会 議 録

第159回 衆 「国土交通委員会」 8号
2004/3/31

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 本日は、油濁損害賠償保障法の改正案と海洋汚染及び海上災害の防止に関する改正案ということで質問させていただきます。
 今も質問にございましたように、我が国は四方が海に囲まれている、海洋国家である、しかも貿易立国である日本。物流を含めて船舶による交通というのが本当に重要な問題であるにもかかわらず、どうしても、一般の国民の側から見ますと、日常的に船と接する機会がないということで、問題意識が余り高くないのではないかな、そんな気がして仕方がありません。というのも、例えば自動車の問題または鉄道の問題、航空機の問題というと結構身近に感じているんですけれども、船の問題というのは、何か起きないと実感をしない。
 そんな中にあって、今回、タンカーの油濁損害について、先ほど高木毅委員の方から質問等々がありましたナホトカ号の事故、こういうものを経験した日本にとりまして、タンカーの油濁事故というのは本当に国際的な補償制度の充実を図ることが重要である。また、追加基金議定書を踏まえまして一層の補償の充実を図るということで、今回の法改正ということは評価したいと思いますけれども、引き続いて、国際的な枠組みに基づきましてきちんと対応してもらいたいと思います。
 放置座礁船の対策についても、我が国に入港する船舶に対して新たに保険加入を今回義務づけるということで、本当に大切な問題であるというふうに評価しておりますけれども、その上で幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 まず、我が国の沿岸で座礁した無保険船舶で、船主が放置した結果、自治体が船舶の撤去などの費用を負担する、こういう問題が生じてまいりました。船主による責任ある対応を確保するために、我が国に入港する船舶に対して保険加入を義務づける、こういう必要があるというふうに考えておりますし、その上で、問題は、義務づけはいいんですけれども、本当にちゃんと保険に加入しているかどうか。
 そのような実態の中で、先ほど質問の、また答弁の中にもありました北朝鮮船籍、これは保険の加入率が低いということで、二・八%だということですけれども、この法案によって北朝鮮船籍の船舶はどのように扱われていくか。
 また、この法案は国籍に着目して入港を直ちに禁止するものではない、いわゆる船に対してということで認識をしておりますけれども、それでよいのか、まず御答弁をいただきたいと思います。

○鷲頭政府参考人 ただいま先生御指摘いただきましたとおり、私どもの調査によれば、北朝鮮の船は二・八%の保険加入率である、こういうことでございます。
 ただ、北朝鮮船舶の保険の加入率というのは低い状況でございますが、今回の改正というのは、座礁事故等が発生した場合に、船舶の撤去、油による被害をカバーするということが円滑に行われるよう保険を義務づけようとするものでございまして、船籍なり特定の国に着目して船舶を排除するというものではございません。
 したがいまして、北朝鮮籍の船も、それ以外の船籍の船につきましても、同様に、保険加入の有無の観点から我が国の港への入港の可否を判断するということになるものでございます。

○高木(陽)委員 今御答弁にありましたように、船舶に着目してこの法律というものが適用されますけれども、これはあくまでも油濁損害ですとかまたは海洋汚染、そういった問題で法律というのが構成されております。
 ただ、ちょうど拉致問題がこの数年間話題となっておりまして、特に、六カ国協議が行われ、やはり経済的なさまざまな制裁を行うべきであろう、そういった意見の中で、まず外為法の改正が今国会行われました。また、北朝鮮というふうに名指しはできませんけれども、船舶の入港禁止ということで、この法律とはまた別に、今度は国に特定した形で、今与党の実務者の協議の中では合意をし、自民党、公明党の中でそれぞれ党内手続を行って、今国会にその船舶の入港禁止法案を提出しよう、こういうような段取りとなっております。こういった問題も含めて、これは担当は海事局等々もかかわってくると思いますので、しっかりと対応していただきたい、これは要望でございます。
 その上で、平成十四年の十二月のチルソン号事故、この際に、流出した燃料油または船内に残った油の処理に本当に多額の費用を要しました。これを踏まえますと、今回の放置座礁船の問題というのは、単に座礁後の船舶の撤去の問題だけではなくて、タンカー以外の船舶の燃料油による損害の補償の問題というようにも考えられると思います。
 この法案によりまして加入が義務づけられる保険の内容はどういったものであるのか、また、実際にこういった問題に対応した保険の商品はどういうものがあるのかということでお答え願いたいと思います。

