国土交通大臣 冬柴 鐵三
国土交通省住宅局長 榊 正剛
高木(陽)委員
本日は、大臣の所信に対する一般質疑ということでお時間をいただきました。
国土交通省は、陸海空、職員も六万人以上いらっしゃるということで、あらゆる分野にわたって施策を講じている。そんな中で、本日は、時間も限られておりますので、特に住宅の問題について質問をさせていただきたいと思います。
住宅の問題でございますけれども、これは、持ち家の方、または賃貸の方、皆さんそれぞれ住まわれているわけですが、ストックの部分ではもう足りているわけですね、世帯数より。しかしながら、満足度がなかなかない。例えば狭いですとかバリアフリー化が進んでいないとか、質が問われている時代になっていると思います。
そんな中で、やはりミスマッチが多いということで、この問題を解消していかなければいけない。そんな観点から、実は、私ども公明党そして自民党と与党連携をしながら、今回、議員立法で住宅セーフティーネット法案、仮称ですが、これを提案させていただきたいと考えております。
その中で、これまでも国土交通省として、住宅政策、さまざまな分野にわたって的確な手を打っていただいていると思うんですけれども、現状、なかなか厳しい問題がございまして、例えば住宅の困窮者、今回、私ども議員立法で考えているのは、住宅の確保に特に配慮を要する者、要配慮者というような定義の仕方をしておりますけれども、その中で、例えば子育て世代。これは国民生活白書、子育て世代の意識と生活という部分で、平成十七年度のデータということで、発刊したということで、平成十七年は一千二百三十八万世帯、子育て世帯がいる。少子化の中で子育て支援をしなければいけないということで、我が公明党も野党時代から取り組んでまいりまして、その中で、児童手当等、お金の部分ではバックアップをしていこうという流れが大分充実してきました。
しかしながら、まだまだだと思うんですが、やはり住居という部分というのがかなり大きな比重を占めているな。例えば、理想の子供の数、いわゆる何人産みたい、こういうような希望があると思うんですけれども、その中で、その希望数、希望の子供の人数、なかなか子供が産めない。その理由で、家が狭いからと回答した人の割合というのが、二十五歳から二十九歳で二〇%、三十歳から三十四歳で一九・八%。五人に一人が、家が狭いから、ここはちょっとなかなか子供を産み育てられないな、こういうふうに回答している。
さらに、経済的な部分でいきますと、子供世帯の教育関係費、消費支出の総額の一二%を教育費で占めてしまう。そうなりますと、住居に消費支出を充てていくというのがだんだんと圧迫をしてくる、こういった問題があると思います。
その中で、これは先日の予算委員会で我が党の大口議員が質問した中でも触れられたと思うんですが、最低居住面積の水準未満率、これは民間借家の場合で子育て世代で、全国は一六・八%なんですけれども、都市部、東京都は二五・六%、大阪は二二・〇%ということで、なかなか子育て世代に対しての住居の問題というのは大きな課題があるな。
さらに、もう一つ大きな問題は高齢者ですね。高齢者に関しまして、結構、入居制限をしている。単身の高齢者の入居を拒否する賃貸人の割合というのが日本賃貸住宅管理協会の調べで八・四%、これは単身の高齢者、高齢者のみ。いわゆる老夫婦二人ですね、こういった世帯の入居を拒否する賃貸人の割合が七・一%。これは、正直に答えて八・四%、七・一%だと思うんですけれども、もっと潜在的にはそういった問題があるだろうな。
さらに、先ほど冒頭に、ストックは足りているけれどもミスマッチがあるというお話をしました。例えば一つの例を挙げてみますと、高齢者の方が田舎に一人で暮らしている、お子さんたちの世帯は都心で仕事がある。ただ、元気なうちはいいですけれども、大分体がいろいろとぐあいが悪くなってきた、介護が必要になってきた。そういうときに親子で一緒に住みたいな。しかし、お子さんの方は仕事がありますから、なかなか実家の田舎の方には帰れない。そうなりますと、では親を呼び寄せるかといったときに、親と一緒に住めるか。そうなると、なかなかそれだけの間取り、スペース、これも厳しい。そうなると、では近くに住めば安心かなということで、高齢者の方が単身で住める、近居する。こういったときに、近くに住もうと思って探すのですが、先ほど申し上げたように、単身の高齢者の入居を拒否する割合というのが八・四%、一割弱ある、こういった問題。
