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会 議 録
第150回 参 「法務委員会」 5号 ○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 提案者の先生方には、近時の少年犯罪増加、いろいろ説がございますが、確かに一般国民の耳目を驚かすような事犯が多発している中で、適時適切な少年法の改正案を作成されて提案されましたこと、まず心から敬意を表する次第でございます。 昨日の本会議でも、またきょうの午前中の質疑でも、要するに少年犯罪はふえているのか減っているのかといろいろ議論があったところでございますが、もう一度、何回も出てくる話ではございますが、少年犯罪の傾向性、その数でありますとか罪種でありますとか、最近どうなっているのか、いろんな白書では第四のピークで上がってきているのかなとは思うんですが、その辺、法務当局から御説明をいただきたいと思います。 ○政府参考人(古田佑紀君) 少年刑法犯全体について申し上げますと、その検挙人員は昭和五十八年以降次第に減少しておりました。しかしながら、平成七年を境に増加の傾向に転じまして、平成九年には二十万人の大台を突破し、平成十一年にもやはり同様のレベルを維持しております。 ところで、少年による犯罪の中でも、殺人、強盗、放火及び強姦といういわゆる凶悪犯の検挙人員、これも平成七年を境に増加の傾向に転じまして、二千人を大きく超えるに至っております。特に、平成十一年の少年刑法犯全体の検挙人員が平成十年に比べ減少しておりますにもかかわらず、凶悪犯の検挙人員は増加しております。これを絶対数ではなくて人口比で見ましても、平成二年以降一貫して増加の傾向にございます。 この凶悪犯について少し罪名別に見ますと、強盗犯の増加が特に著しいという傾向がございまして、平成十年からは一千人台後半に及んでおり、平成十一年には千六百四十人余りとなっております。また、殺人につきましても、平成十年からは百人を超え、平成十一年には百十一人を数える。こういうふうな凶悪重大事犯と呼ばれるものが増加しているという状態が認められるように思います。 また、ただいま御指摘もありましたように、その中でも社会が非常に大きな衝撃を受けるような事件というのが相次いでいるということも一つの特徴であろうと思われます。 ○魚住裕一郎君 今、示していただいた傾向性というものを踏まえての改正案になるわけでございますが、新聞報道等マスコミ、この審議の中でも厳罰化という表現が結構使われているんですが、どうもこの法案、私も拝見をいたしまして、必ずしもいわゆる厳罰化というようなものとはちょっと違うんじゃないのかなというふうに思っているところなんですが、ただそうはいっても重きに振れるというような内容になっているようでございます。 午前中、他の先行質問者からも出ましたが、厳罰化ということと犯罪の抑止の効果があるや否やという点でございますが、質問者はアメリカとか韓国は厳罰化したから犯罪がふえたんだという言い方も耳に残っておるんですが、どうも私は厳罰化と犯罪の増加というものは本当に科学的な条件関係というのがしっかり立証されているんだろうかというふうに考えるところでございます。 提案者といたしましては、いわゆる厳罰化した場合の犯罪の抑止というものについてはどのようにお考えなのか、御意見を御披瀝ください。 ○衆議院議員(高木陽介君) 今、厳罰化のことについて御質問がございましたけれども、午前中にも委員今御指摘のアメリカ、韓国の例も引かれましたが、実はデータの読み方、これはなかなか難しいかなと思います。 そんな中で、ことしの九月九日の日経新聞に載っているんですけれども、東京都立大学の前田教授がこういう記事を書かれております。「なお、米国で、八〇年代以降少年犯罪が沈静化した事実も重要である。「米国では厳罰化政策は失敗した」ともとれる論述が見られるが、少なくとも、少年厳罰化により少年犯罪の全体数が抑え込まれた事実だけは否定し得ない。」と、こういうような記事も載っております。ですから、データをどのような角度から分析するかということで、それが効果があった、もしくはなかった、いろんな言い方ができると思います。 ただ、私たち発議者の方は、今回の少年法の改正に当たって、まず少年が非行に至る背景という問題、これもいろいろと論議してまいりました。