政府参考人
(国土交通省大臣官房総合観光政策審議官) 柴田 耕介 氏
(国土交通省道路局長) 谷口 博昭 氏
(海上保安庁長官) 石川 裕己 氏
高木(陽)委員
公明党の高木陽介でございます。
大臣、所信に対する質疑ということで、朝から御苦労さまでございます。私が最後の質問者となりますが、委員席も大分空席が目立っておりますけれども、最後までしっかりとやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、あかずの踏切問題についてお伺いをしたいと思います。
今国会では、運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案という形で踏切問題に対しても法案を提出されておりますけれども、細かい質問はその法案審議のときにもお伺いをしたいと思います。
まず、今回の踏切道の改良促進法が五年間の期限切れということで、今回延長も含めてやるという予定となっておりますけれども、三万六千の全国の踏切、そのうちであかずの踏切またはボトルネックの踏切等々があると思います。その中で、今回この五年間で、改良促進法のもとでさまざまな手を打ってこられたと思いますけれども、これまでの事業費はどれぐらいかかってきたのか、ちょっと伺いたいと思います。
谷口政府参考人
お答えいたします。
これまで、厳しい予算の中ではございますが、毎年着実に予算を伸ばしながら対応させてきていただいております。
平成十三年度におきましては、事業費ベースでございますが、約三千億円、平成十七年度におきましては約三千七百億円を計上しておりまして、五カ年合計では約一兆七千億円を投資してきておるところでございます。
高木(陽)委員
五年間で一兆七千億円、相当な額を投入しております。
もちろん、それだけ踏切の改良というのは費用もかかりますし、事故等々を考えますとこの問題は特に緊急にやっていかなければいけない、そういった意味での今回の期限延長そして法改正にもなると思うんですけれども、その中で、これまで踏切の解消のために取り組んできた箇所、この五年間で結構でございます。そして、その取り組んだ結果解消されたのがどれくらいあるのか、それを伺いたいと思います。
谷口政府参考人
踏切道改良促進法におきましては、改良すべき踏切道を指定し、立体交差化、構造改良または保安設備の整備を行うこととされております。
平成十三年度から平成十七年度までの五カ年間に、踏切道改良促進法に基づき新規に指定しました箇所は、立体交差化が約百九十カ所、構造改良約百九十カ所、保安設備の整備約二百十カ所となっております。
平成十二年度までに指定した継続箇所も含めてでございますが、法指定箇所で、平成十三年度以降五カ年間で対策が完了する箇所数は、立体交差化約百カ所、構造改良約百六十カ所、保安設備の整備約二百五十カ所となっております。
高木(陽)委員
一昨年、平成十六年度の調査をちょっと見ますと、あかずの踏切の全国調査で六百十一カ所、さらにボトルネックを加えますと千カ所を超えると思うんですね。そのうち、今道路局長からお話がありましたように、百九十カ所、立体交差等々をやってきている。保安関係または構造の改善、こういったこともやっておられるんですけれども、やはりまだまだ手のつかないところ、また手をつけているけれども厳しいところがあると思います。
そういった中で、やはり何のためにやるのか。もちろん、一番大切なのは安全の部分だと思うんですね。もう一つは、特に、首都圏さらには関西圏、中部圏等々、大都市におけるあかずの踏切の問題というのは経済的な問題でも大変な損失をしている。そういった観点から、例えば、この五年間、もしくはこういったことでの経済効果がある、そういったことがわかればお教えいただきたいと思うんですが。
谷口政府参考人
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、あかずの踏切対策等の対策は、非常に、安全面のみならず環境面、また大きな経済効果を発揮するということでございます。
ボトルネック踏切三カ所を含み、事業費が約五百億円という平均的な連続立体交差事業を例にしまして、その経済効果を試算させていただきました。踏切待ち渋滞の解消効果及び周辺道路網の交通円滑化効果、この二つの効果だけで見ましても、約一千四百億円程度の効果があると推計をさせていただいております。
高木(陽)委員
