会 議 録

第156回 衆 「総務委員会」 17号
2003/6/3

○武正委員 この資産デフレは解消しなきゃいけないんですが、残念ながら土地の値段が下がっている中で総額を言われても、実際なかなかぴんとこないわけでございまして、まして、総額は七・三%減ったけれども、五年以上は〇・一%しか減っていないというのは、五年以上塩漬けがなかなか解消できていないということが如実にあらわれているところでございます。
 さて、健全化対策を公社から自治体につけかえるにすぎず、その費用に新たな税金を投入することは許されないとの批判もあるわけなんですね。この健全化対策、公社から自治体への借金のつけかえ。今回の地方独法も同様の指摘がございます。第三セクターあるいは公社、公営企業、それぞれが抱えている借金をチャラにして、きれいにして新たな組織にしてやるけれども、その借金は本体が背負うよというような指摘があるわけでございます。
 さて、きょうは国土交通省、政務官がお見えでございますが、住宅公社が、二〇〇〇年度末借入総額三兆一千五百七十四億円、うち四割は民間金融機関、二〇〇〇年度決算時点で少なくとも二十前後が赤字、こういう記事がある中で、今、公社の廃止を視野に検討中、福島、あるいは神奈川、北海道、そのほか茨城、幾つか出ておりますが、実際、今の現行法でどういった手続で廃止ができるのか。もしできないとすれば法改正が必要と思われますが、お答えをいただけますでしょうか。

 

○高木大臣政務官 ただいま地方住宅供給公社法についてのお尋ねだと思いますけれども、現在、各地方公共団体におきまして、地方の住宅供給公社のあり方についてその廃止、今御指摘ありました福島を含めてさまざま検討がなされていることは認識をしております。
 その上で、現行の地方住宅供給公社法においては、公社の解散のできる場合は、一つ目は破産、二つ目が国土交通大臣による設立認可の取り消し、これは違法行為等があった場合なんですけれども、この二つに限定していることから、設立団体たる地方公共団体の意思によって公社の廃止、いわゆる解散は法律上は認められておりません。
 そのような状況を踏まえながら、国交省といたしまして、昨年の二月から、学識経験者から成る検討委員会、これは横浜国立大学大学院の小林教授が委員長としてこの検討委員会を設置いたしまして、自主的な解散規定の創設を含めて、公社の業務や組織運営のあり方について、現在、検討を行っているところでございます。
 今後、その検討委員会で取りまとめる検討結果や、また地方公共団体の意向等を踏まえながら必要な措置を講じてまいりたいと考えております。

○武正委員 今後必要なということでございますが、先ほど触れたように、健全化計画をつくってもこの公社、こちらは土地公社の方ですけれども、なかなか五年以上塩漬け土地もうまくいかない。こういった中で、また今の住宅公社は、各地方の自治体が何とかこれをしたいというふうに言っておりますので、スピードアップが図られるべきだというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 一点、例えば先ほどの、これは二〇〇〇年度で約三兆円の借金があるわけなんですが、解散する、廃止すると、これはどのような形に手続上なるんでしょうか。簡単でいいですからお答えください。

 

○高木大臣政務官 今御指摘の問題等も含めて検討委員会で論議をしている最中でございますので、今この場におきまして、こういう形になる、こういうふうに断定はできかねますので、御承知おきを願いたいと思います。

○武正委員 検討中ということでございますが、これがやはり、責任の所在、そして総括、なあなあのうちに借金が結局は地元の県民の負担につけかえられるということがないように、厳しくその検討を進めていただきたいと私は思います。
 さて、こういった形で第三セクター等について見てまいりましたが、今回の法案では、第三セクター等は対象とされていないやに説明を伺っておりますが、私の見るところ、第二条を見ても、いや、第三セクターも対象に読み込めるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、これはいかがでしょうか、副大臣。

 

○若松副大臣 民間で実施できることは民間で行う、こういった考え方から、この地方独立行政法人制度におきましては、既存の第三セクターが直接地方独立行政法人へ移行することは想定しておりません。
 仮に、第三セクターの実施する業務を対象として地方独立行政法人に行わせるようにする場合には、一たん当該第三セクターについて清算手続を行って、新たに定款を定めて地方独立行政法人を設立する、このような手続が必要になります。

○武正委員 今、手続上はそういった御説明がありましたが、総務大臣、第三セクター等を念頭には置いていない、あるいは、もしそれをする場合には法改正が必要であるということでよろしいでしょうか。

 

○片山国務大臣 第三セクターと地方独立行政法人は全然違うんですね。地方独立法人は、地方団体から分離してもいいけれども、民ではだめだというものなんですよね。第三セクターは民ですからね。だから、今言ったように、第三セクターが仮に独立行政法人になりたいのなら、法律の要件に該当した場合ですけれども、それは第三セクターを解散して新しくつくり直す、こういうことになりますので、第三セクター移行なんということは制度的には全く考えておりません。

