中小企業三法の統合について参考人のご意見
高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
参考人の皆様方におかれましては、本日は、当委員会にお越しいただきまして貴重な中小企業に関する御意見を賜りましたこと、改めて御礼を申し上げたいと思います。
また、あす、当委員会におきまして中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案を審議することになっておりまして、これを前提といたしまして中小企業全般にわたる皆様方の現場の御意見を承ろうというきょうの参考人質疑でございます。そういった中で、今回の法改正に基づきまして若干御意見を承れれば と思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
まず、井上参考人と清家参考人にお伺いをしたいんですが、今回、中小企業三法を統合していこう、こういう発想なんですけれども、よく言われるよう に、この三法がなかなか使い勝手が悪い、こういうふうに言われてきたわけですね。経済産業省もそこら辺のところを酌み取って今回の法改正に臨むんですが、 我が党でも、この法律案を審査するときに、変えるということは今までのところをしっかり反省しなきゃいけない、どこがいけなかったんだ、こういうふうにい ろいろと聞きますと、やはり役所というところは、自分の失敗、失敗とは言わないまでも、まずかったところというのはなかなか認めたがらないものですから、 これは委員会等で、しっかりとこの法案の審議の中で明確にしなければいけないんですが、現場の感覚として、これまでの現行の中小企業三法というものはどう いうところが使い勝手が悪いのか、どこが悪かったのか、どこが現場に即していなかったのか、こういった点をもし御指摘をいただければありがたいと思います。
井上参考人 ただいまの御指摘は、前三法が使い勝手が悪いというようなお話がございましたけれども、私としては別に使い勝手が悪いということはなかったというふうに思っております。各三法とも非常に大事な、中小企業のためにある三法でございます。
ただ、実質的には、予算面がちょっと少ないということがございまして、例えば事業化助成、これの問題にしても、平成十六年度の第一回は五百二十二 件の応募に対して三十八件しか採択をされていない。二回目が六百十二件で四十五件しか採択されていない。一割を切っておるわけでございますよね。そういっ た点で、中小企業がいろいろと資料を出してお願いをするわけですけれども、一割ぐらいですと、よほどうまく書かないと採択をされないということが一つ大き な問題であろうかなというふうに思います。
そういった点で、この三法を新しく中小企業新事業活動促進法というふうにされるということは、これで非常に使い勝手はますますよくなるだろうという ふうに思うわけですけれども、ぜひとも、予算の面で十分な予算を今後つけていっていただく。第一年度は、新連携については四十一億ということでございます けれども、ぜひとも、そういうものを年々ふやしていけるようにひとつお願いをしたいというふうに思います。
以上でございます。
清家参考人 ただいまの先生の御質問にお答えします。
現在、国において創業や経営革新を支援する三本の法律を統合し、新しい法律を創設される予定と伺っております。これまでは、創業者には新事業創出促 進法の活用を、それから、創業した企業の研究開発を支援するためには中小創造法の認定を、さらに、企業の経営多角化等を支援するための経営革新法の認定を 受けるといった、三つの認定を受けなければ今までは進んでいないというふうに複雑な手続が要請をされております。
今度の新しい法律ではこれを一本化しようということになっておりますので、これが簡単に一応運用できるような形にぜひしていただきたい、かように考えておりますので、よろしくお願いします。
現行法の運用実態について
高木(陽)委員 今、井上参考人、清家参考人の方から、井上参考人は、使い勝手というよりもまずは予算の方だ、認定をしっかりしてその予算を拡充し てもらいたい、まさにそのとおりだと思いますし、この問題につきましては、さらに政府の方にしっかりと要求をしながら、与党としてもこれをさらに拡大させ るように頑張りたいと思います。
また、清家参考人の今御指摘いただきました複雑な手続、中小企業ですから、なかなかそれだけをやるという、手続をするだけでも結構大変なわけです ね。それを、三本を一本にするということで、一回やればそれで終わるという、まさにこういったところもしっかりと今回の法改正において確実にできるように させていきたいと思います。
