オフィス メルマガ受付 お問合せ  
メッセージ プロフィール アクティビティ 政策 実績 衆議院会議録
第163回国会 衆議院会議録
2008(平成20)年01月09日
 
 


第168回 衆議院 「国土交通委員会」5号

 

国土交通大臣 冬柴 鐵三
国土交通省住宅局長 和泉 洋人

 

 

高木(陽)委員

 公明党の高木陽介でございます。
 昨年からことしにかけまして、国土交通省の抱える問題でマスコミを中心にまたさまざまな批判が出ておりまして、大きな三つの壁にぶつかっているなと。
 一つは、先ほどの質問でもございました、道路特定財源、暫定税率の問題。特に原油高騰の問題がありますので、どうしてもそれとリンクして、税率を下げてもらいたい、そういった声も結構現場ではあります。
 もう一つは、年末に議論になりました独立行政法人改革問題、特に都市再生機構の問題で、これはこれで、そこに住まわれている、特に賃貸のUR住宅七十七万戸の今住んでいる方々の問題をどう守るか、ここがなかなかクローズアップされないまま、ただ単に独法改革ということで報道されたというのもありました。
 そしてもう一つは、建築基準法の改正による建築確認の問題でございます。
 本日は、この建築確認の問題を中心に質問させていただきたいと思います。
 もう今から二年前、三年前になりますか、当時の姉歯建築士の耐震偽装問題というのがクローズアップされ、この国土交通委員会でも、参考人そして証人喚問が行われる中で、さまざまな議論がなされてまいりました。これをきっかけに建築基準法が改正され、そして昨年の六月の二十日施行されるという、この結果、もう多くの方も御存じのように、建築物の安全確保というのはだれもが求めている、にもかかわらず、いざ改正をしてみると、その目的以上にさまざまな審査のあり方、ここがなかなかなれないというか、うまく運営されなかったというか、そういうような状況の中で、建築確認の手続がおくれてしまう。また、住宅着工が激減する。これはまさに、現場の方々も大変なんですけれども、経済全体にもかなり影響が出始めている、こういった状況になっております。
 この問題に関しまして、現在の住宅着工等についての状況、この認識を大臣にまずはお伺いしたいと思います。

 

冬柴国務大臣

 建築基準法につきましては、国民生活に不安をもたらしたいわゆる姉歯事件等、耐震偽装問題の再発を防止いたしまして、一日も早く国民が安心して住宅の取得や建築物の利用ができるように、新たな構造計算適合性判定、いわゆるピアチェック制度を導入するなど、建築確認手続を厳格化することを柱とする改正を行い、そして一昨年六月の公布後、一年以内に施行することとされていたところでありまして、昨年の六月二十日、施行されました。
 改正建築基準法の施行に当たりましては、関係府省令等、四本の府省令、それから告示が二本ですか、計六本の府省令等の施行等を行いまして、そのたびにパブリックコメントを実施したり、全国各地で審査担当者向けの研修会や設計者、施工者向けの講習会を開催するなど、事前に改正の内容の周知には努めてきたところでございます。
 しかしながら、六月二十日、改正法が施行後、従前は二十一日でありました申請から確認までの審査期間、これを最大で七十日まで延長いたしましたほか、結果として、改正内容の周知が必ずしも十分でなかったということによりまして建築確認が停滞し、建築着工が大幅に減少したということはお説のとおりでございます。これに対して、国土交通省といたしましては、施行後、QアンドAのホームページへの掲載、電話相談窓口の設置、実務者向けのわかりやすいリーフレット三十万部の配布など、関係者の方々に対する情報提供等を進めてきたところでございます。
 改正法の施行後減少が続いていた住宅着工は、十月以降は増加に転じてまいりました。細かく見てみますと、九月は六万三千十八戸であったものが、十月は七万六千九百二十戸、十一月は八万四千二百五十二戸と対前々月比で三三・七%増ということになっておりますし、建築確認も着実に改善してきております。また、戸建て住宅は改正法施行前と同程度の水準に推移いたしておりますが、構造計算が必要な建物についてはいまだ十分と言えない状況が続いております。引き続き改善は進んでいくものと見込んでおりますが、努力をしていかなければならないと思っております。
 また、大臣認定構造計算プログラムというものを出そうということだったわけでございますが、実務界からは一日も早い完成が求められていることから、国土交通省といたしましては、先行して開発が進んでいる構造計算プログラムについて、今月二十一日を目途に仮認定を行い、試行的な利用を開始することといたしました。
 今回の建築基準法の改正は、国民の安全、安心を確保するために、また、今後二度と耐震偽装というような設計や建物の施工が行われないようにするために不可欠な政策の実施でありまして、後戻りすることはできないというふうに思っております。
 一生でそう何回も求めることのできないマンション、せっかく買って生涯で一番長い時間を家族とともに過ごす、その平穏な家庭というもの、そういうものが震度五強の地震によって崩壊をするおそれがあるという恐ろしい建物が、二度と再びこの国でつくられ売りに出されることがないようにするために、私はぜひこれは国民に御理解をいただきたいわけであります。
 しかし、このような改正に伴う混乱が生じまして国民経済にまで影響を与えたことに対しましては、建築行政を担当する者といたしまして、私は結果責任として心から国民におわびを申し上げ、今後これが一日も早く通常な状態に戻り、また、国民生活に対する、経済に対する影響が大きくならないように万全の努力を尽くしてまいりたい、このように思っております。

