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会 議 録
第159回 衆 「国土交通委員会」 6号 ○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。午前中最後の質問ということで、よろしくお願い申し上げたいと思います。 都市再生、平成十四年度の都市再生法の施行以来さまざまな取り組みをしているわけでございますが、まず一つは、何と申しましても二十世紀の負の遺産。例えば、一遍大地震が起きて大火が発生すると、特に危険な地域というのが全国で八千ヘクタールあるとか、東京、大阪はそれぞれ二千ヘクタールある、道路も混んでいる、そういうような負の遺産をまず解消したいというのが都市の再生の一つの目標だったと思います。 それから二つ目は、やはり日本全体が国際社会の中で競争して生き残っていく、そのためには国際競争力をつける、そういうようなてこ入れが必要ではないか、このような大きな観点から取り組んできております。 そこで、大きく三本の柱でございますが、今まで取り組んできたプロジェクトとしては十六ございまして、例えば、東京、川崎における広域防災拠点、先ほど申し上げましたような、一たん大地震が起きたときのいろいろな防災拠点をつくらなくちゃいけない。これは国営公園と都とが共同してやっているわけでございますけれども、これについても十九年には一部開園をするんだというようなことで、早く安心して暮らせる都市にしたいというプロジェクトがございます。 また、大都市圏における環状道路、それから羽田の空港、環境問題等々、十六の国家的プロジェクトについて今選定をして推進しているところでございます。 それから二番目に、特に大都市、地方においても政令都市というような大都市において、民間の活力を活用してまちづくりを進め、また経済の活性化も進めようということで、都市再生緊急整備地域というのが既に五十三地域、六千ヘクタール余り指定されております。そういう中で、次々と民間のプロジェクトが立ち上がっておりまして、例えば民間都市再生事業について申しますと、七つ立ち上がっております。 先日、都営南青山一丁目団地建てかえプロジェクトという起工式が行われましたが、これは、従来都心にあった公営住宅を、都営住宅と賃貸住宅、それからグループホームと図書館と保育所というような、都市に住み、働き、暮らす、そういうような一つのモデルとなるようなプロジェクトが行われておりまして、これについては金融的な支援も行われるというようなことで、一定の成果が上がっていると思います。 三番目が、実は全国の都市を対象とした全国都市再生ということでございます。これにつきましては、各地からいろいろなアイデアを募集いたしまして、六百四十四件応募があって、そのうち百七十一件が全国都市再生モデル調査、先導的な都市再生活動として選定されたところでございます。 ただ、これについては、それぞれの地域の自主的な取り組みということで今回お諮りをしておりますが、全国の都市再生、これをより強力に進めるために、まちづくり交付金というような財政支援措置と、それから権限を市町村に集中するというような枠組みによりまして、さらに全国の都市再生を推進していきたい、このように考えているわけでございます。 ○高木(陽)委員 今、竹歳局長が最後、全国の都市再生に取り組みたいということで、具体的に六百四十四の中から百七十一がそのモデルになったというふうにお話がございました。 ただ、今御指摘のあったように、実は、東京といっても港、中央、千代田の三区ぐらいが大変にぎやかなので、東京都内でも二十三区、さらに多摩に行けばなかなかそれほどの活気はないということがございました。また、これがさらに地方都市に行けば、駅前のシャッター通り、中心市街地についていろいろ調べましたら、地方では九割の地区で駅前の中心市街地が寂れてきているというような問題がございます。 また、高齢化社会ということで、今は自動車が運転できる、しかしながら、一人になって自動車が運転できなくなる、そうしたら、こういう駅から離れたところに住んでいて、あしたの晩御飯の支度もどうしようかというような新しい問題もいろいろ出てきていると思います。 そういうことで、今回のこの全国都市再生というところでは、そういう皆様が身近に感じておられるいろいろな問題について応援をしていこうということでございますけれども、この中心市街地の活性化とかこういう取り組みは、やはり地域の意欲だけでできるというものでもございません。短期間にかなりの額の投資も必要となるということで、国としてもこれを支援していきたいということでございます。 