オフィス メルマガ受付 お問合せ  
メッセージ プロフィール アクティビティ 政策 実績 衆議院会議録
第163回国会 衆議院会議録
2005(平成17)年6月8日
 
 


第162回 衆議院「経済産業委員会」17号

 

 

高木(陽)委員

 公明党の高木陽介でございます。
 大臣が参議院の本会議に出席のため退席をされましたので、当初の予定は民主党の質問でございましたけれども、与党の方でこの三十分間は担当させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  まず、今回の不正競争防止法の改正案、これは、営業秘密の侵害に関する刑事罰の強化が大きなテーマとなっておりますけれども、確かに、企業が保有している営業秘密、現在の企業は、国際競争にさらされているというか、その保護をしっかりしていくことが本当に重要であると思うんですね。特に最近の企業、特に中小企業も含めてグローバルに活動しているということで、この営業秘密を外国に持ち出される、そういうふうになって、これについてしっかりと守っていくということは本当に今回大きなテーマであると思いますが、一方で、刑事罰を導入して強化していくということでありますから、どのようなものがその対象になっているのか、これははっきりしていかないといけないと思うんですね。
 ここの基準がはっきりしていないと後々さまざまな裁判でいろいろなトラブルとなりかねないと思うんですけれども、これまでの審議、特に前回の審議でも、研究開発補助のアイデアのような個人の頭の中に入っているもの、この情報はどうなるんだとか、また、記憶力のいい人がたくさんの情報を覚えて退職したらどうなるかだとか、あと職人の体にしみついた技能、技術、コツ、こういったものに対して具体的に即した論議がなされておりました。特に中小企業にとってみますと、どのようなものが営業秘密として保護をされるのかということをはっきりわかるような基準があるとよいのではという指摘もございました。
 そこで、最初に伺いたいのは、営業秘密というのはどのようなものを指すと定義されているのか、また、前回議論になったようなことについてはどのように考えるべきか、この点を伺いたいと思います。

 

北畑政府参考人

 営業秘密の定義についての御質問でございますけれども、不正競争防止法第二条第四項に営業秘密の定義が規定されております。三つの要件が規定されておりまして、一つは秘密管理性、会社の方で秘密として管理をしていることというのが第一要件でございます。二番目が有用性、事業活動に有用なものであること。それから三番目は、非公知性と言っていますけれども、公然と知られていないもの。秘密の中でこの三つの要件を満たすものが営業秘密だというふうに定義されておるところでございます。
  最も重要なのは秘密の管理性の要件でございまして、これまでの裁判例を見ますと、二つの要件が裁判の際の判断になっていると思います。一つは、当該情報にアクセスした者に当該情報が営業秘密であることを客観的に認識できるようにしていることということが第一でございます。第二が、当該情報にアクセスできる者が制限されていること。この二つが重要なポイントだというのがこれまでの裁判例でございます。
 それから、具体的なケースについて、前回のこの委員会での御審議で出たことも含めまして御説明を申し上げたいと思いますが、御質問の中にありました、個人の頭の中だけに存在するようなアイデアとかデータ、これは、事業者が秘密として管理をしておりませんので、営業秘密に該当しないということになるのではないかと考えております。
 一方、事業者が既に秘密として管理をしているノウハウとかデータを個人が頭の中に非常に大量に、記憶能力の高い方が記憶をしておる、こういう場合には、もとのノウハウやデータが営業秘密であれば、記憶されたものも営業秘密としてこの法律の対象になる、こういうふうに考えております。
 また、職人の体にしみついた技能だとかコツというものにつきましては、その技能やコツを実際にどのような状況で管理しているかによりますけれども、一般的には、このような技能とかコツについては、事業者が秘密管理性を満たすような形で管理して営業秘密に該当するようにすることは難しい、営業秘密にならないケースが大半であろうかと考えております。
 このような裁判例における考え方とか秘密の管理性に関する要件を満たすための情報の具体的な管理方法につきましては、営業秘密管理指針を改訂いたしまして、その中でできる限り具体的に明確にしていくとともに、適正な営業秘密の管理のあり方を、中小企業も含めまして企業に普及啓発を図ってまいりたいと考えております。

