会 議 録

第151回 衆 「決算行政監視委員会」 4号
2001/5/23

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 小泉内閣がスタートいたしまして、この決算行政監視委員会も初めての委員会という形となると思うのですが、その中で、総理が道路特定財源の見直しについて表明をされまして、これはこれから論議がさらに進んでいくであろうと思います。
 また、そのような中で、塩川財務大臣もそのほかの特定財源についても見直す意向を表明されたと新聞等でも報道されておりますけれども、財政改革のためにはこういった視点というものは必要であると私も思うのですが、やはり論議というものはさまざまな角度からやっていかなければいけないであろう。とにかく、硬直的な事業別シェアを経済の実態に合った予算配分に大胆に変えることになって構造改革や景気浮揚につながる、そういう角度もあると思います。
 このような認識の中で、私は、きょうは空港整備特別会計、空港問題について、現状の認識と制度改革について論議、質問をさせていただきたいと思います。
 この空港整備特別会計は、空の交通、社会資本整備を行うというか整備していく目的で、長期にわたり安定的に資金を確保した上で、大都市圏の国際空港の整備から始まって、騒音防止を含む環境対策、また地方空港、さまざまな形で施策が講じられてきたと思います。しかし、経済が右肩上がりだったときは、人口増加に裏打ちされた生産余力の拡大期には、公共投資の多少の非効率にも目をつぶっても何とかなってきたというのがあったと思いますが、今現状は、そういう甘い状況ではないと思います。
 そのような中で、特に空港、一種、二種、三種、地方空港の三種ですね。これは一県一空港みたいな形でどんどん整備されてきておりますけれども、そのような中で地方空港の新設、これは実際問題、赤字も出ているところも多々ございますし、そういったことについて今後どう考えていくのか。地域間格差、このバランスを配慮する空港整備というものは必要であったけれども、今後どのようにしていくかということで、そこのところをまず最初にお伺いをしたいと思います。

○深谷政府参考人 お答え申し上げます。
 地方空港の今後についてのお尋ねがございましたけれども、現在、私どもといたしましては、平成八年度からスタートしております第七次空港整備七カ年計画が現在進行中でございますけれども、その中でも、滑走路延長などの継続事業を中心として整備を進めるとともに、需要を基本としながら既存空港の高質化など所要の整備を図る、こういうふうにされております。
 そういった基本的なベースの上に立ちまして、現在では、新規空港につきましては、御指摘の第三種空港、地方自治体が設置管理者となるものにつきましては、能登空港それから静岡空港、神戸空港、この三空港が現在ございます。
 今後の地方空港の整備につきましては、二大都市圏と地方を結ぶネットワークの形成、こういうものについては空港整備は概成しつつあるだろうというふうに認識を持っています。これからは、継続事業を中心にその推進を図るとともに、既存空港の高質化、こういったものに努めていきたいというふうに考えております。

○高木(陽)委員 すごく抽象的なお話だったと思うのですけれども、そのような中で、今度はちょっと具体的な問題でお伺いをしていきたいと思います。
 マスコミ等も、この空港問題、折あるごとに触れておられますけれども、そういった中で、今、これから能登、神戸、静岡、計画のお話がありました。その直前にもできた大館能代または佐賀空港、ここら辺のところの実態というのもなかなか厳しいという。特に、これは昨年の暮れの新聞報道なんですけれども、会計検査院の調査で、自治体が管理する離島を除いた全国二十一地方空港のうち、十九空港が昨年度赤字に陥っていたことがわかった、こういう報道がありました。
 そこら辺の実態で、まずは、今お話のありました能登、神戸、静岡、これからできていくわけでありますけれども、これの総事業費、また需要予測というものが数字として出ていると思うのですが、それをお聞かせ願いたいと思います。

○深谷政府参考人 お答え申し上げます。
 能登、静岡、神戸についてでございますけれども、能登空港につきましては、総事業費二百七十億円が見込まれておりまして、年間利用者、これは見込みでございますけれども、平成十五年度で三十万人と見込んでおるというふうに承知しております。静岡につきましては、総事業費五百六十億円、平成十五年度で、これは事業採択時におきます開港予定年度でございますけれども、年間利用者として約百八十万人。それから神戸空港につきましては、総事業費五百三十億円、平成十七年度の年間利用者として約三百四十万人というふうに見込んでおりまして、そういう状況でございます。

○高木(陽)委員 今数字を出していただきましたけれども、これはあくまでもこれからの予測ですね。
 ちなみに、大館能代空港、佐賀空港、これの当初予測と現状の利用状況、それの乖離というものがあると思うんですが、その数字がもしわかったら教えていただきたいと思います。

