業活動と競合することになる。
 この千四百億円の売り上げは、九二年度の在京テレビ一局の平均売り上げとほぼ同程度で、民放全社売り上げの一割程度になるというのですね。それで、映像制作プロダクションの水準でみると、最大手の東映これが約九百四十億円で、それを上回る。
 また個別の企業レベルでみると、中核的存在のNHKエンタープライズの場合、九二年度は二百六十億円の売り上げとなっている。同社の場合、NHKからの受託分は約四〇%・百二十億円程度とみられており、それを差し引いた百四十億円の売り上げても、民放関連大手のTBSビジョン、独立系大手のオフィス・トゥー・ワンを上回っている。
こういったことを指摘されているのです。
 これは現在、昨年度で結構なんですけれども、関連企業の総数、それと総売り上げ、その実態についてちょっと伺いたいと思います。

○齊藤参考人 まず、NHKの関連団体の総数をお答えいたします。
 昨年、現在とも同じでありますが、二十八団体でございます。これに職員の福利厚生団体の健康保険組合それから共済会を含めて三十団体ということになります。
 NHKからの委託業務の実施等によりましてNHKの事業を補完または支援いたしまして、公共放送としてのNHKの事業の遂行に協力しているということでございます。

○高木(陽)委員 総売り上げも聞きたいのですけれども、総売り上げと、NHKの関連企業に対してNHKからどれくらい、何割くらい業務委託がなされているのか、売り上げに比べてどれくらいの割合かというのをちょっとお伺いしたいと思います。

○齊藤参考人 総売り上げでございますが、平成五年度の決算数字で申し上げます。総売り上げ二千五十億円でございます。このうち、業務委託などNHKからの収入、NHK関連の収入の占める割合でございますが、大体四割程度、四〇・五%という数字になっております。

○高木(陽)委員 もう少し民放連からの指摘というものを挙げてみたいと思うのです。 これは具体的な事例なんですけれども、「衛星放送「青春TV―タイムトラベル」の百万人大投票の協賛のケース」、こういうのがあるのですけれども、NHK衛星放送が九二年九月二十六日に放送をスタートさせた「青春TV−タイムトラベル」の百万人大投票のイベント(実行委員会はNHKサービスセンター、NHKクリエイディブ、NHK衛星放送部の三者で構成)は、家電メーカー九社が特別協賛したほか、ビデオテープメーカー二社が協賛して実施された。ちなみに、特別協賛したのは、東芝、日立製作所、三洋電機、ソニー、日本ビクター、三菱電機、シャープ、NECホームエレクトロニクス、松下電器産業で、協賛したのはTDK、富士写真フイルム。
 最終的な「大投票」のイベントは九三年三月十八日にNHKホールで実施され、三月二十日に二時間三十分番組として衛星第二で放送された。特別協賛金はチラシ、ポスターへの協力と投票の集計費の補填の名目になっている。NHK側は、「大投票」のイベントへの協賛であって、「番組制作」に直接関係ない部分の負担というのが回答。
 こうしたケースがそのまま許されると、番組をイベント仕立てにすれば、それに対する協賛名目で一般企業、自治体からの資金導入が容易になる。特に「大投票」の場合は、明らかに放送目的のためのイベントであり、結果として放送番組に係わる形で営利行為をしたことに連なるとみられるのではないか。
こういうふうに指摘しているのです。
 特に地方においては、NHKの地域会社、関連会社が地方自治体の出資を得て自治体イベントに深く入り込んでいる、そういう指摘も多々ありまして、ローカルではNHKの媒体価値、ブランド力というのは強くて、特に地方の民放というのはその県一つだけですから、そこから比べますと、全国放送というのを武器にその関連会社が民放の仕事をどんどんとってしまうという指摘があるみたいなのです。
 これに対して、NHKは民放とその関連会社の競合についてどのようにとらえているのか、また、今後関連企業、さらにリストラ等がいろいろ叫ばれる中で統廃合等々どう考えているのか、これをお伺いしたいと思います。

