会 議 録

第159回 衆 「国土交通委員会」 13号
2004/4/13

○赤羽委員長 高木陽介君。

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 本日は、参考人の皆様方には、大変お忙しいところを当委員会にお越しいただきまして、貴重な御意見を拝聴させていただきましてありがとうございました。
 それでは、早速質問に移らせていただきたいと思いますけれども、先ほどから、今回の道路公団民営化の問題ということで、その目的の部分、四十兆にも上る債務をしっかり返済できるのかどうか、こういったものが大きな目的であるというような発言がございました。
 四人の方、それぞれお立場が違いますけれども、四人の参考人にお伺いしたいのは、四十五年かけて返す、逆に言うと、石田先生の方はこれをかなり評価され、加藤先生の方は、これはなかなか厳しい、もっと言えば、そういうプール制、償還主義が今まで先送りをしてきたじゃないか、これは余り変わっていないみたいな、そういう評価をされているんです。
 正直、四十五年後というのは、加藤先生から先ほどの御発言にもありましたように、ここにいるメンバーというのはほとんどいないであろうな、いらっしゃる方もいると思いますけれども。ただ、正直、四十兆もの債務というものを返済するときに、では、一年、二年で返せるかというとこれは返せないわけで、やはり長期間にわたるであろう。
 これは端的にお伺いしたいと思うんですが、四人の方にそれぞれ、この四十五年で返すというのが今回のスキームにおいて可能であると思うのかどうか、ここをお伺いしたいと思います。

○石田参考人 いろいろなところで議論されて、いろいろなところでいろいろな推計も行われて、数字上は可能だということになっているというところだと思います。
 そのためのスキームをどうするかということでありますけれども、先ほども申しましたように、これから四十五年という長い中にはいろいろなことが起こるでしょう、そのことに対してどういう対応策が講じられるか、そういう仕組みをどのように今考えるかということだと思います。
 そういう観点からしますと、中期目標、中期計画を、国と相談しながら、あるいは国がお決めになるということでございますし、協定につきましても、五年を目途に改定をしていくということになっておりますので、その仕組みをいかにうまく活用するかというところにかかっていると思います。
 そのときのキーポイントは、何度も申し上げておりますけれども、やはりすべてを公開の席でいろいろな人に議論してもらって、いろいろな観点からの見方を盛り込んでいく、そういうことを柔軟かつ迅速にやっていくためのいろいろな規則とか仕組みをさらに具体的に設計していくことが今後必要だと思います。
 そのことにつきましては、先ほど来申し上げておりますけれども、これは加藤先生と大きな違いではありますけれども、ここ数年間の国の動きは非常に評価すべきものがあって信頼できるのではないのかなというふうに私自身は考えております。

○加藤参考人 これも繰り返しになりますが、結論から申し上げますと、極めて困難だろうと思います。
 私は、人間というのは、何でもそうですけれども、今まで何をやってきたかで世間の評価が決まるものだと思います。ですから、先ほど、参考一、二、三の中で申し上げましたけれども、幾らできるできると言っても、できるとはだれでも言うものですから、では、あなたはどうだったんですか、過去、本当にできるできると言ってきたことはできたんですかというところでやはり判断しないといけない、そこに尽きると思います。
 少しつけ加えますと、四十五年ということを設定すること自体が、これも繰り返しになりますけれども、民営化になっていないわけですし、コスト削減ということがいろいろ言われます。しかし、この四十兆円、大部分がこれは金利負担分なんですね。ですから、建設コストを少々削減する、あるいは道路を少し規格を下げる、あるいは、いわゆるファミリー企業というところで言われているようなものを、もっといろいろうまいビジネスをするといったものでは、到底、けたが二つ違うレベルですから、そういうあらゆる努力はもちろん当然すべきですけれども、しかし、残念ながら、それでは間に合わないと思います。
 ちなみに、民営化委員会の中でされた試算というのは、たしか金利が四%ぐらいで行われております。もしこれが一%、二%、数%上昇すれば、この四十兆円というのはあっという間に百兆円を超えるわけです。
 これも御参考までに申し上げますと、皆さん御承知のことだと思いますけれども、いわゆるファミリー企業が行っているSA、PA、サービスエリア、パーキングエリアのビジネスというのは、合計して、売り上げで大まかなところ三千億円程度、たしか利益が七百億円程度だったと思います。これに対して、道路公団、日本道路公団だけとってみても、売り上げと言える、それに匹敵するものでいえば二兆一千億ぐらいですし、利益に匹敵するものでいえば一兆二千億ですから、けたが二つ違うわけですね。ですから、金利がどうなるかということだけでもう決定的に違う。
 ですから、細々した歳出カットというのは、これはもちろんやるべきですけれども、やはり仕組みのところをどうするかというところがほとんど決定打になる。それからすると、残念ながら見通しは大変難しいなと思っております。

○飛松参考人 お答えしにくいお尋ねだったと思うんでございますけれども、経済人の立場で申し上げますと、十年で返すと言われれば、とんでもないという感じでございます。
 一方、加藤先生が言われるように、気の遠くなるような先だと言われればそうかもしれませんけれども、やはり四十五年、しかもそれは限度であるという償還の期限の日取りでございますから、いろいろ議論の過程で出てきた問題等を詰めていけば、そのくらい時間をかければ返せるんではないかという意味で、絶対不可能だというようには考えておりません。
 私ども、お金を貸す場合でも、銀行でございますが、それが何の見合いなのか、今度の場合は道路、補修管理は必要でございますが、永久に使われる道路というふうに考えますので、通常の設備投資資金のように十年そこらで計算をする必要はないだろうというようなことも言えないではない。
 ただ、金利の動向というのは、これはいかんともしがたい部分もあろうかと思いますので、絶対と言われると、そういう絶対と言えることは世の中にあり得るはずがないと思っていることも申し添えなきゃいけませんけれども、現在考えると、この四十五年というのは、まあ、いいところかなというのが率直な印象でございます。
 以上でございます。

