会 議 録

第156回 衆 「国土交通委員会」 15号
2003/4/15

○松野(博)委員 今回導入をされます証券化支援業務というのは二つのタイプがあるわけでありますけれども、民間金融機関が貸し出した住宅ローンというのを金融公庫が買い取るいわゆる買い取り型というものと、民間金融機関が証券化をしたものに関して公庫が、発行した債券の元利保証をする保証型というものでありますけれども、今回の法律改正によってこの二つのタイプの策を導入する意義についてお伺いをしたいと思います。

○高木大臣政務官 買い取り型と保証型の二つのタイプを導入する意義についてのお尋ねでございますけれども、まず、平成十五年度から買い取り型を先行して開始して、保証型の方は平成十六年度以降に開始する予定としております。
 その上で、まず、長期固定金利の住宅ローンの証券化が本格的に行われているアメリカにおきまして、政府支援機関であるファニーメイやフレディーマックが民間金融機関から住宅ローン債権買い取り等を行って証券発行を行う、いわゆる買い取り型に類似の手法と、政府機関である連邦住宅局及びジニーメイが保険、保証を行うことによって民間金融機関が証券発行を行う保証型の類似手法がございます。アメリカにおいて、証券化市場においてもそれぞれ一般的に行われているものと承知しておりますけれども、我が国の証券化市場におきましては、その発達に従って、民間金融機関がそれぞれのニーズに応じて、買い取り型または保証型を選択するものと考えております。
 例えば、証券化をみずから行うノウハウを有するとともに、全国規模の大規模な住宅ローン債権プールをみずから組成できるような大手の金融機関は保証型を活用して証券化を行っていくであろう。また、中小金融機関など自社住宅ローン債権では規模が小さい、あるいは地域的偏りがある場合や、米国では住宅ローン提供の重要な担い手となっているモーゲージバンカーのようなノンバンクなどは買い取り型を活用するといったことが考えられると思います。
 いずれにいたしましても、長期固定金利の住宅ローンを民間金融機関が円滑に提供できるようにするために可能な限り工夫を行うとの観点から、この二つの種類の証券化手法を導入することとしたところでございます。

○松野(博)委員 今回の証券化支援業務の必要性といいますのは、従来の住宅金融公庫の魅力というのは、長期固定金利で、なおかつ低金利であるという住宅ローンを提供してきたということでありますけれども、そのことを民間活力を利用して行うということであろうかと思います。
 すなわち、公庫の公的機関としての信用力を利用いたしまして、低利回りで資金を調達して、そして結果として一般利用者に低利の融資を実現するということでありますけれども、そのためには民間金融機関への委託の手数料を低く設定する必要があるかと思いますが、そのためにどういうような施策をお考えでしょうか、質問させていただきたいと思います。

 

○松野政府参考人 お答えいたします。
 公的機関の信用力を背景にして、相対的に低利回りで資金調達ができるということが今回の証券化支援事業の仕組みでございますが、それでも、できるだけ低利の融資を実現するという必要があろうかと思います。
 今回の仕組みの中では、最初に資金を貸します民間金融機関みずからが、当然、その貸し付けを行うと同時に元利金の回収を行う、これはサービサーというふうに言っておりますが、サービサーも担うということになるわけでございます。ここの手数料につきましては、民間金融機関の判断で定められるということになります。
 ここの、いわゆる最初の貸し付けをして、なおかつ回収業務を実施するという者につきましては、金融機関として、ノンバンクも含めたさまざまな金融機関を想定しております。ここでさまざまな方々が参入してきて、市場における競争が行われるということを考えております。
 したがいまして、そうした競争を通じまして、元利金のサービサー手数料、回収手数料が低減されまして、最終的に消費者にとって低利な住宅ローンが供給されるということを私どもとして期待しているわけでございます。

○松野(博)委員 住宅政策を取り巻く環境というのも大きな変化がございます。少子高齢化ということもございますし、右肩上がりの経済というのもそろそろ終えんを迎えてきているのかなという思いもあります。そして、先ほど来議論の中にたびたび登場するような環境問題という観点からもこの住宅政策を考えていかなければなりません。
 特に、これからの住生活のあり方を考える上で、ライフスタイルに合わせた住まい方を重視するということが大事になってくると思いますけれども、そのことにおいては、中古住宅の活用、リフォームの促進が今後は重要な課題になってくるかと思います。
 マンションの建てかえ推進のときも質問させていただきましたけれども、日本の上物に対する評価というのは欧米と比べても著しく低いわけでありますし、中古住宅市場というものの不整備もございます。このことの大きな原因の一つとしては、住宅に対する金融上の問題があったのではないかというふうに考えるわけでありますけれども、現在の公庫における中古住宅向けの融資、またリフォームローンの制度というのはどういうふうな内容になっているかを質問させていただきたいと思います。

 

○吉井政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいまの現状での住宅金融公庫の中古住宅あるいはリフォームローンの内容という御質問でございますが、私どもも、先生御指摘のとおり、今後の社会におきまして、良質な住宅ストックの形成だけでなく、適切な維持管理でありますとか、円滑な流通を一体的に実現していくことが極めて重要な課題であると存じております。
 そのため、住宅金融公庫におきましても、適切な維持管理や円滑な流通を支援する中古住宅向け融資やリフォームローンの充実を図ってまいったところでございます。
 特に中古住宅につきましては、中古というようなイメージから、住宅の再生という意味を込めまして、平成十四年度からリユース住宅というふうなネーミングをしまして積極的に対応しているところでございます。
 その融資条件につきましては、中古住宅向け、いわゆるリユース住宅向けの場合につきましては、金利につきましては、一般の中古住宅は現在二・三%でございますが、バリアフリー等の維持管理が適切なものにつきましては、最優遇金利であります基準金利二・二%を適用しておりますし、融資額につきましても、維持管理が適切なものにつきましては新築並みの融資額としております。償還期間も、維持管理が適切な中古住宅につきましては、一般のものが二十五年であるのに対して、三十五年というふうにしております。
 リフォームにつきましても、一般のリフォームは二・三%にしておりますが、バリアフリー等のリフォームを行う場合には、最優遇の二・二%としております。融資額につきましても、バリアフリーリフォーム、あるいは最近問題になっておりますシックハウス対策リフォーム等を行う場合には一千万円までというふうなことをしておるところでございます。

