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会 議 録
第132回 衆 「逓信委員会」 11号
1995/6/6
○高木(陽)委員 新進党の高木陽介でございます。きょうは、決算というよりも、それ以上にNHKの事業全般に関して御質問させていただきたいと思います。
まず、今直前に江川局長の方からもお話がありました映像国際放送、昨年の六月の放送法改正によって映像国際放送をやり始めるというような形で、このことについてお伺いしたいのですが、まず、北米はジャパン・ネットワーク・グループですか、欧州はジャパン・サテライト・テレビジョンというような形で有料で今までやっておられたと思うのですが、そのような中で、このたび映像国際放送をやっていくということで、現状の放送時間、番組内容、そして、これはわかればで結構なのですが、その視聴率等々というのはわかるのかどうか。また、そういう今後の展望について、全般的ですがお聞かせ願いたいと思います。
○齊藤参考人 放送時間、番組内容でございますが、現在、欧州地域で一日三時間十分、それから北米地域で五時間となっております。番組は、ニュースあるいはニュース関連番組が中心でございます。
いわゆる視聴率という調査はまだやっておりませんけれども、いわゆる視聴状況についてのアンケート調査は最近実施しております。外国人を含めまして、NHKの映像国際放送が広く視聴されているということが明らかになっております。「おはよう日本」あるいは「ニュース7」などは非常に視聴されているということでございます。
今後の展望でございますけれども、国際交流を一層進めるということを当然考えております。映像国際放送の放送時間を順次拡大いたしまして、それから対象地域も広げていくということでいきたいと思います。それから、特に、アジア・太平洋地域でも映像国際放送を開始するための条件を、基盤づくりを進めていきたいと思っております。さらに、最終的には世界各地で映像国際放送が受信可能となるネットワークを整備していきたいというふうに考えております。
○高木(陽)委員 今、現状をお聞かせ願ったのですが、これからもさらにどんどん展開されていくと思うのですね。
そこでやはり気になってくるのが、今、北米五時間、欧州三時間十分ですか、こういうような状況でスクランブルが解かれて無料というような形でやっていくわけなんですが、この経費というものは、基本的に受信料から払っていただいているわけですね。受信料は日本の国民がNHKを見るために払っているわけで、国際理解を深めるということでこれはどんどん展開しなければいけない、そのような考え方はわかるのですけれども、実際問題、受信料を払っている人以外の人がどんどんまた見ていく、ここら辺の関係性をどうとらえていくのか。これをちょっとNHK及び郵政省、それぞれ御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○齊藤参考人 今後、放送時間を拡大しますとともに、経費は増加してまいります。今先生おっしゃられますように、国内視聴者からの受信料を経費に充てるということは一定の限度が当然あるわけでございまして、今後映像国際放送の強化に伴ってこの点をどうするかというのは、映像国際放送の動向を見きわめながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○江川政府委員 受信料を映像国際放送に充てることについての議論は、昨年放送法の改正をしていただきましたときにお答えいたしましたと同じことを、今ここでもまた繰り返させていただくことになりますが、この映像国際放送につきましては、放送法の四十四条とか九条とかによりまして、NHKの正規の業務として書かれているところでございます。正規のといいますのは本来業務ということでございますが。
それで、本来業務として、我が国の事情を紹介して国際親善の増進や外国との経済交流の発展に資するとともに、海外同胞に慰安を与えるという公共放送機関としての役割を果たすために、そういう正規業務として定められているところでございます。したがいまして、その放送は国民全体に利益をもたらすものとなりますので、受信料で負担しても問題はないと考えているところでございます。
○高木(陽)委員 映像国際放送のことはそれでちょっと置いておきまして、さらにそれに関連するというか、今度はラジオ・ジャパン、ラジオの方の国際放送です。