○武正委員 民でなければと言いながら、民でやったら失敗した、これが第三セクターなんですね。やはりある面、公にかかわるところを手段がなくて第三セクター、あるいはそれを国が推し進めたさまざまなリゾート法あるいはNTTの資金活用法等で、これはやはり大変反省をしなければならないことだというふうに思います。
 さて、今は、今回の地方独法には第三セクターは移行しないといったことを確認したわけでございますが、第三セクターの民営化ということで、今さまざま地方自治体も検討を進めておりますが、一つ事例として、私は、しなの鉄道のことを挙げさせていただきます。
 長野県も債務放棄を認めて、百億円強ですか、今、経営改革評価委員会が。社長さんも、これまで長野県の副知事だった方はお帰りをいただいて、旅行会社のエイチ・アイ・エスから社長を連れてきた。実際、一年半で、これまで年間四億円の赤字が黒字になった。一年半で黒字化した。これは、しなの鉄道ですね。(発言する者あり)不規則発言がございましたが。そういうことでございまして、今、実際のところ、上場も目指しているそうです。
 実際、例えば松本空港を利用して、ジェット機をそこに集めるようにしようとか、なぜこういうアイデアが出てくるかというと、やはり旅行会社の方が社長になっているからなんですよ。旅行会社の社長さんですから、どうやったらお客を集められるかという視点に立っていますので、この方が社長になって鉄道事業をやろうとする。では、まずお客さんを呼ぶためのイベントをどうしようか。あるいは、では今度は空港とジョイントしてできるんじゃないか。発想がどんどん広がって、民営化そして上場といったところまで展開をしていこうということなんですが、このしなの鉄道の事例、これは総務大臣お聞き及びかと思いますが、このことについて。副大臣ですか。

 

○若松副大臣 当然やはり、民業は民間経営者がやった方がいいと思います。その上で、このしなの鉄道株式会社につきましては、先ほどのエイチ・アイ・エス、非常に有能な経営者が入られたということで、平成十四年度は、開業以来初めて、減価償却前の損益でございますが、黒字を計上したと伺っておりまして、引き続き経営改善に努められて、地域住民の期待にこたえられることを総務省としては願っているところでございます。
 さらには、今、株式公開という話もありましたが、それは、できれば大変すばらしいな、そのように考えております。

○武正委員 総務大臣も一言、こういった、地方で頑張って民営化も目指している。そのときに、大体これまで第三セクターは地方の県のOBの方がそのトップにつくというような形だったんですが、そこに民間の方も引っ張ってきてといったことも踏まえてお答えをいただきたいと思います。

 

○片山国務大臣 私は岡山県ですけれども、岡山県の倉敷に、チボリ公園というのがあるんですよ。デンマークのコペンハーゲンにあるものの日本版。これが第三セクターでやったら大赤字なんですよ。それで、二年前に、その前の社長は副知事なんですよ。私もずっと昔に副知事をやったことがあるので、今、不規則発言がありましたが。それで、どうしても赤字が多くなる。そこで民間の人を入れたんですね、民間の人を社長にした。そうしたら、前年度は、単年度黒字になったんです。
 そういうことで、やはり、第三セクターというのは官と民のいいところを集めようということなんですけれども、官と民の悪いところだけが集まっているようなケースが多いんですよ。だから、それはもうはっきり、民は民にした方がいいし、官でやるなら官でやった方がいいんですよ。官民なんといって一時はやしましたけれども、私は、もう一遍見直すべき時期にあるなと。
 だから、リゾート開発についても、私どもの方の行政評価局では大変厳しい勧告を関係の各省にいたしましたので、今後とも、こういう事例を踏まえながら、やはり民は民としてやっていただく、こういうことを徹底してまいりたいと思っております。

○武正委員 総務大臣、せっかくですので、もう一言お願いしたいんですが、それを進めてこられた、はやしてこられたのは自民党を中心とする政府・与党でございまして、この間の同僚委員の御質問でも、やがて参議院の自民党の大幹部にこれからなられていく総務大臣でございますので、この責任の所在、それから総括をやはりきちっと、落とし前という言葉がいいかどうかわかりませんが、ちゃんとやらないと次につながらないんですよね。
 ある面、負の遺産を背負いながら、今回、地方独法も頑張っていこうと、何かもう一生懸命、法律の整合性をとろうと努力されているのはわかるんですが、第三セクターあり、地方公営企業あり、あるいは三公社あり、これにまたこの地方独法ということも含めて、何か、継ぎはぎ継ぎはぎ、問題の先送り先送り。やはりここで、こういった点での責任の所在、そしてこれまでの総括、官と民の悪いところをやってしまったと、これをどういう形で総括するのか、再度御答弁をいただきたいと思います。

 

○片山国務大臣 それぞれの第三セクターが、失敗したケースでははっきり責任をとっておりまして、それぞれ対応いたしておると思いますけれども、時代の環境というのもありますから、やはり個人の力は限界があるので、問題を起こして損害が発生したり倒産したり、そういうところはそれぞれ、法律上も、それ以外の責任もとってきているな、こういうふうに私は思っておりますが、やはりいろいろなことをいい学習体験にして今後に生かしていきたい、こういうふうに思っております。