○川口参考人 御指摘のようなことがありました。その調査、それから民放連からの申し入れといいますか、苦情の方も承知しております。
 私は平成三年に会長になったのですけれども、その前の島会長のとった一つの方向が、NHKは将来受信料体制ではやっていけない、したがって、みずからを民活化といいますか、そして事業拡張をやって、そして受信料にかわるべき財源としてそこに依存するべきだと、簡単に言えばそういう形でもって、大きくメディアミックスという考え方で相当強い振興をしたわけです。それがあちこちで摩擦を起こしまして、今おっしゃったような事例も大体そのときのことですが、幾つかの非難、指摘を受けたということがございます。
 私は、NHKと民放というのは、この四十年来同じ土俵の上で、しかも日本の放送を両方から支えてきた、そういう一種の戦友ではないかという考え方をしておりまして、そのようなことのために民放、HNKがいがみ合うという形は絶対好ましくない、日本の放送をあわせてよくしていくという観点に立つべきだというぐあいに思いましたので、早速、各地の民放連に所属する会社、例えば札幌地区、仙台地区、山形地区、名古屋地区、それから大阪、広島、松山、そして福岡と、その土地の民放の社長さん方ともひざを交えていろいろお話をしました。
 結果としては、そのことによってNHKが関連団体をいわゆる収益のために使うのではなくて、文化創造団体というふうな形で位置づけることにしたい、そして、もちろんそれぞれが株式会社もしくは財団法人ですから、それぞれの個体としての事業はやはりあります、しかも多少収益を上げる、もちろん株式会社は相当収益を上げる必要がありますから、これについては節度を持ってやりましょうと。そして、民放の方にもそのことを理解していただいて、NHKが関連団体を全体の位置づけの中で、効率化の問題とか、それから将来への財政的な基盤を固めるための副次収入の問題とかいうところで適切な関連団体の発展をすることは認めてもらいたい、こういうふうな話をしてまいりまして、一応その当時の民放サイドからの非難は、消えてはおりませんけれども、相当少なくなったというぐあいに思っております。
 ですから、今後関連団体については節度のある、しかもNHKの事業に直接非常に大きく禅益すると同時に社会的にも還元をする、それで、余り無用の摩擦を民放そのほかと起こさないようにするということを前提にして進めてまいりたいと思っております。

○高木(陽)委員 節度のあるというお言葉をいただいたのですけれども、これも一つの見方をすると、例えば民放が一つの県で四波それぞれあったとする。その中で、四波あるからそれぞれうまくやっていた。そこへ大NHKが乗り込んできた。それで、もう自分たちの領域を侵すんじゃない。これは、自由競争の考え方からいくと何を考え違いをしているのだ、そっちだって民放なんだから、企業なんだから、努力すべきじゃないか、これが普通の考え方で、しかも視聴者側から見ると、それでNHKの経営効率化が図られ、また財産というか収入がふえていく、そのことによって受信料がずっと抑えられるということは、一般視聴者から見れば、これはどんどんやってもらいたいという意見もかなりまた出てくるのじゃないかなと思うのです。ここら辺が公共放送のつらいところで、どういうふうに判断しているか。
 今会長の方から節度あるというお言葉をいただいたのですけれども、郵政省はどのようにその関連企業と民放の競合ということを考えておられるか。

○江川政府委員 ただいまの高木先生のお話、私ちょうど申し上げたいなと思っていたことを言っていただいたようなところがございまして、若干なぞるような言い方になって恐縮かと思いますが、NHKの関連団体というのは、もともとNHKの業務を支援して、NHKの効率化に資することを目的として設立されているものでございますから、したがいまして、関連団体の事業活動というのはそういう目的に沿って行われることが不可欠でございます。言うまでもなく、いたずらに民間企業と競合したり特定企業と結びついたと誤解されるような、そういうようなことのないように、節度を持って行うことが必要だということは言うまでもないところでございます。
 しかし、同時に私、私というのは個人ではありません、郵政省として、NHK、民放、両方をあわせて放送界の発展というものを考えなければならない立場から申し上げますと、NHKがこのことについて過度に遠慮してしまいまして、いわばやろうとする仕事を関連事業を通して石橋をたたいても渡らなくなってしまう。そういう仕事ぶりになってしまったら、これはNHKの活性化のためにも、あるいは先ほど川口会長の言葉をおかりしますと、日本の放送をあわせてよくしていこうという視点からいきましても、これはむしろ悪い影響が出てくるのではないかなという懸念もするところで、この部分が、高木先生今補足的に御質問いただいたところだと、私が申し上げたいことが一緒だったと言うのはそういうところでございます。
 そういう意味におきまして、郵政省といたしましては、今後ともNHKが関連団体の事業活動に十分配慮して、NHKがいわゆる商業化というようなことで批判を受けることのないように期待すると同時に、関連団体の生き生きとした活動、活躍によって一層NHKの業務そのものも活性化されていくということも同時に願っているというのが郵政省の考えでございます。

