会 議 録

第159回 衆 「国土交通委員会」 23号
2004/5/21

望月委員長代理 高木陽介君。

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 本日は、建築基準法等の一部改正案、質問させていただきたいと思います。
 まず、我が国の総世帯数四千四百万世帯に対しまして、約五千万戸の住宅が存在する。量的な住宅不足というのは解消しているんですけれども、例えば中心市街地において、既存の建築物、この床がいわゆる余っているですとか、また、都市に多数存在しておりますので、我が国の建築物に関する状況というのは、フローの時代からストックの時代への転換点であるというふうに考えられると思います。
 また、少子高齢社会が進展しておりますので、例えば二〇一〇年代の半ばには総世帯数が減少に転じていく。こういう世代構造の変化に伴いますと、住宅の新規需要の低下が見込まれる一方で、環境問題の対応の必要性の高まりを背景として、例えば建築物の長寿化を図るべきという時代の要請もある。こういうことから、やはりストックの時代であると考えられます。
 この建築物のストックを見ますと、建てかえにはまだちょっと早い、ただ、一定の改修が必要な建築物、これは全ストックの四割を占めていると言われておりますし、今後のリフォーム市場の拡大ということを考えますと、我が国の経済の活性化の観点からも大いに期待されるところでもあると思います。
 その上で、東京や大阪などの大都市においては、あいているスペースが多い業務ビル、これを住宅に転用していくですとか、また、地方都市においても、空き店舗などを転用して、地域固有の文化的な資源、その活用など新たなニーズに対応していくといった取り組みがされているというふうにも伺っております。
 このようなストックの時代に、建築物の改修や適切な維持管理が重要となってまいりますけれども、建築物のストックの中には、そもそも現行の最低基準に適合していない古い建物、これが膨大な数で存在しておりますし、また、そうした建築物には、竣工後に建築規制が強化され、場合によって現行基準に不適合になってしまった、こういうような建物も数多くあると思います。
 このいわゆる既存不適格建築物だけではなくて、竣工時点から最低基準を満たさない違反建築物もやはりあるということで、こうした最低基準にも満たない建築物のストックの安全性の確保については、特に、これは先ほどからの御質問でもありましたけれども、地震災害を初めとする災害、事故等の切迫性の高まりを考えますと、適切な改修や維持管理、これが進められるよう早急な対応を講じなければならない、このように考えております。
 そこで、この建築物の安全性の確保に関して、ストック対策についてどのようにお考えなのか、まず局長にお尋ねしたいと思います。

○松野政府参考人 建築物ストックの現状でございますが、御指摘のございました耐震のことで考えますと、耐震基準につきましては、全住宅四千四百万戸の約三割、千四百万戸程度、それから、非住宅建築物三百四十万棟の四割程度の約百二十万棟、これが既存不適格ではないかと推計しております。また、防火避難基準を満たさない三階建て以上の建築物も約十万棟残っているのではないかと推計しております。
 この既存不適格建築物は、このまま放置いたしますと、仮に平成七年の阪神・淡路大震災の規模の地震が発生したとすれば、再び大きな被害の発生が予想されるというところでございます。
 現行の既存不適格建築物制度は、規制強化時に既に存在する、または工事中の建築物に対しては新基準への適合を求めない。ただし、増改築をする場合には直ちにすべての最新の基準に合わせるという原則でございます。
 しかしながら、ストックの有効活用が進められる中、即座にすべての基準への適合を求めます今のルール、これでは増改築が先送りされてしまうということが間々起こります。結果として、問題のある建築物が多く残ってしまうということが懸念されます。
 そこで、今回の改正では、増改築をする際に全体計画を立てていただいて、段階的に改修をする、そういった一定の合理化をする。あるいは、放置すれば大変危険な状態になるのではないか、そういうおそれのある既存不適格建築物については、これを前もって予防的に特定行政庁が勧告する、もしこれに従わないというケースには是正命令まで行うことができる制度を創設するといった改正を行っていきたいと考えております。
 もう一つは、ストックの法令遵守の徹底ということで定期報告制度がございますが、この定期報告制度がなされていない場合にも、現在は認められておりませんが、立入検査をできるような監督権限の強化も図る。
 それから、法人罰でございますが、命にかかわるような違反がある、特に多数の者が利用する建築物にそういった違反がある際に、その違反是正命令に反するという場合には最高で罰金を一億円に引き上げるというようなことによって法令遵守を徹底させる、こういったことを措置させていただこうとしているわけでございます。
    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

