会 議 録

第132回 衆 「逓信委員会」 4号
1995/3/10

○高木(陽)委員  新進党の高木陽介でございます。
 この受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法案、名称を言われて、これはなかなかわかりづらいという、この法案ができるまでの間に、名称もディジタル放送のどうのこうのだとか、いろいろと二転三転したようにも思われるのですけれども、やはりマルチメディア社会における、先ほどの質問にもありましたけれども、第一歩の法案ということで、まさに手探り状態の中でやっているかな、そんな気がするのです。しかしながら、これを一歩でも二歩でも推し進めなければ、やはりマルチメディア社会において日本が立ちおくれてしまう。そういった意味から、我が新進党の方も、この法案については賛成とともにさらに推し進めていかなければいけない、そういったスタンスに立ちながら質問を行わさせていただきたいと思います。
 まず、これは法案ができたときに郵政省の方からも御説明があったのですけれども、その中で目的として、放送のディジタル化に伴い、受信された情報を一たん受信設備に蓄積し、視聴者が個々の関心に応じて多様な方法で視聴することができる新しい放送番組、こういった定義もございまして、まさに放送のディジタル化、これはよく言われているのですけれども、一般の方々、視聴者が、ディジタル化というのは一体どういった感じなのか、そういったのがなかなかわからない状況もあると思うのです。
 そういった中で、現在の放送のディジタル化、いわゆるディジタル放送の現状、それとともに今後の展望みたいな部分をお聞かせ願いたいと思います。


○江川政府委員 我が国におけるディジタル放送を行っております現状は、現在、BSそれからCSを利用する音声放送というのがございます。これを四事業者、十三チャンネルでディジタル放送をやっております。逆に言いますと、それ以外は衛星放送も地上放送もCATV放送もまだアナログでやっているというところでございます。
 しかし、そういう現状でございますが、今後の展望という視点で見ますと、二十一世紀の知的社会を展望いたしますと、先ほど来答弁がございます通信と放送の間でソフトを相互に活用できるようにするとか、マルチメディア時代に向けた通信と放送の融合を進めるためにも、大概の人は放送もディジタル化しなければならないという点では共通になっていると考えております。
 このため、郵政省といたしましては、ディジタル放送の早期導入が可能となりますように、昨年の六月から、電気通信技術審議会というのがございますが、そこで地上放送、衛星放送、CATVの各放送メディアを対象といたしました放送方式を作成する、ディジタル放送の規格化でございますが、これに取り組んでまいりました。本当にたまたまでございますが、きょう、CSを利用する衛星テレビ放送、CATVについて放送方式の暫定方式がこの審議会から出されることになっておりまして、これに基づいて今後実験をやっていこうということにしております。
 そういう実験などを踏まえまして、郵政省といたしましては、今後、地上放送、衛星放送、CATVのすべての放送メディアを通じてディジタル放送の導入が行われていくようになるだろう、またそうしていきたいと考えているところでございます。

○高木(陽)委員 この法案の中にあります受信設備制御型放送番組、これはいろいろと言われていると思うのですけれども、例えば今度セント・ギガがファミコンのデータ放送、そういった形が一つの例だと思うのですけれども、今後の具体的な番組の、こういったものがなってくるというその概念といいますか、それとともに、将来例えばこういうのもある、こういうのも出てくるだろう、そういった予想を含めてお聞かせ願いたいと思います。
○山口(憲)政府委員 こういった受信設備制御型放送番組の具体的なイメージ、それから将来的にどんなものがというのはなかなか難しい問題でございます。と申しますのは、我々の能力を超えた、想像できないすばらしいものをつくっていただきたいというのがこの法律の意味合いでございますので、私が御説明できる程度のものでは法律を必要としないのかもしれません。
 いずれにいたしましても、若干観念的になりますけれども、先ほども御説明申し上げましたように、現在行われています放送と違いまして、放送局から送られてきました、ディジタルで送られてくることになりますが、そういったデータを一たん受信設備で蓄積して、一定の操作を視聴者の方が加えられて視聴される、こういうことでございます。
 現状でこれに似ているなと思われますのは、本当の初歩的な形態でございますが、文字多重放送というものがございまして、これはニュースでありますとか娯楽などの情報を、一定の操作を加えますとどんどん変わっていくという形で、ページをめくるような感じで画面で見られるというふうなこと。それから、今お話もございましたけれども衛星放送によりますデータ放送というもの、あるいは有線放送の一部についても行われるというふうなことでございますが、そういったデータ放送のようなものも始まりつつあるということでございまして、これらも、画面上に表示されてくるメニューの中から必要なものを選んで画面に出させるというふうな、そういう形で実際に提供されているという段階にございます。
 今後、情報量が飛躍的に増加して、また提供の形態が充実してくるということが予想されますが、先ほど申しましたようにこれをいろいろ御説明するのは難しい問題でございますが、例えばテレビジョンのスポーツ番組の中継等を見ていて、あるときに、そこに出てくる選手に関する情報が欲しい、例えばスポーツ選手の過去の成績だとか過去のすばらしい活躍の場面とか、そういったものもちょっとウインドーのところで見てみたいというふうなことがあった場合にそういったことができるような、そういうことも可能になってくるのかなと思っております。
 いずれにいたしましても、冒頭申しましたように、私が御説明したものをはるかに超えた内容のものをつくっていただくというのが本旨でございます。