○高木(陽)委員 大体その関連企業についてはわかりましたけれども、そこから、今度は関連企業じゃなくて、NHK本体の巨大化鈍判というか、これもよく民放が言っていることなんですけれども、大体テレビが四波、ラジオが三波、こんな七波も持っている放送局は世界でも最大級だ、こういった指摘の中で言われているのですけれども、九三年二月、昨年に発表した「NHK将来構想」の中で、音声メディアの現行三波を再編成して一波削減する方向で検討するとありました。これは、会長も何回か記者会見されたと思うのですけれども、この削減対象と見られるラジオの第二放送、これは特に語学放送ですとか、そういう人気のある番組ですね。それ以外にも市況だとか気象関係の放送だとか、そういったものがあるので安易に削減できないのじゃないかな、こういった意見もある中で、どのような方針になっていくのか、それをちょっとお伺いしたいと思うのです。

○川口参考人 ラジオ一波の削減というのは、実は私がその推進者でございまして、そうしようと思ったのです。それは、ラジオの聞かれ方の現状を調べてみますと、第二放送については非常に少ない。特に学校放送に関してはほとんど利用されていないという現状がありました。ですから、もし一波を削減するならばラジオ第二はどうだろうかという発想でやったのです。
 ところが、その構想を発表いたしました後、二、三の新聞社の方からこの問題について非常に克明な論評が出まして、そして、それを受けまして聴取者の方から私のところに多数の反論が寄せられました。それは、今第二放送を私は利用しているという立場に立って、そして第二放送をやめることがどういう影響を及ぼすか、それを十分に考えてほしい。当然私はそういうことは前提のもとにやっておりまして、必要なものはラジオ第一放送またはFM放送の中で吸収をしようというふうに思っていたのです。
 ところが、それではだめだ、やはり第二放送の中での位置づけというのがはっきりしているから聴取者は安心して開けるのであって、それをむざむざチャンスを奪ってしまうの鮭、NHKとしてはや減り許しがたいというふうな強い抗議がございまして、それで今、どのような形に結論を出そうか、翼社長期構想の具体化計回というのをまとめておりますので、その段階でははっきり結論を出そうと思っております。
 御存じのごとく、音声による語学放送というのは非常に効果があるのですね。場合によってはテレビよりか語学の習得にはラジオの方がいいというふうな現状もありますし、それから船舶等のいわゆる船舶無線で受ける情報だとか、いろいろなことが第二放送の中にはまだ強く求められておりますから、そこを考えまして、どのような形でこの問題に結論を出すか、現在慎重に検討中でございます。