○松野(博)委員 先ほど来、資源の有効活用や、産業廃棄物のほとんどが建築廃材だという観点からも、住宅を良質で長もちさせるものをつくり、なおかつリフォームや中古市場の整備で有効的に活用していくことが重要だという議論が続いております。
 その中で、今回の証券化支援業務において、買い取り基準は新築のものに限るということかと思いますけれども、それでは、今後、中古住宅の融資やリフォームローンについて証券化は行われないのか、今後どのように考えているのかについてお聞かせをいただきたいと思います。

 

○松野政府参考人 お答えいたします。
 今回の証券化支援業務におきましては、まずスタートの時点ですが、新築住宅に限るということにしております。これは、現行の資産担保証券、公庫のMBSでございますが、新築の個人住宅に対象債権を限定しているところでございますけれども、今公庫の方から申し上げましたとおり、政策的には中古も含めて融資を実施するということをやっておりますけれども、MBSにつきましては、これを市場の中で証券化市場がどう評価するかという別の問題がございます。
 委員も御指摘になりましたとおり、中古住宅市場というのが、我が国の場合、経過年数に伴って下落傾向がちょっと大きいということがございます。したがいまして、ローンの証券化の際に格付機関が格付をする際に、MBSの格付で、中古住宅につきましては、どういう評価をしたらいいのかということも含めて、まだ十分な評価方法が整備されていないというようなことがございまして、その債券を無理やり発行いたしますと利回りがかなり大きいものになってしまうという可能性がございます。証券化市場を育成するという観点からも、均一の、一定のものをどんどん出していくという必要がございますので、当面、新築住宅に限定して実施していきたいと考えております。
 なお、今後は、議員も御指摘になったとおり、中古住宅市場を育成していって、新築といわば遜色のないような評価がされるような市場になっていったときには、証券化支援事業の対象となるということが十分あり得る時代が来るのではないかと思います。そういった意味でも、中古住宅市場の整備を進めていくということをまず第一に考えて、今後の検討課題としたいと思っております。

○松野(博)委員 私は、日本の住宅政策は、今後、例えば子育ての状況ですとか生活の変化等、ライフステージによって住宅をどんどん買いかえをしていくというような生き方というのがどんどん多くなってくるのではないかというふうに思いますけれども、それには、中古住宅市場というのがしっかりと整備をされるということが重要であるかと思います。
 今回、証券化支援業務において買い取り基準が新築住宅に限るというのは、導入当初の問題としていたし方ないのかなという気もいたしますけれども、そのことがかえって中古住宅の上物の価格下落に拍車をかけるようなことがないように、ぜひ、ともどもにこちらの制度の充実も図っていただきたいというふうに思います。
 いろいろと議論がありますけれども、今回の法改正の中において、今後、公庫が独立行政法人化された後も、要は、住宅購入を望む国民がしっかりと住宅ローンを利用できる、国民がそのことで困るようなことにならないというのが最も重要なことであります。
 その観点で、今回の証券化支援業務を導入したときに、本当に民間の金融機関が長期固定金利型の住宅ローンを国民が困らないようにしっかりと発行していくのかどうか。そのときに、民間金融機関も商売でありますから、民間金融機関がこの住宅ローンを取り扱うに当たっての何らかのモチベーションが必要であるかと思いますけれども、金融機関の具体的な調整の立場にある住宅金融公庫はどういうような施策を考えているのか、お話をいただきたいと思います。

 

○吉井政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおり、公庫が独立行政法人になった後も、国民の住宅取得に対するローンが的確に行われるということが一番大事なことだと思います。
 私どもといたしましては、今回の証券化支援事業につきましては、長期固定の住宅ローンにつきまして、民間金融機関から安定的な供給がなされるということを目的としたものでございますので、これに向けまして、現在、関係の民間金融機関等と協議を重ねているところでございます。
 証券化支援事業が実際始まるまでには、まず、この法律案を成立させていただいた後、関係法令が整備された段階で事業実施に係る協定等を締結いたしまして、また、必要なシステムの整備等を行っていただくことになるわけでございます。
 これまでも、民間金融機関との間で、制度の仕組みでございますとか事務処理の方法、会計処理、システム対応等について実務的な協議を重ねてきたところでございまして、これまでの協議を通じまして、証券化支援事業の意義については御理解いただいておりまして、事業の参画につき前向きに検討していただいておると私ども認識しておるところでございます。
 また、公庫といたしましては、先ほど来お話が出ておりますが、これまでの証券の発行実績もございますし、高い格付を有して安定的に発行しております公庫MBSと今回の買い取り債権に係りますMBSを一体として発行することによりまして、より低利な長期固定の民間住宅ローンを出しやすくなるようなことの環境整備に努めてまいりたいと思っておるところでございます。