ここら辺のところを考えますと、今例に挙げましたのは子育て世帯、高齢者でございますが、そのほか障害者など、または外国人の方、またDVの被害者、犯罪被害者、いろいろ例はあると思います。そういう住宅確保に特に配慮を要する方の居住の安定確保に向けて、先ほど例に挙げました高齢者、子供世帯との近居、同居の促進も含めまして、公営住宅のストックの有効活用、これがやはり重要だと思うんですね。
この取り組みに関しまして、まず伺いたいと思います。
冬柴国務大臣
高齢者、子育て世帯、また身体障害者等に対して、賃貸住宅を取得するにしてもいろいろな障害がある。
二つあって、一つは、物的には大変劣悪な居住環境の中で過ごさなきゃならない。先ほど挙げられたとおりでございまして、アメリカの一人当たりの居住の面積は六十五平方メートルと言われておりますが、日本では三十六、そして都心の賃貸住宅では実に二十一平米しかないというふうに言われています。
もう一つはソフトの面で、先ほど挙げられましたように、そのような弱い立場にある人たちが本当に賃料を払ってもらえるのかとか、単身の老齢者が入っていただくのはいいけれども、そこで亡くなられたら困るとかいうような配慮から、賃貸借契約の締結を渋る、そういうことも、人情上あれですけれども、これは大変な社会問題だと思うんですね。
そういう意味で、我々は、今まで優良賃貸住宅制度とか高齢者向け優良賃貸住宅というようなものがありましたけれども、これをもう一度総合し直しまして、そして地域優良賃貸住宅制度というものを創設しようということでございます。
これはどういうことかといいますと、高齢者、子育て世帯というような人たちが地域で住居を取得するについて、特に配慮を必要とする世帯に対して我々が考慮していこうという方向でございます。
二つの方向があります。一つは、民間の賃貸住宅事業者に対して、そういう人たちを優先的に入れていただくという用意のある人に対しては、建設費について助成をしようという一つの方向でございます。もう一つは、賃貸借を円滑に進めるために、その人たちが賃料債務を不履行した場合には保証しますというような制度とか、あるいは期待される賃料が払えないような人のために家賃を補助しますというような方向。
それからもう一つは、あんしん賃貸推進の事業のような形でございますが、そういう人たちに入っていただく民間の住宅をあっせんする、そのような情報を提供するというような事業を今、国土交通省では進めているわけでございます。
いずれにいたしましても、そのような方々、ハンディキャップを持った人たち、あるいは弱い立場にある人たちが安心して住宅を、賃貸住宅にしても、そしてまた良質なものを手に入れていただくことができるように、我々としては頑張っていかなければならないというふうに考えているところでございます。
与党におきましても、そういうものについて議員立法をしてやろう、これは非常にありがたい話で、我々のこのような考え方が、法的な裏づけがあれば、より一層そういう政策が進むのではないかというふうに思っているところでございます。よろしくお願いしたいと思います。
高木(陽)委員
今、大臣から全体的な取り組みについてもお話をいただきました。
その上で、特に高齢者さらに障害者の方が安心して居住できるようにするため、これはまさにバリアフリー化が必要だと思うんですね。このバリアフリー化の問題、これは住宅だけではなくて、交通関係もそうですけれども、我が党が与党に入る前後からさまざまな法制化をさせていただきまして、そして、このバリアフリー化というのはあらゆる分野で進んでいる。もうバリアフリーという言葉ではなくて、ユニバーサルデザインの流れになってきていると思います。
そんな中で、住宅のバリアフリーといいながらも、なかなか個人の持ち物、持ち家はそう。持ち家の場合はさまざまな税制等もできてまいりましたけれども、賃貸の部分も含めて、やはりこれは積極的に、果敢に、スピード感を持ってやらないと、この急激に進んでいる超高齢化社会の中にあって、絶対的にやらなければいけない問題だと思うんです。
このバリアフリー化、特に住宅のバリアフリー化についての国交省の取り組み、これについて伺いたいと思います。
冬柴国務大臣
