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会 議 録
第156回 衆 「国土交通委員会」 27号 本日議題になりました二法案につきまして、これは参議院先議ということで参議院でももまれておりますし、私自身、この内容につきまして前向きに御検討いただいているということには深く敬意を表するところでございますが、視点を幾つか変えながらも、総括的な質疑をきょうはさせていただければと、時間の許す限り、この河川対策あるいは密集市街地だけではなく、昨今の防災全般に、もし時間があれば少しブレーンストーミングみたいなこともさせていただければ、こんなふうに思っております。 まず、二題から入らせていただきたいと思いますけれども、まず最初の特定都市河川浸水被害対策法案、改めて目的を読ませていただくと、特定都市河川及び特定都市河川流域を指定するというような文言とか、あるいは総合的に推進するとかいう言葉もちりばめられているわけでございます。 正直言いまして、全体的に、先ほど前向きに御検討いただいているということは評価すると申し上げましたが、その一方、ちょっと皮肉っぽく言えば、まだこのレベルなのかなというか、もっと早くやってもらえなかったのかな、そんな感もしているわけでございます。ただ、事をなすに遅過ぎるということはございませんので、どんどん進めていただきたいということでございます。 目的自体を見れば、ごくごく当たり前といえば当たり前で、どんどんやっていただきたいなと思うわけでございますが、ただ、いろいろ都市環境も変わってきますし、いわゆる治水という概念も変わってきているというようなことも含めて、改めて総合的に検討して、地域を指定し、重点的にやっていくんだという意味にとらえさせていただいているわけでございます。 それで、まず質問に入らせていただきたいわけでございますが、特に高度成長期を経て、今まで、こんなところに住宅が、あるいはこんなところに工場が、あるいはこんなところがアスファルトにというようなところが、非常に速いテンポで土地利用等々がどんどん変わってきて、河川の沿川も随分変わる、あるいは川上もどんどん変わってきて、流水が流れるスピードも変わってくる。そのようなことで、環境がどんどん変わってきた中で、治水のあり方は今までとは違うんだという中で今回の法案が出てきたんだと思うんです。 今回、改めて御認識を伺いたいんですが、大臣、都市に水害が多発するようになった原因について、今どういう御認識をしていらっしゃるのか、改めてお伺いしたいと思います。 ○扇国務大臣 おはようございます。 その原因として、今大臣もちょっとお触れになっていましたけれども、一つは自然の驚異というものがあるわけでございます。その中で、保水機能あるいは遊水機能を知らず知らずのうちに人間が失ってきてしまった、その反省をやはりここは謙虚にすべきじゃないかな、そんなふうに思うわけでございます。 そうした上で、今回、こういう新たな対策法案をつくっていただいて、それを重点的にやっていただくというわけでございます。 では、具体的に今後どうしていくんだ。古代から、川あるいは水を治める者は国を治めるというようなことも言われておりますが、やはり現代でも、今回のこういう東海水害の例なんかを見ますと、一遍に財産や人命が奪われるわけでございまして、これは本当に国土交通大臣の重要テーマの一つであるんじゃないかと思うわけでございます。 ただやはり、今までのように、堤防をしっかりつくればいいわ、あるいはのりをしっかり固めればいいわという、器の整備だけではどうもうまくいかない。そういったことで、それを線、点ではなくて、面でとらえていく、地域でとらえていく。全体のその地域の保水、遊水機能を取り戻す、あるいはできるだけそれを向上させる。また、それが向上させられなかったら、少しでも時間差をつけて川に流し込む工夫というようなことで、貯水池や、浸透性のある舗装とか、緑を取り戻すというようなこともお考えになっていらっしゃるんじゃないかと思うんですが、そのあたりの具体的な対策を今お考えでしたら、ぜひ何か御披瀝いただきたい。 ○扇国務大臣 今おっしゃいましたように、昨今の気象状況を見てみますと、本当に一晩のうちといいますか、あっという間に百ミリを超えるという時間雨量がございまして、これが異常気象だと言えるのかどうかわかりませんけれども、事例としては、あっという間の百ミリ以上という、今も台風が近づいていますので、これも気をつけなきゃいけませんけれども、そういう集中的に降るという事例が多くなっております。 