○高木(陽)委員 今いろいろな対応策をお話しいただきましたけれども、例えば阪神・淡路大震災で倒壊した建物、そのうち九四%が耐震基準を満たしていなかった、こういうデータもありますし、また、東京でも、平成十三年九月一日に、新宿歌舞伎町で雑居ビルの火災があって四十四人が亡くなるだとか、これも防火避難に関する最低基準を満たしていない。こういった問題等々、これは最終的には命にかかわる問題でございますから、この点についてはしっかりと指導していっていただきたい、このようにも思います。
 次に、建築物のストック対策に関連し、消費者とのトラブル、これもあると思うんです。これについてお伺いしたいと思います。
 今回の法案で、予算面において耐震改修補助制度の充実、こういったことをやっていますけれども、それ以外に、老朽住宅に住むお年寄りは地震への備えなど不安を持っているわけですね。私たちも持っているんですけれども、特にそういう高齢者に対して、いわゆる点検商法などと呼ばれる悪質な商法が横行していると言われておりますし、中には、国交省のパンフレットを使っていたずらに住宅所有者の不安をあおる、高額な補強金物を販売したりする、こういうトラブルも発生しているというふうに聞いております。
 今回の改正を契機に、耐震性の向上を国民の意識に根づかせていく、これはこれで重要でありますし、国民に信頼される形で耐震改修を進めること、これを進めていかなければならないと思います。しかしながら、今指摘させていただきましたように、耐震補強をめぐる消費者のトラブルについて国交省は実態を把握しているのかどうか。また、このようなトラブル防止のために、高齢者または消費者保護の観点からどのような対策を講じているかということについてお伺いをしたいと思います。

○松野政府参考人 耐震補強に関するトラブルの全体を把握することはなかなか困難ではございますが、住宅の改修に関する相談が平成十三年には全国の消費生活センターに約九千件寄せられているということで、数多くございます。その中には耐震補強に関するものがかなり含まれているということが報告されております。
 相談内容としては、いわゆる点検商法と呼ばれる悪質な営業行為でございまして、地方公共団体や、今お話がございました国の機関と紛らわしい名称あるいはパンフレットを使用するとか、そういったことで営業している。それから、各住宅を訪問して、かなりいいかげんな耐震診断を行って、技術的根拠もないまま危険であると伝え、所有者の不安をあおって高額な補強工事を行ったり補強金物を販売したりするといったトラブルが報告されております。
 これに対応することでございますが、国土交通省といたしましては、広報を通じまして住宅の所有者等に対する注意喚起を行う。地方公共団体等における耐震診断、改修に関する相談窓口を設置していただく。それから、技術者の育成、工務店等の関係団体と連携した促進体制の整備の支援。耐震診断、改修のための技術指針の公表、普及などに取り組んできております。
 公共団体でも、これを受けまして、現在、すべての都道府県において相談窓口の設置がなされているところでございまして、今後とも、こうしたことで住宅の所有者が安心して耐震診断、改修を依頼できるような環境づくりを進めてまいりたいと考えております。