お説のとおりでございまして、私どもは、バリアフリー改修促進税制というものを十九年度の税制改正の中でお願いしているところでございます。
これによって、今までのように、大きな借金をしなければそういう税制上の優遇が受けられないというものに対して、例えば、廊下を広くする、手すりをつける、あるいは家の段差をなくすというような基本的に重要なバリアフリーの改修工事であっても、例えば三十万とか四十万ぐらいの工事であっても税制上の優遇措置を受けられる。五年間にわたって二十万円ぐらいですけれども、これは非常に大きなインセンティブを与えるのではないかというふうに考えております。
高木(陽)委員
今回の税制改正で住宅のバリアフリー化について新たな導入をされたということで、やはりしっかりとこれを促進していく。さらには、これを一つの突破口としてさらに拡充もしていく。これは、さらにことし暮れの、十二月の税制改正にもなると思うんですけれども、そういった部分も視野に入れながら、やっていっていただきたいなと思います。
続きまして、先ほど冒頭の質問のところでも申し上げましたけれども、高齢者、障害者、外国人、子育て世帯、この入居制限、このケースが見られます。
これらの入居の円滑化を図るために、もちろん、貸す側、大家さん、こちらの方もしっかりと取り組んでいかなければいけないんですが、やはり情報等がまだしっかりと行き渡っていない。せっかくありながら、一人で一生懸命探して困っている方々もいると思うんです。そういうのは、行政だけではなくて、不動産業者、NPO、こういった方々の協力というのが不可欠と考えておりますけれども、これについてどのように取り組んでいるか、伺いたいと思います。
榊政府参考人
委員御指摘のように、賃貸住宅管理協会のアンケート調査によりますと、一六%の民間賃貸住宅経営者が、高齢者、障害者、外国人、小さい子供のいる世帯等について入居制限を行っておるというふうな実態がございます。これらの方々が安心して民間賃貸住宅に居住できる環境を整備していくということが重要な課題だというふうに思っております。
私どもとしては、去る六年前の平成十三年に、高齢者の居住の安定確保に関する法律、高齢者安定法といったものをつくらせていただきまして、高齢者の入居を受け入れることとしております民間賃貸住宅に関する情報を幅広く提供するといったような取り組みを行ってまいりました。
さらに、大家さんが高齢者などの入居の受け入れに対しまして、家賃の支払いですとかトラブルの発生といったようなことに対して不安を感じているということを踏まえまして、その不安を解消して、入居の円滑化と安心できる賃貸借契約を構築できるようにというようなことで、実は今年度、平成十八年度から、モデル事業として、あんしん賃貸支援事業というものを創設いたしました。
中身を申し上げますと、公共団体ですとか、福祉部局の社会福祉法人ですとか福祉関係のNPOの方、要するに、賃貸住宅に入った後のケアがどうなるかというのを大家さんは心配でございますので、こういうケアができるよというようなことを言って大家さんに安心していただく、それから、不動産関係団体も入っておりますので、そこで、この人は大丈夫ですよ、家賃をちゃんと支払いますよ、こういったような安心感を持っていただくというようなことで、高齢者、障害者、外国人、子育て世帯を対象にいたしまして、入居を受け入れることとしております民間賃貸住宅に関する情報提供をやろうということにしております。
平成十九年度につきましては、現在、モデル事業ということで八地方でやっておりますが、これを、できれば倍増以上にふやしていきたいというふうに思っております。
今後とも、こういったような福祉施策と密接に連携いたしまして、民間賃貸住宅を有効に活用しながら、重層的かつ柔軟な住宅セーフティーネットの構築に努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
高木(陽)委員
今、住宅局長の方から、あんしん賃貸支援事業の概要についても御説明がありました。これはモデル事業としてやっているということで、他の自治体、または他の不動産、いわゆる宅建業者、さらにはNPO、各地域にいろいろとあると思うんですね。こういったところにもっと、こういうのがあるんですよ、こういうのをやっていきましょうという、宣伝じゃないですけれども、やはり情報提供ですね。住みたいという人たちへの情報提供は、もちろんそういう事業をベースにしてやっていく、拡大をしていく。それにかかわっている方々に対しての情報提供も必要だと思うんですね。