○高木(陽)委員 まさに夢の放送番組となるようにしてもらいたいのですけれども、そういう放送番組ができた、それを放送し始める、ところが、問題は受け手の側ですね、受け手の方の受信設備です。先ほどの横先議員の質問にもちょっとあったように、アダプターの部分が必要だと思いますし、ファミコンまたはパソコン、そういった形の受け手の方の受信設備がしっかりとしなければ、幾らいい番組をつくり、幾らその番組を放送したとしても何の役にも立たない。
 その受信設備のいわゆる開発の現状、また、それがどのような形で今後普及していくであろうか、そこら辺のところも御説明いただければと思います。

○山口(憲)政府委員 先ほども御説明申し上げたところでございますが、この放送番組を受信されるためには、パソコンあるいはファミコン等のいわゆるコンピューターの機能のついたものが必要だということでございまして、受け入れ態勢、現在どんなふうな状況かということで、ちょっと御説明させていただきたいと思いますが、今私どもが把握しておりますところでは、パソコンの出荷台数が年間で二百五十万台、それからまた、いわゆる家庭用のビデオゲーム機器の出荷台数が年間七百四十万台というふうなことでございますので、かなり受け入れ態勢ができつつあるのではないか。別の資料で見ますと、家庭でのパソコンの普及率が一割ぐらい、一〇%ぐらいというふうなものもございまして、かなりこういうものは受け入れられる態勢というものができてきているのではないかなと思っておりまして、したがいまして、そういう意味からいたしますと、やはり魅力のあるソフトをつくっていただくということが、ハードの面よりもまずソフトの方の充実ということが差し向き求められているのじゃないかというふうに私どもとしては考えているということでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、この設備がなるべく安く使いやすいものをということは大変大事なことでございますので、先ほどもちょっと御説明を申し上げさせていただきましたけれども、いわゆるキーボードレス、言葉で全部認識をしてもらえるような、そういうコンピューターというものができますと大変に普及に弾みがつくのではないかというふうに思っておりまして、そういったいわゆる設備の開発というふうなことにも引き続き力を入れてまいりたい、こういうことでございます。

○高木(陽)委員 まさに受信設備の方も充実させていかなければいけないということで、これは私自身の持論でもあるのですけれども、こういういろいろな法案を整備し、そういう支援策をどんどん練っていくということも、これは重要なことなのですけれども、やはり郵政省みずからが例えばパソコンだとか、そういったものをもっともっと果敢に利用していくべきなのではないかなという気もするのですね。例えば各デスク、郵政省のお一人お一人にパソコンがどんと置かれる。さらに、まあこれは、今回は放送の問題になってくるのですけれども、マルチメディア社会に対応した場合にはそれぐらいなければだめだし、もっと言えば議員会館一部屋に一つぐらいパソコンを置いて、パソコン通信で、何か質問をとりに来るときも、
一々郵政省の方が来るよりもパソコンで一発ぽんとやればそのままとれる、これぐらいにしないと、とにかくこの永田町、霞が関が一番おくれているといった、そんな気がするのですね。
 ちなみに、僕は大臣室に入ったことはないのですけれども、大臣室にはこういうパソコン通信は置かれているのでしょうか。

○大出国務大臣 LAN、ローカル・エリア・ネットワークがございまして、ところが、これは、私の年代ぐらいになると、もうみんなちょっと不得手なんですな。私は、ファミコン、スーファミ、これは、スーパーマリオの時代からマリオブラザーズ、ドラクエ、今アラジンですけれども、ここらはうっかり五時間ぐらいやってしまったりする方ですけれども、そういうわけですから通用しないのですよ。だから、まずそのレベルまでみんなが上がってこないと成り立たないですね。しかし、ございます、LANが。

○高木(陽)委員 大臣がそうやってスーパーファミコンもやっているということでして、ほかの省庁と比べると一歩進んでいるのかな、そんな気もしますけれども、本当にお金もかかる問題ですし、じゃ各省庁、課員一人一人になんということを言い始めると、また大蔵省がそんなものはとんでもないといった発想にもなるのですけれども、やはり郵政が率先してそういった現実的な問題としてやっていくことが、この法案自体も重要なのですけれども、マルチメディア社会をとらえた上でやはり大切なことではないかな、そんな気がいたします。
 さらに、ことしの一月に「情報通信基盤整備元年を迎えて 経済フロンティアの拡大に向けた情報通信政策の展開」、こういうのを発表されたと思うのですけれども、その中の「情報ソフトの制作・流通」の中で「マルチメディア・ソフトの制作支援」、まさにこの「ソフトの制作支援」という一環としての今回の法律案だと思うのですね。
 そういった中で、ここでは「マルチメディア・ソフト」と言って、全体的な幅の広い形での制作支援を訴えていると思うのですけれども、いざ法律案になってきますと、いわゆる放送ソフトといった形でかなり限定をされていると思うのです。本来なら郵政省としてはマルチメディアソフト全般をもっといろいろ多角的に支援をしたかったのでしょう。また、そこには、予算関連ですから、大蔵省からのいろいろな制約もあったかもしれません。そこら辺も、なかなか言いづらい部分もあるかもしれませんが、経済フロンティアの拡大といったその方針と今回の法案との関連性みたいなところを、できれば大臣にお願いいたします。

