会 議 録

第159回 衆 「国土交通委員会」 10号
2004/4/6

○赤羽委員長 高木陽介君。

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 本日は、総理そしてまた石原大臣、御苦労さまでございます。
 せっかく総理が出席をされた道路公団民営化の法案についての審議にかかわらず、民主党の委員の先生方が欠席をされるという、まことに残念でもありますし、また、一週間前にこの委員会設定をされまして、特に民主党の委員の方々から総理の出席を求めていた、そういう経緯を考えますと、やはり出席をして審議を尽くすということが本来のあるべき姿ではないか、このことをまず最初、冒頭に申し上げたいと思います。
 さて、道路関係四公団民営化の法案の審議ということで、せっかく総理が御出席されておりますので、そもそも論というところからまずは御質問させていただきたいと思います。
 私ども公明党も、連立政権に参画をしてもう既に四年半が過ぎ去りました。当初連立に参画をしたときに、やはり行政のむだ、これをしっかり省いていかなければいけない、こういう発想の中から、自民党の皆さん方とも論議を尽くす中で、まずは特殊法人、天下り先としてかなり批判もございましたし、そういった中での改革をしていかなければいけない、それで特殊法人改革基本法という法律ができました。
 それに基づきまして、九十以上ありました特殊法人が次々と廃止をされたり、または独法になったり、また民営化されていったり、こういうような流れの中で今回の道路関係四公団、これの民営化問題というのもクローズアップされたと思いますし、さらに、総理が就任されてからもう三年たちまして、総理の構造改革という考え方の中で、この道路公団の民営化問題というのがやはり目玉として論議を尽くされてきたと思います。
 しかしながら、この三年の間に、道路公団民営化問題というのがどうも何か表面的な論議だけメディアで躍っておりまして、その本質というのがなかなか一般の利用者、有権者、納税者、国民にわかりづらい部分もあったのではないかなと思います。
 そういった点を踏まえまして、まず、行政改革推進事務局の論点整理というのが平成十三年四月三日に発表されまして、特殊法人改革は、一、経営責任の不明確性、二、事業運営の非効率性、不透明性、三、組織、業務の自己増殖性、四、経営の自律性の欠如などの解消が課題とされている、このようにも書かれております。
 今回の道路関係四公団の改革、これは特殊法人改革の一環として行われるものでありますけれども、そもそも、この道路四公団というのはどこに問題があったのか、何がいけなかったのか、この点、まず総理にお伺いをしたいと思います。

○小泉内閣総理大臣 さまざまな御批判があったことは事実でありますが、主要な点をいえば、従来の公団方式に対しては次のような批判が主なものだったと思います。
 まず、厳格な事業評価を行う仕組みがなくて、楽観的な需要予測やプール制のもとに、返済期限が順次先送りされている、これが一つですね。いわば不採算路線の建設に歯どめがないということ。第二に、一方的命令の仕組みのもとに、経営努力の有無が公団の業績に反映されない、建設・管理コストの削減努力が不十分な高コスト体質であること、これが二つ。三つ目には、天下りなどファミリー企業との関係が不明朗、不透明であることという批判や指摘が主なものであると思っております。
 こういう批判や指摘がありましたから、道路関係四公団改革を、行政の構造改革の一環として行う特殊法人改革の中で、最も重要な課題と位置づけまして、民間にできることは民間にゆだねるとの方針に基づいて民営化する、そのための改革案を民営化委員会の意見を基本的に尊重して作成したのが今回の民営化法案であると御理解いただきたいと思います。

○高木(陽)委員 今、総理から、道路公団の問題点ということで三点ほど指摘がございました。まさにそのとおりであると思いますし、多くの国民がそのことも実感はしていると思うんです。
 そういった中での今回の改革であると思うんですけれども、それと、道路をつくるという話、これがいつもごっちゃになって、何というんですか、道路をつくることは何か悪いことだみたいな風潮というのが多々あったのではないかなというふうにも思われます。
 今回は時間も限られておりますので、道路をつくる、つくらないという話はちょっとおいておいて、今の総理の指摘のあった問題点、それを改革するために今回の民営化法案というのを提案されたと思うんです。
 具体的に、この民営化によりまして、現行の公団方式、今、公団方式で高速道路をつくっておりますけれども、それに比べまして、それを利用する国民にとって具体的にどのようなメリットがあるのか。メリットがなければ意味がないわけですから、こういうことがしっかりと国民にプラスになっていますと、なりますというような部分は何かということを総理にお伺いしたいと思います。