こういった部分では、整備局等々を通じながら、また各県または市町村等々の、さっき福祉部局と言いましたが、まさに住宅だけではなくて、そういった福祉部局等とも通じながら、やはりしっかりとネットワークを広げていくことが必要であるということで、今後よろしくお願い申し上げたいと思います。
続きまして、住みかえの支援のことについて伺いたいと思いますけれども、これも先ほど申し上げましたミスマッチの問題ですね。
これもちょっと具体的な例を一つ挙げたいと思うんですけれども、高齢者の方々が戸建てに住んでいる。子供を育てているころは、その戸建てで、スペースがしっかりあった。ところが、子供たちが独立をして夫婦二人だけになった、またはひとり暮らしになった。広過ぎるわけですね。そういった部分では、これをもう少し自分の生活のスタイルに合わせて、では移っていこう、ただ、自分の持ち家がありますから、これはこれでどうしたらいいんだろう、こういった問題があると思うんですね。
さらに、これも先ほど申し上げた近居の問題で、田舎に住んでいる、ここは戸建てに住んでいる、子供の近くに住みたい、住むのはいいんですけれども、ではここのあいた家はどうするんだといった問題ですね。
ここら辺のところをしっかりとマッチングしていくことによって、ストックは十分なんですけれども、自分の希望しているような、自分が満足いくような家に住めないという方々、これをしっかりそこにあっせんしていく、こういったことが必要ではないかと思うんですね。
このミスマッチの解消に関しまして、国交省の取り組みを伺いたいと思います。
榊政府参考人
委員御指摘のとおり、賃貸住宅市場を見てまいりますと、特に大都市部を中心に、子育て世帯に適した床面積の広い住宅ストックが不足をいたしており、一方で、高齢者の単身、夫婦世帯の多くの方が管理の大変な広い持ち家に住んでおられるということで、ストックとニーズのミスマッチというのが現存しております。
例えば、六十五歳以上の単身もしくは夫婦の持ち家世帯というのを見ますと、五四%の方が実は百平米以上の広い住宅に住んでおられます。一方で、四人以上の世帯の三分の一といいますか、三〇%ぐらいが百平米未満の住宅に居住しておる、こういうことになっております。
したがいまして、私どもといたしましても、高齢者の持ち家を円滑に賃貸化するということによりまして、より高齢期の生活に適した住宅への住みかえを促進すると同時に、より広い住宅を必要とする子育て世帯へ賃貸住宅を供給する。いわば、高齢者の広い方がそれをお貸しすると、そこでちゃんと家賃が入ってまいります。その家賃でもって、例えば持ち家が年金にかわる可能性もございます。その家賃でもって、例えば子供さんの近くに住むというようなことも考えられるわけでございます。
実は、これも昨年の十月から、高齢者住みかえ支援制度というのをつくりまして、中間法人をつくりまして、やってみたらどうかということでやり始めまして、有限責任法人の移住・住みかえ保証機構というのをつくりまして、そこが借り上げ主体として登録をしていただきまして、そこが一括借り上げをいたしまして、広く子育て世帯等へ定期借家で貸すというような仕組みをつくって、今やり始めております。現在、十月に始めましたが、約四カ月ぐらいで五十件ぐらいについて具体的な物件の申し込みがございまして、そのいわばマッチングの作業をやっておるところでございます。
このほか、各地方公共団体でも、高齢者の住宅を活用した住みかえを支援する独自の情報提供ですとか住宅の借り上げ制度を開始されているところもございます。したがいまして、私どもとしても、こういったような動きを地域住宅交付金を活用してやっていっていただきたいというふうに思っているところでございます。
このような取り組みを通じまして、国民の価値観なりライフステージに応じた良質な住宅が適時適切に選択できるといったような賃貸住宅市場の環境整備に努めていきたいというふうに思っておるところでございます。
高木(陽)委員
