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第162回国会 衆議院会議録
2005年2月10日
衆議院「憲法調査会」2号
 
表現の自由とプライバシー権に関する意見陳述

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

本日は、国民の権利及び義務に関する討議でございますが、私は、表現の自由とプライバシー権について絞って意見を述べたいと思います。

 

まず、表現の自由でございますが、言論活動によって国民が政治意思の決定に関与するという、これは民主政治の原則から大変重要な自由である。特に、表現の自 由の中核を占める言論、出版の自由のうち、報道の自由というものは、国民の知る権利に奉仕している、また、国家権力から国民を守るためのものとして重要な 意義を持っていると考えております。

 

ただ、これまでも議論がございましたように、知る権利というものを憲法上規定して書き込んで いくのかどうかという問題に関しては、二十一条を根拠として認めて、その保障は立法作業で。私もこの方の意見にくみしている者でございますが、ただ、その 中にあって、マスメディアが巨大化をしている、また影響が増大化している、さらに、マスメディアの商業主義に流されがちな傾向というものも指摘されている 中で、今特に問題になっている表現の自由とプライバシーの権利が衝突する場面というのが多々あると思います。

 

その上で、まず公権 力に対する報道の自由というのは、国家権力から国民を守るためにはぜひとも必要なものである、その一方、私人または一市民対メディアの場合というのは、も う既にマスメディアの方が強者で一個人というものは弱者という形となっている中で、個人のプライバシー、その権利を守るために配慮が必要であるというのは 論をまたないと思います。

 

ただ、この表現の自由は、精神の自由としての二十条、信教の自由、それを担保する、またはそれをあらわしていくものとして対置しているこの二十一条でございますので、そう考えると、報道への法律的な規制というものに対しましては、私は反対をしたいと思います。

 

では、どうしていったらいいのか。表現の自由とプライバシー権、これを調和させるために、表現の自由を守り、また同時にプライバシーを守るために、これはあくまでも、やはりメディアの側の自主規制または第三者機関のチェックというものが有効であろうかと考えております。

 

ただ、自主規制といいながら、結局メディアの方はやらないではないか、こういう御意見も多々ございますけれども、やはりここは、北欧などのオンブズマン制度など、こういったことを検討しながら導入していくべきではないかと考えます。

 

も う一つ、メディアの側は、事前規制でなく事後規制でいいじゃないか、こういう言い方をしておりますけれども、裁判によって、損害賠償請求等によりましてこ れを担保しているということ、そういう意見もございますけれども、ただ、現在の裁判制度上、損害賠償請求をした場合に、個人の侵害された人権が回復されて いるかどうか、これはかなり論議が必要だと思いますし、そう考えますと、欧米で、特にアメリカであります懲罰的損害賠償の導入というものも重要な問題では ないかなと思います。

 

この懲罰的損害賠償の問題を論議しますと、メディアの方々はそれによってかなりプレッシャーがかかる、圧力 がかかっているという言い方もございますけれども、逆に、真実の報道をしているのであれば、堂々とその後の裁判でも主張をすればいい問題でございますの で、そういうふうに、圧力となるというふうな考え方は、逆に、真実の報道がなされていない、こういった懸念がなされるのではないか、このようにも考えま す。

 

いずれにしても、表現の自由というものをしっかりと守る中でプライバシーとの調和というものをしっかりと図る、これをさらに議論を進めていかなければならないというのが私の意見でございます。

以上です。

 

国会、内閣等に関する意見陳述

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

本日は、国会、内閣等に対する議論でございますので、我が党のこれまでの憲法調査会の議論を踏まえながら意見を申し上げたいと思います。

 

まず国会の問題でございますが、二院制の堅持について議論が重ねられてまいりました。この二院制を維持すべきか、また一院制を導入するべきかという問題でございますが、私は、二院制を堅持するべきである、このように考えます。

 

そ の理由については、第一に、第一院の多数派のみによって国政が専断されることを防ぎ、議会の行動をより慎重にする抑制と均衡の機能を果たすことができる、 二つ目に、議事が二つの議院によって審議されることにより、先議院での審議過程で取り上げられず、または明確にならなかった問題点を後議院が審議すること により、他院の審議を補完し、または再考を促すことができるなどといった長所が考えられるからであります。

 

党内の議論の中には、 衆議院と参議院とを合わせて一院とすべきであるという意見もありましたが、二院制を堅持すべきであるということでほぼ意見が一致を見ました。その上、両議 院の役割分担を明確にし、特に参議院の良識の府、再考の府としての位置づけを明らかにする必要があると考えております。

 

その上 で、衆議院と参議院、この議院間の役割分担として、一、参議院の行政監視機能を強化するため、衆議院は予算審査に重点を置き、参議院は決算審査に重点を置 く、二、参議院議員は、衆議院議員と比べ任期が長く、長期的展望に立った審議が期待されるため、いわゆる基本法については参議院先議とする、三、参議院の 行政監視機能を強化する一環として、国会同意人事を参議院の専権事項または衆議院の議決に優越するものとするなどといった改革案も議論されてまいりまし た。