それと、ちょっと哲学的なお話になってしまうのかもしれません。概念的なお話になってしまうのかもしれませんが、私も技術出身なものですから、どうも、先ほど申し上げましたように、水を治める、川を治めるのが国を治めることだというような、何か、人間が自然を治めるという、非常におこがましいというか、ある面非常に生意気な態度が、今まで、行政というんじゃなくて、人間自体にあったんではないか。 ここはひとつ、水とともに生きるというぐらいの、河川も水が循環する系の一つである、大きな大きな地球のいわゆるH2Oが循環する系の一つである、そこが、余り負荷をかけず、余り人工的な力をかけないで、自然に自然になることがベストだというような概念もお持ちいただいて、水を治める、川を治めるというようなことをお考えいただく、多分、お考えいただいているんだと思うんです。 そういうような観点から、やはりこれから、水が物質的に流れていればいいわというだけではなく、一つの川を自然流域とした場合に、植生としてもいいよ、生物もしっかり生きているよ、かつ、そこが雨が多少たくさん降っても周りで少し抑えられるよ、水を持ちこたえられるよ。雨が降っていない天気のときには、人もできるだけ水辺におりていって親しめるよ。まさにそれを総合的とおっしゃっているのかもしれませんが、治めるという観点から、水とともに生きる、共水という言葉がいいかどうかわかりませんが、水とともに生きるんだというような、そんな概念をぜひ前面に出していただいてもいいかと思います。 具体的に言えば、河川管理というのは、川の単体だけではなく、その周りの植生、そのあたりの住環境、それから景観、そういうものもすべて総合的に調和させていくんだ、それができるだけ自然に循環しているんだというような考え方をぜひ推し進めていただきたいな。 例えば、これはまさに皆様方のお仲間であった独立行政法人の土木研究所の尾澤研究員なんかもそんな研究をされているようでございますので、そういうようなことも全面的に出していただいて、かつ、水もそこを流れてくることによって質的にきれいになっている、そんなようなことを全体的にとらえていただく方策がまた必要じゃないかな。 それを今後、やはり目標値なんかを決めて、マニフェストばやりでございますけれども、評価項目を決めて、一年ごとにでも結構でございます、ステップ・バイ・ステップで上がっていっていただけるようなことを何かお考えになっていないか、お聞かせいただければ。 ○扇国務大臣 その前に、細かいことはまた局長がお答えすると思いますけれども、今おっしゃった中で、我々も、今回は、ハード面では今までの河川法、これはダムでありますとか河川とか、それ一つに限られていたんですけれども、今回はそれを、ソフト面ということで水防法をプラスしようということが、今おっしゃった面という面では広がってきたということです。 それから、水の脅威で、水と共生ということも大事なことです。 世界で第三回目の水フォーラムが日本で初めて開催されまして、我々は水がなければ生きていけないんだ。そして、二十世紀は領土の紛争だったけれども、二十一世紀は水の紛争が起きると言われております。他方では、水がなくて困っているところがいっぱいあるわけです。 ところが、こういう集中的なことで水によって災害が起こるという、余っているところと、ないところの格差というものを、何とか私たちは、まず日本の地形からいったこの危機というものを、そして今言った今度のソフトの面の水防法で、いろいろなデータを集めて、それを市町村に早く渡して、そして、ここがこうなったときにはこういうことができますよというシミュレーションを地方自治体でやっていただく。 それから、災害のときに忘れてはならないのは、まず自助です。自分で自分を助ける方法。ですから、さっき申しましたように、もしものときにはこれは二階に上げておこうとか、食べるものはこうしておこうとか、そういうことをまず自助でやってもらう。そして次は共助。ともに、御近所と一緒にということ。最後が公助ですけれども、そういう意味では我々は、今回はハードとソフト一体となった方法を改めて提示するというのが大きな役目でございます。 細かいことはまた局長の方にお聞きください。