今お話がありましたように、自治体の方でもそういった住みかえ支援のスキームというか枠組みをつくりながらやっている。これはまさに、いいものは全国でしっかり展開をしていただきたいと思うんですね。その中で、やはり住宅政策について意識を持った自治体もあれば、全くと言っていいほど無関心な自治体、公共団体もある。そういったことも含めまして、そういったそれぞれの地域、自治体に対してもそういう情報提供も行っていただきたいなと思います。
もう一つ、福祉との問題ということで御質問させていただきます。
先ほどの質問の中で、福祉部局と連携をとるという話がありました。この住宅問題というのは、どうしても国土交通省住宅局というところが所管ということになっていますけれども、住宅問題というのはまさに福祉の問題でもあるな、こういうふうに思うんですね。
例えば公営住宅、公営住宅法のもとで、低所得者に対してしっかり住宅供給をしようということでできてまいりました。しかしながら、現実問題を見ますと、例えば東京都の場合には、都営住宅に応募をする、倍率が二十倍にもなる。ということは、二十人に一人しか入れない、十九人は入れないわけです。では、その入れない方はどうしているのか。これは民間のところで何とか生き抜いているわけですね。逆に言いますと、では、その方々を入れるだけの公営住宅をつくるかというと、今そういう流れになっていません。
では、もしそういう方々が公営住宅に入ってきますと、今住んでいる方々は出なきゃいけないわけですね。この出る人たちは、ではどこに住むか。今の民間賃貸住宅の中で、特に都市部においては、家賃も高い中で住めない。そういう中で、これもお話にありました、地域優良賃貸住宅、これまでの高優賃、特優賃を再編しながらやっていこうという、これをしっかりと活用しなきゃいけないわけですね。
もう少し言いますと、では、公的なその住宅だけですべて間に合うかというと、今度は、家計的には大丈夫だけれども、やはり居住の制限があるということで、民間賃貸住宅に対してもしっかりとアプローチをしなければいけない。これを総合的にやらなければいけないということで考えていく。
その上で、例えば年金の問題というのがずっと、この数年、少子高齢社会ということがテーマの中で議論されてまいりました。例えば、厚生年金にしろ国民年金にしろ、ある一定額のお金をいただく。この年金を、額が確保されていればそれですべていいのかというと、例えば、高齢者の中で、持ち家の人と賃貸住宅に住んでいる人が同じ年金をもらっても、いわゆる可処分所得が違うわけですね。使えるお金というのは、賃貸住宅に住んでいる人は家賃を取られてしまいますから、そういった中での生活というのはどうしていくのかという、まさにこの高齢社会においては住宅問題というのをしっかりと位置づけてやらなければいけない。
ところが、縦割り行政というのは、自分の部局のことを一生懸命やる中で、国交省は一生懸命そういう福祉のところまで目を広げながらやっていただいている。ところが、何か年金で話している方はなかなか、そんな住宅は関係ない、お金だけ出せばいい、こういうような発想に陥りがちではないかなと思うんです。その中で、この住宅セーフティーネット、高齢者、障害者、子育て世帯等で充実をさせていかなければいけないと思うんですが、住宅政策だけではやはり限界があると思うんですね。福祉政策との緊密な連携、これが不可欠だと思うんですけれども、その点についてどのように考えているか、伺いたいと思います。
榊政府参考人
高齢者等に対します住宅セーフティーネットの充実ということにつきましては、住宅政策と福祉政策の緊密な連携が不可欠であるというふうに思っております。
例えば、今までやってきました取り組みを申し上げますと、大規模な公営住宅を建てかえるとか、かつての公団住宅を建てかえる場合には、保育所とかデイサービスセンターといったような福祉施設を併設するということを実は原則化いたしております。
それから、高齢者の生活特性に配慮しましたバリアフリー化されました公共賃貸住宅、そういうところには、ライフサポートアドバイザーによる日常生活支援サービスの提供というのをやっていこうということで、これも十数年前からシルバーハウジングというようなプロジェクトという形で名前を打ちまして供給をいたしております。
それから、知的障害者、精神障害者等が地域での自立した生活を営む場を提供するというようなことで、実は、公営住宅をグループホーム事業という形で活用していただいて結構だということで取り組みを進めております。