○大出国務大臣 気をつけて申し上げますが、確かに今お話がございますように「経済フロンティアの拡大に向けた情報通信政策の展開」ということで私から発表いたしました。だから、そういう意味では幅広い分野においてソフト支援を行う、これが建前であり、筋でございます。
 しかし、考えてみると、やはり郵政省という立場でこれを何とか絞り込んで、ここをということにせざるを得ないんじゃないかということになってまいりまして、そういう意味で、じゃどこに絞るんだということになると、やはり放送というところに、国民の生活に密着していることでもございますし、そこに焦点を合わせるということにするのが一番いいのじゃないのかなということでそういうことになったわけでございまして、ソフトの支援、これは本当に官民一体でやりませんと、アメリカなんか見てみますと、シリコンバレーや何かに七人か八人でやっている、ソフトを制作しているところがありますが、ワンタイトルでいきなり五十万売れちゃったり百万売れちゃったり、ビルが建つちゃったりする。また、それだけ支援もするのですね、アメリカ財界というのは。
 だから、日本がそうでないところにやはり問題があるわけですから、そういう意味で、まずこの法律から始めようじゃないかということで提案を申し上げたということでございます。

○高木(陽)委員 一遍に全部やるということは無理だと思うので、そういった意味での第一歩といった位置づけ、これはまさにそのとおりかなという気がいたします。しかしながら、これは、いろいろなところでも指摘されている、マルチメディア社会における、また特にソフト制作者においてはまだ未知の分野ですから、じゃ、大企業が、資本力のあるところがすぐに飛びついて開発しようとするのはなかなかないと思うのです。やはりベンチャーの、すごく小規模だけれどもやってみようというやる気の部分、または、そういう知識、技術を持っている人たちが挑戦をしていくと思うのですね。
 そんな中で、これは新進党の遠藤議員が前の一般質問のときに質問されたその資金調達の部分で、アメリカ等々はすぐに株式上場して、それですぐにそれを調達してベンチャーをどんどんやっていく。ところが日本の場合は、またこれも大蔵の問題でなかなかそういった上場ができない、また資金調達がしづらい。だからこそこういった法律をつくって支援策を練っていく、これは重要な課題だと思うのですね。
 そして、その段階においてその規模だとかいったものがさらに重要になってきて、今回の法律の第二条の部分ですか、「この法律において「受信設備制御型放送番組制作施設整備事業」とは、受信設備制御型放送番組の制作に必要な設備を備える相当の規模の施設を整備してこういうような形です。まあ、法律ですから具体的な数字だとかなかなか出せない部分、これは省令等々でやっていかなければいけない部分だと思うのですけれども、今回の相当規模とはどれくらいか、ここら辺のところをちょっとお聞かせ願いたいと思います。

○山口(憲)政府委員 受信設備制御型放送番組の制作ということになりますと、超高速のデータ処理を可能とするようなコンピューターグラフィックス機器というふうな非常に高価な設備が必要でございます。それからまた、実際にでき上がったソフトが問題なく放送できるかどうか、そういったことを検証する設備というふうなものも必要だというふうなことでございまして、これは大変高価なものだということでございますし、また、使用頻度も必ずしもそう多くないというようなことで、共同で利用する方がよいのではないかということでこういう形で支援をということでございますが、この目標を達成するためには、今申しましたようなかなり高価な施設を整備しなければならないということで、一定規模、「相当の規模」というふうな形で表現をさせていただいていますが、イメージとして、私どもは具体的にはこの施設の整備事業では大体十億円程度のものを整備したいというふうに考えておりまして、そのうち、今回、平成七年度の予算の政府原案では産業投資特別会計から三億円をそこに出資をしようということでございまして、残る部分につきましては、開発銀行あるいは民間等からの御協力をいただいてというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、これはその時々の状況がだんだん変化していくということでございますので、その規模そのものを具体的に固定して考えるということはできないと思いますので、そういった事業の状況の変化に応じまして整備を図っていくというふうなことにさせていただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

○高木(陽)委員 十億程度で、さらに、産投から三億ということで約三分の一ですね。これはやはり国のお金を使うわけですから、そこら辺のところは厳密にやらなければいけないのですけれども、まさに先ほど申し上げた、一般のそれぞれのベンチャー企業が資金調達ができない、だから共同施設をつくっていこう、それが十億ぐらいである、じゃ三分の一は国、じゃ残りは民間等々で。この三分の一というのは、本来なら全部民間でやれというのも一つの筋なんですけれども、今まさにその立ち上がりの段階だからこそこの三分の一をもっと多くしてあげたいし、またはそういう支援をもっと拡大していかないと、これは、やり始めたけれどもやはりなかなかそれが利用者が殺到してそんな簡単にはつくれないだとか、いろいろな
状況もこれから出てくる可能性もあると思うのですね。
 そういった意味では、じゃ一つだけじゃなくて二つ、三つ、四つと、こういうことも必要になってくるでしょうし、そういったことから考えますと、今回は第一弾ですから十億の三分の一の三億、そういうこともわかりますが、将来はこれをもっと拡大していく、それで、本当に基礎体力がついてきて、または大蔵等々の兼ね合い、または株式を上場して、資金調達がもっと規制が緩和されてやりやすくなればそういった形をもう取っ払ってもいいと思うのですけれども、まさに今はもっともっと国を挙げて支援をしていかなければいけないのかな、そういうふうに思いますし、また、今後もそういった支援策を積極的にやっていただきたいな、そのように要望をしておきたいと思います。
 では続いて、この番組、いわゆる制御型の番組ですね。これはやはりつくる側、また一方見る側、いわゆる送り手と受け手、放送事業者とまたは視聴者という、こういったものがあると思うのですけれども、まず事業者の方の、いわゆる送り手側の現状ですね。例えば人員ですとか規模ですとか、そういったところをちょっとお聞かせ願えればと思います。