今一つの例として、五百億円の工事で千四百億円の効果が出てくる、こういう話がございました。BバイCの感覚というのが導入されて、国交省で費用対効果等を含めていろいろな検討をされながら公共事業というのに取り組んでいると思います。そういった中で、特に経済効果を重視した場合には、やはりこの踏切の問題というのは力を入れていかなければいけない大きな問題だと思います。
例えば、昨年からことしにかけて、道路特定財源の問題というのが議論されていると思います。例えば、ボトルネック踏切を解消する、あかずの踏切を解消するということで、道路においても自動車交通においても重要な踏切の問題ということで、特定財源のあり方というのもその大きな比重を占めてきている。
先ほど冒頭でお伺いした、五年間で一兆七千億円も使う。じゃ、これが一般財源でしっかりと出てくるかというと、なかなか出てこないわけですね。じゃ、このまま渋滞をほったらかしておいていいのかどうか。こういった観点も、今後、特にことし、この道路特定財源の問題もしっかりと決着をつけていかなければいけないという中で、しっかりと視点を持って考えていっていただきたい。
その上で、今後五年間の踏切の問題の見通しというのを大臣に伺いたいと思います。
北側国務大臣
国土交通省といたしましても、この踏切対策というのは、安全面、環境面、さらには今おっしゃった経済効果のことを考えましても、これはやはり重点的に実施をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
今、全国のすべての踏切を対象に、踏切交通の実態の総点検を実施しているところでございます。
この結果を踏まえまして、あかずの踏切等の緊急に対策が必要な踏切、これが約二千百カ所でございますが、これにつきまして、道路管理者、鉄道事業者に、年度内を目途に五カ年の整備計画を策定していただくようにお願いをしているところでございまして、その計画に基づきまして、対策を重点的に進めてまいりたいと考えております。
また、抜本対策のペースもスピードアップをしなきゃならないと考えておりまして、従来より二倍にスピードアップをしていきたいと考えておりますし、また、この五年間で抜本対策がなかなかできない、容易でないというところにつきましては、今後五年間で速効対策、全箇所の対策を進めるなど、踏切対策のスピードアップに一層取り組んでまいりたいと考えております。
高木(陽)委員
今、大臣の方からスピードアップというお言葉をいただきました。公明党も、この踏切対策、踏切を解消していこう、こういうことでずっと運動し、そして提言もし、動いてまいりました。
その上で、例えば待機児童ゼロ作戦というような言葉がございます。保育施設を充実させて待機児童をゼロにしていこう。また、ごみゼロ作戦。循環型社会ですね。そういった中で、踏切渋滞ゼロ作戦だとか、それぐらい銘打って、強力に推し進めていただきたいというふうに要望を申し上げたいと思います。
さらに続いて、海上保安庁の艦船の問題について伺いたいと思います。
今回、海上保安庁の予算、いろいろ見ますと、緊急整備、特に艦船ですね、老朽化をしている艦船、これがございます。特に保安庁はなかなか光の当たらない部署というか、保安庁の職員の方々は、海上保安官のメンバーというのは、現場で本当に苦労している。私も大臣政務官をやらせていただいて、例えば尖閣、これは沖縄返還とともに日本に返還をされて以来、そのときから尖閣列島の周りを巡視船が二十四時間体制でずっと回っている、そういった苦労をされている。しかしながら、船は大分老朽化をしている。例えば北朝鮮の不審船問題のときも追いかけ切れなかった、こんな問題もございました。
その中で、今後の艦船の緊急整備の内容、費用を含めまして、いつまでにどういうふうにやるのか、これを伺いたいと思います。
石川政府参考人
今先生からお話がございましたように、海上保安庁の船艇、航空機は、全体の約四割が耐用年数を超過しているような状態でございまして、大変旧式化、老朽化してございます。したがいまして、業務にも支障が生じているというようなこともございます。さらには、新しい海上保安庁の業務に対応するためにも、性能の高い船艇、航空機を整備する必要があるというふうに考えております。