そういう意味で、国土交通省といたしましては、このような地域の意欲ある取り組み、個性的な取り組みを推進する、こういう観点から、今回まちづくり交付金の創設それから都市計画、道路整備に関する市町村の権限の拡充を内容とする本法律案を提出させていただいたわけでございます。 ○高木(陽)委員 ただいまの局長の答弁にありましたまちづくり交付金、これは今までの質問でも皆さん取り上げられましたけれども、注目されるまちづくり交付金でございますが、地方の自主性、裁量性を高めたい、こういった観点から導入するということでございます。今までの補助金というのは国が事前に関与する、これが大丈夫なのかということでいろいろとチェックをされておりましたけれども、このまちづくり交付金の場合には、事後的な評価を重視する、このようにうたっておりますけれども、具体的に、この交付金の事後評価、どういうふうにやっていくつもりなのか、その点をお伺いしたいと思います。 ○竹歳政府参考人 従来の補助金につきましては、道路なら道路、公園なら公園と、施設ごとに事前の費用便益分析などをやってきたわけでございますが、今回のまちづくり交付金は、それぞれ施設の費用便益だけではなくて、いろいろな事業の組み合わせがどのように町を活性化させ、みんなが安心して暮らせるようになるかということになります。例えば、古都の風格を醸し出すまちづくりというようなことをうたっておられるところがございますが、こういうところでは、定住人口の増大だけではなくて交流人口の増大というような定量的にわかる、そういうことを進めようとされているわけでございます。 そして、こういう目標が事前に明らかにされるわけでございますので、事業の終了後において、本当にそれがどこまで達成できたんだろうか、計画と違って、何が問題で計画が達成できなかったんだろうかというようなことで、広く情報公開されて、透明な手続の中でまちづくり交付金というものを運用していきたい、このように考えているわけでございます。 ○高木(陽)委員 貴重な税金を使うわけでありますから、この事後評価をきっちりやらないと本当にむだ遣いになってしまいますので、その点はしっかりやっていただきたいと思います。 現在、まちづくりに関する法律的な権限というのは、身の回りは市町村、広域的な調整が必要なものは都道府県というような大きな枠組みができているわけでございます。今回のまちづくり交付金、都市再生整備計画の運用は、ハード、ソフトを一体的に進めよう、それからスピーディーに、短期間に成果を出すにはどうしたらいいかというようないろいろな工夫をしているところでございます。 したがいまして、都市計画について、一般的には都道府県が持っているような大規模な都市施設でございますとか市街地開発事業についても市町村へ移譲する。また、都道府県が管理する国道、都道府県道の新設、改築を実施する権限も、市町村へ一定期間を限って移譲するというようなスピーディーな取り組みができるようにしたいと考えているわけです。 したがって、例えば、ある町が快適な歩行空間、道路景観を整備したい、それから道路や駅前をバリアフリー化したい。このバリアフリー化というのも大変我々真剣に取り組んでいるわけでございますが、このバリアフリー工事、電線類の地中化の問題等々、都道府県道で普通ですと市町村がいじれないというところ、協議に時間がかかる、それを一定期間市町村に権限を移譲して、そういうものを一体的に、バリアフリーとか電線類の地中化をタイミングよく機動的に進められる、このように権限を移譲することによって進めたい、このように考えているわけです。 ○高木(陽)委員 今もお話のございました例えば都道府県道、都道府県が管理する国道等々の問題も含めて、本当に一体化してやればスピーディーにできる。まさにそのとおりなんですが、なかなか現場は、自治体によってはそこまでしっかり考えられない方々もたくさんいらっしゃるんじゃないか。 現在、全国には約一万五千のNPO法人が認証を受けておられまして、そのうち一番多いのは保健、医療、福祉、福祉関連の方が八千五百、それから社会教育が約七千、三番目にまちづくりの推進というNPOの法人が認証されております。 例えば、三島では、さっき蛍のお話がございましたけれども、NPOが主体となって、河川の清掃、蛍の幼虫の放流、花の植栽等を行って、水辺の自然環境を再生していくというようないろいろなまちづくりの活動をされておりまして、こういう方々を巻き込んでまちづくりを進めていくというのが非常に重要だと思います。 これを制度的にもバックアップしていくということが今回の法案の一つのねらいでございまして、市町村が都市再生整備計画の中で、まちづくりの推進を図るこういうようなNPO法人でございますとか公益法人、こういう人たちの賛成も得て、こういう方々が実施する事業を位置づけて、それでそういう方々に市町村が財政的な支援もするということになれば、国もそれを支援するというような枠組みで応援をしていきたいなと思います。 