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会 議 録
第150回 参 「法務委員会」 6号 ○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 きょうは、具体的な制度につきまして若干御質問をさせていただきたいと思います。 新聞、マスコミ等で厳罰化というような見出しになりますが、私、前回も、本当に厳罰化になっているのかなということもございますが、ただ今回、処分等の見直し、特に減刑の見直しにつきまして改正になったところが特にそうなのかなというふうに理解をしております。 今まで、十八歳未満の少年につきまして、死刑で処すべき者は無期にするということで、その場合には七年で仮出獄可能であったものが無期とされても十年のままにしますというような改正になっております。また、無期刑に処断すべきときは、今までは十年以上十五年以下の有期刑という形になっておりましたが、その場合でも軽減せずに無期刑を科すということができるようになった、選択的になったわけでありまして、内容的にはその無期でいった場合は七年で仮出獄、有期刑の場合は三年で仮出獄が可能だという形になるわけであります。 そうすると、無期の中で、死刑が軽減されて無期になる場合と無期がもともと無期だといいますか、二種類の無期がいるというようなことになるんですが、仮出獄の可能期間につきましても改正をされているところでございますが、その趣旨並びに二種類の無期といいますか、その辺につきまして御説明をいただきたいと思います。 ○衆議院議員(高木陽介君) 今、魚住委員御指摘のように、現行の少年法五十一条で、犯行時十八歳未満の者が死刑をもって処断すべきときは無期刑を科することとしています。また、五十八条によれば、少年が罪を犯して無期刑に処せられた場合は七年で仮出獄が可能とされており、成人の場合の十年よりも緩和されております。 このような場合に、死刑を軽減して無期刑とした上で仮に出獄期間についても緩和することになると、いわば二重の緩和をすることになります。本来、死刑に処すべき者であっても無期相当の者と同じ期間で社会復帰をする可能性を法的に認めることになって、罪と刑のバランス、また被害者感情、さらに国民感情、そういう点から問題があると考えられますので、死刑を緩和して無期刑を科した場合については仮出獄期間の特則は適用しないことといたしました。 また、この七年または十年という期間は仮釈放が許されない最低の期間を定めたものであって、個々の事案においては関係機関において適切な仮釈放の運用を行うことと考えております。 ○魚住裕一郎君 今、実際上は個別の少年の状況を見ながら仮出獄を考えるわけでございますが、現実として延びるわけでございます。 法務御当局で結構ですが、仮出獄期間が延びることによって少年刑務所のカリキュラムというんですか、どういうような影響があるのか、また逆にかなり長期収容をするわけですから少年に与える影響というのも大きいのではないかというふうに思うわけでございますが、その辺について御答弁をお願いいたします。 ○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 無期刑を科せられました少年受刑者、数は余り多くありません、少ないわけですけれども、その処遇につきましてはいわゆる分類処遇制度というものがございますので、その制度のもとでいわゆる科学的な分類調査を行って、収容施設をどこにするとか、あるいは処遇の重点を定めておるというのが受刑者の運用の実情であります。 その判断に当たりましては、もちろん刑期とかあるいは性別とか年齢等、そういう点も考慮しますが、そのほかに犯罪傾向の程度、深度あるいは心身の状況、生育歴、教育の程度、生活環境等々のもろもろの事情を考慮しておりまして、仮釈放が可能となる日がいつかといった点は必ずしも決定的な要因にはなっておりません。 また、仮釈放ということになりますと、その申請は刑務所長が行うわけですけれども、その場合の申請の当否というようなことに関しましてもそれぞれケース・バイ・ケースで考えていくということになっておりまして、そういった実情にございます。 今申し上げたような実情に照らしますと、仮に御指摘のような改正がなされたとしても実務上は現在の処遇内容が大きく変わるものではないだろうというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、仮釈放の申請や少年受刑者の処遇等に当たっては、個々の事情や個々の少年受刑者の特質等に十分配慮しながら適切な運用に努めてまいりたい、かように考えております。 ○魚住裕一郎君 今、御答弁の中で、現在はそんなに少年受刑者はいないということでございますが、今回原則逆送というような形になるわけで、刑事処分がふえるんだろうなというふうに想像できますが、どの程度少年受刑者がふえるというふうに予測されているんでしょうか。 ○政府参考人(古田佑紀君) ただいまのお尋ねは、いわゆる原則逆送との関係を中心のお尋ねだと思うわけでございます。 ところで、この対象であります故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪を犯した者の数、これは統計上必ずしも明確に把握できてはおりません。しかしながら、それらの罪として代表的なものは殺人、強盗殺人、傷害致死でございますが、この数から大体の、どの程度大枠があるのかということを申し上げますと、平成十一年におきましては、これらの罪で検挙された十六歳から十九歳までの少年の数は合計百七十七人でございます。ただ、これには殺人未遂などの人が実際に死亡していない未遂犯も含んでいるわけでございます。 したがいまして、平成十一年度でいえばこの百七十七というのが未遂も含んで大枠の数字ということになるわけですけれども、実際にそのうちどれだけが逆送になるか、あるいは起訴された結果実刑判決を受けることになるかということになりますと、これは個々の事案でそれぞれ変わってまいりますので、具体的にこの程度という増加の数字を申し上げるということは大変難しいと思っております。 ○魚住裕一郎君 そんなに数は多くないだろうなとは思うところでございまして、処遇ということを私どもも与党内あるいは党内で議論するときに大変議論をさせていただいたところであります。 そんな中で、特に逆送可能年齢を十四歳までに下げるに際して、実際この十四歳、十五歳でどう処遇するのかということで、刑務所なのかあるいは少年院なのかと。本来、受刑者なんだから刑務所で刑事処分としてきちっとやるべきだという議論ももちろんあったわけでありまして、ただ教育上少年院の方が適切ではないかという形、そういう議論もございました。 先般も議論になったところでございますが、法務省の方針として、十四歳、十五歳の受刑者については少年院で個室に収容し、教室も他の少年と分離して個別に独自プログラムで教育するというようなことが新聞に載っていたわけでありますが、法務大臣、これはどういうような理念といいますかお考えでこのような方針を固められたのか、また具体的にどのようなプログラム、独自プログラムというふうになっておりますが、そういうものを考えておられるのか、お教えいただきたいと思います。 ○政務次官(上田勇君) 今、魚住委員から御指摘がありましたように、十四歳、十五歳の少年院収容受刑者については今回の改正案で少年院で処遇することができるというふうになっているわけでありますけれども、その処遇のあり方というのは、やはり少年の特性に応じて個別的に判断されるべきものであるというふうには考えております。 ただ、少年院収容の受刑者が十四、十五歳ということで若年であって心身ともに未熟であるということや、そもそも重大な犯罪を犯したがゆえに刑事裁判を受けた者であるということなどや、また逃走罪の適用があることなどを考慮すると、具体的にはこれから矯正の関係者とも協議していくことになる、検討していくことになりますけれども、現在のところ、居室については原則として他の収容者とは分離して個室を用いる方が適当なのではないかというふうに考えられているところであります。 それで、この処遇の内容についてでありますけれども、もちろん十四歳、十五歳の受刑者というのが義務教育の対象年齢であるということから、義務教育等の教科教育が対象者については中心になってくるだろうというふうに思われますけれども、その教科教育についても、少年の必要性に応じたものを授ける必要があるということから、やはり個別に行うケースが多くなるのではないかというふうに考えております。 ただし、例えば行事とか運動への参加等については、教育上有益と認められる場合には他の在院者との集団で一緒に行わせるというようなことも考えていかなければいけないというふうに思っておりますし、それもこうしたプログラム、それぞれの少年の特性に応じて個別的にきめ細かく判断してやっていきたいというふうに考えております。 ただ、少年院に収容されている受刑者は十六歳に達した後少年院から少年刑務所の方に移送されることになりますので、やはり少年院に収容されているときから、教科教育、義務教育の課程だけではなくて、例えば犯した犯罪の重大性を認識させるというようなことであるとか、また命の大切さを認識させるというようなことであるとか、豊かな人間性を涵養することに重点を置いた処遇プログラムを策定し、少年刑務所移送後もこれを引き継ぐことによりまして一貫性のある処遇を行うことが重要であるというふうに考えております。 ○魚住裕一郎君 それとの関連だと思いますが、今度法務省では少年処遇専従班というものを各刑務所に設置をしようと、そういうことが検討されているというふうに新聞記事に記載があったわけでございますが、これはどういうようなものなんでしょうか。 ○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 現段階で確定的に局の方針として決めたわけではございませんけれども、原則逆送制度等が導入されますと、人数等は不明ではございますけれども、少年受刑者が増加することが予想されます。そのため、我が国で代表的な少年刑務所である川越少年刑務所においては、かねてからこの点について対応策を検討してきているところでございます。 現時点では、例えばその内容と申しますと、やや技術的になって恐縮ですが、ロールレタリング、あるいは個別カウンセリング、日記指導等の各種技法による個別処遇の充実を図る必要がある、そういうふうに考えているほか、将来少年受刑者が増加しまして少年受刑者だけの集団を編成できるようになったときには、少年集会等による集団討議、ロールプレーイング等を用いまして人間関係の再学習をさせ規範意識を高めるための集団処遇を行うこと等、そういったことを考えておるわけです。 そういった処遇を効果的に実施するためには刑務官だけではだめだろう、そのほか、作業を指示する作業技官とか教官あるいは分類技官等で構成される少年処遇専従班、そういったものを編成して主に少年受刑者の処遇に当たらせる方がいいだろう、そういった考えから、その点について今検討を進めているところでございます。 ○魚住裕一郎君 それでは次に、事実認定に関連してお聞きしたいと思いますが、今回、裁定合議制という形をとる形に改正するわけでございますが、従来の一人でやっている審判とどういうふうに変わっていくのか、そしてその裁定合議制導入に当たって裁判所側の体制の整備というものはどのようになるんでしょうか。 ○最高裁判所長官代理者(安倍嘉人君) 御説明申し上げます。 裁定合議制度が導入された場合におきましては、単独裁判官に配てんされた事件について、当該裁判官が合議相当と考えた場合にはこれを合議体に諮って、その決定を受けて合議決定がされるわけでございます。 その場合におきましては、まず主任裁判官が定められることになるわけでして、この主任裁判官がまず記録を精査いたしまして問題点等を検討する、さらにこの主任裁判官の検討を参考にしながら他の裁判官が記録に当たり同じような検討を加える、こういったまず記録の検討を行うわけでございます。そして、審判の席におきましては、三人の裁判官が審判に臨む、そこで直接三人の裁判官が少年から事情等を聞いたり話をする、こういう形になるわけでございます。こういうことで、審理と合議とを繰り返しながら徐々にその心証を固めていきまして最終判断をする、こういう流れになるものと考えております。 このような裁定合議制度が導入された場合には、これまで一人でやっていたときに比べましてより主観性が捨象されることになると思いますし、また裁判官の異なった分野の経験というものを踏まえて、その議論について客観的多角的な観点からの検討が行われるであろう、こういったことが期待されるように思います。その結果、三人の裁判官による裁判については少年にとってより説得力を持つものになるだろうと思いますし、ひいては国民の理解を得ることが容易になるだろう、このように考えているわけでございます。 そういった意味合いにおいて、裁定合議制度が導入された場合にはいろんな面における判断の的確性がより充実するものと考えておるわけでございますが、今お尋ねの体制の整備の関係でございますけれども、法律が成立した場合におきましてはその運用に支障がないよう対処してまいりたいと考えているわけでございます。 どの支部において合議事件を取り扱うか、これは地裁においても同様の問題があるわけでございますけれども、これにつきましては具体的な職員の、配置の人員でございますとか、その管内の人口、交通状況あるいは事件の動向、こういったものなどを総合的に判断をして決めていくことになると思いますけれども、いずれにいたしましても運用に支障がないように体制を整備してまいりたいと考えている次第でございます。 以上でございます。 ○魚住裕一郎君 次に、観護措置期間なんでございますが、旧閣法では最長十二週間だったと思うんですが、今回最長八週間となったところでございます。