○鷲頭政府参考人 先生今御指摘ありましたとおり、チルソン号の事故の場合には、流出した燃料油の処理とか船舶の残存する燃料油の抜き取り、さらに船舶の撤去ということで船主が責任ある対応をなされなかったことによって、自治体が大変な費用を負担するという結果になったわけでございます。
 このような事態を受けまして、この法案では、我が国に入港する総トン数百トン以上の外航船を対象に、燃料油の油濁損害の賠償と、それから船舶の撤去等の費用、その両方をてん補する保険への加入を義務づけることにしております。
 実際の保険商品といたしましては、船主が第三者に対する損害に対して責任を負う場合に保険金が支払われます船主責任保険、いわゆる、先ほども申し上げましたPI保険という保険商品がございますので、我が国に入港する外航船につきましては、この保険に加入していただくことになります。

○高木(陽)委員 今、具体的なPI保険の話もございました。ただ、この法律が成立をして、そして施行されて、いよいよこれからどうなるかという問題なんですけれども、現在、北朝鮮が二・八%という状況の中にあって、果たしてこれが実態としてどうなってくるのか。
 北朝鮮の船籍でそういう保険加入率が低い、日本に入港するということで保険に加入していただく。それはそれでいいと思うんですけれども、逆に、先ほどの質問答弁でもあったように、もしそれが加入していなければそれは入港できない。これはこれで、日本の側にとってみて、特に日本海側の港、かなり北朝鮮の船が来て、経済的な問題としてその地域の問題というのも出てくると思うんですね。だから、そこら辺のところもしっかりと踏まえていかないと、これは海事局の仕事ではないんですけれども、やはり政府としてそういった問題も考えていかなければいけないんだろうな、こんなふうにも考えております。
 特に放置座礁船の問題に対して、この法案によって、まず保険の義務づけによりまして制度的な枠組みが確保されたということで、これは評価したいと思います。法律が成立した暁、一番大切なのは、法律というのは、どの法律もそうですけれども、施行したときにそれが実効性あるものなのかどうか。形式的に、じゃ、保険だけ入りました、ところが、いざ、座礁しました、油が漏れました、実態としてはそうはなっていませんでした、こうならないように、こういうところをしっかりとチェックしながらやっていただきたい、このように要望をしておきます。
 次に、油濁事故そのものを防止するための対策として、タンカーのダブルハル規制など、いろいろな取り組みがなされてまいりました。これらは、国際海事機構、IMOですね、条約を策定しまして、各国が協力して行ってまいりました。今回、海洋汚染防止法改正を行うということで、船舶の排気ガス対策について、これが盛り込まれておりますけれども、その背景、どういったものなのか、また、その趣旨はどういうものなのか、これについてお答えを願いたいと思います。

○澤井政府参考人 船舶からの汚染の防止に関しましては、御指摘のとおり、これまで、油とか有害物質あるいは汚水、ごみによる汚染を防止するために、海洋汚染防止法によりまして、また、国際的には船舶汚染防止条約、通称MARPOL条約と申しておりますが、その枠組みにより規制を実施してきたところでありますが、今回の法改正によりまして、新たに船舶からの排出ガスについて規制を開始しようというものであります。
 船舶につきましては、諸外国も含めまして、これまで特段の大気汚染防止規制が講じられてきませんでしたけれども、近年、硫黄酸化物等による酸性雨の問題などを初めといたしまして、大気汚染の問題もクローズアップされてきたところであります。また、オゾン層を保護するためのフロン類の規制あるいは船上焼却炉からのダイオキシンの発生の防止といった事項も加えまして、国際海事機関において、船舶からの大気汚染を防止する議定書が採択され、来年の早い時期に発効する見込みになってきたというのが現在の状況であります。
 また、我が国の現状を見ますと、陸域と領海さらに排他的経済水域、この広がりの中で、窒素酸化物及び硫黄酸化物の排出量のうち、船舶からの排出量が窒素酸化物では約三割、硫黄酸化物では約四分の一となっております。
 こうした内外の動向を踏まえまして、今回の法改正は、船舶からの大気汚染を防止するための制度的枠組みができるということがまず最も重要な点と考えております。
 内容的には、窒素酸化物で申しますと、この排出量が三割程度削減された船舶原動機が普及していくこと、それから、船舶の燃料油として、硫黄分濃度が高いものを販売かつ使用できなくなるなどの規制を実施していくということが内容となっております。

