会 議 録

第153回 衆 「決算行政監視委員会」 3号
2001/11/07

○高木(陽)委員 おはようございます。公明党の高木陽介でございます。
 本日は、土地区画整理組合の土地区画整理事業の行き詰まりというか、そこの現状等々を踏まえて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この土地区画整理組合、全国で千以上ある中で、特にこの十年間、バブル崩壊後かなり厳しい状況にある。新聞報道でも多々なされておりまして、例えば、この夏の新聞報道では、「全国で赤字千六百億円 地価下落で売却進まず」こういうようなかなり刺激的な記事も出ておりますけれども、そこのところの現状、そしてそのように厳しい状況になった原因というのは一体何なんだ、そこら辺のところからまずお聞かせ願いたいと思います。
○澤井政府参考人 組合施行によります区画整理事業の行き詰まりの現状と原因というお尋ねでございますが、私どもが平成十二年の五月に実施いたしました調査結果によりますと、全国で組合施行により施行中の千八十三地区の区画整理のうち、約一割に当たります百十二地区につきまして収入不足が見込まれる、全事業の収入不足の見込み額の合計は約一千六百億円に達するという結果でございました。そのうち、全体の約四%に当たります三十九地区におきまして十億円以上の収入不足が見込まれております。
 この収入不足の原因につきましては、保留地処分金を主たる財源とする郊外部の組合事業におきまして、近年の地価水準の下落などにより、当初見込んでいた保留地処分金による収入が予定どおり得られなくなったためと認識しております。
○高木(陽)委員
 今お話があったように、結局、土地の値段が下がっていくということでの収入不足、それで窮地に追い込まれている組合も少なくないと思うのですね。
 最終的にこの赤字が出てくると、地権者の追加負担になっていくであろうと思うのですけれども、国土交通省として、この問題に対してどのような具体的な指導及び対策をとってきたか、お聞かせ願いたいと思います。
○澤井政府参考人 国土交通省といたしましては、組合の設立認可などを行います都道府県等に対しまして、さまざまな機会を通じまして、早期の対応と可能な方策につきましていろいろと指導、アドバイスをしてまいりました。
 具体的に申し上げますと、認可権者であります都道府県等に対しまして、まず組合の経営状況を十分に把握していただく、加えまして、総事業費の縮減、これは公共施設あるいは宅地造成、いろいろと事業費がかかりますが、そういったものを縮減する、あるいは再減歩、賦課金の徴収等の組合の自助努力による負担、さらに、補助金、無利子貸付金など支援策を活用いただく、それから保留地の早期の処分など処分の手法を工夫する、そういった幾つかの対応策を組み合わせました総合的な再建の方針の案というものをお示しいたしまして、必要に応じて事業計画の変更等を図るべきであるとの指導等を行ってきております。
 また、事業が進展するにつれまして打てる手も限られてくるものですから、できるだけ早い時期に対応するのがいいのではないかという指導も申し上げております。特に、平成十一年度におきましては、早期の事業終息に向けた保留地売却の促進が可能となりますように、保留地を取得する法人に対する無利子貸付金制度を創設するなどの手も打ってきております。
○高木(陽)委員
 国土交通省としてみれば、都道府県等にそういう指導を行ってきた。ただ、最初にお話がございました百十二地区千六百億円、そのうち四%、三十九地区で十億円の収入の不足が出てくる、こういう現状の中で、そういった現状を把握、そしてそういう指導をした。窮地にあった組合がその対策によって将来的な見通しが立った、そんな例は幾つかあるのでしょうか。
○澤井政府参考人 申し上げました百十二地区のうち、先ほども申し上げましたが、総事業費を縮減するとか、あるいは組合員から賦課金を徴収するとか、あるいは保留地を再度ふやすために減歩をするとか、一方で公的な補助金を活用するとか、いろいろな手を使いまして、現在までのところ、百十二地区のうち十地区につきましては、現時点で不足の見込みが解消されたというふうに見ております。
 残された地区につきましても、組合によっていろいろな事情がございますけれども、かなり進んでいるというふうに聞いておりまして、今後こうした不足の見込みの解消に向けまして、懸命な努力がなされているというふうに考えております。
○高木(陽)委員
 これは区画整理事業だけではないのですけれども、公共事業等々も含めてさまざまな批判がある中で、一たんスタートしてしまうとなかなかとまらない、こういうところがよく指摘されていると思うのですね。そんな中で、今お話があったように、国土交通省というのが各都道府県に工夫や見直しを指導している。ただ、現実問題として、当面ほころびを繕うみたいな形にも思えるわけですね。
 その中で、整備主体というのはあくまでも組合というか、そこがやっていかなきゃいけない問題なんですけれども、ただ、どうしてもこの土地区画整理事業というのは公的な部分に期待をしている、補助金等も含めて。公的支援があるんじゃないか、最後は何かやってもらえるんじゃないか、そういった期待感の中で、これは国土交通省の責任だとかそういうことじゃなくて、現実問題としてそういう組合等も多々あるのではないかな。そこら辺のところを明確にしていかないことには、このままやはりずるずると土地が浮いたままの形になってしまうのではないか。