○深谷政府参考人 大館能代空港、それから佐賀空港についてのお尋ねがございました。
 いずれも第三種空港でございますが、大館能代空港につきましては、平成十年の七月に開港いたしております。直近の平成十一年度、確定したデータで、実績値として、利用客十五万五千人ということでございます。予測値としましては、大館能代の空港につきましては、設置許可、その手続の時点での予測値、これは平成十年度という数字が出ておりますが、約四十七万人という予測値を立てておりました。
 佐賀空港につきましては、これも平成十年の七月に開港いたしております。利用客の実績は平成十一年度で三十四万人でございます。空港を事業採択する時点での予測値としましては、平成十二年度のものが出ておりますが、これが七十三万七千人、それぞれ設置管理者が予測していたところでございます。

○高木(陽)委員 今数字を出していただきましたけれども、例えば大館能代が、当初四十七万人の予測だったのが、実際開港してやってみたら十五万人しか来なかった。さらに佐賀空港も、七十三万人を予測しながら三十三万人台。つまり、半分もいっていない。結局、それで赤字になるわけですね。
 静岡、神戸、能登も、今予測を述べていただきましたけれども、ここら辺のところが予測どおりいかないんじゃないか。結局また赤字になる。赤字はどうするかというと、やはり国民、市民が負担をしなきゃいけない。こういう形となって果たしていいんだろうか。
 もちろん、何でも採算がとれれば、民間企業みたく採算をとらなきゃいけないというわけではないんですが、一番最初に申し上げました。経済がずっと上向きのときは、そういった部分でみんなが本当にそれを利用する、便利になる、その恩恵をこうむる、だからそういう負担はみんなで分散をして負担しましょう、この考え方はいいと思うんですが、やはりこれからの時代というのは、この空港の問題に関しても、採算性というものをしっかりと見ていかなければいけないのではないか。ところが、第三種空港の場合は地元からの要請が多いわけですね。各都道府県、県の方から、うちの地域に空港がないですから、下さい、つくりたい、そういった要望の中で何とかつくってきた状況もあると思うのです。
 そこら辺のところで、今度総務省にちょっと聞きたいんですけれども、当初は、地方空港というのは地方自治の活性化につながる、これが経済の活性化につながるんです、こういうような主張のもとでどんどん広がってきたと思うんですけれども、ただ、現状、今言ったように赤字がどんどん積もってくる、やればやるほど赤字になるというものを今後どうしていくのか。自治体に大きな負担になっているのは確かだと思うのです。そこのところの財源の措置みたいな部分、これは総務省としてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

○香山政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の地方団体が設置、管理する第三種空港につきましては、建設時には二分の一の国庫補助がございますが、残りの二分の一について、現在、ちょっと地方財源全体が不足いたしておりまして、財源対策債という特別な仕組みを導入しているために変則的なスタイルになっておりますけれども、地方負担に対しましては九五%地方債を充当いたしまして、その三分の二ほどを交付税で元利償還の手当てをするという形にさせていただいております。
 また、維持管理費につきましては、地方交付税の算定上、使用料、手数料を予定する部分を除きましては、空港の維持管理費として財源措置をさせていただいておるということでございます。これは、あくまで維持管理費等は交付税上標準的な水準というのを想定しておりまして、標準的な水準で標準的な乗降客があればこの経費で一応賄えるであろうというふうに制度設計をさせていただきまして、財源措置をさせていただいておる。
 一方で、現実の問題として、余り乗降客がいないという空港があるのは事実でありまして、私どもはそういう団体に対しましては、とにかく使用料の確保、あるいはその他もろもろの方策を講じて乗降客がふえるように努力をしてほしい、こういうつもりで指導させていただいております。
 何よりも、基本的には、空港に着手をする前に、将来の的確な需給予測のもとに事業に着手する、そういった取り組みが基本的に必要だろうというふうに考えておる次第でございます。

○高木(陽)委員 これは、国が全部賄っていかなきゃいけないということじゃなくて、やはり自治体が主体的にやっていく、これが基本原則だと思うんですが、自治体も体力のない中で、つくってみたけれども、さあ困った、今後五年十年、今の空港体制がそのまま維持していくとしたら、これまた大変な問題になっていくということで、ここで問題なんですが、さっき申し上げました、採算性を考える。これからまさに行政評価法、そういった法律、制度が整備されてきた場合に、特に公共事業に対して国民の皆様方の率直な、むだはやめてもらいたい、貴重な税金は本当に大切に使っていただきたい、当たり前だと思うのです。それを、今までは、空港は必要だからな、とにかくつくってみようやというようなアバウトな部分があったのではないか。
 実際問題、さっきの数字を見てみますと、当初予測と比べたら半分以下、三分の一、そういった利用状況。では、その補てんはどうするんだ、こういうところまで本当に考えて空港というのができてきたのかというと、そうではないと思うのです。
 そういった中で、では今あるものをどうするか。これはやはり知恵を絞らなければいけないと思うんですね。もし民間企業であったらどうするか。廃止します。採算の合わないところは切っていくわけです。今リストラの時代、そういう中で、本当に民間の企業は苦労して何とか生き残りを図っているというような中で、行政がやっているから赤字になってもいいや、この感覚は、もうこれから許されないと思うんですね。
 ただ、これだけの、それぞれ何百億もかけるような空港ですから、それを一概に廃止とはいかない、これも当然だと思うのです。だから、ここで本当に知恵を絞っていかないと、やはり最終的に国民に負担がかかる。ここら辺のところは国土交通省も考えていただきたいと思いますし、また自治体もしっかり考えていただきたいということで、最終的に財源措置の問題で総務省もいろいろと絡んでまいりますから、そういった部分の検討というものもよろしくお願いしたい。これは回答は要りません。
 さらに、国が管理している空港ですね。二十八あるというふうに聞きましたけれども、さっきちょっと、静岡または神戸、能登、こういう計画があると言いましたけれども、今後の空港整備、今申し上げました効率化の部分、これをどう考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。