○上村参考人 私も、皆さんおっしゃるように、これからの金利動向というのが非常に大きなかぎだとは思います。
 まず、四十五年というのは、本当に、その間に経済のどんな大きな変化が来るかというのがかなり予測がつき切りません。しかし、今から前の四十五年を考えますと、やはりある程度のインフレというふうなものは予測できるのかなと思っております。過去から現在にかけてはそうだったと思います。
 ただ、今までの四十兆円の中身というのは、これは一番日本の土地の地価の高いときの用地買収というのが結構多かったんだろうな、もちろん金利もそうですけれども、用地買収に結構お金がかかったんだろうなという気がいたしますので、これからつくっていく分に関しては、今までのような形での用地買収の費用は要らないんだろうというふうに思っております。
 ただ、この四十兆円というのはもう確定しているわけですけれども、ただ、返済表を私も拝見させていただきましたが、四十五年間のしっかりとした返済表を幾通りもつくっておられました。やはりこれは、借金というのは、返す気があれば返せるんだと思います。また、返すというような形での毎年のいわゆる数字に対するチェックがあれば返していけるものだろうと私は自分自身の経験から思っております。

○高木(陽)委員 続きまして、高速道路の整備の必要性ということでちょっとお伺いをしたいと思うんですが、飛松参考人また上村参考人、地方の代表というか、そういう声を先ほどおっしゃっておられましたし、また、経済の視点からも言われていたと思うんです。
 その一方で、これからの高速道路整備ということで、今回のスキームでは新直轄方式等々も入れていくという話でありますけれども、交通需要が少なくとも、地域の医療、地方産業、先ほど加藤先生はヘリコプターだとかも使った方がいいんじゃないかみたいな御提案もありましたけれども、やはり、地域によってかなりニーズが違うのであろう。
 私自身も、東京の出身で、東京は道路があるからと思う反面、一方、これだけ渋滞しておりますと、環状道路を早くつくってもらいたいという要望もございますし、これまでの二年間ぐらいにわたる民営化論議の中に、よく言われたむだな高速道路、むだな道路はつくるな、そういう発言がいろいろなところであったんですけれども、このむだな高速道路というのが実際あるのかどうかですね。
 例えば、費用対効果から見たらそういう角度はあるかもしれませんけれども、トータルに見て、むだな高速道路というのがあるのか。例えば、規格や構造、これが過大であったりして、有料道路にした場合に需要が低迷して採算が合わないということでのむだという言い方はあると思うんですけれども、本質的に、やはり道路というのは必要なところにはつくっていくと思うんです。この点について、それぞれのお立場でお伺いをしたいなと思います。

○石田参考人 むだな道路はあるかということでありますけれども、やはり、かかる費用との関係及び国民の負担との関係で考えるべきだろうと思うんですね。
 そういう意味からいたしますと、今回の案の中では、すべてが費用便益分析、しかも、便益については非常に抑制的に、余り過剰な推計をしていない、そういう数字でありますけれども、費用便益分析の結果がいずれも一以上である、社会的に見て効果がありますよということのクリアをしております。
 需要予測あるいは費用見積もり等に基づいたものでございますけれども、このことについてはオープンな議論をされている。したがって、ある程度信頼できるだろう、今ある一番いいものであるという意味で信頼できるだろうと言っていいと思います。
 そういうことからすると、今回の中で言われている道路については、むだな道路というのはないだろうというふうに思います。
 ただ、道路は、あれば非常に便利で快適でいいんですけれども、やはり財布の方も考えないといかぬ。そのことについては、ユーザーにお願いできるところは有料道路方式で、あるいは、有料道路方式の負担について軽減するために、税投入をするという意味での新直轄方式という、いろいろなメニューを用意されましたので、整備方式についてもより効率的になったのではないのかなというふうに思います。
 以上であります。

○加藤参考人 むだであるかどうかというのは、これはもう議論で決着がつかない話だと思いますね。恐らく、道路の周辺に住んでおる方にとっては、いや、それはないと困るということですし、たまたまそこに行った旅行者が、それこそよくテレビのニュースなんかでやっていますけれども、いや、一時間待っても通った車が十台ですねみたいな、これだと、ほかの地域の人にとってはむだに見えてしまう。ですから、ここは議論の決着がつかないところだと思います。
 ですから、あくまでも、今、石田参考人がおっしゃったように、費用との兼ね合い、これは、すべては高速道路の場合には今までは利用者が払ってきたわけですけれども、利用者、あるいは、もっと広く道路一般について言えば国民が税金で負担しているわけですから、あくまでも限られたお金でどれだけつくるかということの見合いということだと思います。
 そういう意味では、私は、むだであるかどうかということ、必要性ということを議論するときに、四十兆円、あるいはそれが五十兆、六十兆と膨らむかもわからない、その借金を抱えているということの経済的な問題なんかも含めて、やはり総合的に議論する必要があるんだと思います。
 むだであるかどうかということについて一つだけ具体的な例で申し上げますと、今、第二東名・名神高速道路というのはもう既に建設中であります。私は、聞きますところ、とにかくこれ、残り全部完成させるために、この民営化の議論が進み出してから、建設工事が一段とピッチが上がったということも聞きますが、第二東名がどうかということで考えますと、これは、今の東名というのは日本の大動脈だから必要だ、それにしょっちゅう込んでいるではないかというイメージをもとにした議論がよく行われますけれども、イメージというのは怖いものですね。よく込んでいるのは、例えば東京から厚木とか、この辺でして、静岡県から向こうに行くと、ゴールデンウイークのときでもそうは込まないなと思います。
 そこにもう一本つける。つけるに当たっては、たしか私の記憶では、前提が、中央高速も今の東名、名神も、今の交通量が全く同じで、さらにもう一本つけて、それで一・三倍とか四倍とか、それぐらい交通量がふえるという前提ですけれども、国民経済的に、先ほどのお金の使い道をあわせて考えると、私は、それぐらいのところにさらに第二東名をつくるのであれば、それこそ宮崎県とか九州とか北海道につける方がむだが少ない、そういう判断もできるんだと思いますし、そのあたりが、どうもきちんとした計画、戦略性というのがない、そこに問題があるのではないかと考えております。

