会 議 録

第159回 衆 「国土交通委員会」 15号
2004/4/20

○望月委員長代理 高木陽介君。

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 参考人の皆様方には、貴重な御意見を述べていただきまして、本当にありがとうございます。
 三十分間の質問でございますので、すべて聞くことができないのかもしれませんけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 今回の道路公団の民営化の法案についてですけれども、まず、この二年間、特殊法人改革からスタートをして、小泉内閣になってから特にこの道路公団の民営化というのが一つの大きな目玉みたいな形になりまして、そして一昨年の暮れに民営化推進委員会がスタートいたしました。メディアの方もかなり道路公団の民営化という問題をクローズアップしながらさまざまな報道をなされてきましたけれども、論点がいろいろと拡散をしてしまいまして、何が本質なのか、ここら辺がどうもわからないような形になってしまったのではないか。その中で特に言われていたのは、むだな道路はつくらないですとか、何か、むだな道路というフレーズが結構躍っていたかな、こんな気がいたしました。
 昨日、当委員会の地方公聴会ということで、大分と滋賀県で二班に分かれましてやったんですけれども、私は大分の方に参加をさせていただきまして、四人の公述人の方々からさまざまな御意見を伺ったときに、九州の方では、特に東九州、いわゆる高速道路がないということでさまざまな不便を感じている、特に物流の面においてはかなりマイナスの要素がある、こんな意見が次々と出てまいりました。
 その上で四人の皆様方にちょっとお伺いをしたいのは、むだな高速道路ということが果たしてあるのか。先ほど佐藤参考人はその点について少しお述べになられておられましたけれども、例えば、規格、構造が過大であったりだとか、また、有料道路にした結果、費用対効果という部分で需要が低迷する。そういった部分ではむだというような表現もあるのかもしれませんけれども、そもそも、むだな道路というのがあるのか。
 実は、先週の参考人質疑のときに、猪瀬参考人が、本四の三本の橋はむだだった、こういうような表現もされましたけれども、実際問題、今使っている方々もいらっしゃるわけで、果たしてどうなのかな、こういうふうに思ったんですけれども、この点について御意見を伺えればと思います。
    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

○榊原参考人 まず、むだの定義でございますけれども、民間企業的なむだの概念というのをこれに適用するのは当たっていないということであろうと思います。つまり、特定の路線が利益を上げられるかどうかでむだかどうかということを判断するのは、これは明らかに間違いでございます。先ほどから言っておりますように、道路は公共財でございますから、そういう意味で、採算ということだけで、むだ、むだでないということを判断するのは間違いだと思います。
 ただ、国民の間にそういうむだという議論が広がった中には、やはり必要以上にコストが高過ぎるじゃないかだとか、先ほども佐藤先生からお話がありましたように、相当の汚職があるじゃないか、そういう意味でむだという概念が広がったことは、これは理解しなければいけないと思うんです。
 ただ、先ほども申し上げましたように、民間と同じ基準で道路というものを判断する、ですから、私は民営化に反対なんです。つまり、これは民営化するような業種じゃありませんよということなんですけれども、民間と同じような判断で、むだか、むだでないかと。むだか、むだでないかということを決めるのは政治家の皆さんです。これは政治決定なんです。
 ですから、国民の総意を反映した政治決定で道路の建設を決めるというのが本来のあり方でありまして、ただ、そのときは、どういうコストかということを、あるいはその建設のプロセス、そういうプロセスを透明にして、すべて国民がわかるようにしなきゃいけないという義務はあると思いますけれども、民間的な基準を適用してむだということは、道路の際には言うべきではないというふうに思っています。

○梅田参考人 私も、今榊原さんがおっしゃいましたのと同じ意見でございます。
 ただ、むだな道路というのは何かということなんですが、使用されていない道路という意味だと思うんです。ほかの道路は、使用されているならば全部必要な道路なんですね。それが、今議員がおっしゃいますように、むだという表現をそこで使えば、やはり、規格、仕様、そういうものが需要に対してむだであったということは言える道路があります。
 本四の問題はちょっと私も言及はできませんけれども、ただ申し上げたいのは、三つ橋がかかりました。一橋目、二橋目、三橋目と確実に進歩しております、設計も施工も。手前みそでございますけれども、我が国の土木技術も、ごらんいただきますとわかりますが、非常に進歩しました。それで、長大橋がその後全然ないということに、日本としては、これはもう、以後、長大橋という技術がここで途絶えるんじゃないかという心配を私はいたしております。

○佐藤参考人 このむだという概念は、恐らく、民間の概念をそのまま公共財に当てはめた概念だというふうに思います。つまり、需要と供給のバランスがどうなっているかということだと思います。
 そこで重要なのは、私は、公共財の場合に必要かどうかというのは、これは本質的には、バーゲニングといいまして、取引ですね、つまり、例えば公園をつくる場合に、この公園をつくる必要があるかどうかということを資本主義の民主主義社会ではどう決めるかといいますと、皆さんの意見を聞くわけです。
 ただ、そこで、自分の意見を言う人と言わない人が出てきます。なぜそういうことが起こるかといいますと、例えば公園の場合、一番いい例だと思いますが、大金持ちの人はもう大きな庭があるから公園は要らないわけです。それから、子供がいっぱいいて小さな庭しかない人は公園が必要なんですね。ですから、そういう人は公園が必要だと高い声を出すんです。大金持ちの人は、いや、公園は必要じゃないというふうに言うわけですね。
 そこでどういうふうにして決まるかというと、いわゆるバーゲン、取引で、いや、大金持ちは、あなたはお金持ちなんだから、先ほど言ったように、能力主義でお金を払いなさいという理論がちゃんとあるんです、経済学で。ですから、お金持ちは、使う、使わないは別として、お金を払わなきゃいかぬよという理論があるんです。それで、片っ方の、小さな庭で、実際に子供が多くて公園を使う人たちは、実際公園を使うからあなた方もお金を払え、これは受益者負担の原理です。
 ですから、そういうことから本質的に公共財の需要と供給が決まるので、道路が実際むだかどうかという問題は、今の議論では、今の議論というか、少なくとも日本のジャーナリズム、メディアの議論では、私はナンセンスだというふうに思います。
 ただ、むだかどうかを試す一番いい方法は、料金をただにしてください、今。それでも実際に使わない道路があったらこれはむだという、一番いい判断ではないかというふうに思います。