○高木大臣政務官 今、水との共生という言い方をされまして、具体的な河川管理を行う上で、植生の管理ですとかまた環境の整備、景観等、このことを指摘されましたけれども、その面に関しましては、私どもも重要な項目だというふうには認識しております。 法案の細部に入る前にもう一つ、昔の仕事柄、ちょっと気になるようなことがございます。 先ほど、行政の縦割りなんかにも少しメスを入れて、トータルに協力し合って整備していくんだというような中で、河川の橋脚の管理、以前は道路局さんなり河川局さんなり、鉄道が民有、国鉄と分かれていたような場合、部署部署で管理をし、少し連携をとってもらうと、例えば日常の管理なんかも非常にいいんじゃないかなと思われるような事柄、あるいは、縦割りであることによって、ここは見るけれどもここは知らないというようなことがなかったかあったか考えるわけでございます。 それと同時に、今までの治水の概念と随分、水の流れ自体も変わってくるわけでございまして、橋脚の設計における洗掘に対する設計の仕方、根入れの深さとかそんなようなことが、今技術的に何か御検討されて対処されていこうとしていらっしゃるのかどうか。もしそんなようなところを法案の内容に入る前に少し触れていただければありがたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。 では、具体的に本法案の中身に入っていきたいと思います。 先ほど嫌みっぽく、もっと早くこの法律をつくってもらえなかったかというようなことをちょっと申し上げたわけでございますが、今回の法案をつくることによって、安全性というのは何か数字で評価されて、具体的に向上する目標値をつくられるのか、もうつくっていらっしゃるのか、あるいはそれをどういうようにしていきたいのか。もしその目標を達成していくとすると、対策費用というのは今後どれぐらいかかって、それはどのように捻出していくのかというようなことを、見込みをお持ちでしたらお聞かせいただきたい。
○高木大臣政務官 本法案の具体的な効果と対策費用についてのお尋ねでございます。 これはまだ、法案がやっとこれからできるわけでございまして、これからそういうことも具体的な地域地域にシミュレートされて計算されていくと思うわけでございますが、ある程度目標値を持って、これだけのお金をかけて、こうならないようにしますと逆に自信を持って言っていただけた方が住民の方は安心すると思いますし、税金がこうやってきちんと使われているんだと逆に明確にしていただければいいんじゃないかな、私はそんなふうに思いますので、ぜひその方向で、自信を持っておやりいただければいいんじゃないかと思います。 ただ、やはり、世間は非常に厳しくなってまいっておりますので、目標数値に対してそれが達成されていなかったときには、それはどうしてできなかったんだという説明責任は必要かと思います。そういっためり張りのある対策、計画をしていただければ、そんなふうに思います。 先ほど図らずも大臣が、さきの東海水害のことをおっしゃっていただいたわけでございまして、やはり、人間のすばらしいことの一つに、失敗をどんどん生かしてそれを発明の母にしていくことだと思うんですね。そういう意味では、この東海水害の経験、このことも今回の法案のきっかけになったと思うんですが、具体的にどんなところに反映されていると評価していいのか、そのあたり御説明いただければ。
○中馬副大臣 東海水害は、本当に典型的な都市災害ということが言えるかもしれません。従来の水害ですと、山間部で急流に流されたとか、堤防が決壊したとか、そういうのが水害と普通言われるわけですが、この東海水害の場合には、河川が切れた、あるいはあふれたといったようなところは全体の上ではほんの二割ぐらいで、あと八割は、じわっと水がふえてきて、そして全体がつかってしまったという状況なんですね。ということは、まさに典型的な都市災害、十分な下水処理能力がなかった、そういったようなことだと思います。 だから、例えば、パソコンに入っているシミュレーションでいくと流れるはずの水が、現場では流れていないということが間々起こり得る。これというのは、机上やあるいは一過性の対策じゃ対応できないんだと思うんですね。 先ほど政務官もおっしゃっていたように、日ごろから地域住民をどんどん参加させるというと、ちょっとこれも言い方が悪いかもしれぬけれども、興味を持たせるというのがいいんでしょうか、関心を持たせるというんですかね。だから、自分の目の前の排水溝の排水口ぐらいは、落ち葉が枯れていたら自分で取ってくれ、それが自分の家を守る、森を守る、土砂を守ることになるんだよということをしていかないと、なかなか、事故が起こった、これは全部行政の責任だというのは、私は一方的過ぎるような。 