○高木(陽)委員 消費者というのは、住宅の情報、特に耐震の情報というか、どこで安全なのか、どこで安全じゃないのかというのはなかなか素人としてはわかりづらい。だから、そこにつけ込むというところがあると思うんですね。そういった部分での、先ほど窓口だとかありましたけれども、一般の人たちがすぐに確認できるようなシステム、またはそれをしっかりと普及していくシステム、これもしっかりと今後促進していただきたいということを要望したいと思います。
 次に、マンション対策との関連についてちょっとお尋ねをしたいと思いますが、二年前、マンション建替え円滑化法、この制定に当たりまして、公明党も、マンションのデータベースを充実させていくべきだ、こういう重要性を指摘させていただきました。
 例えば、東京都におきまして、建物の共用部分の性能と管理の両面で一定水準を確保している分譲マンション、これを登録表示する優良マンション登録表示制度、これは平成十五年の四月からスタートさせ、データベース化を積極的に進めておりますけれども、今回、建築基準法の改正によりまして、定期報告、これがきちんとされるようになって、その情報公開が進めば、定期報告の対象となっているマンションについてもストック情報が蓄積されていくわけですね。これはマンション対策の視点からも大きな意義があると思うんです。
 そこでお尋ねをしたいと思いますが、建築基準法の定期報告の結果を活用することによりましてマンションのデータベースを充実させていくべきではないかと考えますけれども、これはどのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。

○松野政府参考人 平成十四年十二月に、マンションの建替えの円滑化等に関する基本的な方針というものを定めたわけでございますが、国及び地方公共団体が取り組むべき事項として、マンションのデータベースの整備というのを掲げております。地方公共団体に対しまして、データベースの整備をお願いしているところでございます。
 現在の整備状況でございますが、マンション建てかえ事業の認可を所管いたしますのが、都道府県のほかに政令市、中核市及び特例市がございますが、こういった公共団体では、全国的に平均いたしますと五八%、それから、老朽マンションの特に多い三大都市圏では六七%の公共団体が作成済みという報告を受けているところでございます。さらに、今後作成予定というふうに回答のあった公共団体を含めますと、全国、三大都市圏ともに八三%になるということでございます。
 御指摘のとおり、データベースを作成する上で、今回提案申し上げました基準法における定期報告制度の充実ですが、閲覧ができるような制度になるということで、これは、例えばマンションの建築年月日、増改築の経緯それから基準法への適合状況、こういったことがこの閲覧によって容易に把握することができるということで、これは極めて有効であるというふうに思います。
 特に、建築基準法サイドとそれからマンション建てかえの窓口の公共団体の中でうまく連携をとっていただいて、定期報告結果の閲覧制度を活用していただけるように働きかけてまいりたいと考えております。

○高木(陽)委員 次に、斜面地のマンションについてお伺いしたいと思いますが、先ほど葉梨委員も御質問され、住民であるというお話もございましたけれども、斜面地のマンション、実は、新聞、テレビ等でも話題となりまして、その横浜の居住者の方が私のところにもいろいろと相談に参りました。
 その当時は、やはり法的にはどうしようもない部分もございまして、今回改正に当たるわけですけれども、マンションのそういう地形の利用、容積率等の緩和等々で地下室住宅ということでつくるのはいいんですけれども、逆にそれが悪用といった部分までいくんではないかなと思われるところも多々あったと思うんですね。
 低層住居専用地域の閑静な住宅街に住んでいる、そういう価値があるということでそこに住み始めた。ところが、目の前に十階建てのマンションができてしまった。これはこれでいつもトラブルのもとなんですけれども、今回の改正によりまして本当に斜面地のマンション問題というのは鎮静化するのかどうか。素朴な質問でございますけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。

○松野政府参考人 問題となっておりますのは、五年ほど前から横浜、川崎など大都市で、しかも低層住宅地の非常に環境のいいところの傾斜地、特に急斜面、これを利用いたしまして、盛り土をあえてする、あるいは地盤面をかさ上げするということで地下部分をふやすという非常に極端な形で地下室の容積不算入措置を利用するということで、下から見ますと巨大な中高層建築物のような外観になるということで、住環境の悪化を招くといった事例があるということです。
 今回、基準法改正で、地方公共団体の条例で、特に地盤面の中でも容積不算入することのできる地盤面、これを条例で決められるということでございます。
 これを、例えばですが、敷地のかなり低い位置に定めるということをしますと、それ以下でなければ不算入措置が受けられないということで、実際に相当低いところに地下室を本当に設けなければいけないということになりまして、これも、不算入措置が容易に受けられないというかなりの制限になります。
 こういった結果として地下室に係る容積率緩和が適用されないケースが出てくるということで、現在のメリットが相当減少するという結果に、その場所はなります。その結果として、斜面地に建築されるマンションは減少するのではないかというふうに考えております。