 

また、解散制度が衆議院にしかないことなどから、原理的には、内閣総理大臣の指名や不信任の議決は専ら衆議院にゆだね、参議 院の内閣総理大臣指名権や問責決議権は本来なくす方が整合性があると考えます。また、衆議院で可決され参議院で否決された法律案に対し、衆議院で再可決す るためには出席議員の三分の二の賛成が必要であると定める五十九条二項の規定については、要件が厳し過ぎるので、再議決権の一定期間の行使を禁ずるととも に、その場合の再議決は過半数で足りることとするという意見もあり、こういった問題を今後もしっかりと議論を進めていきたいと考えております。ただし、い ずれにせよ我が党としては、参議院の影響力を弱めることがあってはならないと考えております。

 

さらに、選挙制度につきまして、現 実には一回の選挙で民意を集約することは不可能であると考えますので、多様な意見が国会の場に反映されることを可能にすべきであり、そのような観点から考 えますと、これまで三度行われました小選挙区制度、これは疑問があると言えると思います。その上、小選挙区比例代表並立制という衆議院の選挙制度には民意 の反映という点で大きな欠陥があるとも考えられ、再考の余地があると思います。さらに、参議院の選挙区選挙は、一人区もあれば四人区もあり、原理原則がな いような気もいたしますので、この点もしっかりと議論を重ねてまいらなければならないと思います。

 

我が党はこれまでも、衆議院の選挙制度については定数三で百五十選挙区の中選挙区制を提案しておりまして、定数削減及び一票の格差是正の両方、これをしっかりと視野に入れながら今後も検討を重ねてまいらなければならないと考えております。

 

続 いて、内閣についてということで、議院内閣制について、我が国では、国民が議員を選挙で選出し、その議員から構成される議会によって政府、内閣を選出さ せ、議会と政府とを一応分離した上で、政府に対して議会による民主的統制を及ぼすという議院内閣制を採用しています。そこで、今日のような連立政権のもと では、与党と内閣が一体化をし、与党の政策をより実現するように議院内閣制を運用しなければなりません。

 

イギリスの議院内閣制は政府・与党が一体化するものですけれども、連立政権と議院内閣制のあり方は、今後さらに研究課題の一つと考えております。

 

参 議院が実質的に内閣に対する不信任権を有しているのに対し、内閣は参議院に対する解散権を有しておりません。参議院議員の身分が六年間の長期安定保障であ ることとあわせて考えると、このような状況は内閣と国会との緊張関係の点でバランスを欠いているようにも考えられます。統治を行う内閣の選出の過程に国会 が位置する内閣統治論ではなく、むしろモンテスキュー的な三権分立の考え方に基づいた国会と内閣の緊張関係が必要ではないかと考えます。

 

一 方、内閣機能の強化につきまして、議院内閣制をより実効的に機能させるためには、内閣機能のさらなる強化を図り、内閣の政策統合能力をより高め、また、官 僚主導の政治システムから政治主導の政治システムへと転換することが求められております。また、ここで、内閣総理大臣個人のリーダーシップというよりも、 合議体としての内閣の機能強化、この点をしっかりと図るべきであろうと考えております。

 

また、首相公選制につきまして、この首相 公選制を導入した場合、一つ、政治的能力とは関係なく国民に人気のある者が選出されてしまうおそれ、二つ、議会とは無関係に選出された場合や、議会多数派 と異なる政党に所属する者が選出された場合には、議会の意思と公選首相の意思が衝突をし、政治システムの機能停止状態に陥る可能性がある、三、公選首相が 国民の支持を背景に暴走するなどといった危険性も指摘されております。そういった観点から、首相公選制を導入しなくても、議院内閣制を実効的に機能させれ ば内閣の政策決定能力を高めることができると考えております。

 

また、職業的政治家には政治家の、役人には役人の役割があります。 政治家の役割は、大局的な判断をし、また、国民の要望を聞き、国民に対してその結果を伝えることであります。どこまでが政治家が決めるべきなのか、この点 をしっかりと整理した上で今後この問題を論議していかなければなりません。

 

三権分立の原則との関係で、議院内閣制は立法府に、大統領制は行政府に軸足があると感じておりますので、首相公選制の導入に当たっては、三権分立との関係をしっかりと整理し、先ほど申し上げましたように、この点は導入する必要はないと考えております。

 

さらに、国民主権を実質的に深めていく観点から、住民投票等の直接民主主義のあり方、これも議論をすべきであると党内では論議を進めてまいりました。

 

以上、国会と内閣等についての論点を整理しながら意見を申し上げさせていただきました。

 

 
 

第163回 衆議院 「国土交通委員会」15号

 

 

 

 

 
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