○飛松参考人 意見が一致した点もあってうれしく思ったのでございますけれども、四十兆の借金会社の問題と、それから公共財である道路の是非というのがちょっと違うと思うのでございます。
 道路というのは、今話題になっております高速道路は骨格道路と言われまして、やはり骨がなくなっては、人間、崩れるわけでございまして、ぜい肉部分、要するにぜいたくきわまりない立派な道路をつくるということは必要ないけれども、骨組みである例の九三四二ぐらいは、これはやはりぐずぐず言わないで早くつくれ、あとは頑張るぞ、こういうのがある意味じゃ経済人の見解じゃないでしょうか、心配していると前に進まないということもございますし。
 田舎で見ていますと、東京に来ると、つくったってまた渋滞するんだからむだだという気もいたします。一方、東京から遊びに来られた方が来られて、一時間あるからちょっと行ってみたいとおっしゃる。例えば高千穂に行きたいとおっしゃる。いや、これは一日あるいは一泊していただきますと言うと、みんなびっくりして、田舎だなとおっしゃる。その屈辱感のもとに生きているわけでございますので、むだと言われるかもしれませんけれども、やはり骨組みはぜひともお願いしたい。その上でむだかどうかの議論もお受けしたいと思っております。
 失礼しました。

○上村参考人 むだかどうかなんですけれども、ある高速道路のある特定の部分だけをとらまえて、たまたま全く車がないというふうなことでよくむだであるというふうなことになりますが、やはり道路はネットワークだということと、それから、部分最適ではなくて、やはり全体の最適化を考えていかなければなりませんので、その部分だけをとらまえるという議論は、私はとても、それこそむだじゃないかというふうに思います。
 それから、需要予測ですけれども、需要予測の仕方が、今までの旧型の経済体制の延長線上で需要予測をしておると思います。借金返済も、四十五年後、二〇五〇年ぐらいを目標にするわけですから、需要予測も含めて二〇五〇年ぐらいから現在を見て、そして、二〇五〇年の日本がどうあるべきか、そのときの産業構造がどうあって、どういう人口分布に持っていきたいか、どういうふうに都市の再生を図りたいか、その中で高速道路もどういうふうにつくりたいか、借金返済と同時に、日本の二〇五〇年もあわせて考えながらぜひ需要予測もしていただきたい。そのときに、逆に、これぐらいのいわば需要予測が成り立ち得る、それぐらいの大きなデザインをかいてもらいたいと思います。
 それから、先ほど関西の、近畿のところを地方と言われてちょっとショックを受けていまして、東京の方から見ると東京以外は全部地方なんだなと思っております。関西も地方かもしれませんが、でも、決して関西人は関西を地方だと思っておりませんで、そういう意味では、言葉の問題ではありますけれども、第二名神の問題は、それこそ国の背骨という言い方を今なさいましたけれども、本当に骨格的なところでございますので、ぜひ、その背骨のところがちょん切れてしまいますと、私は成り立たないと思います。
 それから、むだという意味でいいますと、抜本的見直し区間に入ってから、これはずっと凍結のまま手つかずで、いろいろなものがとまっているんです。道路というのは恐らく十年二十年かけてやっと完成するようなものですから、もう土地の買収だとかいろいろなものが始まっておると思います。それが全部金利になってついていっているんだと思います。凍結の間もずっとこれは金利になってついていっている、これほどむだなことは私はないと思います。
 やるならやる、本当にだめならだめと、逆に早く結論も出していきませんと、先行した投資に全部金利がついていってしまう。もし仮にやめになったとしたら、これはまたコンクリートの塊みたいなものを壊して、そしてまたどこかへ捨てに行かなくちゃいけない、これもまた非常に大きなむだになってしまう。単に、やめれば採算が合うかというと、そんな単純なことではありませんで、やめるにはやめるなりのまた大きな費用が発生するということもぜひお忘れにならないでいただきたいというふうに思います。

○高木(陽)委員 先ほど地方という言い方をしました。地域というふうに言いかえて、地域の代表ということでよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今回の新直轄方式でいきますと、地方の負担がふえていく、ふえていくというか負担しなければならないというのがございます。これは釈迦に説法でございますけれども、道路公団がスタートしたころ、いわゆる税金で高速道路をつくることができないという現状の中で、料金方式またその後のプール制等々を導入しながらこのネットワーク化を図ってきたと思うんです。
 ここで民営化論議となりまして、では、残る二千キロぐらいの、九三四二の問題をやる場合に、採算が合わない部分、さまざまな、いろいろな状況等を勘案しながら新直轄方式という考え方が出てきたと思うんですが、そうなりますと、今まで、それぞれの地域でできてきた高速道路、これは地方は負担していませんね。一方、これから新直轄でつくるところは負担をしなければいけない。では、今までできた人は得をして、後からこの新直轄でやる地域の方々というのはかなり負担をしなければならないという不公平感、この差は何だろう。
 今までの優先順位のつけ方で道路をつくってきた部分というのが、これはもうだれもが納得する、こちらが先にできてこちらは後になるというのをみんなが納得していれば問題ないと思いますが、なぜあっちが先にできてこっちが後だったんだ、いろいろな問題があると思うんです。
 そういった中で、飛松参考人と上村参考人にちょっとお伺いしたいのは、そこら辺の不公平感というのをお持ちかどうか、これからさらにつくっていく場合、新直轄の場合には負担をしなければならないということで、どうでしょうか。