○久保参考人 今まで、むだな道路という議論は、大体、有料道路に限定して特に使われていたような気がいたします。だから、それはまさに、採算がとれないとか、計画よりも交通量が少ないとか、そういったことについて言われていますが、榊原先生や佐藤先生がおっしゃったように、やはり公共事業、有料道路といっても公共事業でございますから、必ずしも経済的な採算というだけで、むだな道路と言えないんじゃないか。むしろ、有料道路でつくるのか、ただの道路でつくるのかという正しい判断をすべきだというふうな考えを持っております。

○高木(陽)委員 ありがとうございます。
 今、四人の方の御意見、それぞれ、むだというような概念をしっかりと述べていただいて、参考にもなりましたけれども、その中で佐藤先生が、いろいろな意見を集約していくみたいな、公園のある方々の話をされましたけれども、世論調査等々で、高速道路はこれでもういいのかどうか、特に九千三百四十二キロというのが一つの象徴になっておりまして、まさに高速道路というのはネットワークなんだろうなと。
 さっき本四のお話をちょっと例に出したんですけれども、問題は、本四の橋ができて、では四国のネットワークがしっかりできているかどうか、ここが大きな問題であろう。もしこれがネットワークとしてつながっていれば、これはこれでもっと利用者も多いのではないか、こんな気が私自身はしているんです。
 きのう、大分での地方公聴会のときにも、東九州というのは高速道路がない、こんな中で、有料か無料かという話題が出たときに、ナンセンスだ、高速道路がそもそもないんだから、有料も無料も、そんな判断もできませんみたいな、こういう御意見もあったんです。
 そんな中で、やはり九千三百四十二キロというのをつくるかつくらないか。民営化委員会の方は、これは何かつくらないという意見がかなりクローズアップされていまして、ただし、最後の段階では会社の判断というような、または、その後、もし会社がつくらないと言った場合に国が関与をしていく、こういう判断もございました。
 これについて、この九千三百四十二キロをつくることによってネットワークが完成していくのか、もしくは、それでは足りないのか、また、その必要がないのか。こういったことについてどうお考えか、四人の方にお伺いしたいと思います。

○榊原参考人 私は、道路は公共財だと申し上げましたけれども、ニーズがあればつくるとは申し上げていないつもりであります。
 道路に関してニーズがあるのは当たり前のことでございます。ただで国が何かやってくれることのニーズを問えば、これは必ずやってくださいと言うのが当たり前の話でございますから、道路に関しての地方のヒアリングをして、ニーズが非常に高かったからつくらなきゃいけないというのは、これはちょっと議論としてはいただけないなという感じがいたします。
 実は、日本の財政は事実上の破綻状態にあるわけでございますね。この間、S&Pが、二〇五〇年の日本の財政赤字のGDP比は七一八%だという計算をしているんですね。七一八%というのは、もう国が破綻するということです。これは少子高齢化の影響が多いんですけれども、事実上の破綻状態にあるわけです。
 破綻状態にあって、歳出の需要というのは道路以外にも山ほどあるわけでございます。ですから、他の歳出の需要あるいは債務の状況、そういうものに比べて、道路を建設しろ、さらに建設しろというニーズが高いかどうかということの、これはもちろん政治判断でございます。政治判断だと思いますけれども、そういう判断をしていくということであって、私が非常に問題視しているのは、今まで道路が特別視されてきたということ。特定財源はある、有料道路代金は使う、そういうことで特別視されてきたんですけれども、そういう必要はもう私はなくなっただろうと思うんです。
 ですから、私は、九千三百四十二キロを今のままの形でつくるということには反対でございます。というのは、ほかの歳出に関するニーズが恐らく相当高いだろうと思われること、それから、債務の状況が極めて危機的な状況に達している、その二点で、私は、今のまま道路建設を進めるべきではないというふうに思っています。

○梅田参考人 私も、しゃにむにつくるべきだとは思っておりません。
 よく議論をして、透明性を高めて、その必要性を議論して、必要だという結論が出されるならば、それは今の予定されたキロメーターはつくっていくべきだ、そういうように思っております。

○佐藤参考人 私は、基本的にはつくるべきだというふうに思っております。
 それは、榊原さんとかは経済学者ですので、我々、同意することもあるし、ディスアグリーすることもありますので。
 というのは、日本の財政危機は、私は誇張されたものだというふうに思っております。その一つの理由は、大体現在ではGDPの一四〇%ということになっておりますけれども、あれは計算の仕方で非常に違うんです。なぜかといいますと、世界のGDPとの比較は、国が持っている債権はGDPの負債の中に入っていないんです。ですから、日本の場合には、郵貯とかその他の、国が持っているのを引きますとちょうどGDPと同じぐらい、一〇〇%ぐらい。これは、イタリアとか大体カナダぐらいの国の状態と同じでございます。主にこれはバブルの後遺症でございまして、今度バブルから回復しまして景気がよくなったら、必ずこの比率は下がります。
 むしろ、私は、むだに使ったということはいっぱいあると思いますが、民主主義というのはむだに使う制度でございますから、ある程度仕方がない。だから、すべてがむだでいいということではありませんけれども、そういう意味で国の財政という観点から見たら、特に今の道路財源がありますが、そういうものをうまく活用して、やはり道路はつくった方がいいんじゃないかというふうに考えております。