 そういう意味で、これは国土交通省に聞くというのも何かおかしな話なのかもしれませんけれども、そういう公的支援を期待する思いというのはそれぞれあるんじゃないかな。そこら辺のところをどうお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○澤井政府参考人 どこかに公的支援を期待する思いがあるのではないかというお尋ねでございますけれども、組合施行によります区画整理事業は、本来、地権者みずからが土地の利活用を目的として実施するという性格のものでありまして、公的支援というのは、一般的にはその中で行われます公共施設の整備など、公共の度合いに応じて行うということを基本としております。
 先ほど来申し上げておりますような、事業費の縮減ですとか、再減歩による保留地の増加ですとか、そういったいわば自助努力といいますか組合の懸命な努力によりまして、現在、事業計画の見直しが進められている。その中で、そういった努力を中心に、現に十地区につきまして不足の解消の見込みが立ったということでございますので、私どもとしては、こうした努力が今後とも基本であろう。
 ただ、先ほどもちょっと申しましたけれども、保留地を早く売ることによって組合の金利負担を軽減することが大変役に立つのではないかというようなことで、保留地管理法人に対して、保留地を買う場合には無利子で貸し付けをしますというような仕組みをつくりまして、これはあくまで貸し付けでございますが、側面から支援はしたいと考えております。
○高木(陽)委員
 国土交通省、公的な部分の方からは、あくまでも自己責任なんですよ、こういったところはもっともっと明確にしていかなければいけない。ただ、今局長がおっしゃられたように、そういう貸付融資制度みたいな形をもっとうまく活用していく、ここら辺のバランスが大切なのではないかなと思うのです。
 ただ現実問題、これもちょっと新聞記事を引用させていただきますけれども、ちょっと読ませていただきますが、「自治体や三セクが保留床を引き取り、キーテナント不在のまま見切り発車するケースも少なくない。住民の血税までつぎ込むのは無謀と言わざるを得ないが、」ここからですね、「「選挙への影響など政治的理由から引くに引けなくなる首長が多い」と関係者は指摘する。」
 これは、全国それぞれ土地区画整理組合があって、その地域の政治、行政も絡んでいる部分もある中で、今こういう記事を引用したように、選挙への影響、政治的理由、こんなところでとらえられている部分もあるのではないかな。また、事業はどんどん進め、金を使ってから考えるケースが多い等の批判もございます。ここら辺は、かなり極端な表現かもしれないのですけれども、中には的を射ている部分もあるのかな。
 その上で、これまで地価上昇を前提とする計画、今までは上がるという形でしたから、それを売って、それをベースにしてやりましょうという形だったのですが、正常な開発利益をどのように生み出し、事業への還元ができるか、根本的に見直さなくてはいけないのじゃないかな。その上で、特に郊外の開発を行う土地区画整理事業については、今までやった部分というのもあるのでしょうけれども、土地はもう正直、バブルみたく上がることはないだろう、これはだれもが認めていることで、新規事業に着手することについても抜本的に見直していかなければいけないのじゃないかな、そのように私は考えるのですけれども、そのことについて国土交通省としての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○澤井政府参考人 御指摘のように、最近地価が下がり始めて相当になりますけれども、かつてのような、地価上昇を前提として、いわば安易にそれに依存して物事を進めるという時代でなくなってきているということは、御指摘のとおりだと思っております。
 区画整理に関して申し上げますと、今やっているものにつきましては、あくまでも先ほど申し上げましたような事業の見直しを進めて、一刻も早く見通しをつけるということに全力を挙げる時期だと思っております。他方、今後、そういう意味で一般的な地価上昇に依存することなく、一方で都市の質を高めたり、利用価値を高めていくという上で、この区画整理事業は引き続き非常に重要な手段だと思っておりますので、そういう質を高める、利用価値を高めるという観点から、いかに民間、公共が一致協力してやっていくかという視点で進めるべき時代だろうと思っております。
 その際、一般的に申しますと、我が国はかつての都市化社会から、今後、都市型社会というふうに変わってきている、今非常に重要な転換点にあると思っておりまして、例えば、いわゆる人口集中地区の面積の拡大の状況を見てみますと、昭和四十年から昭和四十五年の五年間では、人口集中地区が統計上四〇%ふえております。他方、一番最近のとれるデータで申しますと、平成二年から平成七年、この五年間では、さきの五年間が四〇%であったのに対しまして五%ということで、市街地の外延的拡大は大幅に減速してきていると思っております。
