政府参考人
(内閣府国民生活局長) 田口 義明 氏
(金融庁監督局長) 佐藤 隆文 氏
(法務省刑事局長) 大林 宏 氏
(国土交通省総合政策局長) 竹歳 誠 氏
(国土交通省住宅局長) 山本繁太郎 氏
高木(陽)委員
公明党の高木陽介でございます。
本日は、今回の耐震偽装問題についての一般質疑ということで、当初、野党の方からも、特に住民の支援に対して政府の案が発表されて、その後、そういった問題についてしっかりと質疑をしたい、こういう申し出が最初ございました。やはり、今住民の方々、本当に困っている現状でございますので、この点を中心にちょっとお伺いをしたいと思います。
その前に一つ申し上げたいというのが、今この問題というのは、本当に国民注視のもとでいろいろな、どういうふうに展開していくのか、そういうことが注目されているところであります。
その上で、私ども国会の方もしっかりと、この原因究明という問題とともに住民の支援、今回余りにも複雑でありますので、一つは住民の支援をしっかりやること、もう一つは原因究明だけではなくてその後の対策をどうしていくか、こういった問題が必要であるというふうに私も当委員会でも再三申し上げてまいりました。
その点、マスコミの報道を見ますと、どうしても目の前にある事象で報道される、それによって世論が形成されるということがこれまでも多々ございました。特に、きのう強制捜査が始まって、テレビを見ますと、強制捜査の始まる前からずっと報道されていて、一日じゅうそれが流されている。逆に言うと、かなり過熱するのはわかるんですけれども、本質は何なのかという部分が忘れ去られる、こういう傾向にあるのではないかというのを自分もメディア出身の人間として感じております。
というのは、例えば、今回の問題ではなくて、では、三カ月前に何があったのか、多くの国民はもう忘れています。例えば三カ月前はあの衆議院選挙がございました。では、その三カ月前は何が問題だったのか。これは、当委員会でも問題となりました、例えば尼崎の列車事故がありました。そういうのが、そのときの現象ではいろいろとわあわあ言われる、または国会でもしっかり議論しますが、それが過ぎ去ると、なかなかそういった問題の本質のところは忘れ去られていくのではないかな、こんな気がしてなりません。
そういった点では、住民の問題というのは、今まさに本当に苦しんでおられる、さらに、それだけではなくて、またこれから多分建てかえの問題等々もあって、建てかえをするとなると二年ぐらいかかってしまうということで、やはりそういうところは私たち国会がしっかりと注視をしながら、報道されなくても、やはり見守りながらだけではなくて、積極的に応援をしていくということを忘れてはいけないのではないかな、これを申し上げておきたいと思います。
その上で、今回の政府の方が発表しました住民への支援対策、特に、使用禁止命令が四つですか、退去勧告が出ているのが六つというふうに確認をしましたけれども、そういった中で、やはり出ていかなければならない、直近の問題としては家賃の問題だと思います。今住宅ローンを抱えていて、そして新たな家賃をどこまで払えるのか。そういうところで、政府の方が提案をします、三分の二を補助していこう、こういう問題ですが、これは国がすべてやるんではなくて、自治体とこれを分け合っていく。自治体でも東京都の方はなかなか厳しいお話をしておりますし、そういった部分での国と自治体との負担割合の状況を含めて、どういう形で今後進展していくのか、お聞かせ願いたいと思います。
山本政府参考人
現に目の前にある危険性、これに着目しまして、危険な分譲マンションの居住者の方々の安全を確保するという観点から、移転していただいて、危険なマンションを除却して新たな建物に建てかえるということについて、総合的な支援のスキームを政府として打ち出したところでございますけれども、個別具体のマンションについて、現実に今マンションに住んでおられる居住者の方々に移転していただいて、その総合スキームを動かす上では、何といいましても、居住者の方々と密接に意見交換をしながら、地方公共団体と緊密に連絡してこれに取り組むことが必要でございます。
したがいまして、今御指摘ありました移転費、それから仮住居中の家賃に対する助成の考え方につきましては、非常に稠密に構造計算書偽装問題対策連絡協議会の中で公共団体とともに協議を重ねてまいりました。この協議会の中に危険な分譲マンション対策検討ワーキンググループというのを設置しまして、やりとりをして、地方公共団体の意向を踏まえた上で、今御指摘いただきました十二月十六日の基本的な国の考え方をまとめたところでございます。