だから、住民の方もやることをやってもらう、そういう活動を啓蒙していくというんですか、目の前の排水溝を日常的にきれいにすることがいざというときに大事なんですよ、こういった活動というのが非常にこれから、日常的な整備といったらいいんでしょうか、日常的な管理といったらいいんでしょうか、重要になってくるんじゃないかと思いますので、そのあたりのところもぜひとも対策を打っていただければ、そんなふうに思います。 続きまして、ちょっとこれは以前の話題かもしれませんが、浸水被害の防止において、以前、ハザードマップの活用というふうなことがあったわけでございますが、現在、その精度はどうなっているのか、あるいは、今後その精度がどんなふうに向上していくのか。さらには、このハザードマップを、今後この法案がつくられた暁にはどんなふうに利用されていくのか、ぜひともお教えいただきたいというのと、もし、先ほど触れた点で、パソコンの中では生きているけれども現場はそうじゃないというようなところに、何か対策が打てるようなこともお考えでしたら、お聞かせいただければと思います。
○高木大臣政務官 まず、ハザードマップの活用についての御質問についてお答えをしたいと思いますけれども、この洪水ハザードマップというもの、地域住民や市町村の防災担当者にふだんから、あるいは災害時に活用していただくことが重要であって、具体的には次のように活用されるべきものと認識をしております。 このハザードマップをつくるに当たっては、浸水想定区域図作成マニュアルというものをつくって、これに基づいてその作図を作成することにしています。その際、こういった計算機の中でシミュレーション計算をするんですが、精度をどんどん上げていくということには、それなりの意味はもちろんございます。ただ、精度を上げれば上げるほど、とてつもなく費用がかかるという面がございます。 その辺の兼ね合いが大事だということでございますが、現状では、浸水想定図作成において、現段階で、国土数値情報として地盤高標高を含むデータとして、精度の高いものとしては五十メーターメッシュのデータでございます。これを用いて、はんらんシミュレーションを行って、そして浸水区域や浸水深を求め、それを実際の地図の中に連続的に落としていく、こういうことをやっております。 今、五十メーターメッシュ、随分粗いなというふうにお感じかもしれませんが、実はいろいろな技術が進んでおりまして、これは二メーター五十とか五メーターメッシュというようなことまで実はできるようになってきているんです。これを、全部こういうメッシュに当たってそういう計算でやりますと、これはもうとんでもないお金がかかります。したがいまして、浸水の境界部あたりについてこういったことを活用するとか、そんなことを今後考えていかなきゃいけないと思っております。 何よりも大事なことは、公表に当たって、浸水想定区域指定の前提となる計画の降雨というものを考えるわけですが、それを超えた場合には、この範囲を超える可能性がありますよとか、あるいは、必ずしも指定区域でないところでも洪水が起こることがあるんですよというふうなことを、きちんと公表する図面の中に書き込んで、そういったことをいろいろな形で周知する、こんなことが大事だと考えております。
○伴野委員 そのシミュレートにつきましては、当然、現在の水文学の粋を集めて多分シミュレートしていらっしゃるんだと思いますが、それでもやはり、ある程度仮説を立てて、前提条件の上にシミュレートしていらっしゃるわけでございまして、先ほど申し上げたような、例えば、現場では、あるため升が枯れ葉で詰まっているというような想定がその中に埋め込めるのかどうか、ちょっと私も知り得ませんが、そういうような現場との違いなんかをどうしていくんだ、具体的に前提条件と違うことが起こった場合はどうしていくんだというようなことも、ぜひお考えおいていただけるといいかなと思うわけでございます。 委員御指摘のとおり、これはつくっても何の意味もないわけでございまして、これをいかに周知徹底するか、これが大変重要なことでございます。そして、その中身を住民の方々に本当に理解していただくということが、またこれも大変重要なことでございます。 これまで各自治体においては、周知の方法でございますが、各戸配布、これをまずやっております。それから、自治体の広報紙へ掲載する、さらに新聞折り込みでも渡す、あるいは地元説明会を実施する、あるいは避難訓練などを行う際にもそういったものを実際に使う、あるいは電話帳のハローページへの掲載、ホームページへの掲載、いろいろな形でその周知が図られるようにしております。 さらに、そういった多様な方法で繰り返し周知するということが重要なわけでございますが、国土交通省といたしましても、本省や地方整備局のホームページへの掲載や、地方の取り組みを紹介するパンフの作成、配布、あるいは水防訓練などあらゆる機会をとらえて、ハザードマップの普及、周知が図られるようにしてまいりたい、そのように思っております。