○高木(陽)委員 私も、中学、高校時代に、ラジオの英語講座ですか、英会話等々を聞いて一生懸命勉強した思い出がありますので。
 そういった中でNHKはスリム化を意識していると思うのですよね。そういう中で、ラジオ第二の放送番組制作費ですか、これもいろいろと調べてみて、直接費が年間約十億円程度だというふうに聞いたのですけれども、国内の放送費用二千億円程度から比べますとほんのごく一部で、じゃ第二がなくなったからこれでスリム化されましたよ、こんなふうに言われたら、やはり多くの国民が、もっと削るところはないのか、こういった論議になってきてしまうと思うのですね。
 ですから、そこら辺のところも含めて、ただ視聴率、聴取率、これが高いから、低いから、そういった民放的な発想じゃなくて、何が必要で何が本当に不要なのか、そういった観点をしっかりと持っていただきたい、これも要望として申し上げておきたいと思います。
 では、続いて、放送法の改正について。
 ことしの六月ですか、通常国会で放送法が改正されて、国境を越えるテレビですか、越境放送が解禁というか、広がりました。NHKがある意味でいうと義務化されたみたいな形で、特にここで問題となってくるのがテレビ・ジャパンの問題です。テレビ・ジャパンの敏速の一部をNHKが無料放送、今スクランブルをかけていると思うのですけれども、それを無料にしていく、こういうふうな話も聞くのですが、それについて、具体的な計画と、あと、その無料放送をすることによって経費がどれくらいかかるのか、それをお伺いしたいと思います。

○中村参考人 お答えいたします。
 今御指摘のように、テレビ・ジャパンは欧米の現地法人を通じましてスクランブルをかけて有料で放送をいたしております。ヨーロッパで十一時間、アメリカで十五時間程度やっておりますが、放送法の一部を改正する法律案に基づきまして、今度は協会の必須業務として映像による国際放送業務が義務づけられたというような形になりまして、来年度は一日当たり三時間から四時間ノンスクランブルで現法に委託をして放送をしてもらおうという計画を進めております。
 経費の詰めを今いろいろな形でやっておりますが、テレビ・ジャパン向けだけではなくて、アジアの放送局とかCATV局にも素材を配信するという業務とパラで行っているところがございますので、経費の詰めをやっておりますが、十億から二十億の間で実現できるのではないかというふうに思っております。

○高木(陽)委員 これも民放の方の発言をちょっと引用させてもらっちゃうのですけれども、フジテレビの社長がこの問題について、国内の受信料を海外向けに使っていいのかと。これはやはり素朴な疑問だと思うのですよ、僕らが日本でお金を払って、それで放送を見る、そのためにお金を払っているわけですから。それが、受信料を払っていない人たちのところへ電波が流れて、またそれを提供して、そこは無料になるという、ここら辺のところで違和感というか、ちょっと違うのじゃないの、そういう意見もあると思うのですが、それについてNHKの見解を。

○中村参考人 御承知のように、本年度のNHKの予算審議の中で附帯決議として、衆参両方の逓信委員会から、映像メディアによる国際交流を推進することという附帯決議がございました。それと、やはり国際化の進展の中で日本の情報を世界に向けて発信するということ、諸外国の正しい日本理解を促すということ、それから、在留邦人が七十数万現在おりまして、海外に旅行する人たちが千三百万人に達するというようなことから、そういう方々への情報提供というのも公共放送の責務ではないかというようなことでこの国際映像放送というものに取り組んでおるわけでございます。

○高木(陽)委員 あと、この問題について郵政省にもお伺いしたいと思うのですけれども、「放送批評」の十月号にある論文があって、その中で、ちょっとまた引用させていただきますけれども、放送メディアを通しての国際理解の促進は、本来ならば国の施策として国みずからが行うべき事柄である。それをNHKに肩がわりさせるのが将来の放送体制にとってよいのかどうか。NHKの九四年度収支予算を見ると、国際放送実施のための国からの交付金十八億円は、前年度の場合二十二億円よりも少ない。九三年度と九四年度の収支予算を比較すると、九四年度の事業収入は前年度に比べ百三十億円ふえたが、事業支出は収入以上にかさんだ。この結果、事業収支差金は百四十五億円で、この中から百三十八億円を資本支出に充当し、残る七億円を翌年度以降の財政安定のための繰越金に組み入れている。九四年度予算は辛うじて黒字を計上しているが、九五年度は受信料を値上げしない限り、ここら辺はちょっといいのですけれども、そんな中で、国際放送の実施に伴う経費に受信料の一部を充てることを国民は支持しているのかどうか。受信料は国内放送を視聴するための負担金として支払っているのであり、国際放送まで想定しているわけではないというのが大多数の国民の意識ではないだろうか。
 国の方針としては、やはり文化だとか日本の事情だとか海外に知っていただかなきゃいけない。また、海外の邦人のためにもできる限りサービスを提供しなきゃいけない。それを、これはNHKの側じゃないのですけれども、NHKとしてもそれを全部負担されますと、それは受信料からやらざるを得ない、ここら辺のところで国としてどういうふうに今後とらえていくのか、それもお伺いしたいと思います。

