会 議 録

第132回 衆 「逓信委員会」 9号
1995/4/26

○高木(陽)委員 午前中から本当に御苦労さまでございます。
 外国債の問題についてずっと午前中からいろいろと御質問がありまして、少々ダブる部分もあるかもしれませんけれども、お答え願いたいと思います。
 先ほども外国債の運用メリットということで、高木局長が二つあるとおっしゃられていた。一つが国内債に比べ利子収入が多い、あともう一つは国際的にリスクの分散。ただ、現状円高が進みながら為替差損のデメリットが出てきた。さらに、どれくらいの含み損があるか。先ほどの御質問の中で、平成五年度末で郵貯の方で四千六百億、さらに簡保の方で九千百億、これは余りにも、やはり普通の感覚で言いますとかなりの額だな。やはり、先ほども何度もずっと出てまいりました、国民のお金ですので、そこら辺のところで六十三年ぐらいからそういう話をいろいろやって、大蔵省の方がうんと言わなかった。これは正直言って、局長そのころ局長ではなかったと思いますし、大臣もそのころ大臣ではなかったですし、私どもも、一時は与党になりましたけれども、その当時は多分野党でした。こういうような形で、何か責任というものがはっきりしないままずるずる来ているというのは、これは今回の問題だけではなくて、あらゆる問題にも普遍的にあるのではないか、そんな気がしているのです。
 そんな中で、ではどうしていくのかということで今回のいろいろな対策があると思うのですけれども、先ほど大臣のおっしゃられた外国債を減らしていく、こういった中で、今後の、今現在もう百円を切ってしまって八十円前後ですね、そういう為替レート、ここら辺の見通しをしながら、償還期もう来ているのも幾つかあると思うのですけれども、その前にもう、とっておいても差損がどんどんふえてしまいますから、そこら辺の売却の考え方、ここら辺はどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

○高木(繁)政府委員 じっと償還を待つだけでなしにと、こういう御質問であるわけでありますが、率直に申し上げまして、簡保の場合には若干の売却も行っております。ただ、年度末近くになりまして、簡保が大量のカナダ債を売ったのではないかみたいな新聞の先ほどお話がございました。ああいう犯人のぬれぎぬを着せられるという可能性が非常に高いものですから、私ども、やる場合にも大変注意をいたしておりまして、例えば、一回当たり十億円を限度にするとか、どんなに頻度が高くても週に一回ぐらいにするとかいう形で、トータルとしても少額のものの売却を行っております。さらにこれをふやすということになりますと、今の為替の状況の中ではそれこそ大変なことになりかねないと思いますので、やはりこれからの状況を見ながら、そういう方法についても考える余地があるな、こんな感じを持ってお聞きしたところでございます。

○高木(陽)委員 まことに市場への影響等がありますので、ここで局長がこうこうこうしますなんて言ったら、また大変な問題になってしまうという、そこら辺はわかるのですけれども、預けている国民の感覚ですね、やはり国がやっているから安心だということで郵貯にしても簡保にしてもかなり預けていると思うのですね。その預けている人一人一人にしてみれば、ある意味ではなけなしのお金というか、庶民感覚でいいますと本当につめに火をともすというか、そういう形でやっているわけですよね。これがだんだん郵貯だとか簡保という形になりますと、額としてはすごい巨額なんですけれども、一人一人を見ればすごい少額またはそういう中でも地道にやっているというか、そういうものに対する感覚をやはり持っていただきたいと思います。持っているとは思うのですけれども、こういう法案審議を通じてさらに確認をさせていただきたいな、そういう思いで伺いました。
 続いて、先ほどもまたちょっと出ていた外国債の運用に対しての考え方ということで、職員の訓練等々研修をやっていかなければいけない。これはまことに必要なことで、私どもはある意味では外国債の問題だとかについては素人です、実際問題、自分たちは買ったこともありませんし。そういう中で、やはり訓練、では銀行に受け入れてもらって、またはそういうところに行けば何とかなるか。それだけだとやはりだめだと思うのですよね。そこら辺のところでもう一歩何か、失敗しないというか、安全にというか、そこら辺の考え方がもしございましたらお聞かせ願いたいと思うのですが。

○高木(繁)政府委員 先生のお尋ねにぴったりするかどうかわかりませんが、一つ私ども考えておりますのは、職員の訓練、研修を基本にいたしまして、その次に、広い意味では訓練、研修でございますが、実地訓練、派遣した上での訓練、それからすぐにその後実施ではなしに、その前段階に一種模擬訓練と申しましょうか、競馬の新聞見て買ったつもりになって結果を検証するという、ちょっと変な例で恐縮でございます、そういう意味での一つのシミュレーションと申しますか、そういうやり方ということで、多少なりとも現実の運用に当たってのノウハウというものが得られるのではないか、こんなことも考えておりまして、こういうものをできるだけ工夫しながらある程度の期間を続けた上で実施に続けていきたい、このように思っております。