○小泉内閣総理大臣 まず、道路があった方がいいか、ない方がいいか。どこの地方に行っても、道路つくってくれ、つくってくれという要求ですよ。選挙区に帰れば、皆さんもそうだと思いますよ。この地域、渋滞しちゃう、もう一本道路つくってくれ。山がある、トンネルつくって短くしてくれ。それを地方の負担なくやってくれれば、反対する人いませんね。みんな、つくってくれ、つくってくれ。
 だから、今回、整備計画、二千キロぐらい、九三四二の中で未供用の部分、必要かどうか、四十七都道府県のうち全部必要だと言っているんですよ。それは、民間の会社で利益だけを考えたら、不採算のところはとてもつくれないということでありますので、必要な道路についてはどのような負担でつくっていくかという視点も大事じゃないか。
 国民の負担というものを考えなきゃいかぬ、また地域の利便性も考えなきゃいかぬという観点から、今までの道路公団でありますと、やはり必要なところをつくれというと、債務の返済にも滞りが出てくるから先延ばしていくということもありましたし、今回それではいけないということで、もうはっきりと債務の返還の道筋もつけました。
 それと、今までの公団方式ですと、高コスト構造。ほんの一例ですけれども、これは高速道路の非常電話、今までの公団方式だと一台二百五十万円かかっていた。民営化の議論が出てきたら、本当にあの非常電話は二百五十万円かかるのか、調べてみたら四十万円でできるんでしょう。この高コスト構造。
 これはやはり、民営化の議論が出てきたからこそ、こういう同じ非常電話でも、よく利用されるように、利用されやすいようにつければいいんじゃないか。余計な機能をつけたり、頑丈にするということもない。その機能はいかに発揮されればいいかというと、二百五十万円でなくても、四十万円、低いコストでできるというのがわかった。こういう、やはり民営化の議論が出てきた中で、高コスト体質が出てきた。
 同時に、例えば、今までだと、四車線、六車線でつくらなきゃいかぬと考えていたけれども、本当に必要だったらば、二車線でもつくってくれということだったら、あえて六車線、四車線にする必要ないじゃないかという点もある。
 やはり、今までのそういうやり方というものを見直していくというのは、民営化の議論が出てきたからこそなんです。私は、こういう点も今後よく検証して、できるだけ国民の負担の少ない形で必要な道路をつくる。そして、今まで四十兆円の債務、これをどんどんどんどん膨らませないで、期限を区切ってこの返済をして、後々の負担、先送りしないということが必要だなと。やはり不断の監視なり、点検が必要ではないかということだと思っております。

○高木(陽)委員 今、総理のお話の出ました二百五十万円の非常電話の件、これは本当にこの論議の中で象徴的に出てきた一つの話だと思います。そういった問題も、今回の民営化論議を通じて、さらにこの民営化という現実の会社改革を通じて、そういった問題をしっかりとさらに推し進めていただきたいなとも思います。
 もう一つ、先ほど一番目の質問で、総理が道路公団のどこに問題があったのかということで、ファミリー企業のお話が出てまいりました。その中で、ファミリー企業に関しましていろいろな指摘もございましたし、特に、維持管理業務について、いわゆるファミリー企業が独占して受注している、公団から必要以上に高い外注費が支払われることでファミリー企業には過大な利益が蓄積されている、こんな指摘が今までもございました。
 これは、民営化推進委員会の意見書においても、自動車道事業にかかる維持補修、料金収受、交通管理、保全点検などに要する管理費は徹底した合理化を行い最小限にとどめることが求められていると記載されております。
 今回のこの民営化に伴いまして、このようなファミリー企業、これに対する公団の高コスト体質、どのように変わっていくのか。独占でずっとまた受注していると、この体質というのはなかなか変わらないだろうな、このようにも思うんですが、この点について総理はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

○小泉内閣総理大臣 このファミリー企業の問題につきましては、今までいろいろ問題があるということを指摘されておりました。
 どのように今改善していくべきかということにつきましては、まず、維持管理業務の大半を受注、実施して、利益を蓄積していることや、ファミリー企業の役員の多くが公団OBによって占められているということについて批判がありましたので、昨年三月に決定した道路関係四公団民営化に関し直ちに取り組む事項に基づいて、公団職員については、今後、ファミリー企業の役員に就任しない、ファミリー企業に対する発注額を平成十七年度までに三割以上削減する等のファミリー企業の抜本的見直しに取り組んできたところであります。
 また、民営化後には、これに加えて、民間企業としての経営効率の観点から、一層のコスト縮減やファミリー企業が行っている業務の再編が図られていくと考えております。
 このように、民営化に伴いまして、公団とファミリー企業との間の不透明な関係や高コスト体質の解消が一層図られねばならないと考えております。

○高木(陽)委員 ファミリー企業に対しましてはかなりの批判もございましたので、さまざまな改善点というのが指摘されながら、そして、今回の民営化法案、これが成立いたしまして、いよいよ民営化されたときに、しっかりと目に見える形でこのファミリー企業に対する改革も行っていっていただきたい、このようにも思います。
 さて、今度は石原大臣の方にもお伺いしたいと思うんですが、今回、民営化、民間になるわけですけれども、会社が民間企業として経営を行っていくためには、一番重要なのは企業会計であると思うんです。この企業会計原則にのっとった財務諸表の作成が不可欠でありますし、道路というものは、そもそも公物としての経緯から、会計基準が明確には定まっていない状況であったと思います。
 そういった状況の中にありまして、道路に関する会計基準を国民に納得できる形で策定する、こういった必要があると考えておりますけれども、石原大臣はどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。