そういった中で、これは家庭だとか学校だとか、またいろんな社会環境等さまざまな要因があって、それが関連し複雑に絡み合って、そしてそういった中で事件が起きてくるというように認識しております。 この少年法の改正だけですべての少年犯罪がなくなるか、そうは私たちもとらえておりませんが、そういった中で、先ほどからこれも論議となりましたけれども、基本的に原則逆送の制度を導入する、またその非行の重大さをそういったことで十分認識してもらおう、また最小限の規範意識ということが先ほどからいろいろと論議を呼びましたけれども、この規範意識を持たせていこう、やはり人の命を奪った場合にはそれなりのことがあるんですと、こういったことをやろうということで、しっかりと認識してもらうことによって犯罪を防止するその一助にはなるというふうに認識しております。 ○魚住裕一郎君 いろんな要因が絡んで少年犯罪というものが起きる、まさに私もそのとおりだなというふうに思うんです。大人と違っていろんな特別な配慮をして少年法というのができていて、健全育成を目的として保護処分優先主義という形で組み上げられているわけでございますが、提案者としてたまたま公明党の先生方がおられますが、この少年という存在をどういうふうに提案者の皆様方は見ておられるのか、大人と違ったということでどのようにお考えでしょうか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 私も三人の子供の父親をしておりますけれども、まさに少年、子供というのはこれからの日本の将来を担っていく上において本当に重要な国としての財産でもあり私たち国民の財産でもある、そのように認識しております。 そういった中で、子供の場合には本当に可能性がある、大人はないということではないんですけれども、やはり真っ白なキャンバスにいろんな絵が描かれていくような、そういった中で私たち大人がしっかりと子供の健全育成に対しては責任を負わなければいけない。それは、教育の問題もそうでしょうし、家庭の問題も、そして地域社会の問題も、またあらゆる分野においてすべてが子供の健全育成にかかわっていくんだ、そういう認識で私たち提案者はとらえております。 ○魚住裕一郎君 そういうある意味では真っ白なキャンバスという存在である少年たちがたまたま、たまたまといいますか、犯してしまった犯罪、これに対して今回少年法改正という形で提案がなされているわけでございます。提案者の皆さんはもう何回も御答弁になられていると思いますが、少年法を改正したからといって、成立以降すぐ効果があらわれるといいますか、少年犯罪が大幅に減少する、それを期待するわけでありますけれども、それだけではないというふうに考えるわけでございます。 公明党におかれましては、少年犯罪に対してどういうような基本的なお考えなのかということを聞かせていただきたいと思います。非常に国民的にも注目されておりますし、きょうも子育ての最中あるいは終わったと思われます国民の皆さんが傍聴に来られているところでございまして、その辺を具体的にお示しいただきたいと思います。 ○衆議院議員(高木陽介君) 私ども公明党といたしましても、今回の少年法改正に当たりましてさまざまな角度から論じてまいりましたし、そして与党三党のプロジェクトとして論議を積み重ねてまいりました。 そういった中にあって、先ほどちらっと申し上げましたけれども、何も少年法の改正だけですべての問題が解決するというふうには私たちも認識しておりません。私たちが党内で論議したことには、少年犯罪について特に重要なことは三点あると。 まず第一に、どのように少年犯罪を防止していくのか。先ほど子供は白いキャンバスだという言い方をしましたけれども、最初から犯罪を犯すような子供は一人もいません。ですから、そうならないためにどうしたらいいのか、これがまず第一。第二に、もしそういった中でも犯罪を犯してしまった場合、その少年にどう対処していったらいいのか、これを二番目の角度として論議してまいりました。そして第三点目として、その犯罪を犯した少年に今度は更生してもらう、どういうふうにして更生していったらいいのかという、この三つの角度が重要である、こういう認識に立って論議をしてまいりました。そして、今回の少年法改正というのは、特にこの二番のどう対処していくかという問題について論議を詰めてきた。 