○高木(陽)委員 それで、あと続いて外為、いわゆる外国為替の方の為替取引で先物でやっていくということで、これはもうずっと出てきた本当に素朴な基本的な問題として先物外国為替を加えることにした理由ですね、こっちの方がいいだろうということなんですけれども、そこら辺のところをもう一回お聞かせ願いたいと思います。

○高木(繁)政府委員 大変な問題になっております為替差損、これをできるだけ為替変動リスクから守って、将来の為替差損の発生をできるだけ軽減をしたい、結果、資金のより有利な運用に資したい、これが理由でございます。

○高木(陽)委員 そうしますと、いわゆる為替の取引というのは、ある意味ではもうリスクはあるわけですね。だからヘッジをかける。わかるのですけれども、そんな中で、今回証券会社に委託、これは午前中に木村先生だと思うのですけれども、委託の仕方、これについて御質問があったと思いますが、再度ここをちょっと確認をさせていただきたいと思うのです。
 というのは、これは委託する。証券会社を経由しないと、じかに簡保資金がどんと来るまたは郵貯が来るとなると市場の変動は大きいですから、これはもちろん何かを媒介にしなければいけないというのはわかります。木村先生の午前中のお話だと、何か証券会社はうさん臭いみたいな、そういうようなニュアンスで、では委託して大丈夫なのかみたいな、そこのところで、各局長もお答えになっていたと思うのですけれども、こちら側がしっかりと主導権を握りながらやるといったことをおっしゃっていましたけれども、それを、いつどこでだれが判断し、やはりだれかが判断し、ではこの先物で幾ら、これは幾らというふうに決めると思うのですけれども、それはどういうような形で決められるのか、それをちょっとお答え願いたいと思います。

○高木(繁)政府委員 今回の考えておりますスキームは、私どもの方ですべて内容を決定して、その内容、指示に従って証券会社に動いてもらう、これを考えているわけでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、例えば予約のレート、予約の額あるいは期間、実行日ということでもよろしゅうございますが、あるいはその予約を行うタイミングというような取引条件全般について、私どもの実際に運用を行う部門で市場動向を見た上で決定をいたしまして、これにつきましては先ほど申し上げましたように複数の人間の判断というものを加えるということでございますが、決定をした上でその内容を証券会社に電話で連絡をするという形になろうかなというふうに思っております。
 なお、その内容を確認をするために、私どもの運用担当セクションの職員とそれの相手側であります証券会社の担当者、それそれについては事前に明確にしておくという手続でありますとか、あるいは事後に私どもの指示どおりに取引を実行したかどうかという確認は、これはまた文書で行うということを考えております。

○高木(陽)委員
 そうしますと、事後にも確認するというような形で複数の職員、郵政省の職員の方が決めていく。これも、特に為替の問題、これはだれもが予測がつかない問題で、本当に難しいな。だからこそそういう研修、研修をやればそういうのがわかるかといったら、きっとわからないと思うのですよね。だから、より多くの情報を集めながらそういう判断を下さなければいけない、それはわかるのですけれども、そこら辺のところで本当に何度もずっと繰り返されてきた慎重にさらに確実にという方針、それをはっきりさせていただきたいなということ。
 あともう一つは、民間の企業ですと、責任というのははっきりするわけですね。例えば、この間のベアリングズ社みたいな、だれがやった、だれのせいで、それで背任になりますよね、そういうのは。ただ、郵政省の場合だと、そういう複数の人間がやって、局として責任をとるのか、大臣が最終的に責任をとらなければいけないのでしょうけれども、そういうような何かあいまいな形というのがあるのではないのかな。その担当者を、おまえの責任だ、こうは言えないと思うのですけれども。
 今問われているのは責任をだれがしっかりとるのかという問題が大きいと思うのですよ。そういう点で、最終的には大臣が腹をくくって私の責任だということでやっていただけると思うのですけれども、そういうところもしっかりと考えていただきたいなと思います。これは回答は要りません。
 そんな中で、取引をした後の情報開示という、先ほど古賀先生がちょっとおっしゃられてお伺いしなかったのですけれども、情報開示の問題、これは開示するとまた市場の影響というのもあるのですけれども、逆に言えば、その事後にこうであったというような形、これもちゃんと、皆さんというか国民のお金ですから、こういうふうにやりました、それでこうプラスになりました、こうマイナスになりました、こういう部分の情報開示としては考えられているのかどうか、それをお伺いしたいと思います。

○高木(繁)政府委員 情報開示、どの程度かという問題がまず基本的にあるわけでございますが、開示を行うことによって市場に悪影響、良影響あるかどうかわかりませんが、いろいろな影響を与えるだろうという考え方、それから一方では、先生御主張のように、取引の透明性を確保するという観点、あるいは利用者の保護あるいは利益を擁護するという観点から開示の必要性がある、こういうこと、さまざま考えますと、隠すというような考えは毛頭ございません。けれども、私どもの会計は基本的には国の会計になっておりますので、やはり私どもだけではという感じがいたします。官庁間の横並びというと変ですが、整合性の問題でございますとか、あるいは企業会計審議会での検討状況等を含めて、やはり総合的に考えさせていただきたい、このように思っております。