○武正委員 学習体験で済まされる状況ではないというふうに私は思います。
 平成三年の国、地方を合わせた三百兆が、今七百兆。それで、後でまた触れますが、隠れ借金と呼ばれるような多額な債務が公営企業等も含めてあるといったことでございますので、こういったお答えをいただいても、やはり立法府とすれば、行政府をきちっとコントロールする意味でも、政権交代可能な二大政党というものは日本の民主主義のために必要なんだと。過去のさまざまな問題点を学習した、学んだというだけで済まされるようなお国では、このまま沈没してしまうのではないかというふうにあえて指摘をさせていただきます。
 さて、今、責任はしっかり第三セクターはとっているよというお話でございましたが、これはもう過去、総務委員会での住民訴訟の質疑でもございました、下関の韓国との船の問題を契機として、私は、政府がこれからこういった第三セクターの責任追及をされるのを恐れて住民訴訟を二段階にした、まさにそれがこれからあちらこちらで責任問題が出てくるといったことだというふうに思います。住民訴訟が地方独法とどのようなかかわりをしているのか、これも後でお聞きをしたいと思います。
 それでは、地方公営企業について参りますが、まず、地方公営企業、総括原価方式から価格設定方式への転換ということが指摘されておりますが、この点、副大臣、いかがでしょうか。

 

○若松副大臣 地方公営企業法第二十一条によりますと、地方公営企業の料金は、公正妥当なものでなければならない、かつ、能率的な経営のもとにおける適正な原価を基礎として、地方公営企業の健全な運営を確保することができる、こういうことでありますけれども、総括原価方式、いわゆる原価の積み上げ方式ですね、これをやりますと、どうしても、今委員の恐らく御懸念であろういわゆる経営の効率化、こういったところが反映されないということもありまして、価格設定方式等の活用もあるところでございます。
 そういったいろいろな事例も踏まえまして、今後とも、公営企業の料金の具体的な算定手法につきましては、基本的には各事業法のもとで決定されているわけでありますけれども、地方公共団体におきましては、料金算定の透明性並びに経営の効率性の徹底に資するような工夫を講じられるということが望ましいと考えておりまして、総務省としてもそのための努力をしてまいりたいと決意しております。

○武正委員 まだまだ、この価格設定方式についても、公営企業会計、公営企業については検討中ということでございます。
 さて、鉄道事業、これは過大な需要を見込み、その需要予測の利用者に達せず、結局、価格設定を高いものにせざるを得ない、あるいは地方自治体から補助金を追加で投入しなければならない、こういったことがあちらこちらで見られるわけでございます。この理由として、一つ、無理をした需要設定をしないと運輸政策審議会を通ることができないのではないかというようなことが言われておりますが、こんなことを繰り返していたら、結局はそのツケが地元の地方自治体の住民に及ぶ、そして首長さんも、最初の計画と違うといった見直し見直し、そんな答弁を地方議会で繰り返さなきゃいけない。
 これは、運政審の審議も含めて、何かやはり解決していくべき時期に来ているのではないかというふうに思うんですが、国土交通政務官、いかがでしょうか。

 

○高木大臣政務官 まず、鉄道事業に関する運賃の設定、これは規制緩和の流れを受けまして、まず、その上限については国土交通大臣の認可を受けなければならない。これは鉄道事業法の第十六条になりますけれども。
 その認可に当たりまして、まず鉄道事業の最初の許可、この時点における需要予測を勘案しつつ、運賃設定の認可申請の時点において予測される旅客輸送人員、またこれをもとに算出された運賃収入等、これが適正価格であるのか、適正利潤の範囲内におさまっているかどうか等について、申請内容を審査するとともに、ほかの鉄道事業者、並行して走っている場合もありますから、そういった他の鉄道事業者における運賃の水準等も考慮した上で認可を行っている。
 さらに、その上限を決めた上で、その中におさまる鉄道の運賃については、事業者の自主性、主体性を尊重しつつ、事業活動の一層の効率化、活性化を図るために、認可を受けた上限運賃より低廉な運賃の設定、これは鉄道事業者の個別の判断、経営判断によって自由に設定することは可能となっている。
 ただ、今御指摘ありましたような最初の予測、この問題についても、例えば武正委員の地元でもあります埼玉高速鉄道、これは、一番最初の許可をするとき、そして認可をするとき、そしてまた実態、この数字が大分違っているという現実は多々ありました。その上で、理由については、ほかの交通機関からお客さんが移ってくるといういわゆる転移が進まないですとか、また沿線地域の開発が当初よりおくれたりだとか、さまざまな要素が考えられると思うんですけれども、このような実績を踏まえまして、国交省としても、鉄道事業法に基づく許可等の処分に際して、事業者に対しては、沿線開発等の見通しについても慎重に判断をして、また過去の鉄道の事例を十分に踏まえて需要予測を行うようにしっかりと指導したいと思います。
 また、より精度の高い需要予測手法についてもさらに研究をして、最終的にはその利用者に負担が大きくかからないような、そういうことをしっかりと考えてまいりたいと思います。


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