 

高木(陽)委員

 今大臣の方から責任者として、結果責任ですから、国民の皆様におわびしたいという謝罪のお言葉もございました。
 この建築基準法の改正というのは、まさに安心、安全を確保するということで、その目的はすばらしいものである。
 ただ、ここでちょっと知っておいていただきたいのは、一昨年この委員会で建築基準法の改正をやったときに、民主党の方々もこれを改正すべきだということで、さらに厳しくすべきだという御意見がございました。もし、さらに厳しい状況、ピアチェックはもちろん必要なんですけれども、それ以上の中間検査から何から入った場合には、これは、今回の建築基準法による建築確認のおくれ、それ以上の大きな問題が生じてしまったのではないかな、そういったことも指摘をしておきたいと思います。
 そのときに、政府案、そして与党が賛成した案で、それでもこれだけの大きな問題が起きてしまった。これについては私たち公明党も、九月以降、さまざまなヒアリングをさせていただいて、大臣に対して数度にわたって申し入れをさせていただき、大臣も、すぐに現場を見ようということで、さまざまな建築士の方々、また業者の方々、さらには判定機関のそういった状況について、足を運んで確認をしていただきました。そういった現場に足を運びながら、また情報提供、先ほどホームページの問題、リーフレットの問題、三十万部をつくって配布した、こういったものもございました。
 ただ、ここで一つ指摘しておきたいことは、実は、昨年の十二月の頭でございましたけれども、首都圏の一級建築士の方々百数十名と懇談をする機会がございました。そのときに、その三十万部のリーフレットの話をしたときに、三分の二ぐらいの方々がその存在を知らなかった、こういう事実がありました。
 やはりここは、お役所の仕事というのは、つくって配布をする、しかし、それがどこまでどうやって伝わっているのかというところまで確認をしていない、こういう実態があるので、それは指摘をさせていただいて、さらにその後、手を打っていただいていると思います。
 そういった現場の声に耳を傾けながら、さらに実情に即したきめ細かい対応、これについて、先ほど大臣がおっしゃられておりましたけれども、もう一歩大臣として、今後、これまでもやってきたけれどもこれからさらにやるといったことも含めて、もう一つお伺いをしたいと思います。

 

冬柴国務大臣

 御指摘のように、公明党からの申し入れ等いただきました。実情に即してさらにきめ細かな情報提供を行うということ、あるいは審査機関と設計者側のコミュニケーションの確保を図ることが必要だということも御指摘をいただきまして、先月の七日でございますが追加対策を公表したところでございます。
 それによれば、具体的には、私も聞きました、私は三部持っているという人があれば、私はもらったけれども一番最後まで読んでいないという人もありまして、これではちょっと大変だな。そこで、中小企業者の方々がかかわる物件の構造設計等、あるいは金融の問題もそうですが、個別に無料相談に応じるサポートセンターというものを各都道府県につくりました。また、審査機関と建築設計団体から成る協議会を設置いたしました。大変それはよかったということを関係者からおっしゃっていただいております。
 また、構造計算適合性判定業務を実施している指定機関を視察もさせていただきまして、その作業の大切さというものも実感をいたしましたが、建築設計や施工に携わる実務者の方々、特定行政庁や指定確認検査機関の代表の方々からおいでをいただきまして、直接現場の実情もお伺いをさせていただきました。その中で、審査担当者の中で、最初は戸惑ったが今はなれてきて、きちんと安全性を審査した確認を安心しておろせるからいい改正であったと思うというような話もいただきまして、大変うれしく思ったところでございます。
 引き続き、現場の声をよく聞きながら、建築確認手続の円滑化に向けた取り組みを強化、継続していきたい、このように決意をいたしております。