○谷(公)政府委員 民間金融機関におかれましても各業態ごとの接続が進んでおります。しかし、先生御指摘のように、全国的な郵便学窓口あるいはATM、CDの配置ということを申しますと、私ども郵便局は全国すべての市町村に必ず設置されておるわけでございますけれども、民間金融機関の設置されてない市町村というのはかなりあるわけで、ちょっと市はありませんでしょうけれども、村は随分あるわけでございます。したがいまして、今後二十一世紀、マルチメディア社会を迎えることとなるわけでございますし、こういったシステムについてはできる限り接続していくという趨勢にあるのは当然のことでございますので、私どものネットワークと民間のネットワークを接続していくことによりまして、利用者の方々も大変利便な状況になりますし、また民間の商品につきましてもその利便性を増すことになると考えます。
 そういった観点から、民間金融機関とのATM、CDの相互接続につきまして、まず調査研究をしたいということで平成六年度、七年度の予算要求をしたところでございますけれども、民間金融機関の反対が背景にあるといった事情もございまして、残念ながらまだこの予算は成立を見ておりません。
 しかし、いずれにしても時代の趨勢でございますので、こういったことの必要性について関係者それから広く国民の皆様の御理解、御支持をいただいて、こういったところからまず接続の可能性、条件について検討する取り組みをしてまいりたいと思っております。

○高木(陽)委員 接続してもらいたいという支持はほとんどだと思うのです。はっきり言って反対しているのは銀行だけです。一億二千万のほとんどの人はこれをやってもらいたいというふうに言っているはずです。その一部銀行、では銀行の職員またはその関係者、その人数と利用者の人数、アンケート調査をやったら、世論調査をやったら絶対にやってもらいたいという結論が出るわけです。もう見えているわけです。あとは、大蔵省は突っ張っていると思うのですけれども、この壁を打ち破らなければいけないし、では大蔵省は何のためにあるかといったら、これは国民のためにある省庁であって、一部銀行だとか一部業界だとか、そんなためにあるのじゃないと思うのです。そこから考えますと、ここはまた郵政大臣がリーダーシップを発揮して、その壁をばしっと打ち破っていただきたいと思います。
 これからいろいろと、この問題からまたちょっとずれてしまうかもしれませんが、規制緩和だとか何だって、一部業界、それは守らなければいけない、その人たちは生活しているというのはあると思うのです。しかしそれだけで、ではほとんどの国民が不便を感じている問題、こういうものに関してはやはり決断をしなければいけないと思うのです。今までなあなあでやってきた。そんなことやったら銀行が圧迫されてしまうだとか、また一部業界がだめになってしまうだとか、言葉はすごく乱暴かもしれませんけれども、これだけ経済が複雑化してきて、いろいろなニーズがある。もっと言えば、一億二千万人の国民全員が納得するものというのははっきり言ってないわけです。そんな中で、政治というものは基本的に最大多数の最大幸福ですから、こういった原理の中で、それだけのニーズがあることは押し切らなければいけないのじゃないかなというふうに私は思っているのですけれども、大臣、もう時間もないので、最後にそのお考えを。

○大出国務大臣 私も本当に高木さんと同じ考え方なんですよ。実は九一年に臨時行政改革推進審議会ができまして、九二年、九三年、三年間これを審議しているのですね。貯金の問題というのは豊かなくらし部会で審議が始まりまして、この中に政府関係のグループの小さな部会をつくりまして、稲盛さんが会長で、政府の役割グループというのですね、これをずっとやってきまして、その経過をずっと追って、私、総務庁の今の次官の八木君のところが事務局だから、その間ずっとフォローしていろいろ調べたのです。実に納得しがたい議論ですよ。経団連試案とか稲盛さんの私案とか出てくるのですが、それを最終的に九三年十月二十七日に答申が出た中で、巨大化する懸念を何とか解消するようにして経営してくれ、これでおさまったのだから、だからこれを原点にして、四の五の言わずに国民のためにという視点で、大蔵省、物の考え方を変えるというのが私の言い分なんです。ですから、それは機会を見てまだ物を言うつもりでおります。

○高木(陽)委員 時間も来ましたので、本当に大臣のリーダーシップも期待しておりますし、私どもも国民の負託を受けて議員とならせていただいているわけで、その国民のニーズをしっかりと実現するのがやはり政治の原点であるな、そういうふうに考えています。また、郵政省の事務方の方々もそういった国民のニーズというものを、予算を握っているのは大蔵省ですけれども、そこら辺のところはまた一丸となって頑張っていただいてやっていただきたいな。ちょっと応援演説みたいになりましたけれども、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


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