○山口(憲)政府委員 この受信設備制御型放送番組の制作をされる方というのは、どうしてもコンピューターの利用技術に関するノウハウというものが不可欠でございます。そういったことからいたしますと、現在CD−ROMソフトがパッケージの形で流通しておりますが、そういったものの制作者の方々が主として参入されてくるのではないか、こういうふうに私たちは見ているということでございます。
 そこで、これらの方々につきまして見てみますと、その制作者のほとんどが資本金が一千万から二千万円という程度でございまして、いわゆる自己資本の蓄積が非常に少ない、そういう会社が多いということでございます。大変業界の変化が激しいというふうなことから、なかなか数字でこの業界を把握するのがまだ難しいという状況でございますが、ちなみに民間のある調査によりますと、現在我が国では、CD−ROMの情報ソフトを専門に制作している会社が二百社程度というふうに言われております。
 昨年の十月でございますが、ネットワークを通じてこういったソフトを提供していこうじゃないかという気持ちを持っておられる企業の方々がお集まりになって団体を設立されましたけれども、これには七十社の方が入っておられるというふうなことでございます。私どもとしては、小さいし数も少ない、やはり非常に力を入れていかなければいけないなというふうに感じている次第でございます。

○高木(陽)委員 今、送り手側の現状、CD−ROMをつくっているというか制作している、二百社前後というお話がありましたが、今度は、要は受け手の側ですね。まだ実際問題そういう放送がないですからマーケットといった形では難しいと思うのですけれども、諸外国、いわゆるアメリカやまたはヨーロッパ、いろいろな形でマルチメディア社会を日本とある意味では競争してやっていると思うのですけれども、そういったマーケットの現状として諸外国はどうなっているのか、これをお伺いしたいと思います。

○山口(憲)政府委員 今外国でどういう状況かというのは私ども大変関心のあるところでございますが、こういう、私どもが御提案申し上げております受信設備制御型放送番組のような機能を持った放送番組の制作というのは、世界的に見ても、そうすごくすばらしくあちこちでやっているということではございませんで、例えばアメリカでは、動画などによって構成されているニュースの映像を光ファイバーで伝送しまして、それを視聴者が画面上でパネルを操作して、その中から自分の関心に合ったニュースを選択して見るというふうなことが三大放送の一つのネットワークで行われているということを聞いておりますが、アメリカ等でも、これはこれから立ち上がっていくという分野だというふうに私どもは考えております。
 それで、市場の規模というお話でございますが、なかなかこれも難しゅうございまして、特に、外国の状況というのがそんなことでございますので、わかりかねるのでございますが、既存のマルチメディア市場から推計をいたしまして、放送だけではございませんが、いわゆる映像ソフトというふうに考えられる分野というのは二〇一〇年には十九兆ぐらいの規模になっているのではないかと。そのときに、いわゆるマルチメディア市場全体が六十六兆円というふうに予測しておりますが、そういった中で十九兆円ぐらいが映像ソフトというふうな形になっているのではないかということ、これは、電気通信審議会が答申を出した際にそういった推計をしているということでございます。

○高木(陽)委員 今、現状というか展望みたいな話をお聞かせ願ったのですけれども、事業として、やはり事業ですから、それなりのちゃんと採算がなければいかぬ。先ほども、国としてどんどんやれという、こういう意見を申し上げたのですけれども、一方でやはり、国の金を使いますから、それが、使いっ放しで事業としてだめだった、倒産してしまった、こうなるとまた納税者としてはとんでもないな、こういった形になるわけですね。
 ここら辺のところで事業の採算性の見通し、これもまた難しいところかなと思うのですけれども、やはりお金を出すからには、それがちゃんとペイされる、それがちゃんと企業、事業として成り立っていく、そういった見通しがないとだめだと思うのですね。そこら辺のところをちょっとお聞かせ願えればと思います。

○山口(憲)政府委員 大変難しい御質問でございまして、企業としての採算性が確実でありますと、恐らく企業がみずから支援なしにやっていただけるんだと思いますが、なかなかリスクがある。
 ただ、私どもも、今回こういう放送番組というところに焦点を絞ってお願いしていますのは、やはりその分野が採算ベースということで考えますと一番いい分野ではないかというふうに考えまして、先ほど大臣からもちょっと御答弁申し上げましたけれども、放送のところに限定したのは、ある意味では、民間の皆様方と一緒になってやっていくということになりますと、民間の皆様方からもいろいろ財政的な支援をしていただかなければいけない。その際には、やはりそこで行われるものがある程度めどの立つものでなければいけない、こういうことでございますので、そういったことも含めまして、放送番組というところに焦点を合わせてお願いしているということでございます。
 なお、具体的に債務保証等をしていく際にも、そういったリスクをも勘案した金利というふうなことも考えていかなければいけないと思いますし、場合によりますと、成功報酬というふうなことで、うまく成功したときには応分の報酬を機構の方がいただくというふうなこともその中に盛り込んでいかなければいけないな、こういうふうに思っておりまして、ぜひこの事業自体がいろいろな財政的な問題を起こすことのないように十分注意していきたい、こういうふうに思っている次第でございます。

○高木(陽)委員 事業として成り立っていく、これも今までいろいろなところで言われ続けてきたのですけれども、特にベンチャーの企業が日本というのは発展しづらい。一つは資金調達の難しさ、もう一つは、ようやくその芽が出てきたとなると、またこれは大資本の、例えば商社だとかそういうところがばあっと乗り出していってしまって、結局、一生懸命努力してきた、今まで特許をとるかとらないかというところの人たちがまたそこでつぶされてしまうといった、資本力の差に物を言わされてつぶれていってしまう、こういった状況があると思うのですね。
 今、流れとしては規制緩和ですから、それをいろいろな形で規制していくというのは問題があると思うのですけれども、やはり郵政省が主管官庁でありますから、そういった本当にやる気のある
それぞれのベンチャーの、小さいけれども本当にこれからのマルチメディア社会を担っていく、そういった企業の育成または保護、これも真剣に考えていただきたいな、そのように要望したいと思います。
 続きまして、放送番組制作施設ですね。共同利用していくといったことで計画をしているようでありますけれども、先ほどもちょっと聞きましたが、これも、一体何が必要なんだ、この施設というのは大体どういうものなのか、こういったところを端的にお伺いしたいと思います。