○松野(博)委員 これは、先ほど栗原先生の質問の中にもありましたけれども、よく、米国の住宅ローン市場の話がモデルケースとして出されるわけでありますが、住宅ローンが国債に匹敵するぐらいの大きな市場を形成しているアメリカにおいても、このMBSが現状の段階に至るには三十年近い年月を要しているというふうに伺っております。
 そうすると、なかなか証券化ということに関しての歴史が浅い日本において、住宅ローンが有効に機能するほどに本当に独立行政法人に移行までの間に育つのかなという疑問が浮かんでくるわけでありますが、何よりも、国民が、独立行政法人化された後も住宅ローンで困らないという状況をしっかりとつくっていかなければなりません。
 そのためには、先ほど来議論の中にありますように、独立行政法人になったにしても、その場の状況にもよると思いますが、引き続きある程度の融資機能というのを独立行政法人の中にしっかり残していくということが大事だと思いますが、そのことについてもう一度お伺いをさせていただきたいと思います。

 

○高木大臣政務官 今、松野委員御指摘のとおり、アメリカにおきましては、この住宅ローン債権の証券化につきましては、定着するまでは約三十年ぐらいの期間を要したというふうに認識しておりますけれども、そういうような状況で、我が国においては、まだその証券化市場が未成熟な状態であることは事実であると思います。
 そんな中で、証券化支援事業を導入する当初の段階におきましては、既に資産担保証券を発行した実績を有する住宅金融公庫が積極的に民間金融機関の住宅ローンを買い取り、公庫の名で債券を計画的、安定的かつ継続的に発行することによって証券化市場の形成を図っていくことが、民間でも長期固定金利の住宅ローンを出しやすくなる環境を整える上で最も有効な手段であると考えています。
 その上で、今御指摘ありましたように、独立行政法人になっても融資機能を残していくべきではないかという御意見でございますけれども、公庫を廃止して新たな独立行政法人を設置する際におきまして、民間金融機関が長期固定金利の住宅ローンを円滑かつ安定的に供給しているか等を勘案して最終決定するというふうになっておりますので、その際に、我が国の住宅ローン市場の状況を十分勘案した上で融資機能の取り扱いについては政府として適切に判断していきたい、このように考えております。

○松野(博)委員 以上で質問を終わります。

 

 

○井上(和)委員 その次に、住宅の質、先ほど大臣何回も、これまでは公庫の基準が住宅の質向上に非常に大きな役割を果たしてきたということをおっしゃいました。私もその面は十分あると思うんですね。今後、まだまだ住宅の質の面、特に私が以前からたびたび指摘しておりますマンションの外断熱化、こういったものに関して、やはり何らかの形でこういった質の向上を普及させていかなきゃいけないと思うんです。
 ちょっとパネルを持ってきましたので説明させていただきますけれども、きょう初めて委員会に御出席された方もいらっしゃると思うので。
 基本的に、現在の日本のマンションがなかなか長くもたないその一つの理由としては、断熱が要するに内断熱である。つまり、断熱材がコンクリートの内側に張ってある。ところが、欧米では、実は私も先月ヨーロッパの方に行ってまいりましたけれども、外断熱といって、建物の全体を断熱材でかぶせているということです。その周りに壁ができている、二重壁になっているわけです。そうしますと、もちろん省エネの観点からも非常にいいし、また、コンクリート自体が保護されるわけですから、非常に長もちするということです。こういった外断熱のマンションをやはり積極的に促進していく必要があると思うんですね。
 省エネという観点から、私はやはり先月行ったヨーロッパで気がついたのは、電車の窓も二重窓なんですね、ホテルの窓も二重窓、住宅も二重窓です。それで外断熱。これは相当日本はおくれているなというのを私は感じました。
 こういった省エネであれ外断熱であれ、質的向上というものに関して、これまでは公庫の融資である程度誘導をしてきた面があると思うのですね。例えば、今後、公庫の融資というものが段階的に減らされていくという状況の中で、住宅の質の向上という面でどういうふうに誘導をしていきたいと思っていますか。

 

○高木大臣政務官 井上委員御指摘のように、住宅の質的な向上については、これは重要な観点だと思います。
 再度確認をさせていただきますけれども、これまで住宅金融公庫の融資におきましては、良質な住宅ストックを形成する観点から、まずは、住宅面積が一定規模以上であることや一定の耐久性を備えること等を要件とするとともに、質的誘導を図るために、バリアフリー住宅や省エネ住宅についての金利の優遇等を行って、住宅の質的向上の役割を果たしてきたと思います。
 その上で、住宅の質の確保について、十五年度から開始する買い取り型の証券化支援事業においては、現行の新築住宅に対する公庫融資ですべての住宅に義務づけている基礎基準レベルを買い取り基準として設定する予定となっております。またさらに、公庫融資について、独法設置の際に、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうかを勘案してその取り扱いについては最終決定することとなっておりますので、融資機能が引き続き存続する場合には、この質的誘導にも活用していく考えでございます。
 いずれにいたしましても、高齢者が安心して生活できるような住宅のバリアフリー化の推進、さらには地球温暖化対策としての住宅の省エネルギー化を推進するといった住宅の質的誘導は重要な政策課題というふうに認識しておりますので、今後とも、さらに住宅性能表示制度の普及等を図るとともに、金融、税制等の優遇方策などについて検討していくということは必要だと考えております。