○深谷政府参考人 今後の空港整備の効率化についてのお尋ねがございました。
 私どもといたしましては、先ほど御答弁申し上げましたように、いわゆる地方空港につきましては、高質化に重点を置いていくというふうに考えております。
 それから、全体といたしましては、大都市圏拠点空港、首都圏でございますとか中部圏でございますとか関西圏でございますとか、そういった大都市圏拠点空港の整備に重点化を図る、そういう全体のめり張りをつけて空港の整備に当たっていきたいというふうに考えております。

○高木(陽)委員 すごく抽象的なもので、ではそれで解決するかというふうになるとなかなか厳しいかなと思うのですが、しっかりとそこら辺のところはやっていただきたいと思います。
 その上で、もう時間も参りますので、空港整備特別会計の収入の部の空港使用料について、最後お伺いをしたいと思います。
 これはずっと言われ続けておりますが、日本の空港の着陸料は高い、こういうふうに言われております。例えばジャンボ機が成田空港を利用すると九十五万、関西空港は最近値下げしても八十三万、世界で一位、二位だ、こういうふうに言われております。一方、韓国の仁川、これは三十五万、上海、香港が五十万前後だという。
 それを考えますと、これは航空各社からもいろいろな要請、要望等々、国土交通省、その前の運輸省等にもあったと思いますが、これについては、地価だとか工事費だとかいろいろな経費がかかったのは仕方がないと思うのです。それを上乗せしていくという考え方、これは自然な考え方かなと思いきや、例えば民間企業として、藤田日本マクドナルド社長、この方がこんなことを言っています。コストから割り出すのではなく、幾らで売れるかで決めることだ。やはり民間企業というのはこういう発想をするんですね。
 行政というのは、これだけかかったから、ではこれで売りましょう、これではやはり高くなるわけで、そこら辺のところの考え方というか、まさに、今までかかったからそれを何とか償還しなきゃいけない、このことは大切なことなんです。だからこそ、もっと利用をふやす、またはそれで回転をふやす中で経費を浮かしていく、こういった発想というものも必要だと思うのです。
 まさにこれは、さらにこの着陸料、国際競争力の問題にも関連していくのではないかなと思うのですが、この点、国土交通省としてどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。

○深谷政府参考人 ただいま空港の着陸料、国際競争力の観点等からのお尋ねがございました。
 現在、国際的な拠点空港としまして、成田空港、関西国際空港というのがございますけれども、両空港の使用料につきましてはなかなか、国土の制約から、御指摘のようにいろいろな建設コストも含めまして高くなるというふうなことから、現にそれぞれ、御指摘のように、着陸料については世界的に見ても高水準にあるということは事実でございます。
 私どもといたしましては、そういった事情もございますけれども、国際競争力の強化を図ろうということで、例えば、関西国際空港につきましては、新規割引でございますとか増量割引でございますとか、そういった営業割引のような仕組みを平成十二年から取り入れまして、いろいろな措置を講ずる、さらには、今年度からは、国際線の着陸料をトン当たり二千三百円から二千九十円に引き下げるというふうな措置もとらせていただいております。
 こういった措置があってか、最近の関空の状況としましては、十二年度の国際線の発着回数は、旅客便が対前年度六%程度、貨物便に至りましては二四%程度伸びているというふうなことや、今年度の夏ダイヤにつきましても、過去最高でございました昨年をさらに上回るというふうな見込みになっているところでございます。
 他方で、首都圏にあります成田空港につきましては、容量の問題もありまして、なかなか乗り入れ希望に応じ切れないという申しわけない状況にあるわけでございますけれども、これも経営効率化などを図りまして、着陸料につきましては十七年間にわたって据え置いてきた。他方で、成田公団は独立採算で運営されておりますので、可能な範囲でいろいろ努力を公団にもしてもらいたいとは思いますけれども、着陸料のみならず、給油施設使用料につきましては、六十三年度以降、四割程度、引き下げをできるところはやっている、こういうことでございます。
 また他方で、平成十一年度から、いわゆる二種A、国が設置、管理する空港につきまして着陸料を従来の三分の二にするとか、あるいは、今年度からは、羽田空港と地方路線を結ぶ場合の地方路線にかかわる羽田の着陸料につきまして、三分の二に軽減する、そういったいろいろな努力をさせていただいているところでございます。
 当面、こういった措置の状況をきちっと見ていきたい、かように考えております。

○高木(陽)委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。


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