NHKが発足してから十年後ですか、一九三五年六月一日にこのラジオ・ジャパンができて、ことしでちょうど六十周年。現在のラジオ・ジャパンの状況、例えばこれも放送時間または使用言語、受信国数、ここら辺のところをちょっとお聞かせいただきたい。
あともう一つ、これとともに、現在それでどれくらい経費がかかっているのか。それとともに、そのラジオ・ジャパン、いわゆるラジオでの国際放送に対して国がどれぐらい支援をしているのか。ここら辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○齊藤参考人 平成七年度で申し上げます。ラジオ・ジャパンの放送時間は、二十二言語、一日延べ六十五時間実施しております。ちょっとその中身を申し上げますと、一般向けの放送は日本語と英語で三十一時間、それから地域向けの放送は二十一言語によりまして三十四時間、こういった規模で、全世界に及んでおるということでございます。
それから、経費でございます。国際放送の実施に要します総経費、これは予算額でございますが、九十七億三千七十五万、そのうち政府の交付金は十八億六千五百二十八万円でございます。
以上でございます。
○高木(陽)委員 今九十七億かかって、そして政府の方が十八億六千五百二十八万、これもやはり受信料の中からやっていただいていると思うのです。特に、これは先ほどの映像国際放送も加わってくると思うのですけれども、やはり海外向けに対する発信、これは今後さらに重要になってくると思われるのです。その中において、これを全部NHKへお任せしますよ、NHK全部やってちょうだいね、これはNHKとしてもかなり負担はあると思うのですね。
やはり、これから情報化社会がさらに進む、国境もどんどんなくなってくるというような状況にあって、電波によるいろいろな情報発信というのは本当に重要になってくる。そんな中において、今後の政府、国からの支援、こういったものがもっともっとあってしかるべきではないかなというふうに私個人は思うのですけれども、そこら辺のところを郵政省はどう考えているか。やはりこれも、お金の問題になりますといつもいつもここでお話しするのは、大蔵省の問題となってきて、大蔵省がはいと言えば、じゃ郵政省どんどんやりましょうというふうになるのでしょうけれども、そこら辺、郵政はどのように考えておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
○江川政府委員 先生が私の答えをお答えいただいてしまったようなところがございまして、まことに申しわけないのですが、やはりこの郵政省が出しますお金は、先ほど十八億六千五百万というふうに申し上げましたけれども、これは放送法第三十三条で、NHKに対してこういう放送をしてくれという命令をすることができる、その命令した部分についてつけていく金のことを言っているところでございます。
その意味で、郵政省の側から申しますと、国の側から申しますと、こういう放送が必要だという範囲があって、それに金をつけるということで、本当はお金の前に、必要な放送の範囲、内容というのがあるわけでございまして、本当はというよりもそういう仕組みになっておりまして、そういうふうにやっているわけでございます。そのことが今、その必要量が結果として十八億六千五百万という額になっているというのが、まあ郵政省の立場というか、お答えになるわけでございます。
しかし同時に、お金はあればあるほどいろいろな放送ができるというわけでございますから、それは当然でございまして、私たちも、平成八年度にもまた増額の要求を多分することになるだろうと思います。その意味では、財政当局との相談ということもしながら、予算の許す範囲でできるだけ強化していきたいと考えているところでございます。
○高木(陽)委員 本当に努力をしていただきたいとしか僕の方からも言いようがないのですけれども、これから国際放送というのが本当に重要になってくるというのはだれもが指摘していて、規模がだんだん拡大する、放送時間が多くなる、発信する国がだんだんふえてくる、こういうような形になってきたときに、これを全部受信料で賄えとなると、やはりこれはかなり限界がある。そうでなくてもNHKが肥大化しているといろいろと言われる中で、これはやはりいろいろな形の支援策は考えた方がいいのじゃないのかなと思うのです。
これは、回答はもうさっきいただきましたので、郵政省全体としても、お金の問題は本当にいつも大変なことだなと思いますけれども、やはり今後の日本全体の利益になりますし、そこら辺を十分に御考慮いただきたいなと思います。