○飛松参考人 意見陳述あるいは御質問に答える段階で申し上げたかと存じますけれども、私ども大分県との境目のあたりにつきましては、新直轄方式を年末の国幹会議でお認めいただきまして、その過程でも、県内でも議論がございました。道路公団ならば持ち出しじゃない、新直轄にすると持ち出しになっちゃうじゃないか。要するに、負けじゃないかという議論でございます。
 私どもの方は、あるいは予算措置を講じました県の方も、そんなことを言っているとまた凍結論が出てくるぞと。我々の願いは、とにかく早くつくっていただきたい、それで実績を示して、やはり骨格道路ができてよかったと言ってもらうということの選択で新直轄を採用させていただきました。
 したがって、不公平感がないかと言われればないとは申しませんけれども、それを超えた行動を示したというようにお受け取りいただきたいと思っております。
 確かに、新しい民営会社、採算が厳しくなるわけでございますから、評価の高いところからしていくとなりますと、現在交流の少ないところはやはり後回しにされる可能性が出てまいります。そういった時間的余裕を考えますと、新直轄の採用をすべきであったというように今は考えております。
 以上でございます。

○上村参考人 今お話にありましたように、新直轄で負担をしてでもやはりつくりたい、それに対して不公平感がないといえば、そうではないけれどもという切実さ、それはもう非常によく理解ができます。やはりそれほど生活あるいは産業というふうなものと密接なんだろうと思います。
 ただ、近畿の、関西にかけては、私は、これは新直轄はあり得ないというふうに思います。先ほども申しましたけれども、これはもっと国幹的な、国の施策の中で考えていく線路であると思いますので、私は、新直轄という考え方はこれに関してはちょっと考えられないと思います。

○高木(陽)委員 もう時間も限られております。最後に石田参考人にお伺いしたいと思うんです。
 先ほども民主党の玉置委員の方からも特定財源の話が出てまいりました。高速道路を無料化していくという考え方の中で収入が減っていく。一方で、特定財源をそういう形で返済に充てていったらどうか、こういうような御提案もあるようでございます。
 実際問題、今までの考え方としてみれば、料金を払ったいわゆる利用者がこれを返していこう。ここに来てもし一挙に、ガソリン税を含めて、そういう高速道路を使わない、けれども自動車税を払っている、こういう人たちが負担をするということになった場合に理解が果たして得られるのかどうか。
 また、暫定税率との関係もあると思うんです。もし一般財源化した場合には、今本則の税率の二倍となっているわけですから、これをもとに戻さなければいけない。そうなったときの、現実問題としてのこの無料化案というのがどういうふうになっていくかということをお伺いしたいと思います。

○石田参考人 暫定税率の問題でございますけれども、特定財源制度をやめるときには、やはり暫定税率をもとに戻す、そういう覚悟でやらないとだめだろうというふうに思います。
 そのことについてどういう議論をするかということでございますけれども、アメリカに比べると日本でガソリン税が高いとよく言われますけれども、ヨーロッパ等の先進国に比べますと非常に安い方でございますので、環境問題とか混雑の問題なんかを考えた場合に、私は、もうちょっと取ってもいいんじゃないのかな、そういうので環境対策に資する、あるいは安全対策を講じるとかということなんかもいいんじゃないのかなと思います。
 それと、道路特定財源を高速道路を使わない人からも取って高速道路の償還に使うというのは、先生おっしゃいますとおりに、やはり全く使わない人も相当程度おられると思いますけれども、そういう人たちの理解を得るのはなかなか難しいんではないのかなというふうに思います。
 以上でございます。

○高木(陽)委員 以上で終わります。

 

 

○赤羽委員長 高木陽介君。

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 参考人の皆様方には、お忙しいところ、国土交通委員会に来ていただきまして、ありがとうございました。
 特に猪瀬参考人と田中参考人、民営化委員会の委員を務められたということでかなり集中的に意見陳述という形になっておりますけれども、ほかの方々にも御意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず、先ほど古屋委員のところで民主党案のことがちょっと出てまいりましたけれども、まだ法案が出てきておりませんので、具体的な形で質問するということができません。本来であれば、政府案と民主党案というのが並んで、その上でこういう参考人の陳述ができればよかったかなと思うんです。
 そういった中で、私たちも報道でしか知り得ない部分がございますけれども、例えば昨年の十一月の衆議院選挙のとき、あのときは、各党、マニフェストという形でこの道路公団問題を取り上げたと思います。そのときに、民主党のマニフェストの中では、無料化にすると、かなりインパクトのある提案であったと思いますし、また、それとともに、最近の報道では、やはり全部無料化すると借金返しはどうなるんだといういろいろな指摘もあったようで、その中で、首都高、阪高は有料にするみたいな報道もなされておりました。
 そこまでの情報でしかないんですけれども、その上であえて参考人の皆様方にお伺いをしたいんです。
 先ほど、猪瀬参考人だったと思うんですが、受益者負担の問題、十分の一しか自動車が高速道路を走っていないみたいなお話をされましたけれども、まさに今回の民営化の論議の大きな焦点となったのは、四十兆もの債務をどうしていくのか、どうやって返していくのか、本当に返せるのか、こういったことが大きな問題であったと思います。
 そうしますと、無料化とした場合に、受益者負担ではなくて税で返していく。いわゆる高速道路を利用しない人がそれだけの負担をして、果たして理解が得られるのかどうか、こういった問題が出てくると思いますけれども、その点につきまして、四人の参考人それぞれ、藤井先生からお伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