○伴野委員 いかにいいものをつくっても、あるいはいかにいい情報でも、必要とする人のところに届かなければ何の意味もないわけでございますので、ぜひともそのあたり、常日ごろ御検討いただければ、そんなふうに思います。 土木学会の提言のお話がございましたが、これは地震動の二段階設計法ということと承知しておりまして、主として土木構造物の地震に対する対応の考え方だというふうに承知しております。 まず、レベル1というのがありまして、これは、当該土木構造物の供用期間の中で一回ないし二回の確率で発生する可能性がある地震、激甚な地震に比べればやや軽い、ただ被害が生じる可能性がある、そういう地震だと思いますけれども、そういうものについては、基本的には、被害が発生しない、そういうレベルの耐震性能が必要である。 一方で、例えば阪神・淡路大震災のように、発生する確率は極めて低いけれども、一たん発生すると甚大な被害が起こり得る、そういう地震については、例えば橋でいいますと、橋脚のひび割れなど、ある程度の被害の発生はやむを得ないけれども、例えば橋が落ちてしまうというような致命的な事態には至らないようにすることを求める。そういう地震動とそれに対応する被害レベル、これを二段階に分けて対策をしていこうということだというふうに理解しております。 こうした地震動による土木構造物の被害に関する考え方がそのまま市街地火災に対する対応に当てはまるかどうかは一応別といたしましても、被害がある程度出ても、致命的な被害にまで大きくなることはないような方策をとるという点におきましては、今回の密集法の考え方は思想として共通しているところはあると思っております。 すなわち、今回の改正法では、一つには、中にたくさん木造建築物がある市街地全体を、まず大きく道路や公園で、これは防災環境軸と我々は俗称しておりますが、そういったもので区画いたします。建物でいいますと、ある建物の部分が燃えても建物のほかに広がらないように防火区画というものが基準法で求められますけれども、いわばそれを町全体の中でつくろう。そういうことによって、あるブロックで火災が発生しても他のブロックには燃え広がらない、あるいは、自分のところで火が出ても他のブロックに広げない、そういうことで被害を最小化して、致命的な被害を防ぐということを一つは目指しております。 また、建物の建てかえでございますが、一〇〇%不燃建物になって全面的に建てかわっていくということが究極の理想であるということは言えるとは思いますけれども、一方で、道路とか公園等のオープンスペース等、それから、耐火建築物の敷地の面積の合計がある地区の面積の中で四割、これは不燃領域率というふうに言っておりますけれども、四割を超えますと、市街地で、あるところで火事が起きたときの延焼速度が急激に落ちるという知見がございます。いろいろな実験とか過去の経験から通じて得られた知見でございますが、そういう知見がございます。 したがって、建築物につきましても、同様に、致命的被害の発生を食いとめる見地に立って、当面、私どもは、このおおむね四割という不燃領域率の達成を目指しまして、共同建てかえが進むことを一つは期待しているわけでございます。 費用便益分析というお話がございましたが、土木学会の提言の中でも、壊滅的被害を回避することの費用便益分析の手法はまだ確立されておらずに、これから確立するんだということが入っております。 これは、あるところの壊滅的被害が全国に波及するような例もありますし、また、例えば人々の心に非常に大きな心理的な後遺症を残すということもあります。そういう被害が回避されるということがどのぐらいの便益かというのは非常に難しいと思うんですけれども、ただ、先ほども申しました密集法の目指すところというのは、当面、いわば最低限の安全度を達成すべきだということで、強力に推進しなければいけないものと考えております。