○江川政府委員 物事を微分的に見ると不正義のようですが、積分的に見ると正義というのはあり得るとも思うわけです。
 NHKは、従来から短波国際放送というのを行っていることは先生御案内のとおりかと思います。短波国際放送というのは、NHKが一つには、先ほどの御回答にございましたけれども、我が国の事情を紹介して国際親善の増進や外国との経済交流の発展に資するということが一つと、もう一つは海外同胞に慰安を与えるという使命がございまして、NHKが公共放送機関としてこの役割を果たすということでやってきているわけでございます。そういうことにかんがみますと、その放送は、結局はいわば積分的に見ますと国民全体に利益をもたらすことが期待されることから、従来からこの費用につきましては受信料という形で国民が公平に分担してきたというところでございます。
 今回、法律の改正で映像国際放送ができるようになったというのは、いわば今まで短波で、音声でやっておりましたのが映像になる、音が絵になるという変化だけというとちょっと語弊がありますけれども、それが中心でございます。したがいまして、映像国際放送の持つ趣旨とか目的とかというのは、従来の短波国際放送と変わりないものでございますので、その実施のためには、やはり従来と同じように受信料を充てていくのが適当であろう、そう考えてやっているところでございます。

○高木(陽)委員 ちょっとまたしつこいようなんですけれども、その理論、すごくわかるのですけれども、その公平感、一番最初に質問した受信料の、百万払っていない、こういうものがありますからね。そうなってくると、やはりそういう国際的な放送をすることによって国の利益になる、または国民の利益にも返ってくるのであるならば、もっと国が積極的にやる。これはやはり詰めていきますと、お金の問題になってきますから、大蔵との兼ね合いになるわけですよね。そこら辺のところではもっと郵政も積極的にやっていただきたいな、こういうふうに考えます。
 さらに続いて、同じ放送法の改正の問題について、これは特にアジア諸国なんでしょうけれども、今度NHKじゃなくて日本国内の事業者、民放も含めて海外向けの放送ができる道が開けてきたと思うのですけれども、現状として、民放などは特に採算ラインには乗らない、こういった指摘、意見等も聞こえて、財源を理由に二の足を踏んでいるというのが結構今までの現状じゃなかったのかなという気もするのです。その海外向け放送の取り組みというか、民間の、民放等々含めての現状及びその展望、それを郵政省にお伺いしたいと思います。

○江川政府委員 個々の企業名はちょっとここでは避けさせていただきたいと存じますが、さきの通常国会で放送法の改正をさせていただきまして、こういう映像国際放送の制度が、枠組みができたという情報を得まして、また、もちろんその法律を改正するに当たっては、いろいろと世の中とも接点がありますから、事前にその情報を持つ機会は持っているわけでございますが、そういうでき上がったということも得まして、ある放送事業者がやってみようかという事業化の検討を行っているということは、私たちも承知しております。それが三つも五つも十もあるかというと、私たちまだそこまでは承知してございませんが、少なくとも単数はあると考えております。しかし、この後、ではどうなるのかというときに、そういう一つが具体的事業化で入っていけば、他の事業者もこの道にまた参加してくることが期待できるぞと我々は考えておるところでございます。