ただ、その中にあっても、原則逆送の問題ですとか、または刑事処分年齢の引き下げですとか、そういった中でマスコミ等は厳罰というふうにただ一言で決めつけている部分もあるかと思うんですが、やはり事案によっては厳しい処分をすること、これも先ほどから申し上げている規範意識、ルールということを認識してもらう、そういった目的に沿って、健全育成という形でもそれは必要である、そのようにとらえております。 ○魚住裕一郎君 今、高木提案者がおっしゃったような基本的考え方で今回の改正案をお考えになってきたと思いますが、もちろん公明党だけではないわけで、今の与党三党で考えてきたということでございます。 私の手元に「少年法改正に関しての与党三党合意」という文書があるわけでございますが、今おっしゃったような趣旨は、この合意事項の第四項に「青少年健全育成・非行防止策、社会復帰更生策につき、引き続き検討する。」、こういう文言が盛られているところでございます。提案者の中でこのプロジェクトに入っておられます漆原提案者におかれましては、これはどういう趣旨でこういう項目を入れたのか、またこの第四項につきまして今後どう取り組みを行われようとしているのか、御答弁をいただきたいと思います。 ○衆議院議員(漆原良夫君) 今お話がありましたように、少年法の問題は刑罰を重くすれば済むという問題ではないということは今同僚から申し上げさせてもらったとおりでございます。 問題は、どういうふうにしてこの少年の事件を未然に防いで、また過ちを犯した少年をどういうふうに更生させるか、これが一番大事だろう。この刑罰と少年の処遇の問題、そして今後の少年の更生の問題を両輪の輪のごとくやっていかなければならない、こんな基本認識でいるところでございます。 そんなことから、公明党でも青少年健全育成等プロジェクトをつくりまして、施設の視察だとかいろんなことをやってまいりまして、今回、高木提案者を中心にして総理に対して今後の非行防止策の総合的な申し入れをしたところでございますので、その点は同僚からお話しさせていただきたいと思います。 ○衆議院議員(高木陽介君) 今、漆原議員の方からもお話がございましたけれども、先日、十一月二日になりますけれども、私ども党内でまとめまして、これまた与党三党でもさらに詰めていかなければいけないと思うんですが、まずは緊急な提言として総理の方に申し入れをさせていただきました。それが「少年の更生・社会復帰への支援拡充等に関する緊急提言 少年法改正にあたって実施すべき施策について」ということで、十項目にわたっていろいろと提案をさせていただきました。 具体的なことを少し述べさせていただきますと、例えば非行を犯した少年が社会復帰する、スムーズに社会復帰しなければならない。いろんな抵抗もあります。そういった中で、再犯を完全防止するために、自宅及び社会生活に戻るまでの中間施設、そういうグループホーム、こういう制度を創設すべきであるだとか、また更生保護施設への支援強化。さまざまな角度の更生施設というのがあるのですけれども、それも例えば職員の人数が足りないだとか、そういった現実的な問題もあると思いますが、これはやはり政府としてしっかりと取り組んでもらいたい。 また、被害者・少年等協議プログラムの導入。あとまた、社会奉仕命令制度や命をはぐくむ作業。これもいろいろな視察をさせていただく中で現場の声を聞いたんですけれども、例えばその少年たちが何か人のためにやって、ありがとうと感謝をされたときに、今までいじめられたりまたは疎外されてきたことで逆に感動を呼び、こういうことがあるんだという実感を持った、そういう話もいろいろと承ってまいりました。 そういった形で、その制度をシステムとして政府として対応してもらいたいということで総理に申し入れたところ、総理は総理で、実はこれは私も知らなかったのですが、総理自身が法務省の定める篤志面接委員というのをして、何かかなり少年院などにもよく足を運んでいて、そういう話も実際問題、総理自身も聞いているということで、こういった問題をしっかりとやっていきたいというお話も承りました。 これは今後当局の方でしっかりと検討を重ねて早急にしてもらいたいということで私たちも提言をしてまいりましたので、その旨申し上げたいと思います。 ○魚住裕一郎君 今までのお取り組み、大変よくわかりましたし、またしっかりやっていただきたいなというふうに思うところでございます。