 

高木(陽)委員

 ただいまの御説明で、営業秘密、この概念、考え方、いろいろと御説明をいただきましたけれども、一つのキーワードは管理ということだと思うんですね。そういった中で、営業秘密そのものではないかもしれませんけれども、一つ話題となるのは、やはり個人情報の問題も出てくるのではないかな。
 前回の質疑のときに、平井委員の方からも個人情報との兼ね合いについてかなり御質問もありましたけれども、四月の一日から個人情報保護法が施行されて、各企業、この管理のあり方についてかなりナーバスになっているんですね。いろいろなノウハウ本だとかも売れていますし、どこまで管理すればいいのか、どうすればいいのか、こういった部分もいろいろと混乱を来している現状もあると思うんです。
 そこで、個人情報と営業秘密の関係について伺いたいと思うんですが、今の説明の中で、事業者によって秘密として管理されているものは営業秘密になり得ると。一方、現実には、名簿屋さん、さまざまなところから情報をいろいろと集めていく、この名簿、個人情報ですね、ここにアクセスをして名簿を買っていく、こういうようなケースもあると思うんです。また、インターネットの時代ですから、情報というのは、あっという間に日本だけじゃなくて全世界に広がっていく、こういうこともあるんですけれども、こういう形で転々と個人情報が移っていく。
 こういうような状況の中にあって、不正競争防止法で言う営業秘密に該当して、それを不正に使ったり開示したりすると処罰の対象になり得るのかどうか、この点を伺いたいと思います。

 

北畑政府参考人

 個人情報を含んだ顧客名簿につきましても、先ほど御答弁申し上げました三つの要件を満たしておれば、営業秘密ということに該当する場合があろうかと存じます。
 したがいまして、そういう営業秘密である顧客名簿を不正競争の目的で、主観的要件が入りますが、不正競争の目的で他の事業者に販売する場合には、処罰の対象になります。
 それから、転々流通している場合というのは、先ほどの営業秘密の関係でいえば、非公知性の関係があろうかと思います。したがいまして、個々には具体的に個別に判断をすべきものであろうと思いますけれども、通常は処罰の対象にならないんだろうと思います。
 ただし、営業秘密である顧客名簿が流出をしたということが例えば新聞等で報道されている、しかしまだ非公知という状態が保たれているというものについて、たまたま顧客名簿を手に入れた方がそれを使用、開示する行為は、不正競争防止法に基づく民事上の措置、差しとめ請求や損害賠償の対象になるケースはあり得るものかと考えております。

 

高木(陽)委員 

 続いて、内部告発の問題、そしてもう一つ、報道の自由という問題、これもいろいろと絡んでくると思うんですね。
 前回の改正のときに、平成十五年の不正競争防止法改正、このときに、営業秘密を不正に使ったり開示したりする行為については刑事罰が設けられましたけれども、そのときの説明によれば、例えば、ある企業が有害物質を不法に環境中に漏出させているといった秘密情報がその企業の内部者からの内部告発によって外部に暴露されたケース、その秘密情報をつかんだ記者が新聞、雑誌の記事にする、このようなケースは、企業にとって有用な情報でない、あるいは不正競争の目的に当たらないから営業秘密の侵害にはならない。したがって、刑事罰を導入しても、内部告発ができなくなったり報道の自由が阻害されたりすることはないということ、こういうふうに説明があったというふうに承知していますけれども、先ほどの営業秘密の定義に関する説明によれば、営業秘密の定義は従来と変更がなくて、事業活動にとって有用な情報であることが営業秘密の要件となる、また、不正競争の目的という要件も維持されているようなので、今後も内部告発の自由ということや報道の自由が阻害されたりすることはないと考えてよいかどうか、これについて伺いたいと思います。

 

北畑政府参考人

 御指摘のとおりでございます。
 まず、例えば、有害物質を不法に排出しているといった反社会的な行為に関する情報というのは、保護の社会的意義と必要性に欠けます。法律上の定義によれば有用性がないという判断になろうかと思いますので、営業秘密には該当しないと考えております。
 それから、不正競争の目的という主観的要件が刑事罰の対象だ、これも御指摘のとおりでございます。したがいまして、報道目的や内部告発目的であれば、これは処罰の対象にはなりません。
 したがいまして、御指摘のような、今回の営業秘密侵害罪を創設することによって内部告発の自由や報道の自由が阻害される、こういった事態は招かないものと考えております。