それ以上に、今度は上野参考人にちょっとお伺いしたいんですが、先ほどの意見陳述のときに、今回の新しい法律の認定に当たって金融の参加のことを御 指摘されました。これは私も現場でいろいろと話をお伺いしたときに、現行三法の支援認定を受けて、金融の支援措置が適切に連動しないと。融資審査というの は金融機関独自にやるということで、別途行っておりますので、それはそれでしょう、私たちの金融機関はこれなんですよと、こういうふうになりますと、幾ら 支援認定を受けても、やはり血流であるこの金融というものがしっかりと回ってこないとどうにもならない、こういうことだと思うんですが、ここら辺、現場の 実感、またはその実態に即してお話をお伺いできればと思います。
上野参考人 先生の御質問にお答えしたいと思います。
今回の法律の中で、金融の関係のところは非常にやはり重要なところだと思うんですね。私どもも東京都の方へ経営革新支援法を御提案しました。それ で、新しい設備を買って、いい事業をして、しっかり雇用をふやして、税収を上げたいなというふうにして計画を出しましたところ、やはり政府系の金融機関か らは全然別途でお借りするような、要するに担保の問題とか個人保証の問題も当然出てくるわけですね。
そこで、私は、認定されるときに金融機関の人がやはり入っていただいて、要するに、技術と事業の評価というのは技術だけの目ききではだめなんですよ ね。その事業がちゃんとして成り立つのかどうなのかというのは、やはり金融機関の人の重要な投資採算という目で見ていただきたいんですね。その上で、今ま での認定の中に金融機関の人が早い時期に入ってくださいということが私はポイントだと思っているんですね、先生の御指摘のとおり。
そのときに、なぜそういう金融機関の人が入るかというと、そういう投資採算という面と、それから認定されたときにやはり金融がすぐ連動してくる。私 ども、物づくりで提案した場合には、すぐ材料を買ったり、それから、試作するたびにいろいろな加工をやらなきゃいけないんですね。そのときに、認定して、 期末ごろに生産した領収書を持ってきて翌年度にお金をいただくというんですと、認定されてまだ融資を受けなきゃいけないんですよ。これはぜひやめていただ きたいんですね。だから、認定されたら早くに資金の手当てがついて、早くに執行できるようにしますと、非常に早くに効果を出せるんですね。
だから、そういう面では先生の御指摘は非常に重要なことだと思いますので、ぜひお願いしたいと思っております。
政府系金融機関による貸付ニーズ
高木(陽)委員 今、金融の話にちょっと入りまして、先ほど井上参考人の意見陳述のときに、中小企業金融、特に、私ども公明党が連立与党に入っても う六年目に入ったんですけれども、連立に入ってから私どもは中小企業の問題に関してかなり強烈に政府に申し入れをしながら、政府・与党一体となって、例え ばセーフティーネット保証ですとか、または借りかえ保証制度、これは先ほどの井上参考人の陳述ではかなり評価をされておられました。
しかし、今、中小企業全体を見るとなかなか景況感は厳しいというようなそれぞれの御判断もございましたけれども、金融全体の問題として中小企業金 融、今後新たにこういうような手を打ってもらいたい、または今の現状のままでこれは何とかなっていくのか、ここら辺のところの御判断、御意見があればお伺 いをしたいと思うんです。
井上参考人 一般的な金融機関も市中の金融機関も非常に中小企業に対する手当てというものはできてきております。一件五千万というような数字で出てきておるわけでございます。
ただ、無担保無保証ということになれば非常に金利が高いということでございまして、それが中小企業に対しては非常に負担が大きくなる。今、ともかく 何とか乗り越えるためには一時的に高くてもしようがないとしても、やはり先行き景気がどれだけよくなるのか、私の感覚的にはそれほどよくはならないだろ う、現状維持ではないのかなというような感じでおりますから、そうなってくると、高利といいますか、金利が高いものに対しては非常に問題であろうかなと。