○高木(陽)委員 冒頭申し上げましたけれども、海の話というのはなかなか実感がわかないというか、例えば自動車の排ガス規制だとか環境問題というのは、この十年、二十年、もっと言いますと、公害問題というのが昭和四十年代かなり問題となったときから、環境庁ができて、今は環境省になって、そういった問題というのはすごくいろいろな対応を行ってきた。国土交通省内の自動車関係だとかそういった問題も、ディーゼル車規制等々を含めて、NOx・PM法だとかいろいろと手を打ってきた。
 一方で、船の話というのは騒ぐ人がいないというか、これは大変だとか、環境問題について、余りにも船というのはエリアが世界各国、世界じゅうを動くわけですから、逆に言ったら、世界の環境問題からいったら船の問題というのは本当に重要であった。
 そういった意味では、今回、そういう法改正、枠組みができてくるということで、これはこれで評価したいんですけれども、本来であればもっと早くやっていかなきゃいけなかったんじゃないか。もっと言いますと、海洋国日本というのがもっと積極的にそういうのを主張し、やっていかないとこれからはいけないんであろうな、こんなふうにもとらえております。
 そういった意味では、今回の法改正、まず一歩前進でございますから、これをまた契機にこういった問題を、国際間の中にあっても日本という国がもっと積極的なアプローチをしながらリーダーシップを発揮していただきたい。きょうはちょっと大臣まだいらっしゃらないので、大臣にも申し上げておきたいなと思うんですけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 時間も大分たってまいりましたので、最後の質問にさせていただきます。
 海事行政の分野におきまして、船舶からの大気汚染の防止または船舶の保安対策、また、放置座礁船対策といった我が国の独自に取り組む課題など、さまざま新しい課題に対応することが必要となってくる。今申し上げたとおりでございます。
 このような状況を踏まえまして、国際海事行政における新しい課題にどのように取り組まれるか。これは局長が答弁するというよりも、やはり政治家としてどう考えておられるか、そういった問題について政治家の立場で、大臣いらっしゃらないので、佐藤副大臣、お答え願いたいと思います。

○佐藤(泰)副大臣 国際海事行政を取り巻く新しい課題のうち、船舶の安全対策また排ガス規制等の国際的な枠組み等に基づく分野については、諸外国と協調しつつ、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、放置座礁船対策のような我が国独自の新しい取り組みも必要になっておりますので、諸外国の理解と賛同を得られるよう、積極的な働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 いずれの場合でも、我が国が国際海事分野におけるリーダーシップを発揮して、積極的に取り組んでいくことが大変重要なことであると認識しております。

○高木(陽)委員 最後に、これは要望でございます。
 先ほど申し上げました陸の部分でのさまざまな環境対策を行う場合に、それぞれの当事者である、例えば排ガス規制なんかの場合にはトラック業者ですとか、そういったものに対するさまざまな手当てをしていると思うんですね。今回の法改正によって、保険の加入義務だとか、これは日本の国の場合、我が国のそれぞれの船主を初め、またいろいろと海洋汚染防止法等の、排ガスですね、こういった問題等に、今の現状だと、それぞれ、それほど負担がかからずできると思うんです。しかしながら、今後さまざまな手だてを打ってもらいたいと思いますので、そういったときの当事者である船主を初めとする業者さん、業者という言い方はおかしいかもしれませんね、当事者の方々が無理がないようにしながら、しかも実効性を持てるような形のいろいろな応援対策、ここら辺はもうもちろんそれぞれ当事者の方々とも国土交通省としては話し合いをしながらやってきているとは思いますけれども、今後もそういった配慮を持っていただきながら海洋問題について取り組んでいただきたいと要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

○赤羽委員長 高木陽介君。

 