提案されているわけでございますが、これはどうして八週間なのか、御説明をお願いいたします。 ○衆議院議員(漆原良夫君) 委員御指摘のとおり、最初は、廃案となった政府提案の改正案では十二週間ということでございましたが、これでは現行の四週間を一挙に三倍にすることになります。学生であればこの三倍は一学期中にも相当して余りにも一挙に長過ぎるのではないか、こういうふうな議論が、批判がありました。そこで、今回の改正案では最長八週間までの延長を認めることにしている、そしてまたさらに運用の状況を見て検討していくということにしたわけでございます。 ○魚住裕一郎君 今の御答弁の中で、現行の四週間では足りないという認識でもあるわけですか。 ○衆議院議員(漆原良夫君) 多くの証拠調べをする必要がある事件だとか、あるいは関係者がたくさんいるというふうな事件では、やっぱり事実関係の適正化を図るという観点では現在の四週間では少な過ぎる、こういうことはそのとおりでございます。 ○魚住裕一郎君 それで、具体的な観護措置期間なんでございますが、どういう基準で決定をするのか。また、その際には少年の教育あるいは仕事の面でのいろんな不都合も生じることがあるわけでございまして、その辺の配慮はどうお考えになるんでしょうか。最高裁、お願いします。 ○最高裁判所長官代理者(安倍嘉人君) 観護措置を決定する必要性として一般的に言われておりますところは、身柄確保の要請でありますとか少年の心身鑑別等が必要であるとか、あるいは緊急保護の必要性ということが言われているわけでございまして、こういった要素をどのように当該事案について考えていくかということによって決まってくるものと考えております。 従来の運用を見てみますと、事実関係に争いのない事案におきましては、まずは心身鑑別、社会調査のための期間となるわけでございますが、大方の運用としては三、四週間で審理を終える、観護措置もその期間に終わっているというのが実情であろうかと思います。 さらに、事実が激しく争われる場合におきましては、そのために要する証拠調べの時間をどう見るかということによってその期間が決まってくるものと考えておりまして、今回八週間まで延長ができるとなった場合にはそういった点を考慮しながら所定の要件をよく吟味した上で考えていくことになろうかと考えております。 なお、今お尋ねの観護措置をとることによって少年自身の教育や仕事の上の支障をどう考えるかという点でございますけれども、もとより裁判所におきまして観護措置をとるかどうか決めるに当たりましては、それによって教育上あるいは仕事上どういう影響を与えるかを十分考えた上で判断をしているのが実情でございます。 しかしながら、そういった事情を考慮するにいたしましても、やはり身柄を確保する必要があるといったことで観護措置をとる場合があるわけでございますが、そういった場合におきましては、もとよりその措置をとったり更新をした場合において、家庭裁判所といたしましては学校あるいは雇用主といったものとの関係で連絡をとりながら、学校教育や仕事に与える影響ができるだけ少なくなるような配慮をしていくということになろうかと考えている次第でございます。 以上でございます。 ○魚住裕一郎君 だんだん時間がなくなってきたんですが、最後に一点だけ、検察官の関与、審判協力者という形ではございますが、審判でも一定の凶悪なあるいは重大事犯については検察官が積極的に関与、出席するといいますか、そういうことも考え得るところだと思いますが、今回の改正案ではそれはもう裁判所の判断によらしめているところでございまして、その趣旨をちょっと御説明をいただけますか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 廃案となりました改正案、閣法ですけれども、そのときその罪が被害者の死亡の結果を含む場合は、明らかに検察官関与が必要でないと認められる場合を除いて家庭裁判所は検察官の関与を決定するものとしていました。これは、被害者の死亡という極めて重大な結果が生じたそういう事件にあっては、まず審判の帰趨に対する被害者の遺族を初めとする国民の関心がかなり高いと思うんです。的確な事実認定を求める要請は他の事件に比べても特に高いと考えられるということで、こういう形になったと思います。 しかしながら、必ずしも一般的にこのような制度を導入しなくても、まず検察官の申し出があれば裁判所においてもこのような観点を含めてその必要性を十分に検討して適切な判断をするものと考えられることから、今回こういう形でこの制度で足りるといたしました。 ○魚住裕一郎君 時間も参りましたので、続きは次回によろしくお願いいたします。