ですから、やはり政府系の金融機関が中小企業に対してバックアップをしていただくということが非常に大事であるというふうに思うわけでございまし て、ところが、平成十四年の十二月十三日ですか、経済財政諮問会議でもって、政府系金融機関の統合、廃止というような問題が出ております。と同時に、民間 に準拠した、リスクに見合った金利の設定というようなことも出てきておるわけでございまして、政府系の金融機関が、長期からだんだん短期になる、金利はフ リーになる、フリーにといいますか、高くなるというようなことになりますと、我々としては非常に厳しい環境にますます置かれるのではないかなというふうに 思います。
やはり政府系の金融機関というのはある程度固定のレートで、そしてある程度のリスクを政府系がかぶって、政府がかぶっていただくということが大事で あろうというふうに思うわけでございまして、私どもとしては、ともかく今の現状というような、維持した形で何としてもやっていただくということが大事だろ うと。というのは、企業が悪くなったときには当然市中からの金利は高くなるわけでございまして、それをバックアップしてもらうのは政府系の金融機関だとい うことではないかというふうに思いますので、その点をごしんしゃくいただき、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
創業から一貫して支援する仕組みについて
高木(陽)委員 今、政府系金融機関のことを御指摘いただきました。まさに民間の金融機関、あの不良債権問題、特に大手の方は大分よくなってきては いるんですけれども、現実問題、なかなか、民間でございますからやはり自分のことを中心に金融を考えているという現状がございますので、今御指摘の政府系 金融機関の問題もしっかりと私どもも取り組んでまいりたいと思います。
さて、今回の中小企業三法を統合するに当たりまして、創業からその後ずっと一貫して支援していこう、こういうような発想を持っているわけですけれども、特に中小企業にとってみれば、なかなか大変なのはマーケティングの部分だと思うんですね。
ここで清家参考人と、上野参考人にもちょっとお伺いをしたいんですが、特に中小企業にとってみて、販路の開拓みたいな部分というのはなかなか自分独 自でできない、だからこそ、こういった支援のための人材確保というのが重要になってくると思うんです。具体的に、人材確保、またはマーケティング支援のた めの人材確保といった場合に、どういった具体的な施策があるのか、ここら辺のところを現場の感覚からお聞かせ願えればと思います。
清家参考人 ただいまの質問にお答えします。
ただいま言われました件でございますけれども、商工会は今、商工会ネットワークをつくって、一応皆さん方に全国広く販路を開拓するような形をとって おるのが現況でございます。個々にやるというのは、零細企業ばかりのお集まりでございますので、なかなか難しいので、それを支援するのが商工会の責務とい うことで一生懸命取り組んでおります。
あとにつきましては私は余り存じておりませんので、以上で終わります。
上野参考人 先生の御質問にお答えしたいと思います。
今度の新法は、創業から一貫して支援するという、私どもにとっては、中小企業にとっては、大変いい政策が提案されているなというふうに私は認識しております。
それは、私どもは、中小企業の加工業というのが大変多いわけですよね、製品を持っている会社よりも。加工業というのは発注元から注文をいただいて加 工をお受けするというわけですね。そのときに大事なのは、今まではある会社さんとおつき合いしていればずっと仕事は来ていたというところで、長く我々は営 業ということについてはそれほど重要なことをしなくても仕事は来ていたということだと思うんです。ところが、最近、やはり発注側の方が、一社でずっと中小 企業に注文を出せるというところがどんどんなくなってきたわけですよね。
そうしますと、私どもとすれば、今までそういうふうに新規の開拓をしようという人材もなかなかやはりいなかったんですね。そういう部門のところで、 中小機構さんが、やはり販路開拓というものについての支援を中企庁さんが既につくっておられますので、私ども、そういうところにぜひ助けてほしいと。それ で、我々提案しまして、新しいマーケットについて調査をしてくださるということになりましたので、こういう支援策が既にあるものも活用し、さらに新法に よってうまく我々早く提案して、提案して採択されないとやはり発動できませんので、全国的に皆さんで、私ども、多くの人たちが参加してこの支援策をぜひ活 用していきたいなと思っています。
したがって、私どもが独自でやろうとするとやはり人材が必要になりますし、認定を受けて、こういうところのお力をかりて、より強い中小企業にしていきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