○山口(憲)政府委員 この共同利用施設というのは、先ほども申しましたように、番組の制作手法の開発のための機能を備えた端末を持ったり、あるいは多目的の撮影用のスタジオを持ったり、あるいは映像の送出ができるかどうかというふうなことを検査する、そういった装置を備えた施設をつくっていこうというものでございます。
 先ほどもお話ししましたように、規模として大体十億円程度というふうなことで考えておりますが、これを使っていただくのは、いわゆる共同で複数の方に、何かうまいぐあいに時間ごとに区切って使っていただくとか、工程を分けて使っていただくとか、そういうふうな形でこの施設を運用していきたいなというふうに考えておりまして、現在のところは一カ所どこか設けてやってみたい、こういうふうに考えているということでございます。

○高木(陽)委員 自分も郵政省の方からいろいろ聞いて、例えばスタジオ、カメラ、伝送設備、そういった施設で十億。その施設を計画として一体どこにつくるのか、これをちょっと、あればお願いします。

○山口(憲)政府委員 現在のところ、この設置場所ということは決めておりませんで、現在検討しておりまして、使われる方が最も便利のいいところということが一番大事なことだということで、皆さん方の御意見等をお聞きしてやっていきたいと思っております。
 一方、こういう施設をつくる際には効率性というふうなことも考えないといけませんので、いろいろこういった施設、私どももこれまでつくって、助成というふうな形でやってきておりますので、そういったものとの併設というふうなこともその視野の中に入れて考えていかなければいけないかな、こういうふうに考えている次第でございまして、具体的にどこということはまだ決めておりません。

○高木(陽)委員 続きまして、今度通信・放送機構が、今の共同施設、産投からずっと来て通信・放送機構として三億の出資となったり、またあとは信用基金、いわゆる債務保証等々をやっていくといったことがありますけれども、この通信・放送機構、これは今まで一体どんな活動をしてきたのか、そういう現状をお聞かせください。

○山口(憲)政府委員 通信・放送機構でございますが、これは、設立されたのは昭和五十四年ということでございますが、やっております仕事は大きく分けて二つございます。
 その一つは、いわゆる衛星の管制をするという業務でございまして、現在飛んでおりますCS3あるいはBS3等五機ほどでございますが、通信、衛星や放送衛星の管制を行っているというのが一つの大きな仕事でございます。
 それからもう一つの仕事は、高度情報通信基盤の整備を目的として行われておりますいろいろな国の施策を支援する業務というふうな形で活動をしているということでございます。
 過去で申しますと、いわゆる通信・放送の高度化の推進というふうなことでハイビジョン放送の普及促進というふうな仕事。それから、今度はいわゆる通信・放送事業者の支援ということで都市型CATV等の振興策を担当している。あるいは、地域の振興ということで難視聴地域の解消施策。それからまた、技術開発の促進ということでございまして、これから高度な三次元の画像情報が大変大事になるというふうなことで、そういったことが代表例でございますが、いわゆる技術開発を促進するような仕事。それから、福祉につきましても、先般法律を認めていただきまして、字幕放送の制作支援というふうなことの施策もここで行わせていただいているということでございまして、こういった流れの中の一つに、今回もこの法律でお願いしています支援策をこの機構としてやらせていただきたい、こういうことでございます。

○高木(陽)委員 続きまして、先ほどちょっと大臣の方にも、マルチメディアソフト制作に対して、その全体ということでお伺いをしました。そんな中で、これもよく言われていることなのですが、アメリカの方はソフトが進んでいる、こういう言い方をよくされるわけですね。一方、日本の方は、光」ファイバーもようやくこれからどんどん進んでいく、ハード面の方でも頑張り始めている、問題はソフトなんだ、こういう言われ方をよくされております。
 そんな中で、アメリカと比べてソフト制作がおくれている、おくれていない部分もあると思うのですけれども、おくれていると言われているその現状の比較、及び、おくれているとしたらなぜそうやっておくれているのか、ここら辺のとこのをお伺いしたいと思います。


○山口(憲)政府委員 日本はアメリカに比べておくれている、おくれているというふうなこと、特にソフトについておくれているというふうなことをよく言われておりますが、すべてがすべて必ずしもおくれているということではないと思います。
 ただ、御指摘のような、おくれているなと思われるようなことをちょっと申し上げてみますと、例えば映像ソフトの制作というふうなことで見てみますと、我が国はいわゆる大幅な輸入超過というふうなことに現象としてなっておりますし、それから、ここで問題になっておりますCD−ROMというふうなものを見ましても、その制作は大体アメリカの三分の一程度というふうなことでございまして、こういったところは確かにおくれているという形での現象があらわれているのかなと思っております。
 こういった制作環境の問題点というふうなことで考えてみますと、これまでもお話し申し上げておりますが、いわゆる新しい産業であるために情報が大変不足をしているというふうなこと、あるいは人的資源に依存しているというふうなことから、いわゆる物的担保力がないということで資金調達能力がないというふうなこと、あるいはソフト制作機器が非常に高額であるということで投資負担が大き過ぎるというふうなことで、事業としてやっていくにはなかなか厳しい環境になっているということでございまして、そういったことの結果どういうふうになっているかといいますと、結局大企業の下請的な状況に今なっているということでございます。
 端的に申しますと、これは一般的に言われているということでございますが、こういった形で、みずからソフトを開発してもその著作権とか、そういったものは自分の手元に残らないというふうなことから、どうも制作者の意欲がなかなか起こらないとか、能力発揮が十分できないというふうなことが言われているということでございます。
 そこで、今回私どものお願いしておりますのは、こういったベンチャー的な中小の制作者に対しまして、独立してみずから事業としてやっていけるような環境整備を図っていきたい、こういうことでお願いをしているということでございます。