○福島瑞穂君 ありがとうございます。 ただ、世論調査もきちっと見ると、やはり少年犯罪にみんな心を痛めているけれども、厳罰化に必ずしも、中身について十分理解して判断しているのだろうかという面もあると私は思います。でも、御答弁ありがとうございました。 それで、愉快犯、確信犯ということなんですが、私はその愉快犯、確信犯があるということと今回の少年法改正とどう結びつくのかがやはりちょっとわからないんですね。 例えば神戸の少年はつるされることを覚悟しているというふうに言っているわけですから、確信犯の少年たちはもっと違うところで大きな問題を抱えているわけで、一般予防的に厳罰化したからということで解決するとは思えませんし、確かに大臣がおっしゃるように、バーチャルリアリティー的な面でどんどん妄想が広がって犯罪を犯す子供たちがいるのも何となく理解はできます。しかし、そういう子供たちに厳罰化をしたことで果たして届くのかどうかというふうに思っています。 それともう一つは、少年院に入った少年たちにアンケートをとって、あなたは少年法が軽いということを知って犯罪を犯したかということに関しては、違うというふうに、アンケート結果は、ちょっと不正確で済みません、八割、衆議院の審議でもありましたが、八割はそうではないと答えていて、例えば少年法があるから犯罪を犯したと言ったというふうなことで、ばっと、やっぱり少年犯罪は少年法を厳罰化しなくちゃいけないという議論が起きているというふうにも思っております。 次に、検察官関与についてお聞きをいたします。 検察官が関与するということは、少年法の一条そのものを変えてしまうのではないかというふうに思います。起訴状一本主義ではなく、全記録が来た上で検察官が入ると。公益の代表者という言い方をされますが、少年は二人の、裁判官と、糾弾するといいますか、検察官と両方相手にしなければいけないわけで、少年法一条と整合性はないと考えますが、いかがでしょうか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 検察官の関与のことについて今までもいろいろと論議、質疑があったと思いますけれども、まず前提として、検察官は裁判の協力者という、こういうふうな認識で入るという形になります。 特に事実認定、これが山形マット死事件でも論議となりましたけれども、事実認定を正確にしていくということがやはり大切だということで、そういった観点の中から、裁判の審判の協力者、あくまでも家庭裁判所の手続主宰権に服しつつやるということで、検察官が関与するということで問題はないと考えております。 ○福島瑞穂君 先ほど小川委員の方から捜査の問題が指摘をされました。 御存じのとおり、少年はやはり誘導されやすい、あるいは代用監獄のもとで自白をしやすい、あるいは虚偽の自白をしやすい、どの大人を信用していいかわからないといったいろんな問題、あるいは物証の問題など、たくさんの少年事件における冤罪事件が示しているものです。 例えば、草加事件という有名な事件があることは御存じだと思うんですが、少年審判、そして刑事裁判では有罪となりました。しかし、民事の中で物証が全然合わない。つまり、残された体液はAB型だけれども、少年だれ一人AB型がいないということが明らかになって、やっていないということが明らかになりました。 そのケースなどはむしろ審判の構造が問題ということではないと思うんですね。草加事件は少年審判に事実上検察官が関与していたというふうに聞いております。少年審判に検察官が関与したからこそじゃないとは思うんですが、むしろ無罪を見抜くことができない、刑事裁判をやって裁定合議制的にやっても無罪を認定できない。むしろ物証と現実の間にずれがあるということがはっきりしたケースなんですが、こういう草加事件をどう総括していらっしゃるでしょうか。 ○衆議院議員(高木陽介君) 誤審の問題ということだと思うんですけれども、実は私も議員になる前に新聞記者で島田事件という死刑囚の再審事件の取材をずっとしたことがございました。 やはり人間の行う裁判、裁判官が完璧に絶対的に正しくてということであれば何ら問題はないと思うんですけれども、やはりいろんな状況、例えば証拠の問題だとかさらにはその人の自供、いわゆる供述の問題だとか、いろんな要素が絡んでくると思います。 今御指摘のあったように、捜査段階での調べのあり方だとか、そういうところでの御指摘もあると思いますけれども、ただ、一つそういう例があったからといってすべての事件に関してそれが当てはまるかどうか、こうは言えないと思うんです。 