続きまして、先ほど小沢委員の方からもお話がありましたが、今度はオリンピックについて。
先ほど放映権料について御回答がありましたけれども、その中で、今とにかく円高ということで今回は何とかクリアしてしまったな、こういうふうに思うのですね。でも、今後、長野もあるし、さらにその次のシドニーですか、といった形で、どんどんまた高騰していくのではないか、こういう不安が、やはり一視聴者の側からも、また受信料を払っている側からしてもあると思うのです。
じゃ、これをだれが負担するのか。視聴者、そして受信料を払う人がまた巨額なその放送権料を払わなければならない。これは本当に大変なことで、じゃ、どうやったら歯どめがかかるのか。これは交渉事ですからなかなか大変なのですけれども、そこら辺の方策を本当に真剣に考えないと、これは天井知らずでどんどん上がっていってしまうと思うのですね。そこら辺のところで、高騰の歯どめを今後どうしていくのか。
それとともに、これは受信料にはね返ってほしくないというのが、やはり視聴者側からの要望だと思うのですね。これは虫のいい話で、オリンピックは見たい、いい映像が見たいと言いながら、お金は余り取らないでという、一般国民というのはそういうような感覚を持っているのが当然ですし、そこら辺のところで、受信料への影響は今後していくのか、していかないのか、そこら辺のところを明確にお答え願いたいと思います。
○江川政府委員 基本的にはただいまのNHK川口会長の御答弁と共通するところでございますが、NHKが保有いたしますメディアについては、今ここで七がいいとか、六がいい、五がいい、八がいい、九がいい、そういうことをにわかに申し上げられるものではございませんが、基本的に、これは将来にわたって固定的なものではないんだ。そしてNHKを取り巻く環境とか視聴者のニーズ、NHKの今後のありようとか、あるいは財政状況、民間放送との関係など、先生おっしゃいましたようにマルチメディアの中でNHKは何を果たしていくのか、どういう役割を果たしていくのか、そういうこととの兼ね合いの中で絶えず見直しといいましょうか、事のよしあしを議論していけば、考えていけばいいんだな、そういうスタンスで臨んでいきたいと考えております。
○高木(陽)委員 局長、会長の方から特色を発揮するというような言い方をされて、ここでちょっと気になるのは特にスポーツ番組、海外からのスポーツ番組、オリンピックですとか。そんなときに今までよくあったパターンが、衛星第一は生放送をします、それから一時間ぐらいおくれた録画を総合テレビの方でやっている。普通の人は総合テレビで見るわけで、何でこっちは録画なんだと。衛星放送の場合はさらに受信料高い分を払っていますからその分サービスしなきゃいけないという感覚はわかるのですけれども、結局同じ放送を時差をつけてやっている、これはまさに特色がない。しかも、見ている人はやはり衛星よりも総合テレビの方が多いわけで、こっちの多くのニーズを無視したやり方、これが今まで何回かあったんじゃないのかな。今後さらに、来年アトランタだとかそういったものがあると思います。こういった衛星で生総合テレビで録画、この関係性をどのようにとらえていくのか、これをお答え願いたいと思います。
○齊藤参考人 総合テレビでございますが、この位置づけは、幅広い視聴者にニュースとか定時番組など多様なサービスを提供するということになっております。こうした中で、大会が非常に長い期間にわたる、あるいは競技時間が非常に長いとか、今先生おっしゃったように開催地との時差の関係とか、こういったことを考慮しますとなかなか総合テレビでは扱いにくい。衛星の場合は非常に自由な編成ができるということから、こういった長時間の放送であるとか、こういったことに衛星を中心に対応している。それを、総合テレビの編成に合わせながら録画を含めて最大限に改めて放送するということを実施しているわけでございます。
○高木(陽)委員 余りよくわからないなという感じがしますが、とにかく自分自身も実感したのですけれども、それを見ているときに、例えば夜中の十二時過ぎ、そこにニュースなんて入っていないわけですから、そこで1チャンをつけていてあれっと思って、ばっと衛星をやったら、同じ競技をやっていながら何でこんなに時差がある、こういうことがある。最初から見たいという人もいるのでしょうけれども、総合テレビ、より多くの人が見ているわけですから、そこら辺のところでやはり生にしていただきたいな、これは要望としてまた御検討願いたいな、そういうように思います。