○衆議院議員(高木陽介君) もう一度今のを整理いたしますと、少年受刑者というか、犯罪を犯したときに、いわゆる検察に送致されて刑事裁判、刑事手続によって刑が確定をした場合、これは今まで十六歳以上ですと少年刑務所です。それ以外の保護の場合には少年院で更生をしていく、こういうふうな立て分けがあったと思います。 今回は十四歳、十五歳であっても、これは今までだと少年院ですけれども、そういう重大な犯罪を犯した場合には刑事手続を経て、そしていわゆる懲役、禁錮、そういった刑事罰を受ける。ただ、今申し上げましたように、十四歳、十五歳は、いわゆる義務教育課程の場合、これはそのまま少年刑務所に送っていいかどうか。現実の対応の問題として少年院でやりましょうと、こういう形で立て分けています。 そして、その上で、刑が例えば懲役五年の場合、刑は残っているわけですから、少年院で当初保護としてやった場合には二年、三年いて、それで更生をして出てくるわけです。しかし、今回の場合にはこれは受刑者ですから、例えば仮に五年の場合には、二年間少年院でいた、その後少年刑務所として刑を執行するという、こういう立て分けで考えています。 ○福島瑞穂君 済みません、先ほどの管理するのは刑務官か少年院の人間かについてはどうですか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 少年院の方になります。 ○福島瑞穂君 またわからないんですね。つまり、地方裁判所などで懲役五年と出る、懲役五年と裁判官が出して、だけれども行くところは少年院で、受刑者なんだけれども少年院の処遇で、刑務所ではなく少年院に従うと。懲役はどうなるんですか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 基本的には十四歳、十五歳、義務教育課程ということで、少年院において義務教育のそういった形を行っていくということで、そういうことは行いません。 ○福島瑞穂君 では、どこが受刑者なんですか。なぜ懲役五年と出す意味があるんですか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 重大な犯罪を犯したときに、例えば殺人みたいな重大な犯罪、これはケース・バイ・ケースで保護という形で少年院送致ということもあるでしょうけれども、いわゆるそれ以上、これは審判によってまたは家庭裁判所の判断によって逆送をして判断するわけですから…… ○福島瑞穂君 済みません、質問は、裁判所が懲役五年という判決を出して、なぜ少年院によって懲役に付されないんですか。要するに、判決とそれが違ってくるわけですよね。しかも、懲役をやらないのであれば、全く少年院であるのであれば、なぜ刑務所というか受刑者とわざわざやるんですか。 ○衆議院議員(谷垣禎一君) 今の福島先生のあれに直接お答えになるかどうかわかりませんが、我々の考え方と先生のお考えの違いにあるものは、先生は多分非行を犯した少年の処遇とか改善とか教育というものに重点を置いてお考えですから、それならば、少年院で処遇を受けるなら、もともと少年審判の対象にして少年院で処遇すればよいじゃないか、こういう御発想があるんだろうと思うんですね。 それで、私どもは、重い犯罪を犯した場合には保護教育の対象というわけでは必ずしもなくて、やはり国家の刑事司法の過程で裁かれる場合があるんだと、そこでやはり規範というものに直面してもらおうと、あるいは公開の法廷できちっと裁くということがあり得るんだと、こちらの方を重視しておりますので。 そういう少年が懲役刑を受けた場合に、後どう処遇をしていくかということで、もちろん先ほど高木さんが御答弁されましたように、少年刑務所の中ですべて処遇のものが完備していればそれでやるのが一番首尾一貫した方法でございますけれども、現状においては、少年を矯正したりするものに対して十分人的、物的な対応が少年刑務所において必ずしもできるとは思えない、こういうことである意味では便宜少年院の今までのノウハウや施設を利用する、こういう考え方に立っているということでございます。 ○福島瑞穂君 要する それで、これは保護処分ではなくて刑事罰、懲役というふうにしながら少年院に送って、処遇の中身は、つまり、提案者は保護処分ではなく刑罰による制裁によって規範意識をと言いながら、行った先は少年院じゃないですか。法的地位は受刑者だけれども、やられていることは少年院ですよ。矛盾しているじゃないですか。に、保護処分にするのか刑事罰に処するのかというところで分けているわけですね。 ○衆議院議員(麻生太郎君) 矛盾しているというところがよく理解できないんですが、私どものところに来ますと、今の福島瑞穂先生のお話をそのまま受け取ると、刑事罰を与えるのだったら十四歳でも最初から真っすぐ刑務所に送ってしまえと。そうすると、義務教育の方はどうなるかという問題が出てくるんだと思うんですね。最初から少年刑務所等々に送った場合は、その中において十四歳、十五歳の義務教育を受けるというのが、今現実問題として少年刑務所の中にはそのようなものがありませんので、それだけのノウハウを少年院の方で拝借させていただく、現実的な問題としてはそれしかないと申し上げておるんです。 ○福島瑞穂君 私は、十四歳から十六歳の間は義務教育年齢ですから刑事罰に処さないで、従来どおり年齢引き下げでやらない方が論理が一貫すると思っているわけです。つまり、十四歳に引き下げて公判廷で刑事処罰の対象にしながら、にもかかわらず義務教育だということを思い出して処遇を突然少年院でやろうとするから混乱が起きるのだと思います。 ところで、先ほど少年院の中で分離して教育をするという意見が出ました。ただ、教育というのは要するに子供は集団生活やお互いの中で人間関係をつくっていくわけですから、例えば、場合によっては少年院受刑者がたった一人で分離勉強みたいなことをする形になって、それはむしろその少年にとって百害あって一利なしというふうに考えますが、いかがでしょうか。食事や入浴や運動などはどうなるのでしょうか。 ○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 先ほど少年院収容受刑者の処遇をどうするかということでお尋ねがあったわけですけれども、今後検討していかなければならない点があるわけですが、現時点で考えた場合に、確かに一方は少年受刑者という立場で、他方、同じ施設の中に保護処分として少年院送致を受けた者がいるわけです。十六歳までという期間もありますので、その中でできる限り、個々の少年のいろいろな特性があるわけですので、それに応じていわば個別処遇を行うという観点から、通常考えられる場合としては、現時点では居室等は分離した方がいいだろうというふうに考えております。また、その指導、教育の内容等も罪の意識を覚せいさせるとか生命尊重とか、教育的なことを重視した処遇をしていくことが重要だと思います。 いずれにしても、個々の少年の特性に応じて、場合によれば行事とかあるいは食事等、そういうことも一緒にやった方が適当という者もおるわけですので、その辺の事情はまさしくそれぞれの対象となる個々の受刑者に応じて原則的には考えていかなきゃいけないと、今の段階ではそういうふうに考えております。 ○福島瑞穂君 個々人に応じてケーススタディーをやるというのであれば、それは今の少年院が非常に得意とする、第一としてやってきた、成果を上げてきたことではないでしょうか。 先ほど答弁の中で、分離して行うという答弁があり、今、食事などは一緒ということでしたが、教育は別々に行うんですか。入浴や運動、運動などは重要ですが、それは別々なんですか。分離というのは何を分離するのかについて教えてください。 ○政府参考人(鶴田六郎君) 先ほども申し上げましたように、個々の受刑者の特性等に応じてケース・バイ・ケースで柔軟に対応しなければいけないと思いますので、今の段階で確たることは申し上げられませんけれども、現時点でどういうふうになるだろうかなということで部内で検討したりするときに、やはり居室については、これはできる限り個室という取り扱いの方がいいのではないかというような考えで部内で議論しているということですが、いずれにしても、これは将来、改正案が成立した場合におきましては、どういう形にするかいろいろな検討をしていかなければならないということでございます。 ○福島瑞穂君 居室は別として、勉強はどうなんですか。みんなと別々なんですか、一緒なんですか。 ○政府参考人(鶴田六郎君) ちょっと仮定の話になりますので、いろいろ今の段階で確定的なことは申し上げられませんけれども、やはり義務教育を施すということになりますと、また対象者の数にもよると思いますが、原則的には個別に指導していく、教育していく……○福島瑞穂君 分離なのか分離でないのかだけお答えください。 ○政府参考人(鶴田六郎君) ですから、今言ったように、その受刑者に対しまして個別に教科教育を施していくのが適当な場合が多いであろうというふうに想定しております。 ○国務大臣(保岡興治君) 先ほど上田政務次官からもお答えがあった中に含まれているんですけれども、受刑者である地位があるために、逃走した場合などは逃走罪が成立するわけですよ。