○井上(和)委員 民間にできることは民間にやると冒頭申し上げましたけれども、やはり民間にできないことも当然あるわけですね。特にこういった質的な向上に関してはなかなか民間では政策誘導できない、余計にお金がかかるわけですね。しかし、お金がかかっても社会ストックとしていいものをつくる、そういった観点から、やはりまだやるべきことは私は多いと思いますね。
 住宅の質の問題で、日本の住宅の質が欧米に比べて劣っているとよく指摘されている一つの理由なんですけれども、アメリカの場合は、住宅ローン、これはモーゲージ、MBSですね、これを借りる場合は、個人の返済能力とともに、担保となる住宅の価値を厳密に評価しているわけですね。
 私自身、以前、国連に勤めていてニューヨークにおりました。そのとき、もう随分昔になりますけれども、いわゆる日本でいうマンション、コンドミニアムを買ったのですが、その際に、当然、返済能力とともに、例えば、これは中古でしたけれども、そのビルがどの程度もつかとか、かなり細かくアプレーザルしていたということを覚えています。
 アメリカの場合は、基本的にはMBS自体がしっかりとした担保がついている、そして住宅の価値もしっかりと評価されている、そういうことだと思います。だからこそ逆に、そういったMBSに政府の保証がつけられる。もしその担保自体が非常にしっかりしたものでなければ、質の低いものであれば、これは政府保証をつけない、そういう条件があるのだと私は理解しています。
 つまりは、信用リスクが生じて貸し倒れが生じた場合でも、これは担保自体の価値がありますから、債権を回収することができる。日本の場合は、基本的にはこれはノンリコースじゃないですから、クレジットローンですから、担保自体の質というものが評価されない。私が言っていることは、公庫の基準でつくられているからいいということとは、ちょっとそれは違うんですね。
 つまりは、日本のハウスメーカーの住宅、これは二千万円の建物でも実際にはその六掛けか七掛け、よくても千四百万ぐらいの価値しかない。つまり、買った翌日から二千万円の建物が大体千四、五百万円の価値になってしまう。それはなぜかというと、住宅、これは新築の場合でもそうですけれども、新築の場合に、技術的な点ではしっかりと審査されているけれども、じゃ、その建物が一体幾らで建ったかということに関しては全くわからないわけですね。つまりは、日本の住宅の場合ですと、坪五十万の住宅だ、それでは四十坪で二千万、そういうことですね。それしかわからない。ところが、実際うちができてみたら、二千万円の価値がなくて、千五百万ぐらいの価値しかない、ほとんどそういう場合が多いと思うのですね。その辺に今の住宅金融の問題点があると思うのです。
 質問なんですけれども、先ほども言ったように、担保自体に見合った価値がない。つまり、これからまた、まして地価が下落していきますし、そうした貸し倒れリスクがこれから非常にふえてくると思うのですけれども、それに関してはどういうふうに思っているのですか。

 

○松野政府参考人 証券化支援事業で貸し倒れリスクが大きくなるのではないかというようなお話でございますが、現在の公庫の融資も、経年的に価値が下がっていくということは、同じ問題を含んでおります。したがいまして、証券化支援事業で特にこのリスクが大きくなるというわけではなくて、もともと公庫の融資している住宅も、この証券化支援事業による住宅も、担保価値という問題があるということでございます。
 それで、これはもう委員御指摘になりましたとおり、我が国の場合は買った途端に市場の評価がちょっと低くなるのではないか、あるいは十数年たつと相当低くなるのではないかというようなこともございますけれども、例えば公庫融資が三十五年で融資をしているということとの関係で申しますと、今でもそういう問題はあるわけですけれども、ちゃんとした保証をつけているということと、やはりマイホームを買われた方は、御自分がローンは一生懸命お払いになるという現実がございます。したがいまして、通常の事業者ローンほど破綻率は高くないということがございます。
 そういったことから、現在の公庫融資制度もそうですけれども、それほど大きな貸し倒れリスクということが発生しているわけではございませんし、証券化支援事業におきましてもそれは同様なことではないかというふうに思います。

○井上(和)委員 貸し倒れ、先ほど公庫の代位弁済の話で三千億ぐらいという話がありましたから、これからやはりかなり大きな問題になってくると思うのですね。そういったことからも、住宅の質をよくするということからも、我が国もノンリコースのローンを導入することを真剣に考えなければいけないというふうに思います。これは、たしかこの委員会でも赤羽議員が御質問になりましたよね、ノンリコースのことに関しては。
 ただ、先ほども言ったように、家を坪五十万とか六十万とか七十万で建てますと、それで、公庫の基準に合っているということで融資されるわけですね。二千万円の家だとしたときに、では、その家が本当に二千万円の価値があるものかどうか。ノンリコースというローンであれば、きちっとその建物自体が評価されて、貸し倒れの際に、担保物件を取ることによって貸し金を回収できる、そして、それ以上個人に対して債務は発生しない、これが要するにノンリコースですね。
 私もインターネットでいろいろ見てみました。たしかこの前の委員会の答弁でも、CMBSですか、つまり商業プロジェクト、プロジェクトファイナンスではアメリカでもノンリコースが使われているという御答弁でした。確かにそうですね。おもしろいのは、例えば学生寮の建築なんかに関してもノンリコースというものがありましたし、あと、一つの地域を住宅地として開発して建て売り住宅を建てる、そういう場合にノンリコースが普通のようですね。また、それ以外にも、たしか老人用の住宅をつくる場合、基本的にはプロジェクトでありますね。
 ただ、このプロジェクトを考えた場合でも、日本の場合は、例えば十億円のビルを建てる場合、下請企業に丸投げして、実際には下請に五億か六億かで投げて、その差をゼネコンなりが取るというような構造になっていると思うんですね。だから、十億円の建物であっても、実際のその建物の価値というものは十億円ない。私は、今、日本の場合は、まさしく住宅も同じような問題を抱えているというふうに思うんです。
 だから、先ほども言ったように、政府が債務保証をするのであれば、やはり基本的にはノンリコースというものにすべきじゃないかという議論もできると私は思うんですね。そういうことによって逆に良質な住宅がふえていく、つまり、払ったお金に見合う価値のある住宅が、そういったノンリコースといういわゆる抵当金融を通じて供給されるようになるというふうに思っているんですけれども、局長、どういうふうにお考えですか。