 

高木(陽)委員 

 今回の改正において新たに退職者についての処罰が導入される、こういうふうになっていますけれども、今の時代、終身雇用制というのが大分崩れてきて、職業を転々とする方、転々とするというよりは、ある意味ではステップアップしていく、いろいろとあると思うんです。
 これまでから、職業選択の自由との関係、いろいろな議論がありましたけれども、例えば、ある営業マンが、引き抜きのような形じゃなくて、会社を円満に退社する、よくあることですね。しばらくしてからライバル会社に就職するということもあるわけですね。その場合、その営業マンがもとの会社で営業していた、名刺交換等々して、顧客に関する詳細なデータ、情報を名刺とともに退職後持っていっちゃう。最初は円満退社ですから、ここら辺のところは、当初は問題ないと思うわけですね。ところが、それを手がかりにして、ライバル会社でいろいろな営業活動をしていく。それでもって、その営業マンは成績がどんどん上がっていく。
 御本人にとってみれば、これはすごい有益なことなんですけれども、こういうような円満退社のケースについてまでも、退職者の処罰ということで罰則の対象範囲が広げられているかどうか、そういうようであれば、職業選択の自由との関係で、これはまたかなり問題が生じてくるのではないか、このように考えるわけですけれども、今回の改正で、どこまで処罰の対象になって、職業選択の自由との調整、こういうのはどうなっているのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

 

北畑政府参考人

 御指摘の、円満に退社をした後、かつて勤めていた会社での営業秘密をライバル会社に漏らすということについての御質問だったと思いますけれども、これは審議会でもいろいろ議論いたしましたけれども、職業選択の自由との兼ね合いがあるということで、刑事罰の対象とすることは見送っております。現行法で言えば、民事救済の世界で対処をすべきものかと考えております。
 今回、新たに刑事罰の対象といたしました退職者は、現役の時代、在職中に自分の方から営業秘密の開示の申し込みをしたとか、あるいは、相手方から使用、開示の請託を受けるという、在職中に不正使用、開示の準備行為があった場合、こういう場合に限定をして刑事罰の対象にいたしております。
 これは、いわば現役時代の営業秘密の漏えい、これは現在でも刑事罰の対象ですが、その延長線上で、非常に悪質なものに限って刑事罰の対象に追加をした、こういう改正でございますので、御指摘のような職業選択の自由を十分に配慮した上のものでございますので、職業選択の自由を阻害するという性格のものではないと考えております。

 

高木(陽)委員

 職業選択の自由を阻害するものでないと。
 まさに、これから本当に時代が大きく変化していく中で、先ほど申し上げたように、今まで職業というのは終身雇用制が一般的だったのが、もう今の時代、違うわけですから、まさにここら辺、いろいろとステップアップしようと思っている人と、それがまたこういうようないろいろな足かせとなる。ここの兼ね合いというものは本当に難しいと思うので、ここは慎重にというか、きっちりとやっていただきたいと思います。
 次に、本来大臣にお伺いしようと思っていたんですが、大臣がいらっしゃらないので、副大臣か、また局長でも結構なんですが、営業秘密というと、高度なノウハウ、こういうふうに考えがちで、大体こうなると、大企業が持っているんじゃないか、こういうふうに思われがちですけれども、逆に今、中小企業というのはさまざまなオンリーワンの技術、そういったもので日々努力している、それがまた日本の産業の中核をなしているといった部分もあると思うんですね。
 これは、中川大臣がまとめられた新産業創造戦略、これにおいても、我が国の物づくりにおける国際競争力の源泉としてすり合わせが取り上げられているなど、まさに中小企業のノウハウがいかに重要であるか、こういうことをよく大臣もおっしゃっておられましたけれども、そういった観点から、今回の営業秘密の保護強化は中小企業にとってどのようなメリットがあるのか、この点、ちょっと伺いたいんです。

 