○久保参考人 私も、基本的には九三四二は建設すべきだと思っておりますが、これは全部有料でなくて、無料の区間も入っておりますので、あるいは見直しの区間も入っておりますが、そういったところを上手に、建設投資の優先度を決めながら、どういう時期に着工していくかとか、そういうことに配慮しながらやっていっていただきたいというふうに思います。

○高木(陽)委員 榊原参考人にまたお伺いをしたいんですが、先ほどの質疑の中で、四十兆の債務返済をどうするかというところで、どこかで解消しなければならない、こういうふうにおっしゃられて、その具体策として、公的資金の投入であろう、国債の借りかえを一気にやる、こういうような御意見もありましたけれども、借金四十兆の部分、これを借りかえをするとなると、では、ある意味で言うと、新しい、残る二千キロもあるわけですけれども、これについて、さあどうするか。これも新たに借金でやっていくかどうか。ここら辺のところはどういうふうにお考えですか。

○榊原参考人 今の法案ですと、長期借入金を政府保証でできることになっていますから、恐らく、新規の着工を借金でやるということをある程度念頭に置いた法案であろうというふうに思っております。
 私は、新規の着工は借入金で行うべきではないというふうに思っております。もし新規着工がどうしても必要だということであれば、これは税金あるいは建設国債でやるということが原則であります。もちろん、有料道路代金をしばらく取り続けるという判断をするんであれば、その有料道路代金の中でやるということでありまして、新規建設を政府保証のついた借入金でやるということであっては、これは何のための民営化だ、何のための法案の提出だというふうな感じが非常に強くいたします。

○高木(陽)委員 そうなりますと、有料の料金、これを無料化にするとした場合に、その建設国債の返済というのはどういうふうにしてやっていくのか、それをお伺いします。

○榊原参考人 ですから、これは今でも、実は、昔の財投というところでこれを入れたわけですよね。私は実は本四架橋なんかを査定した課長の一人でございますけれども、それはいずれ返済をしなきゃいけない。しかも、それは国の保証がついているわけですから、債務の形が変わるだけでございますね。
 ですから、もし今の形でやるとすれば、財投債というようなものを新たに発行して、それを市中から調達するか、あるいは、場合によると、一定の国の機関とか民間の金融機関に持ってもらうということでございますから、直ちに、財投債なんか発行して国債市場が混乱するとは思えません。
 ただ、新規に国債を発行し、公的資金を投入するということでございますけれども、国債を発行する場合には、国債市場に混乱が生じないようにさまざまな配慮をしなきゃいけないということは確かだと思います。

○高木(陽)委員 そうしますと、揚げ足をとる意味ではないんですけれども、先ほど榊原参考人は、日本の財政というのはもう破綻している、こういうようなニュアンスで言われました。プライマリーバランスのことを考えた場合に、四十兆もの債務の借りかえを一気にやった場合に、まずは、どこがこれを引き受けていけるんだろうか、市中で。もう一つは金利の関係です。一気にこの四十兆を借りかえた場合の金利上昇というか、そこら辺のぐあいというのは、専門家でございますから、どう考えておられるのか。

○榊原参考人 これは、実は、隠れた債務を表に出すということだけでございます。先ほど佐藤先生が、日本の債務は債権を差し引くと今より小さいんだとおっしゃいましたけれども、僕は全く逆の意見を持っておりまして、過去の財投なんかで積み上げた債務ということを考えますと、郵貯、年金積立金の債務を考えますと、実は、既にGDPの三〇〇%近くまで債務が来ているわけでございます。
 ですから、今、道路に係る債務を国債で借りかえるというのは、実は、隠れた債務を表に出すということだけでございまして、その混乱をさせないためには、厚生労働省あるいは総務省が今そういうものを債権として持っているわけでございますから、彼らに財投債を当面引き受けてもらえば、これは金融市場の形としては全く変わらないわけですね。それを次第に市中消化していく。
 これは、いずれにせよ、隠れた借金というのは最終的には表に出さざるを得ないわけでございますから、その出し方の問題でございまして、今それを国債で借りかえるから直ちに借金がふえるということでは全くありませんで、隠れた債務が表に出る。私は、隠れた債務はできるだけ表に出した方がいいと思っております。

○高木(陽)委員 続いて、佐藤参考人にちょっとお伺いしたいんですが、公共財をだれが払うのか、こういった問題で、現在の財政状況で、そもそもこの公団方式、昭和三十年代に道路をつくるときに、日本の財政的な部分、いわゆる税金でつくることはできなかった。ですから、料金方式で、公団方式でやっていった。これはこれで、あの当時の状況を考えた場合には、私はそれは正解だったと思うんです。
 ただし、これだけ債務が膨らんできまして、それでどうやって返すんだ、こういった問題がクローズアップされる中で、佐藤参考人の方は、能力主義、受益者負担、またボランティアの精神というか、こういう三つを例に挙げられました。受益者負担で、ガソリン税を含めた道路特定財源の部分を指摘されておりますけれども、正直、高速道路に乗る、これは、データとして、車に乗っている中で十分の一しかいない。
 こういう現実の中でもう一つ問題となるのは、一般道路、それぞれの地域の都道府県道または市町村道、これも完璧にまだできていない部分、正直、国道を含めて一般の道路もまだまだ完璧になっていないという部分、またはその維持管理をしていかなければいけないということで特定財源を使っているんですが、果たして、この借金も含めて、または新規建設も含めて、この特定財源ですべてやっていけるかどうか。どのように考えているか、お伺いしたいと思います。