○藤井参考人 私も無料論については情報を持ち合わせていないのですが、一般的な議論でお許しをいただきます。
 既にもう田中参考人、猪瀬参考人からお話のありましたように、受益者負担の問題、要するに、受益者と負担者が分離してしまうということによる不公平、これは確実に発生します。
 それからまた、もしも料金がコストを的確に反映しているのであれば、無料にするとコストに値しないような利用が発生するということも事実であります。これが一番困るのが、混雑がさらに増加するのではないか、その点ですね。その点からいいますと、もう一つの系として出てきますのは、一般道路との間の機能分化が確実にできない、高速道路の利点が生かせないという点があります。
 それから三番目に、債務の償還に税金を充てるというのは、実は非常に直截で、透明なやり方です。しかしながら、いわゆる経済学でオポチュニティーコストと申します機会費用が発生します。言い方をかえると、それだけ分、ほかの道路整備に充てることができないというマイナスが発生するわけです。
 それらを考えますと、無料よりも、これは経済学者というのはやはり価格論にどうも選好があるので、バイアスがかかっているかもしれませんが、私は、価格をつけて、できるところまではやるというのがマーケットメカニズムとしては正当だろうというふうに考えます。

○猪瀬参考人 これは、無料にしたいという気持ちは大事なんですよ。だから、急に菅直人が選挙戦略でそういうふうにしようとしたというのは、ああ、無料だったら受けるな、こう思ったわけですね。これは、だけれども、実は、基本的に我々が高速道路は高いなと思っているんですよ。高いなと思っているところに玉を投げてみたということでしょう。
 しかし、高速道路は高いなということについて、実は、民営化委員会で僕は値下げをしきりに主張したんです。ところが、値下げに反対する委員もいるわけですよ。大変なんです。とりあえず値下げということで、値下げをすることによって同時に借金も返すという矛盾する命題をとにかく解決しようとしたんです。
 ですから、安くしてほしいという、それは、僕自身も利用者ですから、もっと安くならないかといつも思っていますよ。そのためにいろいろな形で議論をして考えてきたので、議事録をよく見ていただきたいんですね、だれが値下げに反対した人なのか、だれが賛成したのか、よく見てほしい。やめた人には値下げに反対した人がいますよ。
 ですから、値下げをし、なおかつ借金を返す、そして競争させるということです。無料というのはもう夢物語ですから、そういう無料化案がこれから民主党から出ても、恐らくだれも信用しないと思いますよ。
 以上です。

○田中参考人 石原国土交通大臣がよくおっしゃることで、私はそれに賛成なんですが、民営化の目的、民営化というのはそれ自体が目的ではない、手段であると思います、それはそれで正しい。しかし、本当の民営化はどうであるか。この議論を委員会でするに当たって、多くの人が注意をしてくれました。これは民営化が成功するとべらぼうにもうかる会社になる、だから、その点を今から気をつけておかなければいけないよと。
 ということは、料金を値下げし、本当にその利便性を国民が享受できる、それから良質なサービスを安いコストで得られるということにすることは非常に重要なことであります。それは民営化会社だからできるんであろうと私は思います。
 将来とも、いかに安くなっても、高速道路の管理費は相当高くつくんだろうと思います。それを利用する人たちが受益者として負担する。利便性を買っているわけですから活用するのは当然であるという意味において、民主党さんがどういうことで、人気取りでおやりになるというのかどうなのか知りませんが、その点については私は必ずしも賛成しない、それは先ほど来申し上げておるとおりであります。
 以上です。

○中山参考人 まず無料化ですけれども、詳細がはっきりわかりませんので正確なことは申せませんけれども、一つは、やはり負債の返済を優先すべきではないかと思います。同じ料金を下げるのであれば、高速道路以外にも料金を下げた方がいい分野というのはたくさんあると思います。ですから、そういう意味では、まず返済を優先すべきということ。
 それからもう一つは、実質的に税金で補てんする形で無料化をするとなると、地域経済に与える影響も無視できないと思います。例えば、今でも、九州の南部から高速道路を使って博多まで買い物に行くという人がふえています。これを無料化してどんどんそういうことを進めていくとなると、地元経済から見てもかなり厳しい状況が起こってくるのではないかと思います。
 それを民間企業の努力でやるというならともかく、税金で補てんする形でそういうことをするということが果たして地域経済という点から見て望ましいのかどうか、その辺はもう少し慎重に考える必要があるんじゃないかと思います。

○高木(陽)委員 ありがとうございました。
 四人とも無料化に対してはかなり厳しい御意見を持っておるなという実感を……(猪瀬参考人「よろしいですか」と呼ぶ)どうぞ。

○猪瀬参考人 高木委員にお願いしたいんですけれども、料金引き下げの問題なんですが、意見書でかなり、一万台以下のそういうところは三割ぐらい下げろとか、いろいろ細かく書いたんですね、夜間半額にしろとか。こういうことをぜひ実現するように頑張っていただきたいんです。空想的な無料化論と違って、非常に現実的な、では、幾ら金が入って幾ら減るんだとかというふうな計算もして出していますから、ぜひよろしくお願いします。

