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第163回国会 衆議院会議録
2006(平成18)年03月16日
 
 


第164回 衆議院 「本会議」14号

 

 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出)及び都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

 

 

高木陽介君

 公明党の高木陽介でございます。
 ただいま議題となりました中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案、都市の秩序ある整備を図るための都市計画法の一部を改正する法律案につきまして、公明党を代表いたしまして、質問をさせていただきます。(拍手)
  我が国の都市をめぐる社会状況は大きく変化しており、特に中心部においては、近年、人口が減少し、庁舎や病院、文化施設等、公共公益施設が郊外へ移転し、さらに、モータリゼーションの進展により、ショッピングセンターなどの商業施設の郊外立地と大型化も進み、空洞化が顕著となっております。
  そのような状況の中、平成十年、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法、改正都市計画法の、いわゆるまちづくり三法が制定され、中心市街地の活性化を軸にしながら、まちづくりに取り組んでまいりました。
  しかしながら、中心市街地においては、その後も居住人口減に歯どめがかからず、空き店舗も増加、小売販売額のシェアも一貫して低下していることに見られるように、残念ながら、当時期待していた施策の効果は上がらず、各地の中心市街地は疲弊し、空洞化が一層深刻化しているのが現状であります。
  一方、人口減少・超高齢社会を迎える今、これまでのように都市機能が無秩序に拡散し続けることにより、さまざまな問題が生じてまいります。
  空洞化した市街地では、コミュニティーが希薄となり、コミュニティーが担っていた公共的機能の維持が困難になること、集積のメリットが失われることに伴い、インフラ機能や公共サービスの提供の効率が低下すること、車社会の進展で、自動車を利用しない、いや、できない高齢者にとって、生活の利便性が低下することなどの問題が指摘されております。
  この現状を踏まえ、公明党では、昨年四月に、まちづくり三法見直し検討プロジェクトチームを設置いたしました。プロジェクトチームでは、歩いて暮らせるまちづくりの実現に向け、中心市街地の活性化や、まちづくりのあり方について精力的に検討を行ってまいりました。昨年六月には、町中に都市機能を集積、誘導する振興方策と、広域的な判断をしながら都市機能の適正立地を図るための方策の双方が必要であるという基本的な考え方に基づいて、中間報告を取りまとめたところであります。
  その後、公明党の中間報告の内容等を踏まえ、まちづくり三法の見直しの具体案について関係省庁等において検討が進められ、都市計画法と中心市街地活性化法の改正案が提出されたことは評価したいと思います。
  そこで、今回の法案につきまして、順次質問させていただきます。
  まず、人口減少・超高齢社会を踏まえた今後のまちづくりのあり方に関する基本認識についてであります。
  本格的な人口減少・超高齢社会を迎える中で、大規模集客施設等の立地等の郊外開発が無秩序に進行する拡散型の都市構造を放置したままでは、高齢者を含めた自動車を利用できない多くの人々にとって暮らしにくく、また、既存ストックが有効活用されず、環境への負荷も大きな都市構造となってしまいます。
  このため、今後のまちづくりを進める上での基本的な理念、哲学としては、自宅から徒歩、公共交通機関などで行ける範囲に医、職、遊などの日常生活の諸機能が集約され、だれもが安心、快適に歩いて暮らせるコンパクトシティー、歩いて暮らせるまちづくりを進めることが重要であると考えます。