○高木(陽)委員 時間も参りましたので、最後の質問にさせていただきますが、今回の改正で導入される特例容積率適用地区制度、これは、従来、商業地域で認められていた、容積の移転が可能となる特例容積率適用区域、これを商業地以外に認めようというもので、これはこれでさまざまなメリットはあると思うんですけれども、防災という観点はいいんですが、それとは別の、この制度の活用の仕方によりまして、周辺の空き地等、未利用容積を集めて、これを使って大規模なマンションを建設することも可能だと思うんですね。
 この制度の導入による大規模マンション等の建設によりまして、周辺との紛争、さっきは地下室のマンションでしたけれども、今度は特例容積率適用地区制度、こういう新たな制度の中で大規模マンションができた場合、周辺地区との紛争を懸念されると思いますけれども、どういうふうに対応しようとしているのか、最後にお伺いをしたいと思います。

○松野政府参考人 特例容積率適用地区制度でございますが、都市計画の手続によって定められるということでございます。その特例容積率の指定を行う際には、複数の敷地に適用される特例容積率の総量の範囲内で、高低差をつけるといいますか、そういうことでございます。
 しかも、特例容積率を利用して建築される建築物も、通常の斜線制限あるいは日影規制、こういった形態規制を適用するということにしておりますので、通常の建築物と比べて、採光でありますとか通風、日照といった面で市街地環境への影響が大きくなるということはないと思います。
 それから、もし市街地環境確保の観点から必要な場合は、高さ制限も今回の制度では決めることができるという制度にしてございます。
 こういったことも可能な制度でございますので、周辺との紛争が起きるような運用がなされないようなことになるというふうに我々としては考えております。

○高木(陽)委員 終わります。

 

 

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 本日は二回目の質問となりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最初に、地価の動向についてお伺いをしたいと思うんですが、最近、一部に明るい兆しが出てきていますけれども、やはりバブルが崩壊してから、全国平均で見れば地価は十三年連続で下落している。
 この下落、バブル崩壊直後の下落の傾向と最近の下落の傾向、これは少々特徴や要因は異なると思うんですね。
 バブル崩壊直後というのは、経済の基礎的条件を超えて高騰した地価が利用価値を反映した価格へ収れんする、いわゆる異様に高くなり過ぎたということで起きたものではないか。
 近年は、大体平成十年以降になりますか、地価下落は、悪化した企業の経営の改善、産業構造の変化、九〇年代に急速に進んだ国際化、情報化、社会経済の変化、そういったものによりまして土地の需要構造も変わってきた、こういうことが背景にあるのではないかと考えられています。
 そこで、まずお伺いしたいのは、バブル期以降、これまで土地政策として、いわゆる政府としてとってきた諸政策の評価を踏まえまして、今後の土地市場の活性化をさせるための方策、これをどのように考えているか、まず大臣にお伺いしたいと思います。