 

○松野政府参考人 ノンリコースローンを我が国の住宅ローンの中に導入すべきではないかという御質問でございます。
 委員御指摘のとおり、アメリカでも不動産事業については、一般的にこのノンリコースローンというもの、債務不履行に至ったときに競売が行われるわけですが、その競売後のまだ残った債権、つまり、それで債務が払い切れないというケース、それの履行を債務者の別の財産に求めることがないというノンリコースローンですが、不動産事業の場合、いわゆるプロジェクトファイナンスといいまして、その物件にさかのぼるだけということですけれども、住宅ローンにおきましては、アメリカでもこのノンリコースローンが一般的ではなくて、債権の全額を回収できない場合に、裁判所の判決を得て、一般の財産に遡及可能というようなリコースローンが一般的でございます。
 ただし、委員御指摘のとおり、幾つかの州では、住宅ローンについてもノンリコースということを制度として実施しているところがございます。ただし、アメリカの場合は、委員も御指摘されていますとおり、中古住宅市場が非常にしっかりした市場でございまして、当初の価格の八割は必ず売りにかけても確保できるというのが一般的な市場でございます。したがって、融資も八割の上限が普通でございますので、八割の融資額は競売をしたときに必ず確保できるという実態がございます。
 そうしたことを背景にして、幾つかの州で実施をしておりますが、実施して余り問題が起きていないという現実があるかと思います。ただ、我が国でこれをやろうとしますと、足りない、払い切れない債務をどうするのかということがやはり現実問題になります。
 そうしますと、そういうリスクがあるとすれば、その審査をさらに厳格化していく。対人的な、どういう職業ですか、どういう年収ですかという審査を厳格にする。あるいは、保証料をかなり引き上げなければいけないというような事態が起こり得るのではないかと思います。
 したがいまして、現在はちょっと難しいのではないかというふうに思っておりますが、これも、先ほどから委員御指摘のとおり、中古住宅市場がやはり我が国でもう少し成熟したしっかりした市場になっていけば、この問題も解決していく可能性があるのではないかというふうに考えております。

○井上(和)委員 ノンリコースのローンの本質というのは建物の価値をしっかり評価するということで、今局長がおっしゃったように、借りる人の返済能力をしっかりと見なければいけないというふうになるとこれは本末転倒で、逆の話ではないかと私は思うんですね。だから、今我が国の住宅産業に欠けているのは、まさしく中古住宅もそうなんだけれども、新築でも私はそうだというふうに思っているんです。
 だから、つくった新しいうちが一体幾らでできたのか。それが、例えば坪五十万で何十坪ですよということではなくて、きちっと、材料、人件費、もうけも全部含めて積算することによって、その建物が一体幾らでできた、つまり幾らの価値があるんだと。これは、公庫が審査している建築基準、技術的な基準とはまた別の問題であるわけです。
 だからこそ、私がさっき言った一つの例として、例えば丸投げで下請に投げて、実際は買った値段の半分ぐらいしかお金を使わないで建てた建物は幾らでもあると私は思うんですけれども、やはりそこを本当に変えていかないと日本の住宅はよくならないというふうに私は思っています。
 それで、担保物件の評価、これに関して、今回は新築だけということですけれども、今後どのような仕組みというものを考えていらっしゃいますか。

 

○高木大臣政務官 担保物件の評価についての御質問でございますけれども、今回導入される買い取り型の証券化支援事業においては、現行の新築住宅に対する公庫融資ですべての住宅に義務づけている基礎基準レベルを買い取り基準として設定する予定であります。
 この基準に適合していることについては、公庫の直接融資と同様に、設計段階の図面の審査、中間及び竣工段階における現場審査を行うことを考えており、その検査に当たっては、住宅品質確保法に基づく指定住宅性能評価機関や建築基準法に基づく指定確認検査機関といった民間検査機関を活用する予定となっております。

 

 

○伴野委員 いずれにしましても、国民の皆さん方が幸せ、豊かさを実感できる国土交通省さんの政策としては、やはり住宅というのがまず最初に第一義的に出てくるものだと思いますので、ぜひともきめ細かな対応をお願いしたいと思います。
 続きまして、本法案の中身に少しずつ入っていきたいわけでございます。
 先ほど来、大臣の方から、今後の住宅政策についての大まかなビジョン、方針等々をお話しいただきましたが、今回、一つの住宅金融政策としてこの法案の改正が出てきたわけでございます。先ほどもちょっと話題に出ましたが、第八期の住宅建設五カ年計画と今回の法案との兼ね合いといいますか、今後、これは変更が出てくる可能性があるのかなしや、あるいは、今後の住宅金融政策全般に対する見直しのまず第一歩なのかどうか。そんなような位置づけ的なことをお話しいただければと思います。

 

○高木大臣政務官 まず、今回の法案につきまして、住宅金融公庫の改革については、委員も御承知のとおり、平成十三年の十二月の閣議決定、特殊法人等整理合理化計画において、まず、貸し付け自体は民間にゆだね、公庫が貸付債権を買い取り、証券化すること等を内容とする証券化支援業務の導入を行うこととされております。また、直接融資については、段階的に縮小するとともに、証券化支援事業を承継する独立行政法人設置の際、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうかを勘案して最終決定することとされております。
 さてそこで、今の第八期の住宅建設五カ年計画との兼ね合いという御質問でございましたけれども、まず、今回、証券化支援事業等も含めて、その五カ年計画の目標を実現する有力な施策の一つとして、住宅金融公庫の融資とともに、今回の証券化支援事業を推進していくことを考えているということでございます。