さらに、今年度からでございますけれども、先ほど申し上げました高齢者専用賃貸住宅でございますが、一定の居住水準を満たす場合には介護保険制度の特定施設の対象としていいというふうに、厚生労働省さんとお話をして、できました。これでいわば居住系サービスの充実ができて、高齢者が安心して住める住まいの供給ができるのではないかというふうに考えております。
それから、先ほども触れましたが、あんしん賃貸支援事業といったようなことを創設いたしまして、地域における福祉をやっておられるNPOの方、社会福祉法人の方と連携をいたして、そういったような居住支援サービスに関する情報を一元的に提供しようというようなことで、高齢者の居住安定に向けました社会福祉法人の活動に対する支援もやっていきたいというふうに思っております。
厚生労働省さんと私どもの関係ということでいえば、先生御指摘のようなところがございますので、きっちりした連携をとりたいと思っておりますし、それから、住生活基本計画をつくりました後に、実は関係省庁会議をやろうということで、各省とも、住生活安定向上施策推進会議といったようなところで関係省庁との緊密な連携も構築したいというふうに思っているところでございます。
高木(陽)委員
時間も参りましたので、最後に大臣にお伺いしたいと思います。
昨年、住生活基本法ができました。また、地域住宅特別措置法の中で、国が基本方針をつくって、そして地域住宅計画をつくりなさいと。実は、今回私どもが考えている住宅セーフティーネットの法案で、住宅になかなか入れない、いわゆる要配慮者に対する基本方針をしっかり国でつくってもらいたい、その上で地域住宅計画にそれを盛り込んでもらいたい、こういうような形で今考えております。
その中で、先ほど、地域優良賃貸住宅制度で、地域住宅交付金を使いながら地域でそのニーズに応じてやるというのですが、まさに住宅政策というのは、国交省が方針を出しながらも、やるのはいわゆる公共団体、地域が大切なわけですね。地域によっては、都市部とまた地方都市では全く違うニーズがあると思います。そういった中で、まさに国交省の基本方針がばしっと出ることによって、地域の、特に公共団体の地域住宅計画が、そこにどういう肉づけをしていくかというのがこれから大きな課題になってくると思います。
その上で、高齢者、障害者、子育て世帯、こういった居住の安定を図るための住宅セーフティーネット、これはまさに、先ほどから何度も申し上げていますように、この少子高齢社会の中にあって、ある意味でいうと最も優先すべき問題、年金の問題以上に、ここをクリアしておかなければ、年金が幾らもらえてもこの住宅問題で大変な問題になってしまう、こういうふうに私は考えております。
その中で、最後、大臣に、この住宅セーフティーネットの充実に向けての御決意を初め、伺いたいと思います。
冬柴国務大臣
住宅こそ、一番長い時間そこで過ごし、子を産み育て、そして夫婦相むつまじく育つ、なごみの空間であります。そういうものが、経済が幾ら発展しても、外国からウサギ小屋などと酷評されるようなことは許されないわけでございまして、国土交通省といたしましても、今委員から御指摘をいただいたような面で、特に、弱い立場にあって賃貸住宅を求めても拒否されるような世帯というものが生ずることのないように、住宅のセーフティーネットはしっかり張っていきたい。
その一つのツールとして、先ほど申し上げましたような地域優良賃貸住宅という、民間の賃貸住宅業者がこういう弱い人たちに優先的に入っていただくような住宅を建てよう、そういうインセンティブを働かせるような政策をしっかりと打ち出していきたい、そして、それぞれの地域の方の特性に応じてその地域地域が頑張っていただけるような政策をとっていきたいというふうに考えます。
高木(陽)委員
この住宅弱者に対して、私ども公明党も今後も全力で取り組んでまいりますけれども、大臣、ある意味では、国土交通省の施策だけではなくて、内閣を挙げてこういった問題に全力で取り組んでいただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
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