  このように、二十一世紀のまちづくりという視点からまちづくり三法の見直しが必要であると考えますが、人口減少・超高齢社会におけるまちづくりのあり方として、コンパクトシティー、歩いて暮らせるまちづくりについてどのようにお考えなのか、国土交通大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  今回の都市計画法の改正では、だれもが安心、快適に歩いて暮らせるコンパクトシティーを進めるため、広域的に都市構造に影響を及ぼす大規模集客施設の立地可能な用途地域を見直すことにしております。これに対しまして、大型店をねらい撃ちにした商業規制で、消費者の不利益につながるとの批判も聞かれます。しかしながら、コンパクトシティーは、高齢者を含む多くの国民にとって優しいまちづくりであり、大規模集客施設の立地についての見直しは、このような二十一世紀のまちづくりを先取りするものであって、大型店に対する商業規制といった一面的なとらえ方にはくみし得ないと考えます。
  そもそも都市計画法は、その目的に「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与する」とあります。つまり、今回の改正は、地域の実情に即し、一体的にまちづくりを促進していくという本来的な枠組みを再構築するものであるととらえるべきです。
  そこで、コンパクトシティーを実現するために、都市計画がどのような役割を果たしていくべきとお考えか、また、それが今回の都市計画法の改正にどのように反映されているのか、国土交通大臣に伺いたいと思います。
  今回、大規模集客施設の立地可能な用途地域の見直しは、現行の六地域から、商業、近隣商業、準工業の三地域に限定しています。このゾーニングによって大型店の立地は規制されますが、大型店と定義されない一万平方メートル未満の専門店がロードサイドに林立すれば、結局は人の流れが郊外に向いてしまうと考えられます。この点について、国土交通大臣はどのようにお考えか、伺いたいと思います。
  続いて、公共公益施設の町中への集約についてお尋ねいたします。
  コンパクトシティー、歩いて暮らせるまちづくりを進めるに当たっては、大規模集客施設のみならず、人々の生活に必要な病院や文化施設など、公共公益施設も中心市街地に集積することが望ましいと考えます。そのためには、公共公益施設を支援措置により中心市街地に誘致するだけでなく、郊外などに無秩序に拡散することのないよう、都市計画のコントロールを及ぼす必要があると考えますが、今回の改正では、公共公益施設の立地に関してどのような措置を講じるかについて、国土交通大臣の御所見を伺いたいと思います。
  次に、地方を初めとする中心市街地の現状について、経済産業大臣に質問いたします。
  コンパクトシティー、歩いて暮らせるまちづくりを進めるに当たっては、町の顔となる中心市街地の活性化が必要不可欠ですが、地方の現状を見ますと、商店街に空き店舗が目立ち、公共施設が郊外に移転するなど、生活拠点としての魅力が失われている状況にあります。このような状況を踏まえ、生活拠点としての魅力を回復するための対応が必要であると考えますが、その施策について伺います。
  また、今回の中心市街地活性化策の内容は、住宅整備を含むインフラの整備と商業機能が軸となっております。しかし、町のにぎわいを取り戻すには幅広い視点が必要ではないでしょうか。地域の実情に応じて、医療や福祉、文化、歴史、教育など、多種多様な要素を組み込んでこそ、本来のまちづくりが達成されると思われます。内閣に設置される中心市街地活性化推進本部が、まさに各省庁にまたがる多様な政策のツールを整備すべきと考えますが、経済産業大臣の御所見を伺いたいと思います。
  次に、中心市街地活性化法では、基本計画の総理大臣認定制度を打ち出して、法律、税制の特例や補助事業の重点実施など、まさに選択と集中の仕組みの導入が図られます。しかし、これによって地域格差がますます拡大してしまうことに対する懸念も指摘をされております。この点について経済産業大臣はどのようにお考えか。また、この認定制度によって、既存の基本計画をどのように扱われるつもりなのか。また、中心市街地活性化協議会の構成メンバーをどのように考えておられるのか。地元の住民の参加問題も含め、経済産業大臣に伺いたいと思います。
  中心市街地の活性化の核は、やはり商業の活性化であります。中心市街地は、町の顔であるとともに、地域コミュニティーの場でもあり、今後高齢化が進む中、歩いて買い物ができる、必要なものが手に入るということは重要なことであると考えますが、肝心の商店がなければ意味がなく、商店があっても、必要なものが手に入らなければ意味がありません。今回の法改正により中心市街地の商業活性化を図り、町のにぎわいを回復することができるのでしょうか。経済産業大臣の御所見をお伺いいたします。
  今回のまちづくり三法の見直しを通じ、今後の新たなまちづくりの構築を期待いたしまして、質問を終わりたいと思います。