○鈴木政府参考人 お尋ねの件で、都市水害の関連について御説明申し上げます。 その一方で、安全というものは、いつも行政任せでいいというものではないと私は思うんですね。一人一人が獲得していくものだと思うんです。 このあたり、ちょっと今から大臣にお聞きしたいと思っているんですが、やはり日本人というのは諸先輩方のおかげで、私なんかもおぎゃあと生まれてから、非常に安全なところで暮らしてこれたと思うんですね。最近はちょっと犯罪率が高くなっていますから一概に言えないと思いますが、でも、世界に比すれば非常に安全な国で住まっているわけでございます。だから、そういうところに住まっていると、安全というのは日常的にだれかから与えられて確保できているんだと錯覚しがちなんですが、本来、諸外国なんか見ていましても、やはり安全というのは獲得していくものなんだと思うんですね。ある面、経済的に獲得していくこともあるのではないかな、ある代償を支払って獲得するということもあるんだと思うんです。 そういうようなことで、これはちょっと哲学的なお話になるんですが、大臣は、安全性、経済性、利便性の関係についてどんなお考えを今お持ちか、お聞かせいただければありがたいと思います。
○扇国務大臣 今、伴野議員がおっしゃった、安全性というものの確保にどのようにということですけれども、これは少なくとも平和維持と同じような哲学的なものがあろうと私は思います。 あと時間が二、三分ございますので、これは私の勝手な提案的なものだと思ってお聞きいただければいいわけでございますが、先ほどハザードマップのお話が出たわけなんでございます。 一つは、防災の日とか、防災というのは、先ほど政務官、防災の大会にもお出になる。そのとき、ハザードマップを使ったオリエンテーリングとかをやってみるとか、それでちょっと遊び心を含めて、ゲームを入れながら、自分のところの地域のハザードマップがどうなっているのか、最終的にそれをよく理解した人がティッシュペーパーを三つぐらい余分に持っていけるとか、そんなようなこともあると、いつもいつも、来賓の方が来て防災についてのコメントをして帰って終わるというよりも、せっかくですから、ぜひ、そういう遊び心を入れていただいて、住民も参加して、子供も参加して、お父さんからお母さん、子供まで一緒に、ハザードマップ、自分のところの地域を見ながら、オリエンテーリングをしながら、一日ぐるっと回って汗をかいてもらって、いい点数がとれたね、ああ、ここで避難すればいいのか、ここは決壊する一番危険なところだというようなことを一緒に見ながら、最後にティッシュペーパーをもらって帰っていってもらうというようなことをぜひやってもらってもいいんじゃないかなと勝手に思うわけでございます。これは御検討いただければありがたいかと思うんです。 それは何を言いたいかと思いますと、やはりすべては、最終的には被害を受けるのも地域の人ですし、一番関心を持ってもらわなきゃいけないのも地域の人だと思うんです、特に河川あるいは密集市街地においては。 今回、法案の中に、河川管理者は、流域水害対策計画において必要があると認めるときは、学識経験を有する者の意見を聞く、必要があると認めるときは公聴会の開催等特定都市河川流域の住民の意見を反映というようにあるわけなんですが、確かに、ハザードマップのモデル式をつくるとかメッシュをどうするかとか、学術的なものは学識経験者に聞くべきだと思うんですね。 ただ、河川の今の実態がどうなっているかとか、先ほどちょっと言った、目の前の、家の前の貯水が詰まっているとか詰まっていないとか、あるいは二十年前の水害ではここの堤防のこの地域から水が出だしたら一気に水が出たとか、そういうような知識というのは、沿川のおじいちゃん、おばあちゃんなり、やはり沿川の人が持っている。ずうっと昔から耳で学んできた知恵みたいなものがあると思うんですね。 そういうようなものは、住民の意見を聞くという立場ではなくて、常日ごろコミュニケーションをして情報交換していた方が、私は、いざというときに、やはりフェース・ツー・フェースの情報伝達というのが基本だと思いますので、そういうことを日常的におやりいただく意味でも、通り一遍のような、必要なときには住民にも話を聞くよという立場ではなくて、常日ごろお聞かせください、あるいは一緒に河川流域を歩きましょう、ハザードマップを使って一緒に歩きましょうというぐらいの気持ちの前向きさがあっていいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○高木大臣政務官 今、河川管理者が学識経験者、住民の意見を反映するということについてのお尋ねでございました。 では、後々の質問は同僚の津川議員にバトンタッチしたいと思います。ありがとうございました。 | | |
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