○伴野委員 そういうことであるならば、一つには、今回の法案の見直しとともに、公庫法の廃止及び新たな独立行政法人ということも考えられるわけでございまして、その設置法案なんかも出されてもいいんではないかなという気もするんですが、これは準備の手順がいろいろあるんだというお話もあるんでしょうけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

 

○高木大臣政務官 ただいまも申し上げましたように、今回の法改正のもととなったのが十三年の十二月の閣議決定。その上におきまして、その閣議決定でも明確になっているのが、独立行政法人の設置は五年以内に行うこととされている。その際、公庫の直接融資の取り扱いについては、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうか、すなわち、民間において、長期固定金利の住宅ローンが証券化支援業務を通じて支障なく供給されているかどうか等を勘案して最終決定をする。
 そうなりますと、当面は、公庫の直接融資業務の段階的縮小、これは図っておりますけれども、公庫による証券化支援事業を通じての民間による長期固定金利の住宅ローンの供給状況を見守るという、いわゆる時間軸が必要であろう、そういう観点から、今回、公庫の廃止や新たな独立行政法人等の設置については盛り込んでいないということでございます。
 また、本法案の附則においては、整理合理化計画にあるとおり、平成十九年三月三十一日までに、公庫を廃止し、公庫の権利及び義務を承継する独立行政法人を設立するとともに、当該独立行政法人には、公庫が行う証券化支援業務の実施状況等を勘案して必要な業務を行わせることを定めており、適切な時期に改めて公庫の廃止または独法の設置法の提出を行って、同計画の確実な実行を法律上担保したものである、このように考えております。

○伴野委員 今回も買い取り型と保証型という新しいスキームが出てくるわけでございまして、日本においてそういった新しいスキームが出てくる中で、まあアメリカのことを勉強されてこういうスキームを新しく考え出されたんだと思うわけでございますが、そういった新しいものを市中に出すときに、少し暫定的な期間が必要なんだろうというか、いろいろ見直しもできたり勉強もできたりする時間が必要なんだろう、そういうふうに解釈もするわけでございます。
 それであるならば、やはり今後五年間、どういう目標に従って、どういう図面で、例えば整理合理化計画をどうしていくんだとか、今回指摘されている、民間金融機関がよく指摘をする、公庫における融資業務のより円滑化が図れて、どうなるとそれは円滑化と認めるかとか、そういった今後の五年間の整理合理化計画というものは、どういった段階で判断し、どういうふうにやっていくんだというもう少し具体的な絵図面があれば教えていただきたいと思います。

 

○高木大臣政務官 まず、平成十五年度において、平成十四年度に引き続き融資戸数を縮減する等、これについては、まず十四年度は五十万戸、十五年度は三十七万戸というふうになっておりますけれども、融資業務の段階的縮小を図るとともに、長期固定金利の民間住宅ローンの供給を支援するために今回の証券化事業をする。
 この段階的に縮小する直接融資の戸数と証券化支援事業の戸数を合わせた全体の事業規模を、住宅を取得しようとする国民の長期固定金利の住宅資金需要に的確に対応していくことが必要であると考えておりますけれども、しかしながら、融資業務の段階的縮小について、証券化支援事業がまだ開始されていない段階でございますので、明確な数値を提示することはまだ厳しいかなと思います。その上で、今後、毎年の予算編成の過程を通じて、民間の住宅ローンの供給状況や経済情勢を勘案しながら決定していく、このように考えております。

○伴野委員 いずれにしましても、さまざまな整理合理化計画が、よくマスコミ等にやゆされるような焼け太りになってみたり、あるいは、新たにつくったそういった行政法人が新たな天下り先になってみたりとか、やってみたら肥大化してしまった、あるいは民業をさらに圧迫してしまったというようなことのないように、よろしくお願いしたいと思います。
 では、続きまして、先ほどもちょっと井上議員あるいは松野議員なんかも触れられていました、過去、現在、今後の見通しなんかも含めて、民間金融機関の住宅ローンの融資選別について、現状どうなっているか。先ほど松野委員からは、政治家なんかは非常に借りにくい部類の、まあ与党の方が借りにくいわけですから、野党の私なんかもっと借りにくい、どうしようかと。私は、持ち家の六〇%の方じゃなくて、まだ借家の四〇%の方なものですから、これから本当にどうしようかと思ってしまうわけで、例えば期数が三期以上の確実な方とか、何かそんなようなのが出てくると、もう新人なんかは家はほとんど建てられないということになってしまうわけでございます。
 冗談はさておきまして、今の民間金融機関の住宅ローンの融資選別というのは、これはある面、市場原理にのっとってきちっとチェックをしなきゃいけないというものの、余りチェックを厳しくし過ぎてしまってなかなか融資が受けられない、ブラックリストには載らなくてもほぼブラックリスト的なものを何かつくってしまっているようだと、非常にこれも問題があるのかな。現状はいかがでしょうか。

 

○松野政府参考人 民間金融機関の住宅ローンの融資選別についてどうなっているかということでございますが、昨年、民間の研究機関が行いましたアンケート調査がございます。それによりますと、民間金融機関から住宅ローンの融資を断られた経験がある方というのは約一割、一〇%おられるということでございます。断られた理由としては、年齢、それから担保評価額、年収あるいは性別、勤続年数というようなことが挙げられております。
 また、住宅金融公庫にこれまでいろいろな、アンケート調査などを含めて声が寄せられておりますが、その中で主なものを見ますと、自営業者の方は民間金融機関から断られる傾向が強い、性別による貸し渋りが多い、それから、転職歴のある方も融資を受けにくい、さらに、例えば手術を受けている、心臓の手術を受けているとかそういった場合には融資を断られたといった内容のものが届いているということでございます。
 こういったことでございまして、民間金融機関の現在の融資の制度のもとでは、公庫の融資基準と異なりまして、職業あるいは勤続年数などをもって収入の安定性を判断する指標にしているのではないかと考えられております。公庫からは融資が受けられる方でも民間金融機関からは融資を受けられない場合があるということだと思います。