少年院収容者の場合はそれがないんです。したがって、そういう違いに着目して、今、局長が言われたように、個室にするのが適当ではないだろうかという議論が今省内で始まっているわけですね。 あくまでも少年院の収容者、少年院に収容することで立法者が目的としたところをどう具体的に生かすかということはこれから決めていくと。少年院収容者と同様な処遇ができる可能性がこの法で生まれたわけですから、それをケースに応じて適切に対応できるようにいろんな処遇方法を工夫したい、こういうことです。 ○福島瑞穂君 刑務所は訪ねていけば塀がとても高いですし、少年院の中には塀で囲っていないところも多いわけですよね。おっしゃるとおり、逃走罪の適用など違います。そうすると、変なことを言うと、そのたくさんいる少年のうち受刑者の少年だけやっぱり特別視することになるんではないかという危惧もありますし、今、発議者が提案していることが本当にその少年院の中のみんなの処遇にとっていいのかという、非常に私は疑問を感じております。 しかも、懲役五年と裁判官が判決を出しました。先ほどの話のとおり、二年間少年院で処遇し、通常であれば、少年院から出ていくときはみんなで徐々に徐々にリハビリをやり、みんなでさようなら、元気で頑張ってということで励まして出ていくわけですけれども、誕生日が来て義務教育が終わり、少年院を出た途端、刑務所に行く車が待っていて、そこで刑務所に連れていかれるわけですよね、うんうんとうなずいていらっしゃいますが。 そうすると、全体の更生プログラムなどは一体どうなるんですか。 ○衆議院議員(麻生太郎君) プログラムの方は担当者の方から説明させるとして、それだけ犯した罪は重たいんです、人を殺しているんですからという点はぜひ御理解いただかないと。かわいそう、かわいそうだけで済ませる話ではありません。少年院を出た段階で少年刑務所に移送される、それはそれだけ犯した罪が重かったという点も本人に自覚してもらわなきゃならぬところだと思います。 ○福島瑞穂君 どうやって更生するかが重要だと先ほど麻生発議者もおっしゃいましたけれども、更生プログラムなどはどうなるんでしょうか。 ○政務次官(上田勇君) 基本的には、義務教育の対象年齢でありますので、義務教育の教科教育を行うわけでありますが、そのほか、やはり重大な犯罪を犯しているということから、その犯した犯罪の重大性を認識させるような、そういう覚せいを図っていくプログラムであるとか、生命のとうとさを認識させてもらうような、そういう人間性を涵養するためのプログラムであるとか、そういったところに重点を置いた処遇計画を考えているところでありますし、少年刑務所に移送後も同じような考えに基づく、引き続いてそういうようなプログラムを行っていくことが重要ではないかというふうに思っております。 したがいまして、これで少年院から少年刑務所の方に移送されるということでありますけれども、これから具体的な点は詰めていきますが、少年院と少年刑務所との協力、連携のもとに立って一貫性のある処遇をこれから策定していきたいというふうに考えておりますので、それによって、ただし混乱に陥るというようなことには、御懸念はないように万全を期していきたいというふうに思っております。 ○福島瑞穂君 刑務所は更生プログラムが十分でないので少年院に入れたいという向きの答弁で、今その切断されることについて、一貫したという答弁があったんですが、同じ人間が途中で、少年院から出た途端にまた移送されるというような問題が生ずるということは私は重要な問題だと思います。 それで、五月、自民党が改正案を出したときには、犯罪の抑止ということが提案理由に書いてありました。しかし、今回は犯罪の抑止は提案理由から落ちております。九月の与党案では落ちております。なぜこれは落ちたのでしょうか。 ○衆議院議員(谷垣禎一君) 提案理由等にどう書いてあったか、私はっきり記憶がないんですが、現在におきましてもこの少年法を改正することによって少年非行の抑止に役立てていきたいという発想は私たちにございます。 ○福島瑞穂君 犯罪の抑止に役立てたいというのはわかるのですが、きのう本会議でも質問しましたが、大臣は、総合的なしっかりした調査の結果、何をやればどういう効果があるというデータはないという答弁をされています。 私は、やはりわからないのは、犯罪の抑止と言って、次に規範意識というのが出てきています。