具体的な中身としましては、仮住居の家賃に係る助成については助成額を三分の二以内とすること、それから助成対象となる家賃の限度を原則十五万円とすること、それから助成期間を原則二年間とすること、それから移転費に係る助成につきましては一回当たり原則二十五万円を上限とし、原則二回までの移転を対象とするということを取りまとめたところでございます。
さらに、これから建てかえ工事についても公共団体とやりとりをしていく必要がありますけれども、この助成措置についての国と地方公共団体の協力関係といいますか負担割合については、地域住宅交付金制度でこれを進めようということを基本としておりますので、この地域住宅交付金制度の負担割合であります、国四五%、地方五五%で進めていきたいということでございます。
高木(陽)委員
今、国四五%、地方五五%というお話がございました。それですべてがうまくいくかどうか。やはり自治体は、自治体の中でも財政的な部分でかなり苦しい部分もあるということで、ここのところは、場所によって違う、区によって違う、市によって違う、県によって違う、こうなりますと、やはり公平感、今回、公的支援をするということだけでも、では、ほかの納税者の方々、今回の問題に、被害者でない一般の納税者の方々からも賛否両論があるのは確かです。しかしながら、今回、除却をしなければいけない、強制的に出ていかなければいけない、そういった部分での支援をしなければいけないということで、これは理解できると思うんですが、やはり公平感をしっかりと持たせるためにも、場所によって違う、建物によって違う、こういうことがないように、さらに国のリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
さらに、今、建てかえの話がちらっと出ましたので、そちらの話もちょっとお伺いしたいんですが、いわゆる分譲住宅、分譲のマンション、十棟、これが耐震強度で〇・五以下ということで、これを建てかえていく。これはこれでわかるんですが、さあ、問題は、住民の方々、管理組合、区分所有していますけれども、その中での負担の部分ですね、割合。これが見えないとやはり安心感がないというのが、大きな、引っ越しをする上でも不安に思っている、こういうふうにも言われておりますし、住民の方々からもそういう声をじかに聞いております。
そういった部分での、住民の負担がどうなっていくのか、やはりここは、いろいろと個別の建物によって違うと思います。それは、どういう建てかえをするかということもあると思いますが、大枠そういったものが早いうちにめどがつかないと、その不安感だけをずっと持ったまま引っ越しても、どうなるんだろう、どうなるんだろう、こういう形になるので、それを早急に出していただきたいと思うんです。
その点、その住民の負担についてどのような状況になっているか、伺いたいと思います。
山本政府参考人
この支援スキームの一番肝心なところが、建てかえのフェーズで居住者の方々にどれだけの負担をしていただくか、逆に言いますと、国と公共団体でどこまで支援できるかというところがポイントであるわけでございますが、逆に、今、公共団体とやりとりをしている現実の課題からしますと、この建てかえの部分について、まだ必ずしも、先ほど御紹介しましたワーキンググループの中で、公共団体と国の考え方がきちんと、あるいは公共団体相互間の考え方もきちんと一本になっているとは言い切れない状態でございます。
やはりこの部分がきちんとしないと総合スキーム自体が前に進まないという要素があるわけでございますので、ぜひ分譲マンション居住者の方々の全体のバランスがとれる形で、公共団体の方々も御納得をいただきながら基本的な枠組みが提示できるように、公共団体とのやりとり、稠密に進めていきたいと考えております。
高木(陽)委員
住宅局の職員の方々は本当にそういった部分での公共団体との交渉も一生懸命やっているというふうに聞いておりますけれども、やはりここは、いわゆる住民の今の現状を考えた場合には、厳しい言い方かもしれませんけれども、さらに公共団体との折衝、合意、これを早くとらないと、先ほどから申し上げている、不安だけがずっと残っているということですね。よろしくお願い申し上げたいと思います。
もう一つ、これも先ほどからお話が出てまいりました売り主の部分ですね。瑕疵担保責任として、ヒューザーを初めとする売り主にある。本当にこの人たちが補償してくれるのか、そこの部分、計画倒産をするんじゃないか、こういった疑念。先日の参考人で私も質問させていただいたときに、ヒューザーの小嶋社長が前向きに倒れるというばかみたいな発言をしまして、倒れたら補償はできなくなるわけですから、そういった部分に、倒れる前に逆に財産をいわゆる保全しなければいけないんではないか、こういう考えもありますけれども、その点についてはどのように考えていますか。
山本政府参考人