○石原国務大臣 大変基本的な問題でございますので、私から御答弁をさせていただきたいと思いますけれども、やはりバブル期の地価高騰について、当時の政府としては、この抑制を図るために、金融面での蛇口を絞る、あるいは税制、短期の売買に際しての譲渡益課税の強化を図る、さらには土地取引規制などの総合的な政策を実施いたしました。これらの施策の結果、異常な地価高騰の抑制に一定の効果があったということは事実だと思います。
 しかし、その一方で、バブル発生とその後の崩壊というものが、個人が所有されている資産価値の減少、あるいは企業のバランスシートの悪化、土地利用の混乱などなど、長期にわたりまして日本の経済社会に対して深刻な影響を与えたということもまた事実だと私は思っております。
 このような中、先ほど来お話をさせていただいておりますように、ことしの公示地価を見ますと、地価動向に変化の兆しが見られる。私は、ある意味で潮目に差しかかっているように思っております。こうした動きを確実にして、この資産デフレというものを克服していくために、国民生活や企業活動に不可欠な土地、大変日本は狭小な国土の中での土地というものでございますけれども、その資産について、税制を含めまして今後の政策のあり方を、私は、再構築する、また再構築をしてもいいときに来たんだと確信をしております。
 これまで、土地への需要の拡大と土地市場の効率化の両面にわたって施策を展開してきたことは、もう専門家であられるところの高木委員は御承知のことだと思いますが、具体的に、若干御説明をさせていただきますと、都市再生やまちづくりへの取り組みの支援、あるいは土地税制、住宅税制の見直し、これはローン控除等々でございます。あるいは規制の緩和、また、新しいところでは不動産の証券化等々の推進に取り組んでまいりました。
 これからは、やはり北は稚内から南は石垣まで、各地方都市の再生の推進や証券化の市場の拡大、こういうものに取り組ませていただきまして、中長期的な視点から、あるべき税制、土地税制についても、今バブル以前の水準に全部戻ったからこれでいいんだという意見が一方にあるんですけれども、私は、これから十年後、二十年後の税制のあり方というのは今のままでは決していいと思いませんので、そういうところまで踏み込んだ議論を深めてまいりたい、こんなふうに考えております。

○高木(陽)委員 今、最後に大臣、土地税制のことをずっと触れられました。ようやく経済の明るい兆しが見えてきた、デフレからようやく脱却、まだしていませんけれども、していこうとするこの段階にありまして、もう一押しやっていかなければいけない。
 そんな中にありまして、昨年もそうですけれども、税制改正、いつもやるたびに、この土地税制が俎上に上って、なかなかこれが、前進はしているんですけれども、一気に活性化にまで至っていない現状がある中で、今力強いお言葉もございましたので、今後もしっかり努力をしていただきたいということを御要望申し上げたいと思います。
 その上で、地価公示の問題で、国民が取引をする際に、信頼できる地価に関する情報、これは限られているわけですね。このような中で、地価公示というのは一つ重要な役割を担っている。
 その中で、今回、都市計画区域外でも都市的な土地利用が進んで取引が見られるようになっているところで、地価の動向を把握しよう、これ自体は評価できるんですけれども、今後とも、必要とされる地域で地価公示をしっかりやっていただく。これとともに、一方で地点がふえていくわけですね。これはどうかなとも思うんです。
 というのは、全国的に見ますと、土地の取引件数はまだ減っているわけですから、効率化というものも図っていかなければいけない。都市計画区域外を対象区域にしていく中で、公示地点の配置について、今度は都市計画区域内、または区域外でも、調整して地点がふえないように、ふえればふえるほどそれだけ効率化にならないわけですから、この点についてどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。

○伊藤政府参考人 今般、都市計画区域外を地価公示の対象にしていくということを改正をお願いしておるわけでございますが、委員御指摘のとおり、地点をむやみに、今地価公示、三万一千余の地点を標準地としてやっておりますが、この地点を区域を拡大することによって無制限にふやしていくということは考えておりませんで、私どもとしては、効率的に地点を配置することが必要だというふうに認識しております。
 また、そのやり方と具体的な地点の配置につきましては、従来の地価公示との連続性にも配慮しながら、極力、既存地点を集約、再編することで、全体として効率的な地点配置を目指したいと思っております。また、先ほども申しましたように、従来の地価公示との経年変化という連続性の問題もございますので、その配置につきましては、順次計画的に、ある一定の期間をかけてやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