 

高木(陽)委員

 大臣を筆頭にこの問題にさまざまな手を打っていただいて、九月以降からこの建築確認及び着工が徐々にまた回復し始めている。先ほどもお話がありました、九月六万三千、十月七万六千、十一月が八万を超えた、こういう流れなんですが、どうしてもマスコミの報道を見ますと前年比と比べるんですね。前年比と比べるとどうしてもまだまだ戻っていない。もっと言いますと、昨年、一昨年は結構住宅着工が多かった、こういう時期もございまして、そう考えると、比較の仕方というのが、例えば過去五年間の平均の前月比みたいな形の方が、ああ、ちゃんと戻ってきているなという実感。このイメージ、実感というのが結構大切なもので、ここら辺のところも御検討いただきたいと思います。
 そういった着工数、また建築確認がおりるというのがふえている中にあって、マンションの問題がなかなか厳しいな。マンションの構造計算、これはまさに姉歯の事件の問題が大きなきっかけですから、ここは慎重にやらなきゃいけないというのはあるのですけれども、マンションなどの構造計算を要する建物についての改善がおくれているという実態について、構造計算適合判定業務の効率化が課題になると思われますけれども、この対策について伺いたいと思います。

 

和泉政府参考人

 先ほど大臣の方からも御答弁申し上げましたが、戸建ての確認についてはほぼ前年並みということではございますけれども、構造計算を要する建物の確認がまだおくれている、こういったことでございます。
 最近の建築確認件数の増加、七月三万六千余、十一月五万三千に伴いまして、構造計算適合性判定の申請件数も大幅に増加してございます。七月はわずか六十六件でございましたが、十一月は一千八百三十三件。こういった状況の中で、一部の構造計算適合性判定機関におきまして処理能力に余裕がなくなるといったおそれがございまして、今後この問題で審査が滞ることを懸念する声があると聞いております。
 このため、国土交通省としましては、例えば整形な物件とか比較的小規模な物件については、原則二人の判定員で実施しているこの業務を、もう一人でいい、こういった形で業務の合理化をしまして、この適判機関の業務の効率化を図ってまいりたい、こう思っております。また、本年二月十八日には、構造計算適合性判定員のさらなる確保を図るための追加講習会、こういったこともいたす予定でございます。
 いずれにしましても、こうした取り組みによりまして、今後とも、構造計算適合性判定の業務は怠ることのないようにしっかりと努めてまいりたいと思っております。
 また、先ほど委員御指摘の着工の戸数でございますけれども、十八年度、昨年度は百二十九万戸でございました。極めて戸数が多うございました。しかしながら、例えば平成十五年度ですと百十七万戸、平成十四年度でございますと百十四万戸でございまして、確かに対前年だけで議論するのはいささか無理なところがあるわけでございますが、いずれにしましても、この住宅着工を早く回復することが私どもの責任でございますので、しっかり頑張ってまいりたいとは思っております。よろしくお願いします。

 

高木(陽)委員

 今回の改正で、特に現場で、さまざまな細かい部分で戸惑ったところがあったと思うんですね。これには相談窓口等々でしっかりと対応する、また、パンフレット等を発行して、ある意味では書き方の問題だとかそういったところは大分解消されてきている。
 大きな問題は二つあると思うんです。一つはマンパワー、いわゆる適合判定員という新しい制度の中で、これが足りているのかどうかという問題。これについては、今住宅局長からお話のあった追加講習等をやって、そういったマンパワーの解消も図っていく。
 もう一つは、大臣認定プログラムの問題だったと思うんですね。やはり、このソフトがしっかりしている、これがあることによって作業がスムーズにいくというものがあったんですが、この六月の二十日の施行段階でこの認定プログラムができていれば大分変わっていただろうな。しかしながら、過去のことを振り返ってもしようがありませんので、これについては、先ほど大臣も、仮認定をするというお話がございました。
 当初は昨年の末まで何とかと言っていたんですが、ここはちょっとおくれましたけれども仮認定までこぎつけたということですが、今後どのような見通しとなっているのか伺いたいと思います。