○高木(陽)委員 今回の法案も、その一環としてそういった資本金のない人たち、そういう人たちの支援ということで、本当にこのソフト制作がおくれてしまうと、これはマルチメディア社会マルチメディア社会と幾ら声高に叫んでも、結局何にもならない。また、結局アメリカ及び欧米からのそういうのがただどんどん入ってくるだけで、日本独自のまたは日本の中で必要だと思われるものが育ってこないのじゃないのかな、そういう気がするのですね。
 そういった意味から、ソフト制作の支援ということは本当に重要な課題であり、またもっと言え
ば、光ファイバーだとかまたはそういうパソコン、ハードの部分以上に本当に力を入れなければ、これはとんでもないことになってしまうというふうに痛感するのです。これは民間の企業の方々もそれをずっと言われていて、郵政もそれをずっと言っていると思うのですよね。
 ところが、いざこうやって予算関連となって、じゃ支援しましょう、お金をつけましょう、そうなってきますと、どうしても、やはり税金を使うわけですから、大蔵省の方としては、財布を預かる身としては、マルチメディアよりももっとこっちの方が、マルチメディアなんかうさん臭い、こういったイメージがあるのじゃないのかな、そういう話も聞きますし、ここら辺のところは、郵政大臣が今回の推進本部の副本部長にもなっているわけですから、これは積極的に、積極的というか、本当に先頭に立って頑張っていただきたいと思いますし、そこら辺のところのお考えをできればお聞かせ願いたいと思います。

○大出国務大臣 今いろいろお話がございましたが、おくれている、あるいは進んでいるという見方がいろいろございまして、十年前にアメリカなどを中心にゲームの国際的な大戦争があった時代があって、アタリ社なんというのが大変に売り上げを伸ばしまして、ところが、ソフト管理が悪いからこうなってしまいまして、任天堂というのは今年間五千億を超えるのですよ。国際電電、KDDが二千三百億ぐらいですからこの倍以上あるのですから。なぜそうなるかというと、確実なソフト管理をしているからですね。任天堂のスーパーファミコンというのは、ハードが全国に一千万台を超えてしまっているわけですから、ここにソフトを流すと確実に売れるわけですから。セガ・エンタープライゼスの皆さんなどがCATVを使ってオールナイトで流しますと言ってみても、四カ月ぐらいおくれるのですよ。だから成功しない。いろいろな問題があって、だから一概には言えないと思うのですが。
 しかし、一生懸命やらなければならない時期に来ている、これだけは御指摘のとおり間違いないわけでございまして、したがって二十一世紀の通信・放送の融合に関する懇談会などもございまして、今進んでいるわけでございますが、そういう時期も参ります。したがって、多角的な視野から検討を進めまして、ソフトの流通に関する検討会、これも今進んでいるわけでございまして、知的所有権のあり方というのが最終的には非常に大きな問題になろうと思うのであります。アメリカのFCCのハント委員長に会って話してみますと、大変な競争現象が通信分野で出てくるんだけれども、行き着くところは知的所有権の問題だということになる。
 物の本を読みますと、日本がガードをすることがいかにも下手だという。確かに光ファイバーというのは三十年前に西沢潤一先生が、今東北大学の学長でいらっしゃるのですけれども、先生が開発したものですからね。だからそういう意味でいうと、そこらもよほど気をつけてこれから本気でひとつ取り組んでいくようにしないと、いいものが育ってこない、そんなふうに思っておりますが、全力を挙げて一生懸命やってみたい、こう思っております。

○高木(陽)委員 大臣、本当にやる気満々で、しっかり頑張ってもらいたいし、私どもも全力的に支援をこの分野についてはしていきたい、こう思っております。
 そんな中で、今任天堂の話で一千万台ばあっとあるという、まさにこれだと思うのですね。ソフトのことも重要だ、本当に車の両輪ですから。そんな中で、一番最初に申し上げました、本当に一人一台パソコンを郵政省持っていただいて、またはほかの省庁も持っていただいて、または議員も持つ、そういうような形を、早くそういう時代を迎えないと、幾ら言葉で言っても、幾ら頭の中でこんな番組が、こんな新しい制御型番組がだとかいろいろと言っても、なかなかそれが実態として身についてこないな、そんな気がいたします。
 あと、今大臣の方からもちょっと出ました知的所有権の問題、いわゆる著作権の問題が、これはまさにこれから重要な問題になってくると思うのです。しかも、今回の制御型番組というのは、例えば私がイメージしているのは、ある意味ではCDIROMみたいな形になって、いろいろと画面が幾つもみたいな形で、これを引き出してだとが、そういうのをつくっていく上において、組み合わせの問題もいっぱいあると思うのですね。組み合わせになったときに、ではもとの版権、これはどうなってくるのかだとか、いろいろな問題があると思うのです。
 文化庁もずっとやっていると思うのですけれども、郵政省としての特にマルチメディアソフトにおける著作権の考え方みたいなもの、これをお聞かせ願いたいと思います。

