会 議 録

第151回 衆 「総務委員会」 8号
2001/3/16

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。午前中から長時間にわたって、海老沢会長、御苦労さまでございます。また、きょうは短時間でございますので、端的にお答えをいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず、NHKの業務範囲の問題についてちょっとお伺いをしたいと思うんです。
 これは午前中にもちょっと質問があったかと思うんですけれども、通信と放送の融合の関連で、NHKがホームページ等を開き、インターネットでニュースを配信するみたいな形になっている。そもそも、NHKの業務というのは受信料収入で成り立っている、そのために本委員会で審議をしているわけでございますけれども、受信料を払った人がNHKの放送サービスを受けられないということは理に合わないことであり、また逆に、受信料を払っていない人に受信料収入で行うサービスを提供するというのも、またこれは理に合わないことではないか。受信料を払っていなくても、NHKのサービスをインターネットを利用して見られるわけですから、これについて、放送法九条との兼ね合いということで、まず、総務省はどういうふうに考えておられるか、お答えいただきたいと思います。

○小坂副大臣 高木委員の御質問の趣旨は、大変に、裏と表の両面からごらんになって御指摘をいただいております。
 委員も御指摘のように、放送法九条第一項で本来業務を定めてございます。この本来業務の中には、国内放送、放送及び受信の進歩発展に必要な調査研究、そして国際放送等とされておりまして、インターネットによる放送番組の一部を提供することは含まれておりません。したがって、今、インターネットによるニュース番組内容の提供は附帯業務ということでやっておるわけでございます。
 他の特殊法人と同様、NHKも、法律上、本来業務に附帯する業務は可能とされているところでございまして、これが九条二項に規定されていることは御存じのとおりでございます。
 しからば、受信料を払っていない人がインターネットの放送を見られるのは不公平ではないかという指摘もございますが、NHKは、国際放送やラジオ放送のように、受信料の対象となっていない業務をあわせて行っているわけでございます。この附帯する業務が本来の業務に比して非常にわずかなものであれば、受信料を払っていらっしゃる方から見ても不公平感を生じないものと考えておりまして、それが限度であろうか、こう考えております。

○高木(陽)委員 新聞は、見そびれても後から読み直せる。テレビのニュースというのは、見そびれてしまうと、わざわざビデオを撮っている人もいませんので、私もインターネットを開いてそれをちょっと見直すということもありますし、そういう部分では便利だなと思います。もちろん、受信料はしっかり払っているんですけれども。
 今の段階では附帯業務ということでごくわずかな部分で、それはそれで納得はするんですけれども、今後、まさに放送と通信の融合、光ファイバーが普及していく中で、e―Japan戦略にも、二〇〇五年にはもうアメリカに追いつき追い越せというような形となってまいりますから、そうなった場合のインターネットとNHKのあり方、または通信と放送との関連ということで、NHKとしてどういうふうに考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。

○海老沢参考人 今の受信料制度は、世帯ごとから受信料をいただいているということになっております。個人別でなくて世帯ごとの受信料、要するに、一つの家庭からいただいている、そういうシステムになっております。家族の中で、インターネットで見る人、いろいろあろうかと思います。その意味で、私どもは、できるだけ公平負担ということで、NHKの事業運営を支える負担金として、受信料をひとつお払い願いたいという活動はさらに進めなければならぬと思います。そういう中で、あなたは払っていないからだめですよというのは、なかなか難しい問題があろうかと思います。
 それはさておき、次のブロードバンド時代になったらどうするんだというのは大きな課題であります。これにつきましては、そういう時代が五年先か十年先か来ると思います。そういう中で、視聴者の要望なりあるいは社会経済情勢を見ながら、我々、検討しなければならない大きな課題だというふうに受けとめております。
 当面は、今の附帯業務の範囲の中でインターネットによるニュース提供をさせていただきたいというのが現状であります。その時期になりますれば、またいろいろな、国会等の審議の場で議論をお願いすることが出てくるかと思います。
 我々としては、いずれにしても、的確なニュースなり質のいい番組が、情報に格差なく、いつでもどこでもだれでもが、それを見られるようにするのが使命でありますので、そういう段階でさらに検討していきたいと思っています。

○高木(陽)委員 続きまして、先ほど同僚議員の方から情報公開のお話がございました。まさに今国会で、特殊法人の情報公開法という形で提案をされます。その中でNHKがそれを外されている。国からお金をもらっているわけではございませんので、そういった意味では、その法律に当てはまらない。もちろん、そうだとは思うのですけれども、ただ、受信料収入で行われているということで、情報公開の問題はかなり重要な問題であると思います。
 そんな中で、朝、新聞を読んでいて、これはきょう、総務委員会が開かれるということで意識的に書かれたのかなとちょっと思ったのですけれども、「NHK、七十社に間接出資」という新聞記事ですね、「業務報告書に記載なし」と。ただ、これは記事を読んでみますと、子会社のさらにその先になりますから、そこまで全部やるのかやらないのか。ここら辺のところ、法的にはそういう規制はございませんけれども、ただ、こういうふうに書かれるということが、NHKが情報公開にどういうふうに取り組むのかということが今問われているのではないか、そのように思います。
 そういった意味では、これまで、そして今後の情報公開への取り組みについて、特に受信料収入でやっているという原点に立ち返って、どのように考えているか、お聞かせ願えればと思います。