○高木(陽)委員 要望もございましたので、しっかりと委員会での議論にも役立てたいと思いますが、もう一つ、これは先ほど田中参考人、猪瀬参考人でも御発言の中で出た言葉で、むだな道路という言い方をされたんですね。
 これは午前の委員会の参考人質疑でもちょっと確認をしたんですけれども、今まで、優先順位のつけ方で問題はあったと思いますが、やはり道路というのは公共的なものとして、特に地域にとってみて大きな存在であると思うんです。そんな中で、規格、構造が過大であったりだとか、また、有料道路にした結果、需要が低迷して、ある意味でいうと採算がとれない、こういう意味ではむだという言い方もあるのかもしれないんですけれども、そもそもむだな道路というのが、具体的にこの道路がむだなんだというふうに言えるのかどうか。なかなか難しいんではないかと思うんですが、この点に関しまして、猪瀬参考人、田中参考人、どのようにお考えなのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

○猪瀬参考人 むだな道路はあったんじゃないですか。四国に三本要らなかったでしょう。あれは一本でよかったと思いますけれどもね。そういうことなんですよ。
 だから、そういうことをこの三年間いろいろな形で議論して、コストを大体一本幾らなんだとか、区間ごとにどのくらいだとか全部出してもらって、そして検討を加えていって、そういう資料が国会議員の方々にも届いたと思いますよ。そういう中で結論を出していただくということなんですね。
 例えば有料道路だったら、有料道路をつくるときに、無料というか普通の国道もつくらなきゃいけない、二本になりますよね。どっちかにすればいいわけですから、そういう意味でむだなものをなくしていくとか、新幹線みたいなものをつくらなくても、つまり、東名高速のような立派なものじゃなくても、山形新幹線みたいにミニ新幹線みたいなものをつくるとか、いろいろなコストの削減の方法があって、そういうことについてほとんど三年前までは議論の対象にならなかったんです。だから、こういうことをきっかけに、やはりこれはむだな投資ではないか、百億円のものを三十億円でできるじゃないか、こういうことをきちっと話し合っていくとか、決めていくということがなかったんですね。
 とりあえず有料道路会社が七兆五千億円以内のものを引き受けるということで、これは保有機構と協議していくわけですから、そういう協議の中で、さらにコストの問題を含めて、やはりこれは省いた方がいいとか、もう少し違うふうにした方がいいというふうな意見が出てくるということを期待しているんです。
 抜本的見直し区間というのもありました。これは第二名神の大津から高槻までの間のところ約一兆円なんですけれども、これは抜本的見直しになりました。これは京滋バイパスがほとんどできましたので、三本になるんですよ。三本は要らないからやめた方がいい。具体的にこうやって詰めていくと、何がむだかむだでないかということがわかってくるんじゃないでしょうか。

○田中参考人 高木委員がおっしゃった、私がむだという言葉を使ったかどうかちょっと記憶がありませんが、いずれにしても、今時点で考えたときに、おかしいなという道路はたくさんございます。
 私のところの大学には北海道短大があるものですから、北海道から来る学生が多いんですが、国道と高速道路が並んでいる。必ず高速道路の横には国道があるわけです。高速道路しかないと関所になりますから。そうすると、北海道では、その子の里だそうですが、何人もおりますけれども、国道が、信号の距離も長いし、すいすい通れる。ただですよね。その横っちょ、高速道路はだれも走っていないと。それは当たり前ですよ。片一方は銭を取られなくて走れるのに、お金を払って走るばかはいないということだろうと思います。それが幾つも見られるということですから、やはり国家としての投資としてはおかしいのではないか。
 それから、大分前になりますが、和歌山県知事とあるパネルディスカッションで議論したんですけれども、そうはいっても、田中さん、和歌山から白浜、ずっと先っちょを通って三重まで高速道路をつくりたいと言うんですよ。そうすると、同時に国道もつくらにゃいかぬですね。高速道路だけつくるわけにいきませんから。だって、国道をつくって信号の間隔を非常に間遠にしてやれば高速道路と同じ効果があるんじゃないですか、それをまだ高速道路もつくらにゃいかぬと。まあしかし、知事としてはそれは仕方がない。
 こういうふうな話がよくあるわけでありますが、高速道路をつくるぐらいならば、国道なり県道なり整備しなければいけないところはいっぱいあります。
 私は島根県の出身ですけれども、あれほど大政治家がたくさん出ておられますが、あの竹下元総理が消費税を導入した人だから遠慮されたかどうか知りませんけれども、石見地方をごらんになったら、あの九号線というのは、トラックでも通れば、田んぼにおりていないと危ないぐらいの道路なんです、国道でありながら。この国道をきちんとしてもらって上がり下がりが容易になればどれほど便利になるか。
 それはさておいて、高速道路というのはやはりおかしいでしょうという話を申し上げたいと思います。

○高木(陽)委員 続いて、四人の参考人にお伺いをしたいと思いますが、先ほどから何度か出てきた帰属の問題。四十五年間で返済をして、それで帰属は国の方になってくる。公共的なものだ、こういう考え方だと思うんですけれども、高速道路というのはそもそも公共財なのか、または国民の共有財産と考えるか否かということです。
 民営化推進委員会の中でのいろいろな論議で、特に田中参考人たちは、株式会社として永久有料化、そういう発想をずっと主張されたようでありますけれども、公共財として国に帰属していった方がいいのか、それとも、借金が返せてもずっとやっていった方がいいのかということを、再度四人の方々それぞれにお伺いをしたいと思います。