○伴野委員 ですから、民間金融機関が市場原理に従ってやっていくというのは、ある面いたし方ないのかなということも考えないわけではないわけですが、例えば、雇用形態も随分変わってくる。アメリカのように、転職すればどんどんスキルアップしていくような現状。日本は終身雇用で、今までずっとそれが守られてきたわけですが、それもだんだん崩れていくというような段階で、やはり民間金融の方も人を見る目を肥やしていただいて、もう少し違ったいろいろな評価をしていただく勉強をさらにしていただければな、そんなふうに思うわけでございます。
 また一方で、そういった借りにくい人、あるいは、簡単に言ってしまえば、現金でぼんと持っている人は全くそういうところのお世話になる必要もないわけでございまして、そういう方は、もともとそういういろいろな調べをしたところで優良なわけでございまして、つらい方というのは、やはり非常に、失礼な表現をすれば、細々と誠実にやっている方が漏れてしまうというのは非常につらいわけでございます。そういった中で、住宅金融公庫の過去の実績なりあるいは働きというのは、やはりそういった民間のいわゆる市場原理になかなか乗りにくいような方も救ってきた非常にいい面があったと思うんですが、今回、この改正によって、その辺の、着実にこつこつやってきた誠実な層までばっさり切りはしないかという心配もあるわけでございますが、このあたりはいかがでしょうか。

 

○高木大臣政務官 今委員御指摘のような問題意識というものは持っておりまして、その上で、経済状況の悪化に伴う失業等により住宅ローンの返済が困難となった方だとか、そういう方に対しては、住宅金融公庫融資においては、これまでも積極的にローン返済相談を行うとともに、返済期間の延長、さらには元金の支払いを据え置く等、公庫融資利用者の実情に応じ、きめ細かい対応をしてまいりました。
 また、民間の住宅ローン、市場原理というふうに今御指摘もありましたけれども、そのような中にありまして、民間金融機関の支店窓口等においては、返済困難者に対するアドバイス等も行われていると伺っております。
 また、これは法務省の所管になりますけれども、民事再生法において、住宅ローン債務の返済についての特例措置を講じ得ることもなされている。
 こうした制度をさまざまに活用しながら、住宅ローンの返済が困難となった場合であっても、できるだけ住宅を手放さないで再生が図られるようにすること、これは重要なことだというふうに認識をしております。

○伴野委員 不誠実な場合は別として、今、政務官がおっしゃったような、本当に不可抗力といいますか、誠実にやっていてもなかなかうまくいかなかった場合の相談窓口というのはぜひとも手厚くしていただければ、できることなら落選した議員の相談にも乗っていただけるような窓口であれば、そんなふうに思うわけでございます。
 続きまして、今回、証券化というのが一つの目玉になっているわけでございまして、証券化する以上、安全といいますか、多少リスクはあるんでしょうけれども、より積極的に投資家の方にその市場に入ってきていただく意味でも、先ほど井上議員が、価格は四千万だけれども、実際調べてみたら、手抜きも手抜き、一千万もかかっていないというようなことがあってしまうと、やはり市場の信頼性といいますか、担保とするものの信頼性が損なわれてくると、このスキーム自体が成り立たなくなってしまうと思うんですね。
 そうすると、どうしてもこのスキームを確立しようとすれば、施工管理あるいは住宅の質の評価というものを経年的に時間軸でも追っていけるような何か一つの物差しを今後技術的に押さえていかないとなかなかいけないんじゃないか。一つは、しっかりとした施工をする実績のある会社とそうでないという分け方は今でもあるんでしょうけれども、それだけではなく、やはり物件を見たときにきちっと時間軸で評価していけるような何か物差しが今後必要じゃないかと思うわけですが、そのあたりのところ、お考えがあれば。

 

○松野政府参考人 今後行います証券化支援業務におきまして、ちゃんとした住宅ができるのかということでございます。
 まず、ことしからは、この法律が通りますと買い取り型の業務を開始いたしますけれども、その際に、現在の公庫融資の、いわゆる基礎基準と申しておりますが、義務づけになっておりますその基準を満たしていただくということをベースとして考えております。したがって、公庫が債権を買い取るときの買い取り基準に、この基礎基準レベルを満たしていただくということを前提としたいと思います。
 例えば、戸建てですと原則百平方メートル以上の敷地でありますとか、あるいは、住宅の床面積の規模でございますが、戸建てにあっては七十平方メートル、マンションのような共同建てにあっては五十平米以上とする、それから、一定の耐久性、省エネルギー性能を有するということをその基準としていきたいと思います。
 それから、そもそもそういう基準を満たしていることをどうチェックするのかということでございますが、これにつきましては、買い取りの基準として、そういった性能であるということを証明してもらう証明書を添付していただいて、この基準を満たすと。その実際の証明書の発行は、民間の建築の確認検査機関あるいは民間の性能評価機関がございます、こういったものを活用いたしまして、検査していただいて証明書を発行していただくといったことを考えているわけでございます。