今回の場合は、私たちがなぜこういうような改正をしたかというと、委員今御指摘のように、あくまでも事実認定というものをしっかりとさせない限りやっぱり間違った判断をしてしまう、そういうことがあったので、今回、検察官の関与、さらに付添人ということで弁護士の関与も認めて正確な形にしていこうと。 ただ、少年の場合、誘導されやすいというふうに御指摘がございました。これは少年だけではなくて、やはり人間はいろんな状況に置かれた場合にそういうふうになる可能性もあると思います。だからこそ、そういうことも含めて審判の場でしっかりと事実認定をさせていかなければいけないということで、今回の改正案にした次第であります。 ○福島瑞穂君 ちょっとよくわからないのは、検察官はあるときは公益の代表者であると言われ、あるときは協力者だと言われる。しかし、事実認定をきちっとやる必要があるとも言われる。でも、結局は付添人と検察官でほとんど刑事裁判の手続を家庭裁判所の審判でやることになるんじゃないですか。どこが検察官は協力者であり公益の代表者でしょうか。 ○衆議院議員(漆原良夫君) 検察官が入るということは、今まで裁判官が全部一人でやってきたわけなんですが、事案によっては激しく少年と事実関係が争われる場合があるわけですね。事実関係を争う場合に、裁判官が積極的にその少年に対して事実を確認していくという作業が必ず要るわけです。そうなると、少年としては、この裁判官は自分と対立するんじゃないか、自分の方を向いていないんじゃないかというふうな気持ちになって心を閉めてしまう、こういうことも十分考えられますね。 したがって、そういうこともなくして、裁判官と少年が対立するような構造がないことが少年にとって望ましいわけですから、裁判官が審判しても、この裁判官は自分に予断を持って、こんなことをやったんじゃないかというふうに思われたのでは、これは少年の更生に役立たない。そういう意味で、やっぱり少年と裁判官の対立関係をなくする、こういう必要性もある、そんなことから検察官を協力者として関与させる、したがって独自の抗告権もない、こういうことでございます。 ○福島瑞穂君 裁判官が少年に厳しく言うと少年が心を閉ざしてしまうので問題だとおっしゃいました。しかし、検察官が入ってがんがん刑事裁判のように尋問するのであれば、少年は絶対に家庭裁判所で心を開かないというふうに思います。その意味では、今うんとうなずかれたような、公明党の提案議員はうんとうなずかれたような気もしましたが、要するに心を開かないというふうに思いますが、でも時間がちょっと来てしまったんですが、どうしますか。いいですか。では、それについてお願いします。 ○衆議院議員(漆原良夫君) うなずいたのは言っている意味がわかったという意味でございまして、理解したという意味じゃございませんので。 審判を和やかに行うという条文はそのまま維持しております。したがって、やっぱり和やかなうちに行わなきゃならないという大前提があるわけですから、そこは裁判官の指揮に基づいて、できるだけ和やかにやって、しかも事実を確認していくという、こういう裁判官の大きな訴訟指揮というんでしょうか、審判の主宰権というのがこれから要請されるだろう、こう思っております。 ○福島瑞穂君 検察官を入れてがんがん事実認定をやり、対審構造がその場合とられるわけですから、そこで和やかにというのは私は無理で、少年は刑事裁判と全く同じように心を閉ざすだろうというふうには思います。 きょう立法目的について世論ということが非常に強調されたことは非常に問題だと私は考えております。やはり子供のための重要な法律ですから、世論ということに関係なく立法者としては議論をしていく必要があるのではないかと思います。 きょうはありがとうございました。 ○衆議院議員(高木陽介君) 先ほどから立法者の意見ということで、なぜこの法律を変えていくのかと。これは前回のときにも申し上げたと思うんですけれども、今までの御質問を受けると、この少年法改正だけですべての犯罪がなくなるか、なくならないかみたいな、ゼロか一〇〇かみたいな論議になっていると思うんです。 そうではなくて、私たちもこの少年法を改正しただけですべての少年非行がなくなるとはとらえていない。少年の健全育成、これが大前提です。その上で、まずは犯罪を犯さないような教育、いわゆる前段階、それでも犯してしまった場合の処分のあり方、処分をした後今後どうやって社会に復帰するかという更生のあり方、こういう三段階の考え方がある。その中で、今回の少年法改正はその第一歩としての、二番目の、事件を犯した場合、非行を犯した場合にどうしていくのかという、ここのところでの論議だということで、そこは御承知いただきたいなというふうに思います。 | | |
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