○高木(陽)委員 現状はなかなか厳しいような感じもするのですけれども、これも、特に民間、民放というのはやはり商売ですから、もうからぬとやらぬというのが素朴な発想だと思うのですね。だからこそ、こういう国際放送というものに対しての国のスタンス、また郵政のスタンスというものをしっかりと持って、逆にそれを支援できるような形というのを確立しないと、結局手を挙げる人がいない、手を挙げてみたけれども結局赤字になってしまった、また手を引いていく、では何のためにこの放送法を改正したのか、そういったことにもなりかねないのじゃないかな、そういうふうに考えています。
 続きまして、ハイビジョンについて、これをお伺いしたいと思うのです。
 現在、ハイビジョンの試験放送をずっとやられて、今度民放も免許を部分的に配分してやっていくということになるのですけれども、これまでNHKが本当に先導的というか中心的にずっとこのハイビジョンを開発してきたと思うのですが、具体的に、これまで一体幾らのお金がこのハイビジョンの開発にかかったのか。さらに、BS4ですか、これが打ち上がって本放送になっていく、そんなときに、それまでの間にどれぐらいかかってしまうのか、ここら辺の見通しもお伺いしたいと思います。

○森川参考人 お答え申し上げます。
 御質問のハイビジョンに対するこれまでの経費のトータルのうち、まず研究開発に要しました経費、これは昭和三十九年度から平成六年度までの間、約三十年間でございますが、この三十年間で合計二百十億円になっております。
 それからもう一方の、番組制作費それから設備の減価償却費、人件費といったハイビジョンを放送する関係の経費といたしましては、実験放送の準備を始めました昭和五十九年以来平成六年までの間、約十一年間でございますが、合計で五百九十六億円となっております。
 それから、今後のハイビジョンに要する経費でございますが、これからの放送の充実などに伴って徐々にふえていくことになろうかとは思いますけれども、いたずらに経費の膨張することがないように、例えば番組制作面では、ハイビジョンそれから現行放送との一体化政策を進めるとか、あるいは設備の経費についてもできるだけこれのコストダウンを図るとかということで、経費の効率的な使用に努めてまいりたいというぐあいに考えております。

○高木(陽)委員 これは郵政でもNHKでもどちらでも結構だと思うのですけれども、現在のハイビジョンの受信機、一体これは何台ぐらい出回っているのか。九七年の打ち上げ予定のBS4、それ以降本放送になっていくと思うのですけれども、そのときには大体どれくらいの受信機、今まだ五十万円前後の価格ですから、一般家庭まですぐにいくのかどうかわからないのですけれども、そこら辺の予測、これをちょっと郵政でもNHKでもどちらでも結構です、お伺いしたいと思います。

○森川参考人 ハイビジョンテレビの数でございますが、日本電子機械工業会の平成六年九月末の調査でございますが、これによりますと、ハイビジョンテレビは二万八千台になっています。なお、MNコンバーターつきのハイビジョン放送、つまりハイビジョンを受けて現在の四対三に変換する、それで四対三のテレビでも簡単に見られるという、そういうコンバーターのついたテレビの受信機、これを含めますと出荷台数は十七万台というぐあいに工業会当局が報告をしております。
 それから、本放送時の予測でございますが、仮に一九九七年ごろ本放送開始ということを想定いたしますと、これは外部の調査機関の調査によりますと、ハイビジョンのテレビの普及はそのころで約四十万ないし六十万台という予測がなされております。

○高木(陽)委員 ことしに入って江川局長の発言、ディジタル、アナログ発言ですか、これはちょっと耳の痛いことかもしれませんけれども、これをもう一度確認をしたいと思うのですね。
 ここら辺、素人だとなかなかディジタル、アナログ、一と〇、こんなことぐらいしかわからなくて、一体どう違うのか。さっき田野瀬先生も御質問されていたんですけれども、これをもう一回明確にして、今後どういうふうにこのアナログ、ディジタルをとらえながら取り組んでいくのか、それをちょっとまずNHKの方に開きたいと思います。