○佐藤参考人 詳しい計算はわかりませんけれども、基本的には、道路の特定財源、これは一番わかりやすい受益者負担ですね。自動車を持っているということは、その自動車を使って、道路を使って、ある目的のために運転するということですから、それを使うのが一番いいというふうに思います。
 それから、場合によっては、ある程度の能力主義というか、例えばお金持ちの人はひょっとすると二台、三台持っているかもしれないということもありますので、能力主義的な負担も考えざるを得ないのではないかというふうに思います。
 ただ、特定財源を一般道路だけに使うという制度をやめて、やはり高速道路等に全部使うというふうに回すことが、経済の理屈からいったら正しいというふうに思います。

○高木(陽)委員 実は、これもきのうの地方公聴会の大分で、宮崎の知事ですとか大分の経済界の代表の方だとか、または大分の中津市長さん、それぞれ、地域に根差した方々がお話をされたのですけれども、もちろん高速道路、これはこれで必要である、早くつくってもらいたい、こういう意見があったわけですね。それとともに、道路特定財源、これは補助金等々でも各地方道に振り分けられている中で、まだ本当に、国道でありながら片側一車線、もっと言いますと片側一車線もない、本当に一車線しかない、すれ違いもできない、こういう道路がまだまだあるんですと。
 それで、やはりここはここで生活道路としてしっかりやっていただかなければいけないので、この特定財源を削る、今三位一体の改革で補助金もどんどん削られる流れの中で、これはこれで維持してもらいたい、こういう御意見もあったんですね。
 どうしても、私たち、私自身も東京なんですけれども、東京にいると、ある程度の道路はできているなという実感があるんですが、やはり地方の場合には一般道路がかなり厳しいのかな、こういう思いもしていたんです。
 やはり先生は、それでも特定財源を高速道路にシフトしていった方がいい、こういう御意見でよろしいでしょうか。

○佐藤参考人 実際の運用を私は余りよく知りませんので、どちらがいいかどうか知りませんけれども、概念的には、やはり一般道路で、今言われたような一車線しかないようなところをつくるべき、それと、片っ方の高速道路、どちらからつくるかというのは、これはやはり政治的な判断だと思います。ですから、実際にどちらでつくった方がもうかるか云々ということじゃありませんので、政治的な判断で決めていただきたいというふうに思います。それは、経済的な合理性と全く矛盾しません。

○高木(陽)委員 では、最後に皆さんにお伺いしたいんですが、今回の政府案というのは、通行料金に利潤は含まない、収益というのは関連の事業でやっていく、こういうふうに基本にしていると思うんです。また、コストを縮減し、需要拡大等々、そういう努力に応じたインセンティブを別途措置するとしていますけれども、民営化という言葉、株式会社になりますから、これは利潤を通行料に含むべきであるかどうか。ここら辺のところの御意見、どういうようにお考えか、四人の方それぞれにお伺いをしたいと思います。

○榊原参考人 私が当初から言っている意見に戻りますけれども、道路は公共財であって、しかも、道路の場合、競争が見込めないわけですね。競争が見込めないというのは、これは独占事業なんです。独占事業で利潤を見込んで料金を設定するなんということは、これはあり得ないことでございまして、利潤を設定するかどうかじゃなくて、民営化すること自体が間違っているという私の意見をもう一回繰り返させていただきます。

○梅田参考人 私は、交通料金に利潤を見込むということは、今でも料金が非常に高いという批判があるのに、それに利潤を見込むということは難しいと思います。
 しからば、新しい会社にどういうインセンティブを与えるかということなんですが、これは、今回の民営案の中に含まれている規制緩和の問題、それを活用するということと、それから、私もちょっと申し上げましたが、関連事業をやる自由度がかなり高まっていますから、その関連事業で利潤を上げて、それを会社のインセンティブとして活用するということが私はできるんではないかと思っています。具体的なことは今申し上げられませんけれども、これは可能じゃないかというように思いますので、料金に上乗せするということは、これは不可能だと思います。

○佐藤参考人 これは、実は経済学では一九二八年にもう解決している問題です。
 イギリスの経済学者でラムゼーという人がいまして、ラムゼーの公共企業体価格設定論というのがあるんです。具体的にどんなことかといいますと、公共企業体、恐らく当時は電力の料金をどういうふうに設定するかという話でございまして、電力会社は利潤を設けてはいけない、コストをカバーするだけの利潤を設けてもいい、これがラムゼー方式という方式なんですね。ですから、そういうような方式で今やっているのかなというふうに思いましたけれども、実際にそれができるかどうか。
 こことはちょっと関係ありませんが、実は日本の電力会社はその方針を使わないで、世界でもちょっと、物笑いと言っては失礼ですが、恐るべき利益を上げている。つまり、いつも利益の上から三番目、四番目というのは電力会社でございます。ですから、ラムゼー方式は使っておりませんが、そういうふうになったら困るというふうに私は思っております。

○久保参考人 私も、通行料金の中に利潤は見込むべきでないと考えております。
 理由としては、やはり今料金が高いわけですから、これをむしろ引き下げる努力をすべきであって、そこに利潤を上乗せするのはおかしいと考えております。
 ただ、有料道路事業を行う会社にどういうインセンティブを与えていくか。つまり、合理化等をやれば、保有機構に払う貸付料よりももっと合理化すればそれがインセンティブとして新会社に返ってくるようなシステムを何かしていただければいいかなというふうに考えております。

○高木(陽)委員 どうもありがとうございました。

 