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 午前中の法案審査に引き続いて午後の一般質疑でも質問させていただきたいと思います。
 時間が限られておりますので、今回は鉄道局の問題について絞って質問をさせていただきたいと思います。
 今国会は、鉄道局は法案もございませんので、鉄道局長はなかなか出る場面もございませんので、しっかりと答弁をいただきたいと思いますが、まず、都市鉄道の現状ということについて質問をさせていただきたいと思います。
 東京圏また大阪圏、名古屋圏、特に通勤の時間帯、通勤ラッシュという問題は、長年これは問題とされておりまして、それについて、この十年、二十年の間で大分解消はされてきたと思われますけれども、ただ、特に東京圏においての混雑率、この実態というものはまだまだ厳しい状況があるのではないか。
 その混雑率の推移についてお答え願いたいのと、その中で、特に平均混雑率が二〇〇%以上の区間というのはどこか、お答え願いたいと思います。

○丸山政府参考人 先生御指摘いただきましたとおり、快適に通勤通学するということで、混雑をいかに緩和するかということは非常に重要な課題でございます。
 我々、平成十二年の運輸政策審議会の答申第十九号に基づきまして、混雑率につきましては具体的な目標を掲げております。東京圏につきましては、主要区間の平均混雑率を全体として一五〇%以内にする、それからどんなに込んでいる区間も一八〇%以内にする、こういう目標を掲げておるところでございます。
 そういうこともございまして、東京圏におきます平均混雑率を見ますと、着実に減ってきております。例えば、昭和五十年が二二一%でございましたが、平成七年は一九二、平成十四年は一七三と、平均をとってみれば、着実に減少してきておるところでございます。
 ところが、個別の路線で見ますと、ただいま御指摘いただきましたとおり、二〇〇%を超えている路線がまだございます。具体的には五つございまして、平成十四年度でございますが、京浜東北線の上野―御徒町間で二三〇%、それから中央線快速中野―新宿間二一八%、総武線緩行錦糸町―両国間二一一%、東海道線の川崎―品川で二〇六%、常磐線緩行亀有―綾瀬間二〇三%、この五つが二〇〇%をまだ超えているというところでございます。

 

○高木(陽)委員 何でこんな質問をしたかというと、なかなか国会の審議で首都圏の混雑率というのは話題にならないんですね。どういうことかというと、国会議員の皆さん方、きょう御出席の委員の方々も、地方から来ていて議員宿舎にいて、それでバスで通勤をしたり車で通勤という形になって、これは、都市部の電車に乗っている方というのは、まあ、いらっしゃるとは思うんですけれども、衆議院四百八十人、参議院二百四十七人の約七百人の中において数少ないと思うんです。
 そういった中で、やはり、特に首都圏、三千万人住んでいて、大半の方々が通勤をしている、こういった現状について、今、目標で、一五〇%を目指す、そしてどんなに込んでいても一八〇%。
 ちなみに、鉄道局のホームページ、ちょっと見まして、混雑率のパーセントというのがどんなものかというと、二〇〇%というのは、「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。」と。
 実は、今御指摘のあった二〇〇%を超えている中央線、私、八王子からずっと通勤しておりまして、ドア・ツー・ドアが一時間半、しかも、この混雑した電車にいつも乗っているんですが、二〇〇%を超えますと、正直、本は読めません。週刊誌、折り畳んで何とか読もうと思っても読めません。これが現状です。しかも、大半の方々が短時間じゃなくて一時間以上そういった満員電車に乗っている、こういう現状を何らかの形で解消していかなければいけないと思うんです。
 その混雑解消のために、今までも、例えば複々線化をしたりだとか、本数を何とかふやそう、スピードアップをしよう、いろいろな手を打ってきたと思うんですけれども、今後どういうふうに対応できるのか、お答え願いたいと思います。