○伴野委員 最終的には、現場の施工を預かる業者さんを初め設計士さんのモラルの問題かなという気もするんですが、非常にモラルが低下している方への罰則規定みたいなものも多少お考えいただいて、この辺の質を守るために、優良に、まじめにやっている人がばかを見ない形のシステムをぜひ今後も検討していただきたい、その技術的検討もあわせもってお考えいただきたいと思うわけでございます。
 では、続きまして、高度成長期時代、とにかく、戸数、広さ、数あるいは定量的にとらえられるものをどんどん目指すべき方向へ持っていこうというのが一つの政策としてやられてきたわけで、それもある程度達成された感もあるわけでございますが、最近はやはり質的な向上、先ほども大臣、バリアフリーのお話や省エネやシックハウスのお話なんか、全体的な、クオリティー全体のお話、さらには、一戸だけのお話じゃなくて、全体の町並み、景観というようなことも今後は検討されていくんじゃないかと思うわけでございます。
 過去、住宅金融公庫の融資制度が質的な向上にどういう貢献をされてきたのかという実績のお話と、最近、高齢化のお話もよく出てまいりますが、しかし、少子化に関しても少し考えていかなければいけないんじゃないか。では、おまえ、どういう具体的なプランを持っているんだと言われると、ちょっとつらいところがあるんですけれども、例えば、私の周りで多いのは、一人っ子同士が結婚をして、また一人っ子しかいないということになりますと、おじいちゃん、おばあちゃんの古い傷んだ家を、まあ相続もできるメリットもありますが、そういう家ばかりがゴーストタウンのように、いろいろなところに歯抜きのように点在している。自分はお父さんからあるいはお母さんからもらったおうちに住んでいるから、おじいちゃん、おばあちゃんの二軒というのは、デメリットにさえならなければほうって暮らしていいわというようなことが続いちゃうと、ちょっとこれは全体のバランスとしていいのかなというようなことも思ったりいたしまして、そういった少子化に対する何かお考えがあればお聞かせいただければと思います。

 

○高木大臣政務官 まず最初の、公庫融資が住宅の質的向上にどのような貢献をしてきたかという御質問でございますけれども、公庫の融資について、先ほどから何度かお話が出てまいりましたが、良質な住宅のストックを形成する観点から、まず、住宅面積が一定規模以上であることや、また、一定の耐久性を備えることを要件とするとともに、質的誘導を図るために、バリアフリー住宅や省エネルギー住宅については金利の優遇等を行ってまいりました。
 その結果、公庫の融資住宅におけるバリアフリー住宅の割合というものが、まずは平成八年度の約六%から平成十三年度は約六五%に、またさらに省エネルギー住宅の割合は、平成八年度の約二九%から平成十三年度は六八%に、それぞれ上昇しており、住宅の質的向上に貢献してきた、このように考えております。
 この質の確保については、今回の導入されます買い取り型の証券化支援事業においては、現行の新築住宅に対する公庫融資、すべての住宅に義務づけている基礎基準レベルを買い取り基準として設定する予定となっています。
 いずれにしても、今後も、高齢者のバリアフリー化住宅の推進ですとか、または省エネルギー化の住宅の推進といったものはしっかりと取り組んでいきたい。
 ただ、今御指摘のありました少子化の部分ですね。これは、一人っ子と一人っ子で、さらにまた一人っ子でということで、だんだんと住宅が余るというか、そういうことも考えられますので、これは今後の住宅政策としてしっかりと考えていかなければいけないと考えております。

 

 

○金子(善)委員 保守新党の金子善次郎でございます。
 平成十三年の十二月十九日の閣議決定でございますけれども、特殊法人の整理合理化計画の中で、先ほど来から質疑がなされている点でございますけれども、基本的な流れとしては、閣議決定でそういう形で進められるということで、それはそれで結構だと思います。ただ、問題はやはり、実際に、この閣議決定の内容でも、融資業務については、民間の金融機関の住宅融資というものがどうなっていくのかということをよく見きわめた上で、独立行政法人設置の際に最終決定をなさるということでございますから、基本的な我々の期待としては、そうした政府の政策が民間の方でもよく受け入れられるところになって、円滑なそうした方向に進むことが望まれるわけでございますが、どうしても不安点として幾つかの点ございますのは、例えば災害対策でございますとか、あるいは思い切った住宅の質を誘導していく。あるいは、これも質疑に出ている点でございますけれども、選別を受けやすいそういう方々への対応というものを考えていかなきゃならないだろう。言ってみれば、民間融資では完全に対応できない分野でのセーフティーネットを、その役割をどうするかということでございます。
 最終的には、これから数年間で民間の動向というものをよく見きわめた上で最終決定なさるということでございますから、それはそれでよろしいわけでございますけれども、私といたしましては、独立行政法人になりましても、先ほど申し上げたような観点から、融資業務、これを独立行政法人に残していく必要があるのではないかというような気もするわけでございますが、その点について、お答えをお願いしたいと思います。

 

○高木大臣政務官 今委員御指摘のように、これまでの住宅金融公庫の融資は、民間金融機関からの融資を受けるに際して困難を伴うような、例えば自営業者を含めた中低所得者向けの融資のほか、災害時の緊急融資といった民間金融では対応が困難なもの、また、さらにバリアフリーだとか省エネ化などの政策的誘導が求められているものなどに対しても必要な住宅資金を供給するという機能を果たしてきたところであります。また、今後も政策的観点から何らかのセーフティーネット等が必要とされる分野については、民間金融機関による対応の状況、さらには、ほかの政策手法によって代替可能性を勘案すれば、直接融資として引き続き存続させるべき分野があり得るものと考えています。
 いずれにいたしましても、今御指摘がございましたように、融資業務を公庫にかわり設置される独立行政法人に存続させるか否かについては、当該法人設置の際に、民間金融機関の業務の実施状況、これを踏まえた上で最終決定をされることになると思います。


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