○赤羽委員長 高木陽介君。

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 参考人の皆様方には、長時間どうもありがとうございます。貴重な御意見をずっと聞かせていただきました。
 まず最初にお伺いしたいのは、これは四人の参考人の皆さんにお伺いしたいんです、ちょっと重複する部分もあるかなと思うんですけれども。
 これまで公団方式で高速道路というのはつくられてきた。有料道路方式ですね。これは本当に、昭和三十年代、日本の財政が苦しい中で、でも、高速道路のネットワークをつくらなければいけないということで、阪神高速のときからスタートをして、それはそれで、九千三百四十二キロ今つくろうとする中で、約七千キロまでこうやって整備されてきた。
 これは、もしこういう方式をとらなかったらここまで来なかったのではないかな、そういうふうにも思うんですけれども、この点について、今までやってきたこの方式について、これは今行き詰まっている部分があるのは確かだと思うんです。ですから、今回、民営化法案、また、民主党の方は無料化にしようという法律案を提案してきていると思うんですけれども、これまでのあり方ということでの評価、これを四人の参考人の方にお伺いをしたいと思います。

○寺田参考人 出発点での有料の道路公団方式で受益者負担の原則は、それは、太平洋ベルト地帯、東京から大阪までとかは、ある面では相当機能したと思います。
 ただ、それがそのまま肥大化したことに一つは大きな問題があったのではないのかなと思います。ある時点で日本の税もふえて預金もふえるという状況の中で、道路特定財源が六兆円とか九兆円とかという話も出ている、そういう中で、数え方の問題もあるんでしょうけれども、こういう時点では、ある面では考え直さなければならないことではないのか。
 また、私は、高速道路というのは、バイパスの、要するに普通の自動車専用道路という考え方はいかがですかというのが持論ですので、そういう点も受け入れなかったということと、それが最終的に行き着いたところは、四十兆円の借金の会社を国の力でつくる。そして、二兆円ぐらいしか収入がないというのは、これは常識では、一般的には民間の企業ではこんなことはやれないでしょうということなんですね。
 そうすると、先ほど岩國議員さんからも、破綻していると。私も全くそのとおり、破綻の状況の中だったら、これだったら別の形で、全く別の視点で物を進めるべきであろうと思いますし、例えば無料にしますと、要するに道路がパンクする。確かにパンクするでしょう。だけれども、例えば、ある面では、シンガポールだとか、交通渋滞の対策としては、御承知のとおり、課金制度というんですか、ということでも取っていますし、いろいろな面で、私は、今の日本の道路公団というか新しい株式会社のつくり方というのは、四十五年を見据えたというのは、今はもうそれは成り立たないというかやっていけない、こういう国の状況も含めて。それを考えるべきじゃないのかなと率直にそう思います。
 以上です。

○広瀬参考人 これまでの道路公団の評価ということだろうと思いますけれども、とにかく、あの方式で高速道路の整備を進めてきたということは一定の成果があったんだろう、こう思います。ただ、もっともっとコストを切り詰めることだとか、あるいは、費用対効果を考えて選択をしていくことだとかいったことも工夫の余地があったのかもしれません。また、料金の弾力化といったような知恵もあったのかもしれないというようなことで、最近はかなり硬直的にやられたのかな、こう思っております。

○野間参考人 今の高速道路の建設に当たって、こういう方式を取り入れた、当初の段階では極めて正しいやり方だったと思います。ただ、それは初期のころ、言うならば、骨格に当たる縦貫道を整備する段階では非常に適したやり方だと思いますけれども、だんだんそれと並行した道路を整備する、いわゆる災害時のバックアップ道路というようなものを整備する、あるいは、あばら骨に当たる地域振興型の道路、こういうものをつくるのに同じやり方でやるというのは適当でないし、無理があるのではなかろうかというふうに思います。それにはそれに適した、プール計算を離れた何らかのお金を国または地方で投ずるというようなやり方でやっていかないと無理であろうと思います。

○山崎参考人 非常に簡単なお答えとしては、今の状況は、この有料制度があるがゆえに高速道路整備が進まなくなっている。私は、二千キロぐらい、もっと前からできているものだと思います。維持すればますますできなくなる。
 当初はどうだったか。それ以外に方法がなかったということだと思います。何しろ、道路財源が年間二百億円しかないときに四千六百億をつくろうというわけですから、外から、世銀から借金をし、財投から借りました。しかし、借金を返したら順次無料にしていきますよ、ある意味で非常に整合性のとれた、担保つき金融としてのプロジェクトファイナンスをやったという話ですね。
 それが、七二年に角栄さんが総理になったときに道路財源は幾らになっていたか。二兆円ですよ。百倍になっているんですね。本来の制度であれば、借金を返せばいい。二十三年分かかるわけだったですね、かつては。ところが今は、角栄さんが総理のときは三カ月分の予算を配分すれば、名神、東名はそこで無料にできていたんですよ。それから先は、その非常に多い予算で高速道路、東北道だろうが何だろうが、みんな税金で一般道と一元的につくっていけば、とっくにでき終わっている。
 非常に簡単な計算なんです。先ほど岩國先生もおっしゃいましたが、今払っている料金の中身は半分以上が金利なんです。これが上がっていけば、三分の二、四分の三が金利、つまり建設に使えるお金はその逆数の三分の一か四分の一にしかすぎないよ、借金をし続けていけば真水で使える金が減るわけですから、建設は非常におくれる。
 無料化をして、これから税金を、しかもきちっと執行と実際の監視を分離して、地方に財源配分を全部してしまって、知事さんに使ってもらって、情報公開をやって、余ったお金はその県のものになるようにすれば、早く、安くつくっていく。とっくに、あっという間にあと二千キロの完成というのは、四十五年どころでなく、十年、二十年たてば、私は、無料化と同時に、先に道路ができる、必要なところは早く恐らく完成するだろう。そして今ある高速道路、全部ただですから、出入り口もいっぱいつくればいいわけですから、自由にみんな商売をされれば、どんどん観光だって何だって豊かになっていくということが起きる、その県がすべて豊かになっていくということになると思います。