○江川政府委員 ただいま先生御指摘のように、マルチメディア時代の特徴の一つとして、確かに、他人の制作したソフトを利用してつくったソフトがさらに今度別の人に使われる、いわばソフト制作者イコール利用者というふうになってしまう。従来ですと、著作権者は著作権者、利用者は利用者で、いつも金をもらう人、払う人、こうなっていたところがあろうと思いますが、今後はもう入り乱れてくるということに確実になると考えております。そういうのが今回の著作権問題の議論をする上での大変難しい問題の一つであるし、重要な問題だな。
 それで、郵政省としましては、実はまことに申しわけないのでございますが、どうこれに対応していったらいいかという考えの整理がまだできておりません。ただ、これはしかし重要な問題だということで、世の中の識者にお集まりいただきまして、また文部省の専門の方にも入っていただくというような形で、そういう著作権問題をどう処理するのかということを多角的な立場から検討しようということで、今しております。始まっているところでございます。二年を予定して検討するということにしてございますが、そういったような答えを、考え方をいただいた上で、我々として適切な著作権対応の施策を打ち出していきたいな、そう考えているところでございます。

○高木(陽)委員 このソフトの著作権の問題も、まだ現実的に直面していない部分ですね。想定していかなければいけないということなので、では現実問題としてこれとこれとこれ、今までですと、著作権者というか制作者の方が、勝手に使われているよ、こういうふうに言われたことによって初めて問題が生じてというようなパターンが多かったと思うのです。ところが、今回の制御型番組の制作に関しましても、まだできていませんし、これからいよいよやっていこうということなので。
 でもこれは、今までの著作権の感覚、今、江川局長もおっしゃったように、払う側ともらう側というか、そういう立て分けがしっかりしていれば、何か問題が生じたときに、そこで話し合いをするだとかまたは第三者がその調停に当たるだとかできたと思うのですけれども、女さに今回のマルチメディアソフト、またこの放送ソフトもそうですけれども、利用者がそのまままた送り手になったりだとか、境界線がなくなってきている。
 もっといいますと、これは放送ソフトだけではなくて、これからの通信と放送の融合みたいな形、マルチメディアというのはまさにその融合ですから、こうなってきますと、一体どこで線を引くんだ、どこまでだったらお金を払い、どこまでだったら権利が放棄されちゃうのかだとか、これは本当に難しい問題。それで、ケース・バイ・ケ一スとなりますと、これは何万、何百万、何千万といったケースになってきてしまって、これはできないと思うのですね。だから、ある一定のところでびしっと線を引くしかないのかな、こういう気もするのですが、そうはいってもまだまだ、何度も申し上げますように、現実ない問題ですから、それを想定しながらやれといってもなかなか難しいのが現実なんです。
 これはまさに、文化庁もやっていると思うのですけれども、これこそ郵政省が、今までのノウハウ、また、これからの技術を支援していくといっ
た立場からリーダーシップをとらないと、今までの感覚の著作権との問題を取り扱ってきた人たちが中心となってやってしまうと、本当にわけのわからぬ、本当にためにする著作権論議になってしまうのじゃないかな、そういうふうに思うのです。
 そこら辺のところで、郵政省がもっと一歩も二歩も先んじてやっていかないとこの問題というものは解決していかないし、もっといえば、混乱が起きてしまってからではもう手おくれになる、そういった危機感を私は持っているのですけれども、そこら辺のところで、どういうふうにお考えか、できればもう一言。

○山口(憲)政府委員 このマルチメディア時代を迎えての著作権の問題というのは非常に難しゅうございまして、先ほど江川局長からも御説明いたしましたように、現在、懇談会を開きまして、その中に専門部会をつくっていろいろ研究をしていただいているということでございます。
 この問題、まだ具体的にどう処理するかというところまでの展望ができておりません。いずれにいたしましても、一つは、著作権を保護するということが非常に大事なことでございまして、それがないとなかなか創意工夫をというその動機づけができませんから大事なことでございますが、それと同時に、今度は自由に使えるという部分も大変大切な部分でございまして、そこがうまくいきませんと、せっかくできているすばらしいものが現実に生かされない、こういうことになりまして、その辺のバランスをどうとるかというのが非常に難しい問題でございます。
 いずれにしましても、今いろいろ議論しておりますのは、そういった中で、著作権の処理の仕方、どういうところにどういう手続をすれば自由に使えるのか、そしてどういう形でそれが保護されるのか、その辺の手続の部分が透明になることが非常に大事じゃないかなというふうに思っております。
 実は、今関西の方で新世代のプロジェクトをやらさせていただいておりまして、あそこでもいろいろなものを実験しておりますが、常にこの問題が絡んでいるということでございまして、現実的にもいろいろ勉強させていただいているということでございます。