小此木副大臣

 言われましたとおり、中小企業、特に日本の中小企業の持っているノウハウやあるいは技術というものは、国際的に競争力があるものであり、これは誇れるものであるというふうに思います。
 こういったものが、つまり、こういったものに関する営業秘密というものが法的にしっかり保護される。この不正競争防止法によってこういう営業秘密の保護というものは、先ほど局長も答えましたけれども、三つの要件、秘密管理性、有用性、非公知性、こういった要件を満たせば、このノウハウ、技術、特許権等の取得、維持にかかるコストをかけることもないだろう。あるいは、力の強い大企業に公開することもなく、法的な保護というものが可能となるということにおいて重要なメリットがあるというふうに思いますし、そういう関係から、中小企業にとっても極めて重要なノウハウ、技術などをより的確に保護するということが可能になる、こういったことがメリットだというふうに考えております。

 

高木(陽)委員

 続きまして、模倣品・海賊版対策ということで伺いたいと思うんです。
 以前、にせものというと、海外でいろいろとそういう海賊版、模倣品をつかまされる、こういうようなことがありまして、今も日本でもいっぱいあるわけですね。それは、発売後間もない商品についてまで模倣されてしまう、海賊版が出回っちゃう。いろいろな分野にわたって被害を受けているんですけれども、どの程度の被害か。前回の説明によりますと、中国における日本企業の被害総額というのは九兆円との試算があるとのことでしたし、中国政府の公式統計でも三兆円と言われている。
 今回の法改正ではそうしたことを背景として保護の強化が行われるものだと思うんですけれども、そもそも我が国の企業にとって、模倣品、海賊版による被害、どの国によるものが多いと認識しているか、また分野別ではどういう分野が模倣品の被害が特に多いと認識しているか、この点についてまず伺いたいと思います。

 

石毛政府参考人

 お答えいたします。
 特許庁が平成十五年度に日本企業八千社に対してアンケート調査をしているわけでございますけれども、そのときに、模倣品の関係で被害を受けたというふうに回答した企業のうちの約半数以上の企業が中国、具体的には五四%という数字でございますけれども、そういう回答をしております。それから、二六%の企業が台湾でございます。それからあと、二三%の企業は韓国、そういうところで模倣品、海賊版によって被害を受けたというふうに回答をしております。
 それから、どのような業種でというお尋ねでございますけれども、被害を受けた企業のほとんどは製造業でございまして、大体八八%がそういうふうに答えております。その中でも、ミシンとかベアリングといったような一般機械、産業機械、そういうものが大体一七%、電子計算機、電池といったような電子・電気機器に関するものが一五%、あるいは文具、玩具といったような雑貨に関するものが一三%、そういう分野で被害が多いということになっております。

 

高木(陽)委員

 中国が半数以上、こういうお話でございました。
 中国という国は十億以上も人口がおりまして、これがにせもの製造に対して力を入れられますと、これは大変な問題になる。この生産力というものが、ちゃんとしたものをつくってくれればいいんですけれども、そちらの方に力を入れられたら本当に困ることなんです。前回の議論でもあったように、日本の法律で中国における模倣品の製造などを直接禁止する、これは難しいわけですね。そうなると、中国との二国間での協議、または欧米と連携したりして、中国自身に国内での対策をしっかりさせなければならない。
  この点、大臣も前回、積極的に対応していくという答弁もございましたけれども、国内に入ってくる模倣品の中で、特に今、中国だけではなくて台湾、韓国も指摘されましたけれども、アジアの国々を中心として製造されたもの、こういうものが多いことから、入ってくる段階、水際でこれをとめることが重要なわけですね。この水際で差しとめ、これは税関がやりますから、財務省が担当する。海外との関係ということでは外務省だ。また、ビデオやゲームの海賊版、商標権、著作権等の問題、著作権の問題ですと文化庁になってくる。このように、国内市場に関する模倣品、海賊版についての対策の実施というのは、経産省だけでどんなに頑張ったってやはり無理というか、限界があるのは確かなわけですね。
 こういう観点から、模倣品・海賊版対策は、政府が一丸となってやっていかなければいけない。ここら辺のところの取り組みについて、その考えを聞きたいと思います。

