会 議 録

第156回 衆 「外務委員会」 8号
2003/5/9

○東門委員 次に、国際民間航空条約改正議定書について伺います。
 まず、着陸料の値下げについてですが、我が国の航空会社も加盟しています国際航空運送協会、IATAは、日本の国際基幹空港の民営化と統合において、損失の相互補てんを目的とするいかなる計画にも反対するとの広報メモを発表しました。これは、一九七八年の成田空港の開港以来、成田での旅客等の取り扱いが大きく伸びているにもかかわらず、同空港の着陸料は人為的に高く維持され、この利益が関西国際空港や中部国際空港の赤字補てんに使われている懸念がある状況を反映したものであり、本年四月にも、IATAは、成田空港の着陸料を直ちに引き下げるべきだとの見解を表明しました。
 また、国内業界団体の定期航空協会も、イラク戦の影響等を起因とした航空需要の低迷による経営悪化への対応策として、着陸料の軽減を国土交通省に要請しました。さらに、シンガポール、マレーシア等の近隣のアジア諸国は、SARS対策の一環として着陸料の値下げに踏み切っております。
 我が国の航空会社のみならず、海外から成田着陸料の引き下げが求められていますが、我が国の着陸料が世界に突出して高額である理由及び今後の値下げ予定についてお伺いしたいと思います。

○高木大臣政務官 今、着陸料についての御質問がございましたけれども、まず、我が国の航空使用料について、航空会社が負担する着陸料のみに着目した場合は、今先生御指摘のように、世界的に見て高い水準にあるのは事実だと思います。その理由としては、我が国の大部分が、山岳地帯、または平地などの空港の適地というところが少なくて、関空も含めてですけれども、環境対策費や海上空港整備のために建設コストが高くなっていること等によるものと考えております。
 その上で、旅客が空港を利用する場合、着陸料以外にも、旅客が直接負担する施設利用料等々、これらを含めますと、世界の主要空港において旅客一人当たりの実質的な負担を比較すると、日本の空港での負担は必ずしも高い水準ではないというふうに言えると思うんです。
 具体的な例をちょっと挙げますと、例えばニューヨークのJFK空港においては、これは日本でもあるんですけれども旅客使用料、これ以外にも入国管理料、空港輸送税、貿易税、税関料、航空保安料、ここら辺を含めますと、ニューヨークの場合には一人当たり約三千円程度負担をする。これを合わせまして旅客一人当たりを比較いたしますと、成田の場合ですと約五千三百七十六円のところをニューヨークの場合には一万三百九十七円程度、またはロンドンのヒースローでも六千円程度になる、こういうような実態もございます。
 また一方で、着陸料収入というのは、我が国の国際競争力を維持し強化、かつ観光立国を目指す観点からの喫緊の課題となっている、空港の整備財源としても重要な地位を占めていることも事実であります。
 ただ、成田公団の民営化等、これから法案の審議もございますけれども、経営の一層の効率化や空港整備特別会計における歳出面での思い切った見直し等々を行いながら、投資の面の重点化を図っていく等により、この着陸料については適切に対処していく必要があると考えております。

○東門委員 次に、有事法制に関してですが、内閣がことしの一月に発表しました「国民の保護のための法制について」において、有事の際の被害を最小にするための措置の一つに、運送事業者による輸送力の確保が挙げられています。
 昨年、全日空乗員組合は、有事法制の中に民間航空機の運航統制が含まれていることを懸念して、民間航空の軍事利用に一貫して反対しています。その理由は、まず、有事法整備は必然的に強制力を伴う軍事動員につながること。二つ目に、日米ガイドラインとあわせて考えると、米国の戦争に動員されるおそれがあり、それは到底、民間航空の仕事とは言えないこと。三つ目に、敵対国が後方支援と呼ばれる兵たんを攻撃するのは常識であり、動員された民間機がねらわれること。四つ目に、港湾や空港が軍事優先になれば、国民生活に大混乱を来すことが明白であることとしています。
 また、航空労組連絡会も、同年、東ティモールのPKO自衛隊派遣チャーターに対する声明として、民間機による兵員輸送に反対をしています。
 政府は、有事法制の整備において、このような民間航空会社側の意見をどのようにとらえ、こうした訴えにどのようにこたえるのでしょうか。大臣にお伺いいたします。有事法制との関連ですから、大臣に。