しかし、規範意識というのは、本当にその子供に何が正しく何が間違って責任を感ずるというケーススタディー的に一人一人にきちっとやるべきことですから、それは今の少年法でもできることではないかというふうに考えているんです。 それで、先ほどからずっと出ているのは、高木さん、麻生さんの方から、例えばいじめの問題、さまざまなたくさんの問題がある、少年の事件の背景には家族の問題、学校の問題、いじめの問題、たくさんあると。なぜ少年法の改正が出てきたのか、やっぱりわからないんです。選挙が終わったからとかいうのも、もっと何かわからなくなってしまうんです。なぜ少年法改正をやるのか。 つまり、たくさん少年事件の原因はあるわけですよね。その中でなぜ少年法の改正なのか。少年事件がふえているというのはトートロジーです。少年事件の起きている背景にたくさんの問題があって、その中でなぜ今少年法改正なんですか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 先ほど魚住委員のときにもお話ししたと思いますけれども、今指摘されました今回の少年の事件、非行の問題というのは一つだけの問題ではないというふうに私も申し上げました。これは一貫した、提案者、これは皆さん方もそうだと思うんですけれども、そういう認識でいると思います。 その中で、なぜ少年法かというのは、まず閣法が出たとき、これは山形のマット死事件が大きなきっかけとなったというふうにきょうの委員会の質疑でもございましたけれども、そういう流れの中にあって、まずは事実認定の手続を明確にしていきましょうと。そういった中で、特に近年、少年犯罪の凶悪化という、これはマスコミの影響もあると思いますが、それがかなり大きく影響として私はあったと思います。 そういった中で、犯罪の抑止につながるかどうか、きのうの大臣答弁ではそういうデータがないというふうなお話があったというふうに今御指摘がありましたけれども、基本的に親が子供に対して、これはいいこと、悪いこと、または地域社会で大人たちが子供の健全育成のために、これはやっちゃいけない、これは善、悪、こういうことを明確に言うことが大切であると思いますけれども、ただ国家の意思としても、人を殺す、いわゆる故意によって命を奪うということが大変な問題なんだということを明確にする、こういった意味を含めて今回の少年法のさまざまな改正部分に取り組んだということ、これを認識しております。 ○国務大臣(保岡興治君) 今、福島委員から御指摘のあった私の発言は、短く言ったので誤解を受けたかもしれませんが、少年の非行、犯罪には非常に多岐にわたる奥深い原因があるわけです。その原因ごとに、一つ一つこれが犯罪を何%ふやしたかとか、これでどれだけ抑止ができるかとか、そういう計量的な犯罪抑止の予測は難しい、そういうことを全部科学的に系統立てて体系的に示すことは無理ですよというお話をしたつもりでございます。 ○衆議院議員(杉浦正健君) 委員の御指摘で、自民党の「少年法の在り方について」を読み直してみたわけですが、その第二で「少年法の見直しの方針」、「一 少年法の理念」の中に「犯罪を抑止する必要があるとともに、」という、「抑止」という言葉が出てまいります。ただ、この少年法の理念については、読んでいただければわかりますが、少年の健全育成という基本理念は今後も堅持する、しかし「少年に自己の行為について責任を自覚させ、自省を求めることも、我が国の将来を担う少年の健全育成を図るという観点から重要であるとの見地から、」あり方を見直そうという理念を我が党として明示したわけであります。 それで、これに基づきまして、実は党の方でも、少年法第一条、この文言を変えるべきであるという議論をかなりいたしました。三党のPTでもいたしましたが、このような理念であるべきという見直しの方針ではありますが、第一条については修正すべきであるという結論には相なりませんでしたので、抑止する必要があることは皆認めながら、この修正案では落ちるといえば落ちたわけであります。 ○福島瑞穂君 もう時間ですので。 人を殺すのは悪いことだということを子供たちに教えるのに少年法を改正する必要はないんではないかと私は思います。 たくさん質問、聞きたい疑問なことがあるので、またおつき合いをお願いします。 ありがとうございました。 | | |
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