 

山本(明)大臣政務官

 今委員御指摘のように、中国の関係が大変多いわけでありますけれども、政府としては、APECだとかWTOなどの多国間協議だとか、そして中国との二国間協議で、模倣品とか海賊版というものの取り締まりだとか罰則を要望しておりますし、官民で訪中ミッションをつくりまして、そういったところでも申し込み等をしております。この一環で、六月三日の日に韓国の済州島でAPECの貿易担当大臣の会議がございまして、日本は小此木副大臣が御出席されましたけれども、その中で、この海賊版、模倣品だとか、そして著作権ですね、インターネットを使った著作権、そういったものの対策をAPEC模倣品・海賊版対策イニシアチブとして日米韓で共同提案いたしまして、各国の賛同を得て合意をされたところであります。
 何にいたしましても、日本が、中国との取引が一番多いこともありまして、世界で最大の被害国でありますので、欧米とも連絡をとりながらこれからも対応していきたいというふうに思っております。

 

高木(陽)委員

 APECでそういう対応をしている。本当にあらゆるチャンネルを通じてやっていかなきゃいけない問題なんですね。
 あと、被害を受けている人たち、これは、もともとの製造していた人たちも被害者ですけれども、それをつかまされた人たちも被害者なわけですね。こういった部分で、経産省が政府模倣品・海賊版対策総合窓口、こういうものをつくって窓口機能を果たしているというふうに聞いておりますけれども、ここら辺のところ、情報が集まってきても、その情報が、こういうものなんだ、またはこういうものに注意しなきゃいけない、いろいろな形で利用者、つかまされる側ですね、または、つくって製造者としての被害を受けている、こういう人たちにもちゃんとした情報が届いていないといけないと思うんですね。ここら辺の情報をどのように扱って、どのように成果が上がっているか、この点、ちょっと伺いたいと思うんですけれども、どうでしょう。

 

石毛政府参考人

 先生御指摘のとおり、去年の八月に政府全体の模倣品・海賊版対策の総合窓口を設置いたしまして、五月末までに百二十二件の相談を受けております。
 相談した内容は関係省庁にそれぞれ流しまして、相談者に対して十日以内に回答するということで今処理をしてきております。基礎的な情報につきましては、私どもも、模倣品対策をこれからさらにステップアップする上で活用しているということでございます。
 具体的にどういうような成果があったか、多少触れさせていただきたいと思うんですけれども、一つは、これはトルコで、YKKという日本の企業の商標について侵害するケースがございました。これは、民間企業がトルコで話をしていたんですけれどもなかなか解決に至らないということで、私ども、それを、外務省も通じましてトルコの現地で折衝をいたしまして、適切な保護措置がとれるという形に今なってきております。それから、国内でも自動車部品の模倣品の問題がございまして、これは、私ども、警察庁の方につなぎまして、その中で解決策が得られております。
 さらに、そういうものに加えまして、この四月から、仮に何かそういう侵害的な行為があった場合に、民間企業からの申し立て制度というものを入れまして、その申し立てに基づいて我々がその内容を調査いたしまして、仮に相手国の方で何か問題があるというような結論に至れば相手国の方と協議をする、そういう仕組みを導入してきております。現に、四月四日に電子情報技術産業協会から、いわゆる香港松下電器問題ということでそういう提起がございました。私ども、その案件につきまして今調査を開始しておりまして、今後、六カ月以内に調査を完了しまして、必要があれば、関係の国と、この場合は香港でございますけれども、協議をしていくというふうに考えております。

 