 

北側一雄国土交通大臣

 高木議員にお答え申し上げます。
 人口減少・超高齢社会におけるコンパクトシティー、歩いて暮らせるまちづくりについてお尋ねがございました。
  国土交通省といたしましては、人口減少・超高齢社会のもとで、高齢者を初め多くの人にとって暮らしやすい町となるよう、都市機能の無秩序な拡散に歯どめをかけ、都市の既存ストックを有効活用し、さまざまな機能がコンパクトに凝縮した歩いて暮らせるまちづくりを推進することが必要と考えております。
  このため、まちづくり三法の見直しに当たりましても、中心市街地活性化法、都市計画法等の改正を行い、都市機能の適正立地と中心市街地の振興を図ることにより、コンパクトなまちづくりが実現できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
  コンパクトシティーにおける都市計画の役割についてお尋ねがございました。
  人口減少・超高齢社会にふさわしいコンパクトシティーを進めるためには、都市計画を活用し、大規模集客施設等の都市機能の無秩序な拡散を防止することが必要と考えます。
  このため、今回の改正では、大規模集客施設について、商業地域等を除き、その立地を一たん制限し、立地に当たっては都市計画手続を経させることで、地域の判断を反映した適正な立地を図ることとしております。
  一万平米未満の専門店が林立することによる影響についてお尋ねがございました。
  今回の改正では、床面積が一万平米を超える店舗等は、広域から集客し、都市構造やインフラに大きな影響を及ぼすおそれがあることから、これらを規制することとしております。
  こうした規制に加え、中心市街地活性化法による支援策等によって、中心市街地の活性化を図り、その魅力を高めることで、人の流れを郊外から中心市街地に呼び込むべきであると考えております。
  公共公益施設の立地に関する措置についてお尋ねがございました。
  病院等の公共公益施設は、これまで開発許可が不要とされていたため、市街化調整区域等の郊外へ移転する事態が多数出現しております。
  コンパクトで歩いて暮らせるまちづくりを進めるためには、これらの公共公益施設が多くの人にとって便利な場所に立地するよう、まちづくりの観点からその適否を判断する必要があります。
  このため、今回の改正では、これらの施設を開発許可の対象とすることとしております。

 

二階俊博経済産業大臣

 高木陽介議員にお答えをいたします。
 中心市街地の生活拠点としての魅力回復についてのお尋ねでありますが、中心市街地の生活拠点としての魅力回復を進め、コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりを推進するためには、商業等の活性化に加え、公共施設等の市街地集積や町中居住の推進など、多様な取り組みを総合的に実施してまいります。
  この観点から、各種の施策を総合的かつ効率的に進めていくために、国土交通省を初めとする関係省庁と連携して中心市街地活性化法案を提出し、政府を挙げて対応してまいるところであります。
  経済産業省としても、生活拠点としての魅力回復に向け、町中における買い物拠点としての商店街に対し空き店舗対策を実施するなど、活性化に努めてまいります。
  中心市街地活性化本部の役割についてのお尋ねでありましたが、御指摘のように、単にインフラの整備と商業の活性化を進めるのみでは町の魅力は回復いたしません。医療や福祉、教育などの公共的な機能の集積など、多種多様な取り組みを総合的に進めることが重要であります。
  本法案で内閣に新たに設置されることとなる中心市街地活性化本部は、政府を挙げて中心市街地の活性化を総合的かつ効率的に推進するため、多様な政策ツールについて調整機能を担うものであります。
  選択と集中による地域格差拡大の懸念についてのお尋ねがありました。
  内閣総理大臣による基本計画の認定制度を設けることにより、まさに選択と集中を行い、これまでの非効率な支援を是正し、認定された基本計画に支援を重点化することとしたいと考えております。
  これにより、効果的かつ効率的な支援が中心市街地において実施され、活性化が果たされれば、その地域のみならず、その取り組みが広く普及され、多くの地域の活性化にも貢献するものと認識しております。
  既存の基本計画の取り扱い及び中心市街地活性化協議会の構成員についてのお尋ねがありました。
  市町村が、現行法に基づき作成した基本計画については、新たに策定される基本方針に基づき見直しを行い、地域の方々の意欲を反映した実効性の高い基本計画を改めて作成し、認定の申請を行っていただきたいと考えております。
  また、本法案で新たに設ける中心市街地活性化協議会については、商工会及び商工会議所や中心市街地整備推進機構が中心となり、商業者、開発事業者、地権者を含め、幅広い関係者が参画することを期待しております。
  中心市街地の商業活性化についてのお尋ねがございました。
  中心市街地における商業は、人々が集い、語り合い、ともに助け合う、また、お互いにそこに住む人たちがコミュニティーとしてのにぎわいを創造するための重要な存在であると認識をいたしております。
  そのためには、まず商業者の方々自身が奮起していただくことが重要でありますが、経済産業省としましては、選択と集中という観点から、改正後の中心市街地活性化法に基づき、地元商業者の方々の意欲的な取り組みについて重点的かつ効率的な支援を行い、町のにぎわいを回復するように懸命の努力をいたしたいと考えております。

 

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