○藤井参考人 私は経済学をやっておりますので、言葉をかなり厳密に使わざるを得ない立場にあります。先ほどからお話の利潤についても、経済学者からいくと、いらつくような御議論があります。
 今ここで言われた公共財というのも、本来の意味は集合的消費財という意味でありまして、日本語の公共という意味は実はないのです。共同で消費するという財でありますから。日本の場合に公共というと、何か、お上のものとか社会全体の役に立つものという意味はございますけれども、そういう意味で、道路は一般的に公共財とは認められておりません、経済学的な意味では。
 ここで言う、先ほど議員御指摘の公共財というのは恐らく公共的な財という意味だろうと思いますが、そういう意味で申しますと、私は最初から申し上げましたように、最終的に社会に帰属させるのがやはり正しいというふうに考えているわけです。将来永劫にわたって利益の対象とするというのは若干望ましくないんじゃないか。
 ただ、誤解がないように申しておきますが、永久有料論と帰属の問題とはまた別個の話です。要するに、社会に帰属した後も管理費だけを取るということは実はあり得る話でありまして、その管理費を取るときに利潤を認めるかどうかというのが、プライベートな企業とパブリックな社会への帰属との違いの要点であります。
 そういう意味で、私は社会に帰属させる方が正しいと思っている人間でありますが、最終的には、これは一つの哲学論争になってしまうというふうに考えます。

○猪瀬参考人 これは、だから無用な論議を引き起こしたんですね。上下一体、上下分離とか、全然本質的な問題じゃなかったんです。上下一体だから、では大丈夫かとかなんとかいうと、関西空港は上下一体ですからね。それでどんどん赤字をつくっていきますから、経営の自主権は別の問題なんですね。そういうつまらない議論に話がそれていった部分がありました。
 それで、鉄道の場合は、要するにオペレーションがありますから、新幹線やいろいろなそれと線路が一体とならないと仕事ができませんよね。道路の場合はただゲートをつくるだけですから、高速道路に対して。そのゲート、まあ関所みたいなものですね、そのゲートに料金徴収権を与える。それで、料金徴収権を与えるゲートの会社に、一定の建設の負担とそれに対する支払いを求めるということですよ。そして、サービスを求めるということです。
 その所有権というのは何かという問題なんですね。ですから、基本的に、私鉄なんかも、ここからここまで線を引っ張りますという営業の認可をもらって、そして線路を引っ張った部分についてお金を取るということ、重ねて言えば同じことになりますけれども、道路というものにゲートを設けてお金を取るということですから、これは一定期間内にそれは返上する、また再契約する、こういうことが大事です。イタリアのアウトストラーデなんかも、三十年なら三十年、それからもう一回再契約するんです。ですから、定期借地権みたいな発想だと思いますよ、基本的には。
 だから、何でもかんでも、これは、藤井治芳さんから、道路公団内部改革派という人たちはみんな上下一体で、同じことを言っているんですよ。やはり道路公団の人というのはそう考えちゃうんですけれども、今、道路公団は上下一体ですよ、そういう意味では。それでいて全然何も改革が行われていないわけでしょう。だから、本質的な問題はそういうところにないということです。
 基本的には、それは公共的な財でありますよ。それは公益性のある会社だということです、基本的に。そういう公益性ある会社でありながら、なおかつ、当然ですけれども、経営効率を上げるためには利潤追求の動機があるのは当たり前ですよ。ですから、当たり前のことを変なふうに曲げられて表現されているようなところがちょっとあるような気がします。
 そういうわけで、ちょっと長くなりましたけれども、ただ、これ、所有の形態についてのバリエーションがあるということだと思いますよ。だから、どういう形態にしたら、経営の自主権、あるいは国民にとって一番幸福であるかどうかという、その経営のバリエーションの問題をどういうふうに考えていくかということにすぎないと思います。
 以上です。

○田中参考人 公共財かどうかというのは、もう専門家の藤井参考人がおっしゃったとおりで、そこら辺の道路と同じようにお金は取れない、取ろうとしても取れないもの、これは公共財です。あるいは、警察そのものも公共財ですよ。そういう意味からいえば、高速道路は公共性は確かにありますけれども、それは公共性からいえば、単にハイウエーだけではなくて、新幹線だってNTTの線路だって電力だって、すべて公共性はあるわけです。
 その点はさておきますが、これは所有するか否かというのは、私、きょう何回も申し上げましたので言いませんが、国のものにするかどうかというのは、外国がどうであるかも参考にはなりますけれども、我が国としてどう考えるのかということであろうかと思います。それは、まさに政治が考えることかもわかりません。
 これが、新しい会社が所有しないことによって、四十五年なら四十五年リースする格好になる。私たちの意見書では、十年以内であっても、自分でお金を調達して自分でつくる。つくったものはその会社のものになるということなんですね。であれば、非常にそこにインセンティブが働くわけです。それから、十年程度たったらば、すべて資産も債務も会社のものになるということになれば、もう初めから一生懸命やるわけですよ、黙っておっても。それを、いろいろな命令によってそれを達成していくのか、そうでないかという違いなんです。
 それで、私たちの意見書でも、これはJRと同じなんですが、資産も債務も移しかえたら、その後は、何年で返そうと、それは会社の自主性に任せればいいんです。だから、償還主義はやめましょうということで、あるいはプール制はやめましょう、これは見直す時期にあるというのは、七人全員の一致した意見なんであります。
 そこからスタートしておるのに、四十五年で全部償還する、しかも足並みそろえて償還するということは、プール制以外の何物でもないじゃないですか。それはすべて、繰り返しきょう申し上げましたが、所有は重要な問題であって、それをリースでやるために発生する考え方であると思っております。