○高木(陽)委員 さらに続きまして、今、これまでの参考人の質疑、午前中もやりましたし、先週もやりまして、また、きのうは地方公聴会ということで公述人の方に御意見を伺ったんですけれども、いずれの方々も、道路というのは公共財であるという主張をだれもがなされていた。
 その中で、さあ、問題は、今国の方で計画している九千三百四十二キロ、残る二千キロについて、これをつくっていくかどうか。それぞれ、こういう形でつくればいいじゃないかという御意見もあると思いますし、これは必要かどうかということでまずお伺いしたいのと、そこに一気に、来年全部残り二千キロがつくれるか、そういう問題じゃなくて、やはり優先順位のつけ方というのが重要であろう。
 この優先順位のつけ方について、今回、政府案で見ますと、必要性に関する判断基準ということで、採算性、費用対効果、あと外部経済効果、料金収入を取る場合に、それだけで判断しちゃいけないんじゃないか。また、整備手法、これは有料方式か新直轄かということで判断をしていくわけですけれども、そういった点は今回の政府の方は考えているようでありますけれども、さあ、皆さんの方としてみれば、その九三四二は必要かどうか、さらに、つくるとしたらその優先順位をつけるときの判断基準はどうしていくかということを伺いたいと思います。

○寺田参考人 私は、高速道路というのは近代国家の一つのツールであって、優先順位というよりも、地域的にどこでもつくっていくべきだという考えですから、そしてネットワークをつくるべきだ。例えば明治時代、稚内まで、四十年間ぐらいでですか、すべてレールが通ったのと同じで、秋田県は明治三十八年ですからちょうど百年になりましたけれども、それと同じような考えで、やはり今の国家的な事業として、ネットワークをつくる、これは一つの国家の使命、私は純粋にそう考えております。

○広瀬参考人 私は、限られた資源の中で、やはり優先順位をつけていかざるを得ないのかな、こう思います。
 そのときに、今度はコスト・ベネフィットだとか採算性とかいうようなことで、一つの基準が議論されてきたというのは非常にいいことじゃないかな。その基準に沿って我々も道をつくってもらいたいというときに説明をしなければいけないし、立証しなきゃいけない。それができれば優先的に取り上げられるということで、議論が非常にわかりやすくなってきたんじゃないかなというふうに思います。

○野間参考人 新しく整備する道路について、その必要性について、私どもがここは必要だ、こっちは必要ないということはちょっと言えません。すべて、利用者がいる以上、必要だというふうに思います。
 ただ、新しい道路のつくり方として、今までは既存の道路のユーザーが受益者である、受益者負担だということで、ユーザーだけが負担してきたというやり方はもう破綻するのではなかろうか。やはり、先ほど先生もおっしゃいましたけれども、経済波及効果というものがあるんですから、必ずほかにも受益者がいるはずだと思います。そういう人たちから、受益する範囲で何らかの形で負担をさせる。新直轄方式というのはそれの一つのあらわれ方かもわかりませんけれども、そういう形で持っていかざるを得ないのではなかろうかと思います。

○山崎参考人 私は、ネットワーク効果というのは自動車の場合不可欠ですから、人がいない地方に道路をつくっちゃいけない、そういう考え方でやっていたらいつまでもこの国の過密過疎の問題は終わらないというふうに思います。ですから、ネットワークは一日も早く完成させるべき。
 ただ、十七年前のこの九三四二キロ、今でもそれが現実的なのかどうかということは見直しをしていただきたいんですが、私は、ここでの一番大事な問題は、地方の本当の本音を引き出して、早くつくる、安くつくる、節約する、合理的にやる、それを引き出すシステムをつくらない限り、これは中央も含めて、これが早くできるということはないんじゃないか。
 つまり、無料にして例えば出入り口をいっぱいつくれば、並行してつくるバイパスなんか要らなくなるわけですよね。あるいは、あるところは三セクの鉄道にお金を上げた方がいいかもしれない。そういった本音は、お金を定額を知事さんなりに上げて、その範囲でつくりなさい、余ったらあなたのものですよとやってあげたら初めてオーケー。
 そして、もう一つ大事なことは、ほかの国では、いわばディベロッパー、ゼネコンのような仕事は民間がやっているわけですから、ちょうど大蔵省も銀行行政を、金融とそれから財政で分けた、それでやっとまともになってきたのと同じように、国がやるのは執行の監視、情報公開、実行するのは知事さんというふうな形にしていけば、しかも余ったお金は自分の県で使いなさい、そうやってやれば初めて、どんどん早く、安く、余るように、そして介護とか教育に使うように、観光に使うように、農業に使うように、賢い知事さんはどんどん動く、それを一から四十七まで知事さんをランキングすればいいじゃないですか、知事の格付をやればいいじゃないですか、私はそう思っております。

○高木(陽)委員 山崎参考人のお話を聞いていると、どんどん勢いがあるなという感じもいたしますし、だれもがやはり道路は無料であればいいと思っていますし、無料の方がいろいろな効果としてはある、これはだれもが思っていると思うんです。
 今回の政府案の民営化法案というのは、やはりどうしても、現実の問題としての四十兆の借金と、今現在、道路特定財源を抱えている中で、これは高速道路だけつくっていれば問題はないと思うんですね。一般の道路また地方道、これもいろいろな、それぞれの負担を割合を持ちながらやってきている、こういう現状があると思うんです。
 そこで、まず山崎参考人にちょっとお伺いしたいのは、これは素朴な疑問として、無料化をした場合に、ここ数年間特にずっとふえてきているETCの問題ですね。ETC、それぞれの料金所というところにこの設備をつくりながら、または各ユーザーの方も導入しながらやってきている。無料化をして料金所は要らなくなるわけですから、その場合には、ETCは、今まで投資した分はこれはなしにするのかどうか、この点についてどうでしょうか。