やはり計画段階からこういうNPO法人の方々の参画をいただくということが、将来の維持管理等々に、それから町を愛して、町に住む人が町を大事にするというような意味からも、非常に大事なことではないかと考えております。 ○高木(陽)委員 今NPOのお話をいただきましたけれども、いろいろな知恵を結集するということが必要ではないかなと思うんですね。行政だけでまちづくりをやりますと、どうしてもかたい雰囲気になってしまうというか、やはり住んでいる人、また、そこで生活をしている人、その人たちの感性、こういったものをしっかり生かしたまちづくりを行っていきたい、また、いただきたいというふうに思います。 その一方で、やはり国土の均衡ある発展ということが都市政策あるいは国土政策の中心であったことによって、没個性の町がたくさん出てしまった。画一的な、どこを切っても金太郎あめみたいな町が多くなってしまいましたけれども、やはり、歴史的な成り立ちも違いますし、住んでいる方も違うというような話を先ほどさせていただきましたけれども、そういう方々の自由な創意工夫と発想によりまして、自分たちの町を自分たちの力でもう一回再生していく、そういうものにこのまちづくり交付金制度が役に立っていただければと思っております。 ○高木(陽)委員 しっかりこの法案を成立させるとともに、このまちづくりというものにしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○赤羽委員長 高木陽介君。 ○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。 しかし、問題は、まさにつくるプロセスが問題でして、そのつくり方が物すごく、もう千差万別で、率直に言うと、先ほど伴野先生がおっしゃった、コンサルタントに丸投げをしている市役所もございますね。それから、あるところでは住民参加を徹底しまして、おまけにアンケートもやるし、集会もやるし、手間暇を物すごくかけてやっているのもあります。まさに玉石混交なんですね。ただ、共通は、都市マスタープランというところで、多様な価値観を持つ市民が、ある合意をつくったらこういう姿になるというのをつくっていることは事実なんです。 問題は、御質問の趣旨を僕はこういうふうに受け取ったんです。都市マスタープランをつくったはよかったけれども、実は、まさに事後評価をしていないんです。事前評価をしてつくった、しかし、事後評価を市民とか専門家というところがやっていないんです。マスタープランをつくったら、もうあと十年ぐらいはこのままいけばいいやという形になってしまいました。固定化してしまう。僕は、事後評価をする中で、もう一度、市民の多様な価値観が事後評価のプロセスで都市マスタープランというのを変えていく、そういう弾力性を持っていいと思っているんです。それがやられていないんです。 ですから、お答えとしては、マスタープランをメンテナンス、常にダイナミックに維持管理する中で、それぞれの皆様方の意見をそこにうまく反映していくということをやっていくべきじゃないかと思っております。 以上です。
○原参考人 大変今の御質問は、現代都市の悩む難しい課題の最たるものであろうと思います。 そういった中で、市民のお役に立つ市役所というようなことを柱に置きながら、いかに合意形成を図っていくか、そしていかに実行していくかということでありますけれども、合意形成をしていくというのは、皆さん方の意見を聞いて、そして、皆さん方の御意見のとおりにしますというようなことだけでなくて、こういうふうに思うんだけれどもどうですかというような形で皆さんに思いを打ち明け、諮りながら前に進めていく。 確かに、価値観が多様化しておりますから、中には猛烈に反発してくださる方々もおられます。そして、後になって評価してもらったり、さまざまでありますけれども、そのときそのときに、さまざまな反発があったり意見の違いがあったりすると思いますけれども、そういうことをよく勘案しながら、選ばれた者としてやらなければいけないことをしっかりやる責任を持っているというように思っております。 ○高木(陽)委員 三人の参考人の方々のそれぞれの、価値観の多様化にどう対応していくかという御意見、参考になります。 私は、こういうプロジェクトで事後評価して、いろいろの人がチェックして評価が分かれたとき、一番最後は、その市にとってもう一つ大きい、プロジェクトを含む市全域にとって、このプロジェクトが例えば市民の健康な生活に貢献しているかとか、あるいは市の雇用問題について貢献したかとか、もう一つ上位の観点からそのプロジェクトを考えることによって多様な評価の総まとめをするということにした方がいいんじゃないかと思うんですね。 