○高木(陽)委員 時間も大分迫ってまいりまして、この法律、いわゆる制御型番組の問題だけではなくて、今度は、最後に幅広い形の問題についてお伺いしたいと思います。
 というのも、これはよく言われている、郵政省と通産省の縄張り争い、こういうふうな言い方をマスコミはおもしろおかしくとらえられていますし、そんな中で、日経新聞の記事なんですけれども、ずっと「通信が危ない」「ソフトヘの"成さざる罪"」、こういった企画の中の一つで、ちょっと読みたいと思うのです。
 通産省が横ヤリ
 郵政省が検討を始めたのは昨年の夏。郵政の外郭団体、「通信・放送機構」が保証人になり、ソフト開発への融資を受けやすくする制度であり、業界側も粟田やバンダイ社長の山科誠らが組んで支援に動いた。だが、外郭団体の「マルチメディアソフト振興協会」でソフト育成をそれなりに進めていた通産省から横やりが入った。
 ――郵政省が所管しているのは放送・通信など「ネットワーク」で、「ソフト」なら我々にも相談が欲しい。通産省です。
 ――マルチメディアの主務官庁は我々。重要なソフト振興を考えるのは当然(郵政省)。
 両者の間ではこんなやりとりがあったようだ。結局、「調整できないなら予算は付かない」という大蔵省の一言で、対象は垣根問題の発生しない放送ソフトヘと変更された。こういった指摘がございます。
 これは、事実がどうかという問題以上に、こういった形で指摘され始めている。または、ずっと、このマルチメディアという問題が出てきてから、本当に郵政省と通産省の垣根の問題ということでいろいろな指摘があったと思うのです。だからこそ内閣の中に、政府の中にその推進本部をつくって、総理が本部長となり、また郵政大臣が副本部長となってという形をとったと思うのですが、一体それがこの半年の間に、実際今回法案をつくるに当たって、垣根の問題等々も出たのかもしれません、かもしれませんけれども、通産省と郵政省の絡み、こういったところを、今現状こうなり、また今後こうなっていくみたいなところで、できればお話し願いたいと思います。

○山口(憲)政府委員 今新聞を取り上げていろいろお話がございましたけれども、私はその立場におりまして、そんなに書かれるほど、何かえらく対立の図式で説明をされますのでどうも、現実は、もちろんいろいろ話し合いをさせていただいているということはございますけれども、そんなに対立の図式で描かれるほど通産省と厳しくやっているというふうなことは、私は感じておりません。
 今回の法律も、先ほど申しましたように、私ども自身が、やはり民間の皆さんと一緒に呼応して仕事をやっていくということなると、どうしても採算性があるというか、そういったことを考えませんと、何でも幅広くやればいいということにもなりません。そういった意味で、私どもはみずからこの放送の分野というところに焦点を合わせて、そして、まあ今これはやってみるということですから、そういうことでやらさせていただくのがよいのではないかということの判断をさせていただいているということでございます。
 それで、お話しのように、ここに盛られるこの中身等々を、関係省庁はたくさんございます、そういった意味では、この法案の中にも関係行政機関の長と協議をして進めるというふうな条項も入っておりまして、実際の運用に当たっても今御指摘を受けたようなことのないように進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

○大出国務大臣 私からも一言申し上げておかぬとまずいので申し上げますが、郵政、通産というのは、何も日本だけではなくて、いろいろなことを言われる分野が外国にもあるのですよ。これは無理もない面もあるのですね。つまり、コンピューターといったら通産だという式の物の考え方があるからなんですよ。だけれども、それじゃ全体として進まない。予算をつけてもらおうといって大蔵とやりとりをするのに、通産と郵政でけんかしたら何もできませんしね。
 ですからここは、今の通産大臣が橋本龍太郎君で、私は同期なものだから、そこのところを話し合いまして、一切ひとつけんかをしないことにしよう、今一番大事なことはマルチメディアの方向に向かって進めること、話し合って分担をきちっと決めればいいということでやってまいりましたから、そういう意味でけんかはほとんどないので、そこに書いてあるのはちょっと書き過ぎたという気がするわけでございます。
 ですから、今度ブラッセルの会議も、第一セッションは私の分野だから私が、第二セッションは通産の分野だから、電子図書館その他は文部も絡みますけれども、君の方でというふうに分けていきまして、そのとおりやっているわけでございまして、何とかそこは、そうならないようにしないと総力発揮できませんので、やっていきたいと思っております。

○高木(陽)委員 大臣同士でそうやってうまくやっていただける、これが本当にまさに大切なことであると思いますし、利用者の側から見ますと、通産がやろうが郵政がやろうが関係ないのですね。要はそれがしっかりと、使いやすいように、または普及をして本当に利便性がある、こういったことが一番大切なことだと思います。
 特に自分自身が、自分もまだ一年生の議員なんですけれども、その前が新聞記者をずっとやっておりました。それで、いろいろなふうに取材をしたときに思ったのは、やはりつくり手と受け手、または生産者と消費者、この感覚、どうしても通産省というのは生産者側、メーカー側というような発想がかなりあるのは、これはやむを得ないと思うのですね、まあずっと長年の歴史があります
から。
 しかし、このマルチメディアの場合は、二十一世紀の新産業として発展させていく百二十四兆円の産業だという、これも重要な一つのタームなのです。
 もう一つは、利用者の側、さっき横先議員の質問の中でも出ていた福祉の問題だとか、いわゆる障害者が使いやすいかどうかだとか、そういった立場に立って、やはりこのネットワークなりまたは光ファイバーの問題、さらには今回の制御型の番組の制作の問題、そういうソフトの問題、これをとらえていかなければいけないのではないか。そのためには、やはりメーカー主導、こう言ったらちょっと語弊があるかもしれませんけれども、そういった角度以上に、現場の感覚、または利用者の感覚、そしてそのネットワークを広げていく上に必要な感覚といったところで郵政省が本当にリーダーシップを発揮していかなければいけないし、また、それをやらなければ結局、産業だけ、メーカーだけが先行してしまって、利用者がいない、そしてその産業がだめになってしまう。
 一昔前にニューメディアということでいろいろと騒がれました。その中で、生き残っているものもあればもう廃れているというか、余り利用しないものもあります。そういったことにならないように、これからのマルチメディア社会における郵政省の役割、またその第一歩としての今回の法案、そしてその支援政策、これをさらに今後も推し進めていくことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。


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