○高木(陽)委員 もう一点、地価公示についてお伺いをしたいんですが、せっかく提供した情報を、これも国民に活用されて生きていく、利用されない情報は意味がないわけですから。
 この地価公示について、先ほどからいろいろと御指摘もありました、その実勢を反映していないのではないかと。もう一つ、そういった観点の中で、活用してもらうために、公示価格への信頼というものが必要になるわけですね。
 そこで、適正な評価に努めるものはもちろん、その評価の過程、これが重要になってくるのではないかなと考えます。土地の値段というのはなぜこういう値段になるのかというのはなかなか素人にはわからない部分なんですけれども、地価公示を取引の指標として国民に活用してもらうためには、今回の改正による対象区域の見直しも重要ですけれども、その価格を信頼してもらえるように、評価に用いた基礎的情報、こういったものを公表していくなどの取り組みも必要ではないかと考えますけれども、この点についてはどのようにお考えか、お願いしたいと思います。

○伊藤政府参考人 地価公示を活用していただくためには、公示価格に対する国民の理解と信頼が重要であると私どもも認識しております。また、地価公示をめぐるさまざまな御指摘等もあるということは承知しておりまして、私どもはこれを真摯に受けとめて、改善すべき点は改善するという考え方で基本的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 そういう観点で、地価公示の実際の評価のやり方ということで申しますと、公示価格の評価、判定に当たりましては、できるだけ多くの取引事例等を収集した上で、実際のデータをもとに、取引事例比較法、収益還元法等の不動産鑑定評価の手法を用いて行っております。そういうことで、市場の実勢をできるだけ反映するように努力しているところでございます。
 しかしながら、結果だけということではなくて、委員今御指摘のように、そのような結果を出した説明責任を果たしていくということは、またこれはこれで大変重要なことだと思っております。
 そのような観点から、説明責任を果たし、透明性を高める観点から、平成十四年から私ども始めておりますが、公示価格の判定の基礎となった鑑定評価書の記載事項について、その一部を国土交通省の窓口で閲覧できるような、そういう措置も講じたところでございます。
 また、これらに加えまして、本年三月十九日に、これは規制改革・民間開放推進三カ年計画ということで閣議決定がなされてございますが、そこでは、地価公示制度のもとで基礎的情報として収集された取引価格情報というものについても、個人情報等の保護に対する国民意識にも配慮しながら、そういうことに十分配慮をするという前提でそういう情報も提供していく、そういうことについて平成十七年度には試行ができるよう取り組んでいくことといたしているところでございます。
 このような形で、私どもといたしましては、今後とも、このような取り組みを通じまして、地価公示への信頼を高めていくよう引き続き努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○高木(陽)委員 とにかく利用しやすいように、利用する人たちの側に立った観点というのをしっかりと認識してやっていただきたい、このように要望したいと思います。
 続きまして、不動産鑑定評価法の改正の方で質問をさせていただきたいと思いますが、市場の構造変化の中で、不動産証券化に伴う評価など不動産の評価については一層の正確さが求められていると思います。
 そのために、不動産の評価のプロである不動産鑑定士、これから、商業、業務ビルの収益力を踏まえた評価などいろいろな専門能力を要求される仕事になってくるわけですね。また、これから、これは午前中にも申し上げましたストックの時代ということで、中古住宅を流通させていく、マンションの建てかえを進める、こういった場面でも鑑定士の方々の活動というのが展開されるであろう。
 そのような中で、今回、試験制度を変えていく、簡素合理化をするということであります。簡素合理化する、これは司法制度改革の方でも、法科大学院の制度を導入しまして司法試験合格者をふやしていこう、こういう流れの中でありますけれども、志望者のすそ野を広げる、こういう意味では一つの大きな目的があるんだろう。
 ただ、背景として、現在の不動産鑑定士の年代構成、五十代が突出していて、二十代、三十代、若い方々が少ない。そうなりますと、若い世代が少ないというのはだんだんと先細りになる、こういうことにもなります。そういった意味で今回のすそ野を広げるという観点は観点でいいと思うんですが、もう一つ、今の時代は男女共同参画社会ということで、女性の進出、これが大きなかぎになると思うんですね。
 鑑定士に占める女性の割合というのは一体どれぐらいあるのか、まずお聞かせ願いたいと思います。