例えば、ちょっと先ほど言うのを忘れたんですが、事後評価の中に、民主党の方からの御質問にあったように、美しさとか、そういうのは評価しにくいわけですね。美しさをよくしたといってもそうでないといいながら、しかし、その仕事をした結果として、マスメディアがその都市をどういうふうに取り上げたかというようなことの頻度が多くなれば、それはそれとして、美しくする仕事というのはその都市にとって貢献しているわけですね、外側に。 何かそういう材料も出てくるかとは思っていまして、ちょっと別な観点で大きい視点からいろいろな意見をまとめていくということは必要ではないかと思っております。 ○原参考人 これは評価が分かれるというのは当然であります、それぞれ住んでいる場所が違い、キャリアが違い、働いている経験が違い、都市で暮らす目的が違うわけですから。それをどう束ねて総合的な環境をつくっていくかということが、まさしく都市づくりに求められていることだろうと思います。 評価は確かに分かれるんでしょうが、評価が分かれたときに、その分かれた評価の内容をつまびらかにしながら、その上位目的は一体何なんだというようなことをよく検討し、話し合うことによってかなり合意形成ができる部分があるんじゃないだろうかと思いますし、それで合意形成ができない部分については、これはもうしようがありませんので、それを責任ある者がどう判断するかということで、その判断によって方向を決めるしかないのではないかと思っております。 ○高木(陽)委員 後藤市長の陳述でおもしろいなと思ったのは、交通不便で古い町が残ったという言い方をされて、マイナスの部分がプラスに逆にとらえられる、こういう発想の転換というのは必要だなと思うんですね。 そして、江戸時代、ずっと続いて稲葉さんという方が治めまして、その方が岐阜から来られた方だったので、岐阜の堅実な気風というか、そういうようなものが脈々と残っているとか、いろいろなことがあります。 そんな中で、実は日銀総裁を二人出しているという小さな町であります。 小さな町だけれども、教育の熱心だったところとかいろいろなことがあるので、そういったようなことをしっかり守り続けるというようなことと、町の風情でありますけれども、実は駅前開発もなかった、そして戦災に遭わなかった、バブルのときも無縁だった、これは大変ありがたいことだと思っておりまして、さっきのようなお話になりました。 ○高木(陽)委員 時間もなくなってまいりましたけれども、最後に伊藤先生にお伺いしたいんです。 一つ、今回、ハードだけじゃなくてソフトもと書いてありましたね。ソフトもというのは、人件費一〇〇%、国の税金を使っていいということなんです。ハードというと、鉄とセメントと砂利等を買って、それから建設機械を雇い入れて、全部のお上の税金の半分ぐらいはそっちに行くから、残りの五〇%が人件費だということです。ですから、非常にこれはみんながいいというようなことで人件費一〇〇%だったら、これはまさに土建業よりは雇用促進になるわけです、鉄というのは東京へ調達しちゃいますから。 そのきわめつきをちょっと、自己宣伝になるんですが申し上げますと、地籍調査なんです。地籍調査は、日本は極めて恥ずかしいんです。OECD諸国の中へ行って、地籍調査がこれだけいいかげんな国はないんですよ。韓国もきちっとしています。要するに、市街地の中で五百分の一の公図がきちっとしているのが、韓国はしている、日本はしていません。 今、地籍調査をするというので、国交省が多分来年度百億ぐらいの金をつける。これは人件費一〇〇%です。それをもし地元の土地家屋調査士さんが、測量士さんより主体じゃないかと思うのですが、引き受けられますと、そこで単純作業が労働力として、地籍調査を完遂するというので雇用につながりますね。 例えば民民境界です。民民境界を確定するといったら、これはもう金と時間がべらぼうにかかりますけれども、そこに血気立った若者が来るより、わけ知りのお父さんが来て、まあまあまあというのを十回繰り返した方が解決に近いんですよね。これはまさに、経験という価値を雇用にかえているわけです。そういう話が幾つかあるんですね。 ですから、まさに雇用というところにぜひこの交付金を、これ、ハードとソフトと言っていますから、ハードをつくったら必ずソフトで、メンテナンスをする、調査をする、そしてそれの事後評価までするとか、そういうことを全部、市民の中のそれぞれの能力がある人にやってもらうということ自体が雇用になるんじゃないかと思います。 都市計画で今一番重要なのは、雇用を確定するためのお金だということが私の考えでございます。 ○高木(陽)委員 どうもありがとうございました。 | | |
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