○海老沢参考人 私どもは、やはり視聴者国民あっての公共放送、NHKでございますので、そういう面では、できるだけ経営についてはガラス張り、透明度を増すのが当然であります。
 去年、情報公開の基準を我々は自主的につくりまして、それに基づいて、ことしの七月一日から情報公開に踏み出すことを決めたわけであります。守秘義務とかニュース関係とかいろいろ、個人情報とか、そういうものは難しいわけでありますけれども、できるだけ情報を公開して視聴者の信頼を得るというのが我々の使命だろうと思っております。
 そういう中で、関連会社につきましても、十分やはり国民に説明し、納得を得て、国民のコンセンサスの上に立って業務を進めるのが我々の基本的な考えであります。公開と参加という言葉を私、使っておりますけれども、できるだけ情報を視聴者の皆さんに共有してもらうというのが基本的な考えであります。そういう面では、この関連会社のあり方などにつきましても、これからさらにいろいろ勉強しながら、十分納得を得られるような対応をしていきたいと思っております。

○高木(陽)委員 これまた新聞記事でちょっと気になったことなんですけれども、衛星の契約はどんどんしっかりとやってもらいたいなとは思うのですけれども、電器店で契約してもらうと、その契約の謝礼というような形で受信料から支出されている、これが果たして適当なのかどうかという新聞記事なんです。
 聞くところによると、前々からこういうのがあったというような流れの中で、だからといって、BSがどんどん普及する中で、受信料が払われない、これはこれでまた問題があるなと。そういう意味では、これは必要なものなのかなと思うのですけれども、そこら辺のところで、受信料収入の使途として、特に、民業圧迫だ、こういうような記事の書かれ方もしていますけれども、そのところのお考えをちょっとお聞かせ願えればと思います。

○芳賀参考人 お答えいたします。
 NHKは、受信契約の取り次ぎそれから受信料の収納に関する業務を、委託取次収納員、それから郵便局、銀行等に委託をしてきております。電器店につきましてもこの業務委託先の一つでありまして、古くを申しますと、昭和三年からこのことは始めてきておりまして、衛星につきましては平成三年から実施をしてきているところでございます。
 業務を委託した、その取次手数料として、一件当たり三千円をお払いする、こういうことでございますので、このことは社会常識の範囲だというふうにも思っていますし、実は、電器店でお買いになった方がその場で御契約をいただくということは、タイムラグがございませんから、非常に有効な手段だというふうに考えておりまして、今後とも引き続きお願いをしたいというふうに思っています。
 でありますから、受信料の公平負担のために、社会常識の範囲で取次手数料をお払いするということは問題はないのじゃないか。
 また、民業圧迫というふうに記事は書いてあるわけでありますが、これは放送法で締結義務を定められている受信契約の取り次ぎをお願いしているということでありますので、民業圧迫には当たらないのではないかと私どもは考えています。
 以上です。

○高木(陽)委員 今御説明がありましたように、前からやっていた、こういう問題が、やはり情報公開の問題とも絡んでくるんだろうなと。知らないから、マスコミ的には何か大変なことだみたいな書き方をされますので、逆に、情報公開がされていれば、いつもやっていることなんですということでみんなに周知していれば、当たり前という問題が、逆に、今まで知らなかったから、急に知ったみたいな書き方をされますと、かなり誤解を生むなということで、こういう意味でも、情報公開の問題は真剣に取り組んでいただきたいなと思います。
 時間も参りましたので、最後に一つ、これは決算のときにも会長にお伺いしたと思うのですけれども、個人情報の保護の問題と、いわゆる報道と人権の問題。
 今現在、政府の方では、個人情報保護法を最後、詰めているというような段階であります。それとともに、これは与党友党でもある自民党の中、または野党の民主党の中にも、青少年社会環境育成基本法という、ある意味では有害情報を取り締まろうという問題が論議されているように聞きます。
 もちろん、マスコミ、報道、いろいろな分け方があるのですけれども、そんな中で、やはり民主主義の一番の根幹というのは報道、表現の自由があって初めて成り立ってくるなというふうに、私個人は思っております。
 そんな中で、逆に、公権力が報道、ジャーナリズムを規制していくような流れというのは、何としても排除しなければならない。ただ、そうは言っても、個人の人権が侵害されるようなそういったものに対しては、やはり何らかの歯どめをかけなければいけない。ここはすごく悩むところなんです。逆に、報道機関またはジャーナリズムが自主規制をしっかりやる。もちろん、BROみたいなものもあるのですけれども、国民全般にこのBROが知られているかというと、そうでもない。
 そういった中でのNHKの今後の、報道機関として、言論の自由を守るその中心として、こういった問題への取り組みをちょっとお聞かせ願えればと思いますので、よろしくお願いいたします。

○海老沢参考人 私ども報道機関として、表現の自由、言論の自由を守るのは当然のことであります。そういう面で、私どもは、放送法と番組基準にのっとって、自主、自律の立場でやっていっているわけであります。そういう面で、いろいろな法律ができ、それによって規制されていくことはいかがなものかというのが我々の基本的な立場であります。
 いずれにしても、私ども公共放送としては、個人の人権あるいはプライバシーというものを守るのは当然でありますし、そういうことを侵してはなりません。放送法なり番組基準にのっとって、あくまでも我々の自主的な判断、自律性をきちんとしながらやっていく方針にいささかも変わりありません。
 我々としては、常に視聴者国民の立場を十分に配慮しながら、今後ともいい番組づくりに前向きに邁進したいと思います。

○高木(陽)委員 今の会長のお話、しっかりと実現、実行していただきたいと思うとともに、報道被害を受けている人もいるという現実、その中で、報道被害を受けている方々、そういうものを守るのが本来のジャーナリズムであるんだというところを、うちのところはしっかりやっていて、ほかのジャーナリズムがおかしいんだよ、こういうような立て分けじゃなくて、そういうものを本当にリードしていくような報道を心がけていただきたいなということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。


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