○森川参考人 ハイビジョンは、先生御承知のとおり、今の現行うレビの五倍の情報量を持っております。したがって、これを放送衛星の一チャンネルの電波で放送するというためには、できるだけこのもともとの特報量を圧縮をしまして、その上で電波に乗せなければなりません。
 ミューズでございますが、今放送されているハイビジョンはミューズという手法を用いておりますが、これは今申し上げました、情報を圧縮する部分、この部分にはディジタル技術を用いて情報を圧縮し、それから電波にこの信号を乗せる部分、電波で伝送する部分、この部分については今の衛星放送と同じアナログの方式を利用して、それでもって受信機へ送り込み、受信機側でもとのハイビジョン信号に戻す、この戻す際にはディジタル技術を用いている、こういうシステムになっております。
 このシステムは、電波の部分を今の衛星放送と同じような形式にしておりますために、放送衛星と同じ受信機で受信ができるという特徴がございます。つまり、今のBSチューナーをそのまま使える、それでハイビジョンが受かるという特徴を持っております。
 それから、一方のディジタルの方式でございますが、これは情報の圧縮から、電波に乗せるところから、あるいは受信機の復元から、これを全部ディジタルで行っているというものでございます。
 NHKは、このディジタルというものの研究につきましては長い間これを手がけてきているわけですけれども、できるだけそのメリットを生かしまして、将来の機能の高い放送サービスというものを目指していきたいと考えておりまして、今我々は、先ほどちょっとお答えしましたように、あらゆるディジタル技術を全部統合いたしまして、新たなメディアとしてこれを展開していきたい、そういうことから、国際会議にもそういうことを提案して、研究を進めているわけでございます。
 そういうことで、これから来るべきディジタルの時代へ向けて、鋭意研究あるいは開発に取り組んでまいりたいという所存でございます。

○高木(陽)委員 同じような形で、今後のアナログ、ディジタル等々の展望というのですか、これを郵政の方にお伺いしたいと思います。

○江川政府委員 技術の各論は申し上げることはできませんが、大きな流れといたしまして、来るべき二十一世紀というのが、ただいまのお話にもございましたように、ディジタル技術等の技術改革を背景としまして、映像、音声、データ等の情報を自由に創造、加工、発信できるマルチメディア時代が到来するというふうにだれもが予想するところでございます。こうしたマルチメディア時代において、放送を広い意味での情報通信等の中にどのように調和させ、どのようにさらに発展させていくのかということが今後の放送行政の非常に重要な課題だと私たち考えているところでございます。
 そこで、乏しい役人の知恵だけでやっていても仕方がございませんから、学、民、いろいろな方々、利用者の方々に集まっていただきまして、本年五月から郵政省に、マルチメディア時代における放送の在り方に関する懇談会というのを設置、開催いたしております。NHKからも会長に委員として御参加いただいておりますし、民放からも、メーカーからも、視聴者代表としての方からも入ってもらっているところでございますが、その懇談会におきましても、ハイビジョンも含めました放送全体のディジタル化の展望というものにつきまして検討いただいておりまして、来年の三月にはそれなりの報告をいただけるということで動いております。それをいただきまして、郵政省もそれを尊重しながら対処してまいりたいと考えるところでございます。

○高木(陽)委員 ハイビジョンについては最後の質問なんですけれども、今試験放送、それで将来実用放送して、これが放送されるのはいいのですけれども、その受信料というか、料金、これはとうしていくのか。
 これはもうかなりお金をかけているわけですね。衛星放送もそうなんですけれども、結局衛星放送料金は別料金で取られている。ハイビジョンも今までいろいろと投資してきた。これは受信料でどんどん投資していくわけですね。一般の視聴者は全然見ていない。それを見ていないわけですね、今まで。それで、いよいよ試験放送から本放送になった。さあ自分たち、ずっと今まで払ってきた受信料から投資されたから見れるのかなと思ったら、また別料金取ります。こういうふうになりますと、また一般の感情として、何やっているんだというふうに思うのじゃないかなと思うのですよ。そこら辺の計画、また展望、これをちょっとお伺いしたいと思います。