○丸山政府参考人 混雑の緩和の方法は二つあると思います。一つは、輸送力を増強することによりまして混雑率を解消していくというのが一つでございます。もう一つは、もっとソフトな対策でございまして、一定の時間に集中するものを前後に分散して、オフピーク通勤と言っておりますけれども、この二つの方法があると私どもは思っております。この二つの方法を車の両輪と位置づけて、着実に混雑を解消していこうというのが私どもの今の対応策でございます。
 輸送力をいかに増強するか。ハードの面につきましては、地下高速鉄道整備費補助金、地下鉄補助と言っておりますが、そういう補助金でございますとか、特定都市鉄道整備積立金制度などを活用しまして鉄道整備の推進を図っていきたいということでございます。
 それから、ソフト面につきましては、快適時差通勤推進協議会というものを、私ども、厚生労働省と連携しまして、経済界、労働界、有識者、鉄道事業者、地方公共団体、関係行政機関をあわせまして開催しておりまして、キャンペーン活動でございますとか企業などへの協力を呼びかけておるところでございます。
 毎年、例えば去年だったですか、ウルトラマンが出てきたポスターでございますとかそういうものを使いまして、フレックスタイムなどのオフピーク通勤を官民一体となって広く呼びかけているというところでございます。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、今申し上げましたソフトの対策とハードの対策を車の両輪として、今後も混雑の解消に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。

○高木(陽)委員 車の両輪ということで、輸送力増強、先ほど私の方も申し上げましたけれども、例えば、そういった複々線みたいな形にして本数をふやしていくという抜本的な改革というのがやはり必要だと思うんです。
 しかしながら、現状、首都圏に新たに土地を買って、鉄道事業者、そしてまた、これは鉄道事業者だけではできません、国だとかまたは都県が力を入れながらやるということも考えなければいけないんでしょうけれども、今の現状、なかなかそういう実態として厳しい。
 ちなみに、中央線の中で三鷹から立川まで、今、連続立体交差の事業をずっとやっておりまして、工事で踏切が、あかずの踏切どうのこうのということで昨年いろいろと問題になりましたけれども、これも当初の計画は複々線化の事業であったと思うんです。しかしながら、予算の関係上なかなか無理だということで、連続立体交差一つで複線一本という形が今の現状だと思います。
 そこで、これは一朝一夕には解決しない問題だと思いますし、ただし、だからといって、このまま放置するわけにもいかない。本当に車の両輪、ソフトの部分も、いろいろと各企業にも協力してもらうという方法も大切でしょうけれども、やはりこれはもっともっと深刻にとらえていかなければいけない問題ではないか。
 どうしても、これは厳しい言い方になりますけれども、役所の幹部の方々というのは、近いところの官舎に住まわれたりだとか、それは本当に通勤時間帯の苦しさというのを肌身に感じていない方々もいらっしゃると思うんです。例えば、課長または課長補佐、または若手の方々は、官舎といってもかなり遠いところに住んでいて、結構通勤の苦しさを知っている。やはり大切なのは、国民の肌で感じる感覚ではないかなと思うんです。
 私も国会議員をやらせていただいていますけれども、通勤をしながら、また議員になる前も新聞記者をやっていましたけれども、通勤のときはそういう体験をずっと積み重ねながら、本当に日本のサラリーマンは我慢強いな、よく怒らないなと思うくらいでありましたし、今もそうであります。そういった問題で、国交省としてもこの問題については、さらに、人ごとではなく真剣にとらえてもらいたいということを申し上げたいと思います。
 時間も限られておりますので、続いて、鉄道駅の転落防止さく、この設置の促進ということについて質問をさせていただきます。
 実は、これも国交省からいただいた資料の中で、プラットホームにおける事故、ホームからの転落やホーム上で列車と接触することにより発生した運転事故による死傷者数というのが平成十四年度は百十一人、そのうち死亡者は三十人、結構あるんだなということを改めて実感しました。
 そこで、ホームのさくをつくっていくかどうかということについて、平成十六年三月現在、三百四十三駅にホームドア、可動式ホームさく、固定式ホームさくのいずれかが設置されている。この設置の促進に関する検討会というものを鉄道局に設置されたそうでありますが、昨年の十二月、その検討結果が取りまとめられたということですけれども、その検討状況、今後どうしていくか、お聞かせ願いたいと思います。