こうした状況から、私どもは、耐用年数を超過した巡視船艇約百二十隻、航空機については約三十機の代替整備等を計画的かつ緊急に行いたいと考えております。これらに要する費用でございますけれども、現在のところ、私ども海上保安庁としては、おおむね三千五百億円程度かかるものだと見積もっているところでございます。
高木(陽)委員
今後、三十機の航空機と百二十隻の巡視船艇、これがおおむね三千五百億円程度。予算の問題を考えますと、財務省の方は国交省の枠内で予算をやれ、こういう考え方をしておりますけれども、やはり日本の海上警備といった問題は、一国交省だけの予算ですべてを賄っていくかというと、なかなかできない問題があると思うんです。そこら辺のところは、大臣を含めて、私たち国会のメンバーもしっかりとこの問題を認識しながらやっていかなければいけないかな。
例えば、イージス艦一隻で一年間の海上保安庁の予算になってしまうんです。もちろん国防という防衛の問題は重要な問題ですから、イージス艦の問題も理解はできるんですけれども、金額の感覚からいくと、イージス艦一隻で海上保安庁、人件費も含めて一年分。そう考えますと、もう少し海上保安庁の方に力を入れていかなければいけないかな、こんなことも強く感じております。
もう一つ、保安庁にお伺いしたいのは、なかなか保安庁の仕事が理解されていない、認識をされていない。せっかくすばらしいことをやっているんですけれども、そういった広報体制、及び、あと二年で保安庁ができて六十周年になるんですね。そういった部分では、その六十周年の記念事業みたいなことを行いながら、また、そういう博物館というか、またはそういった記念館。もちろん、これ全部国費でやれとなったら無理だと思うんですけれども、そういったことも視野に入れながら、そういう事業も展開したらどうか、こういう考えを持っておりますけれども、その点についてどうでしょうか。
石川政府参考人
御指摘のとおり、海上保安庁は海の上で仕事をしてございまして、海の上というのは、なかなか国民の目が届かないというようなことがございます。そういうことでございますので、私ども、非常に積極的な広報活動が必要だろうと思っておりまして、具体の事故、事件があった場合には、速やかに積極的な広報を行っておりますし、あるいは巡視船艇の一般公開であるとか体験搭乗、あるいは海上保安レポートとかホームページの拡充、さらには映画やドラマの撮影に全面的に協力するとか、さまざまな形をやってございますけれども、なお、先生御指摘のように、一層の広報活動に努めていかなければいけないと考えております。
それからもう一つは、今御指摘のように、実は海上保安庁は昭和二十三年に設立してございまして、あと二年後の平成二十年には開庁六十周年を迎えることになります。
これにつきましては、ちょうど平成十年には五十周年というのがございまして、そこでは、年史の編さんみたいなことをやってまいりましたけれども、私どもとしては、平成二十年の六十周年ということに当たりましては、単に過去を回顧するのではなくて、将来にわたって、海上保安庁が行っているさまざまな業務について、より一層国民に理解をしていただく、そういう視点を取り入れたような形での六十周年のさまざまな事業を行っていきたいと考えております。
高木(陽)委員
より一層の広報の充実をお願い申し上げたいと思います。
最後に、観光立国の問題についてお伺いしたいと思います。
先ほども質問があったと思うんですけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンで、二〇一〇年までに一千万人の外国からの観光客を誘致しようということで、国交省を挙げて、また政府を挙げてやっておられると思いますけれども、なかなか、その数字というものが果たしてできるのかどうか、こういった不安をちょっと持っているんですが、まず、訪日客の現状について、どのようになっているか伺いたいと思います。
柴田政府参考人
訪日外国人旅行者の数について御質問がございました。
昨年二〇〇五年の訪日外国人旅行者数は、まだ推計ベースではございますが、六百七十三万人ということで、過去最高を記録しております。これは、対前年比九・七%の伸びということでございます。
国・地域別でちょっと申し上げますと、十一月までのデータということではございますが、三月からビザ免除となりました台湾が一七・二%増というのを初めといたしまして、近隣アジア諸国からの伸びが全体の増加に大きく寄与しているところでございます。