○中山参考人 まず、公共財かどうかということですが、これは、その性格から見ても、明らかに公共的な性格が強いと思います。
 ただ、問題になりますのは、公共という場合、国か自治体かという一つの大きな問題があると思います。高速道路なんかでも、例えば東名とか名神のように明らかに受益が広範囲に及ぶ道路と、同じ高速道路といっても、確かにネットワークは組んでいるものの、その受益の範囲が非常に限定されている高速道路、いろいろとあるわけですね。
 先ほどのむだの議論とも関係しますけれども、一般的に、補助事業とか直轄事業は、とってこないと損だという地元の意識が非常に働きがちだと思うんですね。補助事業や直轄事業でも地元負担はありますが、地元から見ると、国の税金は自分のところがとってこないとよそでとられてしまうだけだ、そういったところが非常に大きなむだを生んできたと思います。
 高速道路も一緒でして、広範に受益が及ぶような高速道路はともかくとしまして、そうとは違う、一つの県内でとどまるとか、たとえネットワークを組んでいてもそれが非常に限られたエリアの場合は、国が全部考えるのではなくて、できるだけ地方分権を進めて、地域で自分たちのお金の使い道を考えられるような仕組みをつくることがむだを省く上でも一番重要ですし、また、いずれそういったところがきちっと高速道路を管理していくべきではないかと思っています。
 ですから、基本的には公共財ですが、それを国か自治体かというと、その辺は一律に国というふうにはなり得ないのではないかと思っています。

○高木(陽)委員 時間も大分わずかとなってまいりましたので、最後、猪瀬参考人と田中参考人にお伺いしたいんです。
 これは、先ほどの大谷委員または古屋委員のときにも論議となったんですけれども、料金の問題です。今回の政府案というのは、通行料金に利潤を含まない、収益は関連事業で上げる、これを基本にしておりまして、コスト縮減、需要拡大等々、そういう努力に応じたインセンティブを別途措置する、いわゆるサービスエリア、パーキングエリア等々でいろいろ考えられると。
 これは猪瀬参考人もそのとおりだというような発言でずっと来られたと思いますけれども、民営化委員会の中で、田中参考人の方はいわゆる利潤を含めと、ここら辺のぶつかり合いがかなりあったと思うんです。そこのそれぞれのお立場の意見があると思うんですけれども、もう一度ここで確認をさせていただきたいと思うんです、この利潤を含む、含まないということのメリット、デメリットを。

○猪瀬参考人 先ほど田中参考人が、十年をめどに買い取りというふうな話が民営化委員会の代表的な意見のごとく言っていますが、それは二人が特に強く主張したのであって、それだけのことであって、それで、もちろん、余りこれに僕はこだわらないんですよ、国民のコンセンサスの問題ですから。
 実際には、十年だとまだ借金が三十兆円以上あって、無理なんですね。ですから、それは十年たったときにまた考えればいいことだし、それか、借金の減りぐあいを見ながらというふうな柔軟性ある考え方を僕はしておりまして、まあ、国民のコンセンサスの問題だなと思いながらずっといたんです。
 あと、今のお話のあれは、田中参考人たちが委員をやめちゃってから、この問題はさらに委員懇談会で小泉さんにもいろいろ言ったりして、基本的には、だから、ある種合意されている部分というか認識として共有されている部分は固定資産税を取らないということで、利潤が出ないように見えるんですが、現在のリース料設定の段階においてはそうなりますが、これは五年後の見直しとか十年後の見直しとかというふうなところでは話し合いになるわけですが、結果利益というのは出てくるわけですね、これは当然。
 先ほど申し上げましたが、経営努力することによって交通量はふえる。御殿場のアウトレットモールみたいなものが仮にあったとして、それが自分のものだとしたら、そこの売り上げがふえるということと、そこに行くための通行量がふえるので、交通料収入がふえる。そういうふうな意味で、最終的に結果利益というものが出てくるんだと。
 こういうことで、一生懸命働けば利益が出る、ただ、過大な利益については当然値下げの対象になる、こういうことであります。

○田中参考人 今、料金の問題をおっしゃいました。適正な利潤を含むということは、十四年の十二月六日に提出した意見書にきちんと書いてあります。それには猪瀬委員も賛成されたはずであります。利潤を含まないとは書いていないんです。「適正な利潤を含むものとし、」とちゃんと意見書には書いております。それと、十年をめどに買い取るということも意見書にきちんと書いてあります。それは、猪瀬委員はそのときには、多数決しましたが、多数決で賛成されたはずであります、少なくとも異論は唱えられませんでした。ということであります。
 それで、今、インセンティブを別途考えるということでありますが、それについては具体的に何も書いてありませんので、猪瀬さんが今やっていらっしゃる委員懇談会でも盛んに追求しておられましたけれども、料金に利潤を含まないでどういうインセンティブを与えるのかなと、非常に関心を持って見ておりますということだけにとどめたいと思います。

○高木(陽)委員 時間が参りましたけれども、料金に利潤を含むという問題に関しまして、例えば、今、田中参考人が適正なというふうに言いました。その前に猪瀬参考人が、国民のコンセンサスが必要だというふうなお話がありました。
 やはり国民の側から見ると、この私も選挙で選ばれた議員として感じるんですけれども、有権者の方々といろいろと話したときに、もし利益が出た場合、利潤が出る場合、それはやはり借金返しにちゃんと使っておいてもらいたいというふうに今の段階ではかなり多くの方が思っているのではないかな。もしくは料金を下げてもらいたいと。そして、やはり何年後かの見直しの段階でそれなりの、借金の返すペースが早いだとか、もしくは、いろいろなコスト削減で利潤が出る体質になってきただとか、そういった部分での論議という方がコンセンサスは得やすいのかな、こんなことも今の参考人の皆さん方の意見を聞きながら感じました。
 以上で終わりたいと思います。


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