○石原国務大臣 ただいまの高木委員が御指摘されました点、私も非常に重要な点であると認識しております。
 すなわち、公会計というものは、専門家の会計士の人が見ても、自分たちが日ごろ見ている企業会計と違う、すなわち借入金が資産に入っていたり、我々の常識とはまた違う世界である。これをやはり民間企業会計原則にのっとったものにしてその実態を明らかにしていくということで、この民営化の意義というものもさらにブラッシュアップしていくんではないかと思っております。
 会計基準なんですけれども、企業会計原則等に準拠しつつ、具体的には、高速道路株式会社法案等において、省令等により定めることとさせていただいております。
 これをどういうふうに透明性を高めていくかということで、ことしの一月から、黒川行治先生を委員長といたしまして、学識経験者、公認会計士から成る道路資産評価・会計基準検討会というものを設置させていただきまして、民営化時の資産評価のあり方や、民営化組織の会計基準のあり方を今検討させていただいているわけでございます。
 これをどうやって透明性を高めるかということで、会議自体を報道関係者に公開させていただくとともに、国土交通省のホームページに各回終了後に速やかに会議資料や会議録を掲載して、オープンなところで議論をさせていただいております。
 この検討会の結果、ことしの八月末には骨子として取りまとめ、中間的な取りまとめになると思いますけれども、パブリックコメントも予定させていただいているところでございます。
 やはり、委員御指摘のこの点は非常に重要なポイントでございますので、道路資産の評価及び機構と会社の会計基準の策定というものは、透明性、そして企業会計原則により近いものでなされていくべきであると認識をしているところでございます。

○高木(陽)委員 民営化することによりまして、逆にこういった企業会計等々の原則というのをしっかりと取り入れながら、本当にわかりやすい形にしていくことが大切であるなと思いますので、この点もしっかりと取り組んでいただきたいということをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もう時間も大分たってまいりましたので、これが最後の質問になっちゃうかもしれないんですが、昨年の十二月の二十二日、政府・与党の申し合わせということで、道路関係四公団民営化の基本的枠組みについて、ここにおいて、建設コストを当初予定していた事業費から総額六・五兆円縮減することとされておりますけれども、これは、道路関係四公団が昨年の三月に発表した約四兆円のコスト縮減策にさらに二・五兆円上乗せをする。コストを削減するというのは、これはいいことなんですけれども、やはり大切なのは、どういうふうにやっていくのか、どう具体的にそれが実現できるのかという問題であると思います。
 この建設コストの縮減について、具体策という形でどのようになっているのか、これをお聞かせ願いたいと思います。道路局長。

○佐藤政府参考人 従来、この整備計画の未供用区間約二千キロにつきまして、これから平成十五年度以降で二十兆円かかる、こう積算しておりました。これを、昨年の三月二十五日にコスト削減計画で、約二割、約四兆円のコスト縮減を図る。それから、国と地方の負担で行う新直轄方式、これに三兆円切りかえる。さらに、昨年末の基本的枠組みにおきまして決定していただきました二・五兆円のさらなるコスト縮減。こういうことで、合計いたしますと九・五兆円減じて、有料道路事業費の対象として、二十兆円を、約十・五兆円でございますので、ほぼ半減させていただく、こういうことを公表させていただいたところであります。
 この内容につきまして、コスト縮減そのもの、こういう観点から申し上げますと、四兆円と二・五兆円、足して六・五兆円であります。このうちの四兆円につきましては、昨年の三月に発表いたしましたコスト削減計画を裏づける形で、十二月二十五日の国幹会議の場で整備計画を変更させていただきました。これは、インターチェンジやジャンクションのコンパクト化、あるいは六車線のトンネル部の四車線化、さらには大きな規模のトンネルボーリングマシンを用いてコストの縮減を図る、あるいはまた、橋梁でいえば、けたの数を少なくして下部工を少なくすることによって工事費を削減する、こうした努力をすることとしたところでございます。
 さらに、これからまた二・五兆円を追加的にコスト縮減する、この内容につきましては、民営化によって実現可能となりますサービスエリア、パーキングエリアの負担区分の見直し、あるいは契約方式を見直す、それから大胆な大規模改築事業を削減したり、規格、構造をさらに一層の見直しを行う、こうしたことを積み重ねてまいりたいと思っておりますが、詳細につきましては現在検討を進めているところでありまして、まとまり次第に今後の国幹会議の議を経て整備計画に反映することとしております。

○高木(陽)委員 今道路局長からもお話がございましたように、いろいろな角度からコストの縮減を図っていくと。一般の人たちから言わせれば、やればできるじゃないか、何でもっと早くやらなかったんだ、何で二十兆もかかるとずっと言っていたんだ、このように思っているのが素朴な国民の疑問だと思うんですね。
 ただ、先ほど総理からお話がありましたように、民営化論議があったからこそそういった問題にメスが入ってきたのも確かだと思うんです。
 逆に言いますと、せっかくここまで高まってきました民営化の問題、そしていろいろなメスを入れていくという問題について、これでよしとするのではなくて、さらなるコスト縮減、またはむだを省いていく、こういう発想を持ちながらしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 


|  |