高木(陽)委員

 その対策を、さらに、強化というよりは、情報を開示する中で本当に充実させていっていただきたいというふうに要望を申し上げたいと思います。
 あと、今回の法改正で弁理士法の改正も含まれておりますけれども、弁理士関係の問題、これについてもちょっと伺いたいと思うんです。
 知的財産立国の実現、これは国を挙げて本当に重要な課題だと思うんですけれども、知的創造サイクルの確立、すなわち、研究開発部門またはコンテンツ制作現場、これらにおいて質の高い知的財産を生み出して、迅速に権利として保護していく、最大限に活用していくことが重要であると思うんですが、政府の知財の戦略本部、ここにおいても、この知的創造サイクルの確立に向けて、特許審査の迅速化と模倣品・海賊版対策、コンテンツビジネスの振興など、多様な取り組みがなされています。
 このような政府の取り組みを受けて、企業においても、事業戦略だとか研究開発戦略、それらが一体となった知財戦略を構築していく動きというのが活発になっているんですけれども、そういった知財戦略を支える人材、具体的に言えば、知的財産の権利化、紛争処理、ライセンス契約等の高度な専門サービスを提供する人材に対するニーズが高まっているわけであります。
 このような知財立国の実現に向けて、知的財産関連人材、とりわけ権利化または紛争解決を初めとして、幅広くユーザーを支援することのできる弁理士への期待というのはますます高まっている状況なんですけれども、これまでの弁理士制度がどのように整備されてきたのか、また、この弁理士制度の一連の整備が行われてきた中で、今回の法改正というのはどうやって位置づけられているのか、特許庁の方に伺いたいと思います。

 

小川政府参考人

 先生御指摘のとおり、知的財産立国実現のために、知的創造サイクルを支えます知的財産専門人材という役割は非常に重要でございます。その中で、弁理士の役割も高くなってきているわけでございますが、これまでの制度改正についてのお尋ねでございます。
 平成十二年でございますが、弁理士法を全面改正させていただきまして、従来の権利設定業務のほかに、契約代理、相談、仲裁代理といった、いわゆる権利化後の活用業務というものを追加させていただきました。また、試験制度を簡素化しまして、弁理士の量的拡大ということを図ろうとしたわけでございます。
 それから、続きまして十四年度でございますが、所要の能力担保措置を前提といたしまして、弁護士との共同受任を条件にいたしまして、弁理士に侵害訴訟代理権というものを付与し、これもまた権利化後の業務の充実という側面があろうかと思います。
 こうした形で、社会的ニーズに対応いたしまして弁理士制度を整備してまいりましたけれども、近年、知財が重視されます関係から、紛争もいろいろふえてございます。その関係で、裁判外の紛争解決手続をより充実させるということで、昨年でございますけれども、いわゆる裁判外紛争解決手続利用促進法、ADR法が制定をされました。あわせて、隣接法律専門職種の活用について司法制度改革推進本部の決定がなされたわけでございます。
 今回、私どもは、模倣品・海賊版対策を強化するということで決断をいたしまして、その一環といたしまして、また、今述べました昨年の司法制度改革推進本部の決定をも踏まえまして、模倣品、海賊版を含む民事紛争にかかわる裁判外紛争解決手続につきまして弁理士の代理業務の範囲を明確にするということと、あわせて、著作権に関連する紛争を追加させていただいた、今回はそういう提案をさせていただいたわけでございます。

 

高木(陽)委員

 もう時間も参りました。大臣も戻ってこられましたので、民主党の質疑者にバトンタッチもしたいと思うんですが、最後に大臣に、ちょっと要望というか、今、参議院の方の本会議に出られている間にずっと質疑をさせていただいて、今回の法改正、不正競争防止法の法改正ということで、本当に今まで日本の中でさまざまな被害に遭ってきた、海賊版の問題、模倣品の問題。さらに、そういう知財全体の問題を考えた上で今回の法改正というのがなされていると思うんですけれども、やはりスピード感がこれからもっと大切なんだろうなと。
 どうしても今までの流れというのは、一つ何か問題が起きて、ああ、これはまずいなということで法改正に着手して、いろいろな審議会をやる。それで、ようやく着手する。着手して法が改正されたときには、もう次の段階に物事というのがどんどん進んでいる場面が多いなと。ここら辺のところで、閣法で出す場合にはさまざまな手続等もなかなか大変だとは思うんですけれども、こういったスピード感あふれる、そうしていかないと、今後の国際競争力の中ではかなわない、勝っていけない、こういうこともございますので、この点、要望を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

 

 

第162回

INDEX

総合

INDEX

映像はこちらから

     
このページの上へ
 
オフィス メルマガ受付 お問合せ
Copyright(c) 2005 Takagi Yousuke. All rights reserved.