あと、もう時間も大分参りましたので、選挙報道についてちょっとお伺いしたいと思います。
これは特にテレビ、民放を含めて、選挙報道となりますと、いろいろと最近は出口調査等々を通じて、かなり早い段階での当確、当選、これを打っていくといった形があると思います。四月の統一地方選挙、知事選は余り勇み品等々もなかったし、明らかにはっきりしましたので問題はなかったと思うのですが、前回、一昨年夏の衆議院選挙等では、民放各社もまたNHKも当確打ち間違えというようなこともございました。七月には参議院選挙がございまして、今度、衆議院選挙は新しい選挙制度ということで、かなり新しいパターンでやらなきゃいけないな、そんな中での開票時の当確速報争い、本当にむだなことだなというふうに私は思っております。
実際、何度がここの場でも言っていますが、自分も新聞社出身なので、新聞社も競争しています。当確、例えば早坂で幾つ打った、これが新聞社の競争になっているわけですね。一方、テレビの方はテレビで、何時何分に当確打った、何人出した、これは視聴者から見て別に関係ないわけで、正確な方がいいと僕は思うのです。早いというのもそれはそれで、候補者またはそれを支持した人にとってみればそれはすごく早く知りたいというのはわかるのですけれども、それ以上に正確な報道というのが一番大切なことじゃないかな。
だから、そんな中での事前の調査で世論調査及び出口調査等々をやっているというのはわかるのですけれども、それを参考にしながらも、勇み足だけは絶対にやめてもらいたいな、そんなことを感じているのですが、その件についてどうでしょうか。
○齊藤参考人 開票速報については、一刻も早くしかも正確にというのが非常に大事だと思いますけれども、NHKといたしましては、事前の情勢の取材あるいは世論調査、それから今おっしゃいました出口調査あるいは開票所での取材、こういったことを総合的に行いまして、とにかく正確に、迅速に、わかりやすくということをモットーにやっております。
当確ミスは当然絶対にあってはならないわけですが、多少でも根拠に疑問があれば、いたずらにスピードを競わないということは厳に戒めております。
○高木(陽)委員 本当にこれは迅速にと正確に、優先順位では正確にをまずやっていただきたいなというふうに思いますし、NHKがそういう態度をとりますと、民放もだんだんそうなると思うのですね。NHKがこうやって一生懸命やっているのはわかるのですけれども、それで急いで急いでとなりますと、民放もそれに負けじと頑張り始める。そこでもって第一回目の開票が出る前から当確をぽんと打ったり、開票率〇%当確だとか、こんなばかげたことがあってはいけないと思いますので、よろしくお願いいたします。
もう時間も大分来ましたので、最後の質問だけ。
先日、放送法が改正されて、人権の問題、いわゆる訂正放送の問題がありました。このことに関して、今の当確ミスも当事者にとってみれば大変な人権の問題にもなると思うのですね。前回のときも、衆議院選挙で当確打って、NHKを見て万歳をやっちゃった、しかもしばらくしたら落選だったということもあるので、そういう人権問題、これだけではなくていっぱいあると思うのです。これについて、NHKとして人権問題にどのように今後も取り組んでいくのか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○齊藤参考人 人権問題は重要なテーマでありまして、毎年十二月の人権週間には、これにちなんで人権への正しい理解が得られるような特集番組を放送しております。そのほか、人権意識の向上には不断に努めておるつもりでございます。
局内的に十分配慮をするためにどういった注意を払っているか、ちょっと二、三具体例を申し上げますが、「NHK番組基準ハンドブック」、これをそういった観点から訂正しております。それから、採用者研修あるいは職員研修を通じて人権についての周知徹底を図る等、さまざまな方策を行っております。さらに、取材とか制作手法等に問題があった場合に、局内に放送現場の倫理に関する委員会を設けまして、きちっと検証を行っているということでございます。
○高木(陽)委員 以上をもって終わります。ありがとうございました。
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