○山崎参考人 ETC全体に国民あるいは政府がかけているお金、ちょっと私幾らなのかはわかりませんが、無料化のメリットとそれをやはり比較考量すべきではないかなと思います。
 やはり、先ほど、アメリカの例でいいましても、高度成長の、経済成長の三割です。例えば、私が住んだカリフォルニア、鉄道なんかないんですね。それが今フランスと同じGDPになった。
 例えば木更津で考えていただきたい。アクアラインがただになったら、一坪五万円の木更津の地価は、多分浦安と同じ一坪百万ぐらいになるでしょう。そこから例えば固定資産税で回収できるだけでも、これは全国でこういうことが起きるわけですから、税収としても十分。ということは、買ったETCを買い取ってあげても、国家にとっても個人にとっても十分おつりが戻るであろう。
 ただし私は、あとは意見としては、首都高速なんかは当面、特に入ってくる方は、流入車両については、ETCを使ったロンドンなんかでやっているいわゆるロードプライシング、込んでいるときとかあるいは排気ガスの多い車には多く課金をするということに、限定的に、ちょうどニューヨークでもマンハッタンに入るところだけは取る、ほかは全部原則無料なんですが、そういう首都圏の混雑緩和のために短期的に使うのには非常にいい道具になるのではないかなとは思っております。

○高木(陽)委員 またさらにちょっと山崎参考人にお伺いしたいのは、先ほどからのお話で、特定財源を返済もしくは高速道路の新規建設に充てていけばいいというような御意見だと思うんですけれども、正直、現在約六兆弱の特定財源のうち国が使えるのは三兆、地方の方は二兆六千億ですか、という形で、きのうの大分の地方公聴会でも、一般道路、いわゆる市町村道または県道、県道なんかでも片側一車線、いわゆる都合二車線だったらまだいいんだけれども、すれ違えない、一車線のところもまだあるんです。そういった部分では地方の道路というのはまだまだやらなければいけないので、この道路特定財源、これを削られると困る、こういう言い方をされる意見もございました。
 実際問題、地方に行けば行くほどそういった現実の問題というのはあるんだろう。そういう中にあって、それぞれの地方道の建設、または維持補修をやっていかなければいけないという現実で、では国が今使える特定財源の三兆円、このうち、国道の方も直轄でそれぞれ事業としてやっていて、例えば直轄事業一兆五千億円、それ以外にも補助金として渡しているものもございますので、純粋に国が使えるのは、二兆円のうち、直轄事業一兆五千億円、それ以外に、例えば今渋滞解消のための踏切の解消ですとか、そういうものにも四千億円投入している。
 そうなってきますと、果たしてどこからそれを借金に返していくのか、どれだけ新しい新規高速道路建設に使っていくのか、どこかが痛みを伴わなければいけないんでしょう、こういうふうに思うんですね。その点についてどういうふうにお考えか。

○山崎参考人 私の配付させていただきました資料二十六ページをごらんいただきたいんですが、日本で道路特定財源六兆円という言葉がよく言われるんですが、果たして自動車ユーザーが払っている税金は六兆円だけですかということなんですね。
 ここでごらんいただきたいのは、普通税というので例えば自動車重量税、何か特定財源のように聞こえるんですが、自動車税、実は、これは一般財源に組み入れられて、しかし、ほとんどが道路に使われている、実質道路財源なんですね。自動車を買ったときの消費税もそうなんです。ですから、これは年間九兆円もあるというところをまず押さえていただきたいということと、先ほども言いましたように、このお金が、高速道路ユーザー、特にトラックなんかが払っているのは非常に大きいんですが、三兆円近くあるのが高速道路に使われておらないというところが、この国の制度はほかの先進国の制度と非常に異なっている。
 だから、高速道路で税金を払っていないのにいわばただにしろと言ったら、それは虫がいいねという話になりますが、何とその三兆円近いお金は全然使ってもらえなくて、そのほかに二・六兆円とかを払わされているわけですから、これは明らかに二重取りでしょうというお話をまず第一点は押さえておきたい。
 それから二番目、世界の各国と比べて、二十五倍の国土があるアメリカと同じぐらいの道路予算をとっていて、これで足りないと言うんですかというのが、この九ページのお話でございます。ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、欧米の四大国の予算の合計の二倍を使っていてそれでお金が足りない、なぜだろうかというところから考えていただきたい、我々納税者としては。
 例えば一般競争入札。なぜ地方の方が三十三億円以上でいいのか、国が六億円なのに。セメント袋一つから競争入札にしていただいて、すべて情報公開することで三割ぐらい減るだろう。私は、ゼネコンの友達から聞いた発言なんですが、実際にかかっている金の倍ぐらいチャージするよ、それでも十分金をくれるから。そこを直していただきたい。
 ただ、直すには善意を期待してもしようがないんですね。道路予算を減らして出世できる道路官僚はなかなか霞が関にはおらないと思います。なぜ地方に回した方がいいのかという話なんですね。
 地方で、そのお金をいわば交付金に近い形にして、鉄道にも使える、あるいは余ったらその県でほかの目的に使えるようにしたら、これによって要はその県知事さんは人気が出てくればまた当選される、そういう政治メカニズムの中で初めてきちっとしたお金の使い方がされるんじゃないだろうか。そのために情報公開を徹底することを国がやる。
 この税金は、すべて国が決めている法定の税金でございまして、条例ではありませんから、これは先生方がお決めいただける問題だと私は思っております。