○丸山政府参考人 ホームさくの設置につきましては、平成十三年の一月二十六日に新大久保駅で三人の方がお亡くなりになるという非常に痛ましい事故を受けまして、私ども、平成十三年の九月にホーム柵設置促進に関する検討会を開きまして、その結論を昨年の十二月に報告書としていただいたところでございます。
 報告書の中身でございますが、基本的には、ホームドアを設置するということは、事故防止のみならず、例えば障害者の方が車いすで行かれる場合のバリアフリーだとか、そういうことにも寄与するし、設置を進めることは望ましい、むしろ検討を進めていかなければいけないということでございます。
 それから、今からできる都市鉄道はホームドアが最初から設置されているところが多いわけでございますけれども、問題は既存路線へどうやってつけていくかということでございまして、そこの部分につきまして、既存の路線へホームドアをつけるためにはどういうふうにすればいいかというような具体的な方法も報告書の中では取りまとめられておるところでございます。
 私どもといたしましては、この検討会の報告を受けまして、全国の鉄道事業者に、ホームさくの設置可能性の検討を行った上で、その検討結果をこの五月末までに報告するようにという通達をいたしたところでございます。
 この五月末に上がってまいります検討結果を踏まえながら、今後ともホームにおける事故防止とサービス向上に向けた取り組みを進めていきたいというふうに思っているところでございます。

○高木(陽)委員 五月には鉄道事業者からいろいろと検討結果を伺うという話ですけれども、その後、具体的な形となるときに、やはり鉄道事業者、民間でありますけれども、なかなか経営的に苦しい中で、安全対策としてやらなければいけないと認識をしながら、できない部分というのが出てくると思うんです。そういった中での予算の面でのいろいろな支援策、こういったものをしっかりと検討していただかないと、やはり絵にかいたもちになってしまうなというふうにも思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、これは、きょうも何回か質問で出たテロ対策の部分でございますが、特に鉄道におけるテロ対策、スペインの列車爆破事件以来、鉄道各駅または新幹線の中ですとか、いろいろな警備体制が強化されていると思います。
 また、いろいろな形で手を打たれていると思うんですけれども、やはり航空機と違って、だれでも乗れるのが新幹線でもあり、そしてまた都市鉄道、地下鉄だとか山手線ですとか、ラッシュ時にテロが起きた場合にどうしようもない、どうしようもないというよりは本当に悲惨な現場になる。だからこそ警備体制をきっちりしなきゃいけないんですが、そんな中で、この現状を今後またどうしていくのか、それをお聞かせ願いたいと思います。

○丸山政府参考人 鉄道におきますテロ対策につきましては、平成十三年九月に米国におきまして同時多発テロが発生して以来、警察当局とも連携をいたしまして、累次にわたりまして、自主警備の徹底を指導してきたところでございます。
 また、三月十一日にはスペインで列車のテロがございました。そういうこともございまして、その際にも、全国の鉄道事業者に対しまして、自主警備の一層の徹底、それから警察当局との連携というものを改めて指示をいたしました。また、新幹線を運行している鉄道事業者、それから大都市の大手民鉄につきましては、国土交通省の方へ来ていただきまして、そこで直接、この趣旨の徹底を図ったところでございます。
 それから、自主警備の徹底も非常に大事なことでございますけれども、先ほど先生言われましたように、鉄道はだれでも乗れる、飛行機のように身元のチェックをするわけにいかないという中で、旅客に対して、不審物を発見した場合には直ちに駅員に届けてくださいとか、そういうことを協力要請するということが非常に大切なことでございますので、その点につきましても、駅構内でございますとか車内での放送の頻度を上げる、あるいはポスターを掲示する、それから電光掲示板でもテロップの表示を行うということによりまして、旅客への協力要請も強化をしておるところでございます。
 今後とも、情勢の変化に合わせまして、警察とも連携をいたしまして、テロ対策につきまして再徹底を図るなど、対策を講じていきたいというふうに思っております。

○高木(陽)委員 今さまざまな啓発広報活動をやっているというふうなお話がございました。
 ただ、一般の利用者というのはなかなかそこまで意識が働いていない。ただ、そうはいいながらも何となく不安を感じている、そういう状況があると思います。そういった中では、政府広報を初めいろいろな形で、鉄道局だけが一生懸命やるということじゃなくて、テロ対策というのは、これは政府を挙げてやらなければいけない問題でございますので、大臣を含めて内閣の中でしっかりとやっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。


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