認定要件について
高木(陽)委員 あと、井上参考人とまた上野参考人にちょっともう一回お伺いしたいのは、今回の新連携の認定要件で、先ほど予算の部分と認定の部分 も井上参考人がちょっと御指摘をされましたけれども、今度のその新連携の認定要件を見る上において、中小企業側から見て、どういうところに留意をしてもら いたいのか。数がなかなか認定されていかないと、結局、制度があったとしても意味がないわけですね。どこら辺のところが厳しいのか、もしくは、こういうと ころをもう少しちゃんと見てもらいたいだとか、そういう角度もあるかもしれませんので、そこら辺のところをどのように御認識をされているのか、井上参考人 と上野参考人にお伺いをしたいと思います。
井上参考人 認定要件で一番の問題になることは、やはりこれが一つの単年度予算ということからくるものだというふうに思いますけれども、予算がとれ てから申し込み、そしてそれから審査。非常に短期間である。その締め切りについても短期間。企業庁の皆さんにもお願いして、だんだん長くはなっているんで すけれども、ともかく短期間である。ですから、私からすれば、受け付けというものはもっと前から受け付けをしておいて、その予算がとれたらそこで審査をす ぐしてもらう、そしてすぐ金を出してもらうというような仕組みにしていただけるなら、もっともっと使いやすくなるだろうということであろうと思います。
と同時に、やはり申請書類が非常に難しい、複雑であるといいますか、大変な書類を作成しなきゃいかぬ。そうすると、これは中小企業、特に小企業に とっては、それだけの文書をかえってできるのかというと、なかなか難しい問題を抱えていると思いますので、そういう点も、これは予算絡みということになる んだと思いますけれども、ぜひとも御考慮をいただきたいなというふうに思います。
以上です。
上野参考人 先生の御質問にお答えしたいと思います。
今回の中小新法につきましては、留意事項というのが私は三点ぐらいあるんじゃないかなと思っているんですね。
一つは、やはり審査するメンバーの方、それと、やはりスピードを上げて審査をぜひやっていただきたい。これが、従来、公募してから認定までにかなり やはり時間を要しておりましたわけですけれども、今回のは非常に重要な法整備でございますので、なるべくいい人材を集めてやっていただきたい。そのとき に、中小企業再生機構のような、ある意味では大変いい事例が起きておりますので、そういうような組織を早めに編成していただいて、それでしっかりやってい ただきたいというのが第一点でございます。
それから第二点は、認定された企業を、認定しておしまいではない、認定したからには、それがうまくいくようにハンズオンをする、要するに支援をする ということですよね。よくウオッチして、実際にそれがうまくいっているかどうかということを支援するというのは、非常に私は重要だと思っているんですね。
それから三番目には、要するに共同受注というような従来型のこういう連携ではなしに、何か新しいことをやりたい、そういうグループを支援するわけで すので、そのグループの中に、非常にいい技術を持っていたり、加工の技能を持っている企業が入っている可能性が非常にあるんですね。ところが、みんな優良 企業かというと、そうでもない企業も入るんです。そのときに、従来の金融支援では、それはオミットなんですね。今回の新しい法整備では、そういう技術や技 能をしっかり持っている企業がメンバーに入っていても、そのメンバーは、達成するためには非常に重要な企業であるというふうなことで認定をされるわけです から、その場合には金融支援をしっかりやっていただくということが、従来にない新しい目玉に私はなるんだろうと思うんですね。
ぜひそういうことを御配慮をお願いしたいなと思っております。
高木(陽)委員 時間が参りました。北原参考人にちょっと御意見を伺えなかったのは、本当に申しわけございませんでした。先ほどからの陳述等で御指 摘をいただきました、特に不当廉売ですとか異常な価格競争、この問題は本当に小売業にとりまして大変な問題でございますので、今後もしっかり取り組むこ と、このことをお約束させていただいて、以上で質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
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