○中井参考人 長期計画を担当しているものですから、私の方からお答えさせていただきます。
 ただいま御質問がありましたけれども、今のところNHKとしては、ハイビジョンの料金そのものを今直ちに料金化していくということは、今は考えておりません。
 御指摘のように、今はまだ新しい放送サービスをそういうふうに展開していく、その普及、発達に資するという我々の公共放送の先導的な役割があるのではないかということで、開発部門で衛星放送の料金の一部をその開発のところに今使わせていただいているということでございまして、いよいよそれが実態的に、この十一月二十五日からの試験放送、実用化試験放送に対する準備が一段と進んでまいります。そのようなことで、できるだけ安い受信料が普及していくようなこと、そういう努力をしなきゃいかぬ。
 また、先ほど来のお話にありますように、MNコンバーターというようなもので、ワイドのテレビであっても同時にハイビジョンの画像が多少落ちるかもしれぬけれども見られるというような状況、そういうようなものをつくって、総合的な中で最後にはやはり何らかの形で料金にはね返るということはあり得ると思いますけれども、今現在、ここ数年の計画の中では、ハイビジョン料金化をするということは今すぐには考えていないというお答えだと思います。

○高木(陽)委員 いつかは取らなきゃいけないなというのはすごくわかるのですね。わかるのですけれども、本当に、視聴者の感情だとか素朴な国民の思い、それをやはりNHKの方々もしっかりと肝に銘じていただきたいと思うのですね。
 あと、もう時間も大分なくなってきましたので、最後にアトランタ五輪についてちょっとお伺いしたいのですけれども、これは今までも、バルセロナ、ソウル、その前のいろいろなオリンピックがありまして、NHKが主体となってかなり興奮の映像を送ってもらったのですけれども、その放映権料、これが過去、ソウル、バルセロナ、ことしはワールドカップ、サッカーがありましたね、これが、放映権をとるために大体どれぐらいかかってきたのか。アトランタの方もかなり吹っかけられているという話もちょっと聞くのですけれども、ここら辺が一体どれぐらい予定しているのか、または言われているのか、それについてお伺いしたいと思います。

○中村参考人 お答えいたします。
 オリンピックの放送権料は、規模の拡大ということもございまして、大変お金がかかるようになってまいりました。一九七六年モントリオール大会と比べまして、バルセロナ大会が四十倍を超す値段になっております。バルセロナが五千七百五十万ドル、日本円で八十八億ちょっとというところまできております。
 アトランタの放送権の交渉につきましても、先月やりましたけれども、双方の考え方の開きが大きくて、物別れということになりました。
 規模が大きくなって種目もふえて、それが期間十六日間の間に集中的に行われるということで、参加選手もどんどんふえてくるということで、カバーするの自体なかなか大変だ、そういうことで、日本は民放と一緒にジャパン・プールという形で交渉をやっておりますが、二年前に川口会長がローザンヌのテレビ関係者の会議で演説しましたように、もうオリンピックの放送権料については限度にきているということも明言しておりますので、アトランタの交渉についても我々の主張を粘り強く展開しようというふうに思っております。

○高木(陽)委員 あと、もう質問はいいです、もう時間もないので。今後の長期計画もそれにあわせて聞こうと思ったのですけれども、さっき田野瀬先生の質問で答えられましたので。
 これが幾ら吹っかけられて、ずっと向こう側の金額とこっちの思いとが全然合わなくても、あれだけの大イベントを、ではお金が合いませんから放送しません、これは絶対ないと思うのですよね。いつかはそれなりの額まで上がっていってしまうのかなという気がするのです。
 そのときに一番気をつけてもらいたいのが、今ジャパン・プール方式で民放といろいろとやっているのですけれども、やはりかなりの負担はNHKにかかってくるわけで、それをきっかけに受信料をぼんと上げる。先ほども受信料の値上げのことについては会長言われましたけれども、本当に努力されている、それはわかるのですが、やはりこういうのをきっかけに、オリンピックのためだと言われたら、見ている人も、ああ、それはしょうがないなと思ってしまう可能性もあるし、ここら辺のところは本当に経営努力と、あと粘り強い交渉と、かなりオリンピックの商業化も批判される中で、うまくやっていかなければ、ここでまたぐんとつり上がってしまうと、またその次、その次と、これは本当に際限なくいってしまうと思うのですね。
 ここら辺のところで、相手のあることですからこれは大変な御苦労だと思うのですけれども、きっちりと、これも最後に、視聴者側の立場に立ってこの交渉等も貫いていただきたいな、そのように思います。
 以上で質問を終わります。


|  |