○高木(陽)委員 今の御指摘で、入札の問題、またコスト削減の問題、これはまさにそのとおりだと思うんです。これはしっかりとメスを入れなければいけないですし、二年間の道路公団民営化論議の中で、コスト削減というのをかなり強烈に言われる中、また民営化委員会自体が公開される中で、いろいろな、例えば二百五十万円の電話だとかが明らかになってきて、そういうものにメスがどんどん入ってきて、今回、新規建設について当初二十兆円でつくると言っていたのが十兆五千億で、こういう話にまでなってきました。やはりそれはやらなければいけないと思うんです。
 ただし、その前段の、第一項目の三兆円のお金ですね。これも実際問題、今むだに使われているのではなくて、道路について、軒下の道路ですとかそういったものに使われているわけですね。
 さあ、問題は、ここで、そういった今使われている部分、これももちろんコスト削減はしなければいけないと思いますけれども、そういった地方で使われている部分も含めて、限られたお金の中でやるとなると、どこかしらやはり痛みが出てくる、削られてくるということに関してお二人の知事にちょっとお伺いをしたいんです。
 新規建設、高速道路、自動車専用道路、これはこれで必要である、これはもうだれもが言っている。その一方で、今の山崎参考人の御意見、また民主党の案等々見てみますと、どうしても今ある枠の中で使わざるを得ないといったときの、地方がどれだけ痛みに耐えられるのか、こういう部分についてどうお考えか。知事お二人にお伺いしたいと思います。

○広瀬参考人 大分県の場合、今度、社会資本としての道路の整備というのは大変おくれていると思いますけれども、それでも道路関係の予算は、大変財政が厳しいものですからやはり七%ぐらい全体として削らざるを得なかったというような状況であります。したがって、相当効率的にやらなきゃいけないということで、路線の選択それからコストについても相当切り詰めているつもりです。それでもそっちの方、着実に一般道路の方はやっていかなきゃいけない。そういう中で高速道路の整備ということについても思いをいたさなきゃいかぬ。
 高速道路については二つ問題があって、一つは、これまでの四十兆の借金を返していくということ、それからもう一つは、新規に道路を整備していくということが必要になるわけです。したがって私は、無料化ということができればそれにこしたことはないんだけれども、無料化をしてこれまでのペース以上に借金を早く返し、そして新規の整備を着実にやっていくということができるものかどうか。むしろ、それができないからこそ、有料化も維持しながら、それ以上に、その借金を返すようなお金があるのなら、ぜひそれをまた新規の計画的な造成に使ってもらいたいというような気持ちであります。
 そこのところが、無料化をして借金の返済とそれから新規の整備というのがよりスピーディーにできるということがよく理解できないんです。むしろ私は、有料化プラスこれまでどおり税金を投入してもらいたいというふうに考えております。

○寺田参考人 これからの時代は、このとおり財政的にもタイトであるというのは国民もよく承知しております。あれもこれもという時代じゃなくて、どれが優先度があるかという形になってくると思います。そういうことで、私は高速道路に道路特定財源を割り当てるべきであるというのは、率直にそう思います。
 現在、秋田県の例をとりますと供用率六〇%なんですが、その六〇%よりも、大変危険な、安全性の問題で一つお話しさせていただきます。
 あちらに日沿道という、七号線ですか、ありますけれども、これは道路一本しか通っていません。この道路が冬期間でも、例えば凍って車がスピンした場合は何時間とか、何かのことで土砂災害とかがあった場合は、あとはここは全部、この辺は動きがとれない。
 ですから、先ほどから何回も申しましたように、バイパス的な、要するに自動車専用道路だということですから、恐らく地方は、東北地方の横断道関係はほとんどそのような形が多うございまして、私は、ですから、優先的に進めるべきだ、そう思っています。
 また、無料化とかそういう問題での話になりますけれども、今の四十兆円のものを新しい会社が進めて、将来国民負担をさらに増すというような形が懸念されるじゃないのか、私は懸念します。だったら先送りせずに今解決すべきで、この案を自民党が出していたら、無料化を自民党が出していただければ話が決まったんでしょうけれども、どうも野党の方から出たんでいろいろ苦労しているようなんですが、それは恐らく、そんなことを考えるより国益を考えてやはりやっていただきたいな、率直にそう思います。

○高木(陽)委員 高速道路の問題というのはどうしても、大きな話ですから、金額も大きいですし、本当に、山崎参考人も国家百年の大計、こう言われて、まさに国の重要な問題なんですけれども、どうしても特定財源だとかそういった問題に、これも触れていかなければいけない問題ですけれども、どうしても一人一人、もっと言ったら地域ごとの道路というのが、いわゆる生活道路または災害においての避難をするための道路というのが重要になってくると思うんです。
 特に、私は東京なんですけれども、東京というのは道路があるようでちゃんとした道路がない。私の住んでいる多摩地域というのは、いわゆる片側二車線の南北の道路というのが環状八号線から十六号線までの間、いわゆる三十キロ、四十キロぐらいですかの間に一本もないんです。これがもし震災が起きたときにどうなるんだろう、こういう問題があります。
 また、私の地元である八王子というところも、五十三万の都市でありながら、駅に出るまで、いろいろな東京都道が放射線であるんですけれども、そのちょっと奥の方、片側一車線の道路でバスがもう渋滞というか、とまっちゃって、これは笑える話なんですけれども、通学の高校生がバスが全然動かないんで、おりるんですね。ずっと歩いていって、前のバスにまた乗るんです。これができるような、駅に出るまでが一時間かかってしまって、駅から電車に乗って二十分だとか、こういう実態が東京都内でもある。
 そういった道路のことを考えると、まさに本当に道路特定財源の使われ方というのは、高速道路はもちろん視野に入れなければいけないと思うんです。今回の政府案では新直轄方式という考え方を持っていますが、一般の道路等含めてしっかりと論議をしていかないと、どうしても、高速道路だけできたはいいですけれども、その地域の道路が、いや、これは地方だけではなくて、あらゆる町で同じような問題があるのではないかなと思いますので、ここら辺も含めてしっかり議論を尽くしていかなければいけないなというのをきょうは実感をしながら、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

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