 このため、区画整理事業につきましても、郊外において新たな宅地を供給する新市街地の整備という必要性が相対的に低下いたしまして、既存ストックを活用し、既成市街地の再構築、再生を進める事業へ重点がシフトしてきているというふうに、現にそうなっていると考えております。
 ちなみに、昭和五十年度におきまして、既成市街地型と新市街地型に分けますと、既成市街地型の区画整理は全体の三分の一でございました。三分の二が新市街地型でございました。ところが、直近の平成十年度で同じことを比べてみますと、五三%が既成市街地型、現に進行中のものですね。かように、既成市街地における区画整理、これは基本的に、地権者も大変多うございまして難しい面が多いわけでありますが、そういった中で、時代の要請に対応して、既成市街地の区画整理が非常に大きくふえてきているという事実がございます。
○高木(陽)委員
 今、郊外型より既成市街地の部分が大分比重が多くなってきているというお話がございましたけれども、今政府の方が、小泉内閣になりまして都市再生本部までつくって、都市再生というのを大きく掲げていると思うのですね。こういった都市の再生という視点からこの土地区画整理事業というものをしっかりととらえていかなければいけないのじゃないかな。
 ところが、内閣の方が、この都市再生本部が打ち出した第一弾、第二弾の中では、例えば首都圏の部分でいうと三環状、もちろん道路の部分も大切でしょう、そのほか臨海部における再開発、これも重要でしょう。ただ、やはり防災の観点からいっても、特に東京二十三区、山手線のまた外あたり、環六から環七、環八のあたりというのは本当に市街地が密集しております。これはもうずっと昔から指摘されている、もし直下型地震があった場合には大変な被害が出る、阪神大震災以上の被害になる、こういうふうに想定される中で、ここら辺はやはり、せっかく国土交通省として土地区画整理事業というものを所管している中で、しっかりとリンクさせなければいけないのじゃないかな。
 ただこれは本当に、予算的に見ると、土地区画整理事業は自己完結をしていこうという流れの中で、その貸し付けだとか融資制度をいろいろと活用しながらまたやっていきましょう、これが既成市街地の方にも重点が移されているのですけれども、まだまだここら辺の部分のめり張りが少ないのじゃないかな、そんな気がしてならないのです。せっかく内閣を挙げて都市再生をやろうというのですから、ここら辺のところをもっとクローズアップしていく、都市再生の要請と土地区画整理事業を一致させながら、もっと効率的に、もっとスピーディーにやっていかなければいけないのではないかなというふうに考えているのですけれども、いかがでしょうか。
○澤井政府参考人 都市再生の中で区画整理の果たす役割は非常に大きいのではないかという御指摘でございますが、まことにそのとおりだと考えております。
 既成市街地は、一般的には所有とか利用が細分化されておりまして、小さな敷地が多い。そういったところの敷地を統合していく、あるいは街区を再編していくというようなことで土地の高度利用を進め、あるいは防災性の向上を図るという上で、やはり区画整理という手法は非常に重要であり、欠かせないというふうに考えております。
 例えば、工場跡地のような大きな敷地を商業用あるいは住宅用に転用していくという場合には、もっと利用単位が小さくなりますので、逆にそういうところに道路を入れていかなければいかぬですし、一方で、非常に小さな敷地が連担して木造家屋も多いというような場所で区画整理をやる場合には、むしろ敷地の統合ということをメーンに区画整理をやっていくとか、そういう場面、場面のニーズに応じて、いろいろな使い方ができると考えております。
 ただ、最初の方で御議論がありました新市街地型の区画整理と比べまして、既成市街地型の区画整理の場合には、既にもとの土地が宅地として利用されているものですから、新規の宅地開発を行う郊外における事業に比べまして宅地価格の増加は小さいということがありますので、一方で、先ほど来申し上げておりますような非常な必要性があるということを考えますと、公的な支援というものがより充実されていかなければいけないだろうということも考えております。
 このため、これは区画整理の仕組みの問題もありますし、あるいは財政的な国、公共団体の支援の問題もありますけれども、そういった仕組みの充実を、これまでも努力してまいりましたし、今後も努力していきたいというふうに考えております。
○高木(陽)委員
 今、都市再生とリンクするというお話の中で、正直、来年度の概算要求を見てみますと、特に都市再生に関して申し上げれば、各省庁からいろいろと積み上げていく。そういう中で、今回要求はしているんですけれども、やはり、こういった都市再生と土地区画整理というのをリンクさせる場合には、もっと国土交通省が積極的に、また大胆に発想していってもらわないと困るなと。困るというよりは、従来型のやり方でいくと本当に十年、二十年たっても変わらない。都市再生もあり得ないし、区画整理もできない。では、その間に先ほどから申し上げている震災が起きたらどうするんだ、ここら辺のところをより大胆にやっていただく、そういうことを要望いたしまして、時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。


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