 

○川口国務大臣 有事法制との関係で外務省が担当しているのは米軍の関係あるいは国際人道法の関係でございまして、今の航空機のことはちょっと所管外でございますので、関係のところからお答えをするのが適切だと思います。

○高木大臣政務官 今、有事法制に関連しての御質問でございました。
 現在、特別委員会等でも審議の最中でございますけれども、まず、航空の輸送について、公共交通機関としての責務を有することを踏まえて、電気、ガスや他の輸送機関など公益的事業を営む者と同様、有事の際には、まず、避難住民の輸送、また、その用に供する食料品、医薬品などの緊急救援物資等の輸送について必要な責務を果たすというのを求めていくことが期待されていると考えております。
 ただし、民間事業者である航空会社の機材及びその乗員について安全を確保していく、これが最大限図られていくことが前提であるということは当然であると考えております。

○東門委員 それでは次に、嘉手納ラプコンの返還等について伺います。
 二〇〇〇年三月十六日に、当時のコーエン米国防長官が日本の河野外務大臣との会談で、米軍の運用上の必要が満たされることを前提に、日本側への嘉手納ラプコンの返還を表明して以来今日まで、沖縄へ飛来する航空機の進入管制業務の移管作業が行われています。
 二〇〇〇年五月の衆議院安全保障委員会で、政府は、日本側への移管時期について、施設の整備等に約三年を要すると答弁した上で、とりわけ高度の処理が可能で、かつ信頼性の高いターミナルレーダー情報システムの整備が不可欠であるということを指摘していますが、このレーダーの設置場所を含め、ラプコン返還の具体的な時期について説明をしていただきたいと思います。

 

○海老原政府参考人 今のお話は、当時のコーエン国防長官が返還に同意をするということの発言がありまして、その後、専門家レベルの特別作業部会というのが設置されまして、これで検討が行われているということで、いまだに検討が続いているというふうに理解をいたしております。
 ただ、今二〇〇〇年三月の政府の答弁とおっしゃいましたけれども、これは国土交通省、当時は運輸省だったと思いますけれども、あの当時、運輸省の岩村局長の答弁ということでございまして、この特別作業部会につきましても、これは国土交通省が担当しておりまして、外務省もオブザーバーとしては入っておりますけれども、今のお尋ねのレーダーの設置場所等につきましては、国土交通省の方にお尋ねになっていただければというふうに思います。

○東門委員 私は、これは外務省かと思って外務省にお願いしたんですけれども、では国土交通省、お願いできますか。
 特に、二〇〇〇年のときに三年ぐらいかかる、それでまた今度あと三年ぐらいというような答弁が出てきているようです。なぜそうなるのか。日米合同委員会では、しっかりと協議が行われて作業が進められているということですが、その進捗状況等もあわせてお願いいたしたいと思います。

 

○高木大臣政務官 平成十二年三月十六日に、コーエン国防長官が河野外務大臣との会談において、米軍の運用所要を満たすことを条件に返還する旨表明し、平成十三年四月に米軍から運用所要が提示され、各項目について米軍と協議を重ね、平成十四年五月に運用所要について日米合意したところ、これはもう御存じのとおりでございます。
 現在、合意した運用所要に基づく移管計画、移管後の我が国による管制の運用の方法、必要な施設整備及び管制官の養成計画について、日米合同委員会民間航空分科委員会の嘉手納ラプコン問題を協議する特別作業部会において、現在こうやって協議を進めておりますが、いずれにいたしましても、国土交通省としては、嘉手納ラプコンの早期移管に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

○東門委員 最大限の努力をしていかれる、それはぜひやっていただかなければいけないんですが、二〇〇〇年当時に約三年かかるだろうと言われていた。二〇〇三年になって、これからまた三年というお話がこの間実際に出ているんですけれども、どうなんですか、政務官、どれくらいの時間を見ておられるんですか。あとどれくらいすれば大体ここまでいけるというような見通しがあれば、教えてください。

 

○高木大臣政務官 正直、これは交渉事でございますので、相手の状況等もありますし、そういった部分では、現段階でいつまでというふうに、この場において断言することはちょっと不可能かなと思います。
 ただし、今先生御指摘のように、やはり国土交通省としても今後鋭意頑張ってまいりたい、このように考えております。


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