○伊藤政府参考人 現在の不動産鑑定士の中で女性の占める割合ということでございますが、平成十五年一月時点でのデータということで申し上げさせていただきますと、五十代以上、四千三百三十一人の鑑定士の方がおられるわけですが、四千三百三十一人中四十一人で〇・九%ということでございます。それから四十代が、千人中四十七人ということで四・七%でございます。それから三十代の方、千七十二人おられるわけですが、百四十六人ということで一三・六%。二十歳代が、百一人中二十人ということで一九・八%。したがって、全体で申し上げますと、不動産鑑定士総数六千六百九十六人中女性は二百八十二人ということで、パーセントの割合としては四・二%ということになります。
 以上でございます。

○高木(陽)委員 全体を見ますと四・二%。五十代以上の方々、これは仕方がないのかなという気もしますが、何で女性が少ないんだろうな、別に男性でなければいけないということもないんですが。そういった意味では、今回の改正で女性の参入ができるのかどうか、またどのような意義があるか、こういう点について、どう考えているかお聞かせ願いたいと思います。

○伊藤政府参考人 まず最初に、今回の制度のことでちょっと一言申し上げさせていただきますが、国土審議会の不動産鑑定評価部会でも指摘されたところでございますが、現行の不動産鑑定士試験の体系は複雑で、資格取得までに、仮に資質や努力、能力というものがあったとしても、それに関係なく、最短でも四年程度を要するということで、この間、社会的地位が不安定な時期が長く、また時間的、経済的負担感も大きいというようなことが指摘されてございます。
 そういう前提で申し上げますが、不動産鑑定士を目指す方の大学の出身学部というのは、多くの方の場合、法律、経済、商学といった社会科学系の学部が多いわけでございますが、これらの学部では学生全体に対して女性の割合が三〇%ぐらいということになっているわけです。最近でも、しかしながら、直近の不動産鑑定士試験の第二次試験の合格者に占める女性の割合というのは一〇%というようなことで、相対的には低い数字になってございます。
 他の国家資格と比較しましても、弁護士、公認会計士、税理士等では女性の割合が一割程度でございますが、不動産鑑定士の場合、女性の割合は、先ほど申し上げましたように四%ほどにとどまっております。
 それで、こういうことについての原因とか要因とか、これはいろいろなことがあるとは思いますが、そういう例で、平成十四年に日本不動産鑑定協会が鑑定士を目指す実務補習生に自由記載という形でアンケート調査を行っておるわけでございますけれども、そういう中でも、例えば地方在住で子供の世話をしながら鑑定士を目指すことは極めて難しいというような女性の方の意見というのもあったわけでございます。
 こういうような実態を踏まえますと、現行の制度は、家庭で出産、子育て等の役割を背負いつつ、資格取得でキャリアアップを目指そうというような女性にとって、参入の意欲をそぎ、進出を阻害する要因の一つになっているのではないかと考えているところでございます。
 今回の改正では、従来負担感が重いとされていた実務能力の修得の課程を短期集中で行うということにして、資格取得までにかかる期間を短縮するということにいたしたわけでございます。このことにより、結果的に女性にとってもより参入しやすい、そういう制度になるのではないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

○高木(陽)委員 時間も参りました。
 今、女性の問題にちょっと触れましたけれども、実務研修を短縮されて集中的にやる、これはこれでいいと思うんですけれども、先ほども申し上げました、プロとしての目ききができなければいけないということですので、そこら辺のところの兼ね合い、これもしっかりと矛盾しないようにやっていただきたいということを御要望申し上げるとともに、きょうは地価公示と、そしてもう一つは鑑定評価法の改正ということで、不動産鑑定士の資格試験のことで触れましたけれども、土地問題全体、これはやはり大きなおもしとしてまだ日本の経済にのしかかっている問題であると思います。
 先ほど大臣もお答えいただきましたように、土地税制を含めて、今後の土地問題、積極的に、国土交通省としても、政府を挙げて取り組んでいただく、こういうことを要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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