こうした伸びの背景といたしましては、昨年三月からの韓国、台湾への短期滞在ビザ免除、七月からの中国団体観光ビザ発給地域の全土への拡大などのビザ規制の緩和に加えまして、愛・地球博といった効果があったものというふうに考えております。
なお、愛・地球博が終了いたしました十月以降も一〇・八%の伸びを記録していることから、二〇〇三年から開始いたしましたビジット・ジャパン・キャンペーンや国際競争力ある観光地づくりといった施策の成果が着実に出てきているものというふうに考えてございます。
高木(陽)委員
では、最後に大臣にお伺いをしたいと思いますが、今、昨年比でいくと九・七%増という、伺ったところによると二〇一〇年まで八・二%ずつ伸びていけば一千万人に到達するという、こういったお話も伺っております。
昨年を見てみますと、ビザの発給の緩和、もう一つは万博、こういったものがありました。ビザの発給については、本当に大臣が中国も訪問されたり、いろいろな、じかに手を打たれてやってこられたということで、それが大きくその成果として出ておられるんだと思うんです。
ただ、イベントとしては、去年は万博が終わりました。では日本で何を次にやるかというと、なかなかない中で、ここはもう少し視野を広げていただいて、二〇〇八年の北京のオリンピック、さらに一〇年の上海の万博ですね。ここら辺のところをしっかりとリンクさせながら、もちろんアジア近隣諸国からの訪日客を誘致するというのも重要な部分ですけれども、逆に、オリンピックや万博でヨーロッパまたはアメリカ等々から来たときに、中国だけではなくて、そのまま日本に足を運ぶようなそういった観点も必要なんではないかなと。
その上で、やはり今の中国との関係、韓国との関係、これは大きな問題でもございますし、そういった点で、やはり大臣のリーダーシップを発揮していただきながらやっていただきたいと思いますが、その点も踏まえまして、大臣のお考えを伺いたいと思います。
北側国務大臣
今委員がおっしゃったお話というのは、非常に大事なお話をいただいていると思います。北京オリンピック、それから上海での万博、これをしっかり活用したいと思います。ここに来られた方々を、ぜひ日本にも寄ってもらう、そういう戦略をしっかり具体化していきたいと思っております。
それと、やはりこの一千万人というのを達成していくためには、何といっても近隣の国々からもっとたくさんのお客様を日本に迎えることをしていかないといけないと思っております。
韓国、台湾、香港。この韓国、台湾、香港の方々というのは、リピーターの方々が大変多くなっております。そういう意味で、これからもしっかりとふやしていきたいと思いますが、やはり私は、中国。中国は昨年も、十一月までですが、訪日の旅行者数というのは約六十万なんですね。中国の人が海外に行っている数は、一説によりますと三千万人というんですね。すさまじい人が、今やはり中国も経済発展しまして、海外に行っているわけです。そのうちたった六十万しか日本に来られていないというのは、これはやはり我々のやり方もよく考えていかないといけないと思っていまして、中国はまだリピーターという段階ではないわけでございますが、やはり中国からもっと多くの観光客が日本に来てもらえるような、そういう戦略はしっかりと打ってまいりたいと考えております。
ことし七月に予定をしておりますけれども、日中韓の観光大臣会合というのを、これは中国側、韓国側にも昨年投げかけまして、では、やろうということになりました。むしろこういう時期だから観光はしっかりやろうよと、向こうから、先方からそういうふうに言っておりまして、日中韓の観光大臣会合を、ことし日本で第一回目をやろうと。持ち回りでこれからやっていこうじゃないですかということで合意をしておりまして、七月には開けるのではないかというふうに考えておりますが、しっかりと連携を密にさせていただきまして、日本からも中国、韓国に行きますけれども、中韓からもたくさん来てもらえるように、しっかり取り組みをさせていただきたいと考えているところでございます。
高木(陽)委員
時間が参りました。
今、中国のお話が出ましたけれども、やはり相互交流をしながら、特に民間の交流が深まることによって、今までの歴史認識を含めて共通にいろいろと友好を深めていくこともできると思いますので、そういった意味で、観光の重要性、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
以上で終わります。 |