本来、売り主であります建築主が買い主に対して一義的な瑕疵担保責任という契約上の責任を負っておりますので、この責任が誠実に果たせなきゃいかぬということはおっしゃるとおりでございます。
ただ、今回、公的支援の枠組みを、国と公共団体が協力して用意いたしましたけれども、これが現実に実行されるということが、つまりキャッシュが出ていきまして初めて、国、公共団体も法的な世界で売り主に対して一定の立場に立つということになりますので、今の段階では、直接の債権を持っておられる買い主、居住者の方々に法的なアクションはとっていただくということでございますけれども、スキームが動き出せば、公共団体と一緒になって、しっかり、厳格に対応していく必要があると認識しております。
高木(陽)委員
だからこそ、早く公共団体との交渉をまとめ上げなきゃいけないわけですね。ここら辺のところがおくれればおくれるほど、補償の問題も、逆に取り立てができなくなる、こういうことになるので、この点はよろしくお願い申し上げたいと思います。
もう一つ、これは、建てかえ、十棟、耐震強度が〇・五以下ということですけれども、〇・五以上の建物がかなりあるわけですね。
実は、私の地元の日野市にもグランドステージ豊田というのがありまして、いろいろと計算し直したところ、〇・六。〇・六というのは建てかえられない。でも、やはり不安ですね。どうするか。今、管理組合を中心に住民の方々が、いろいろな住民集会をやりながら話し合いを進めております。
さあ、この〇・五以上の、基本的には耐震改修になると思います、思いますけれども、これの公的な応援というものもしっかりと明示をしていかないといけないと思うんですが、この点はどうでしょうか。
山本政府参考人
耐震強度が〇・五を超えている、したがって、今回の建てかえの総合的な支援のスキームの対象とはならないという物件であっても、国、公共団体は一切手を出さないということであってはならないと考えていまして、実際には、具体的に一・〇を切っている物件についてどういう耐震改修が必要なのか、あるいは、〇・五を超えていても、もしかすると、いっそのこと建てかえなきゃいかぬという計画を立てざるを得ないような物件も個別にはあるかもしれません。
したがいまして、きちんとした診断をして、耐震改修なりどういう措置を講ずるかという計画をしっかり立てる、その上で、それに対してどういう支援をするか、〇・五未満のものについて考えておりますスキームを横に見ながら、どういう形で支援していくかということをきちんと決めていく必要があると思います。
私どもは、耐震診断とか改修のためのいろいろな助成措置について、例えば住宅・建築物耐震改修等事業というのを持っておりますので、それを通じて公共団体と一緒にやるか、あるいは、総合スキームと同じように地域住宅交付金を使ってやるかということを公共団体と相談しながら積極的に対応する考えでございます。
高木(陽)委員
時間が参りましたけれども、今の、地域住宅交付金を使う、これは自治体が主体的にやらなきゃいけないことですね。それで、いろいろなスキームをつくっていく。
しかしながら、国の方から見ますと、この地域住宅交付金があるということで、自治体がしっかり考えてくださいよと言っているんですが、やはり、しっかりした自治体と、正直、そういった問題に対応し切れない市町村というのがあるのは確かなんです。そういったところで、あ、なるほど、耐震改修、耐震診断にはこういうふうに使えますね、この改修にはこれぐらいの割合で使えますね、こういったことを、特に今回の物件があるその特定行政庁というか公共団体のところに逆に教えてあげてほしいんです、丁寧に説明をしてあげて。
そうしないと、住民側は、例えば市役所に相談に行く、窓口に幾ら行っても、じゃ、何か公的支援のスキームというのはどういうのがあるのかな。窓口の人がしっかりと認識をして、こうなんです、だから、管理組合の皆さん、じゃ、まず耐震診断をしましょう、そのためには公的支援はこれぐらいありますというのが具体的に提示をしてあげられる。ここまでやるのが、やはり今の段階ではないかなと思うんですね。
今クローズアップされているのは、〇・五以下の建てかえ住宅というのはすぐ注目されるんですけれども、そうじゃない人たちの方が人数的には多くて、でも、不安はある意味じゃ同じような形で持っているわけです。だから、そういったきめ細かさというのを、本当に住宅局、大変かもしれませんけれども、今回の問題というのは本当に国交省を挙げて、また、もっと言えば政府を挙げてやっていただきたいということで申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
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