 

和泉政府参考人

 この大臣認定プログラムは、この院でもいろいろ御指摘いただきまして、確かに前回の御答弁で、何とか昨年中ということを申し上げました。この点については、担当者として大変申しわけございません。
 現在の状況でございますが、先ほど言いましたように、何とか昨年内を目途に第一号の認定を行えるよう関係者に要請してまいりましたが、新しいプログラムは、偽装を確実に排除できる改ざん防止機能、あるいは建築基準法令の規定に適合しない数値の入力防止のための機能、こういったことがあることから、開発作業がおくれておりまして、大変申しわけございませんが、現在ではまだ大臣認定をするに至っておりません。
 一方で、今委員御指摘のように、実務界からは一日も早く完成が求められていることでございますので、国土交通省といたしまして、先行して開発が進んでおりますNTTデータの構造計算プログラムにつきまして、今御指摘のように、今月二十一日をめどに仮認定を行いまして、試行的な利用を開始することとしております。
 試行的な利用に当たりましては、試行的な利用でございますので、NTTデータとプログラムの利用が見込まれる設計者側あるいは審査側がコンソーシアム、協議会を設置しまして、この仮認定プログラムを実際に用いてソフトウエアのふぐあいの確認などを行いまして、早期正式認定につなげていきたい、こう考えております。
 また、正式に大臣認定を行う際に、直ちにこのプログラムが全国の設計事務所等で使えるように、この試行利用と並行しまして、プログラム利用に関する研修会を全国で行ってまいりたい、こう考えております。
 以上でございます。

 

高木(陽)委員

 住宅建築関係というのは、すそ野の広い業界、下請、孫請、それぞれの分野ごとにいろいろとあって、建設関係というのは五百万人の従業者がいる、こういうふうにも言われておりますが、そういった中で、特に中小零細企業の方々、下請、孫請をしている、ある意味では一人親方みたいなそういった企業、会社が、かなり住宅着工がおくれているということで、仕事がない。仕事がないということは、それはお金が入ってこない。年末年始、年を越えられるか、こういった問題もございまして、これについて申し入れをして、さまざまな手を打っていただいたと思いますが、その点について、中小事業者の資金繰り、こういった問題についてどのように対応してきたか、またはしていくのか、それを伺いたいと思います。

 

和泉政府参考人

 御指摘のとおり、今回の改正基準法施行で建築関連の幅広い中小事業者に対して大変御迷惑をかけております。資金繰りが大きな問題となっております。
 このため、中小企業庁と連携しまして、十月九日から政府系中小企業金融機関によるセーフティーネット貸し付けあるいは既往債務の返済条件の緩和等の措置を実施し、さらには、セーフティーネット保証の対象業種につきまして、十一月二十七日に十五業種、さらに実態調査等も踏まえまして十二月十八日に二十業種の追加指定を行うなど、中小事業者向けの資金繰り対策として特別な対応をさせていただいております。
 国土交通省としましては、これらの措置につきまして、都道府県や関係団体等に周知を行うとともに、中小企業庁の協力を得まして、こういった制度に関するリーフレットを約三十万部つくりまして、これまた先ほど委員御指摘のように、現場に届かないと困るものですから、関係団体、県への配布だけじゃなくて、今後、都道府県別の説明会等をしっかりやって、こういった制度の周知に努めてまいりたい、こう考えております。

 

高木(陽)委員

 ただいまお話しになりましたように、九月にセーフティーネット貸し付け、そして十一月と十二月に二度にわたってセーフティーネット保証の対象業種をふやした。
 実は、十一月の二十七日の第一次のセーフティーネット保証の指定のことを新聞報道で読まれた方からすぐに電話が来て、その方は小さな会社なんですけれども、その業種に入っていないらしいんですね。なかなかそこら辺の実態というのが、これは中小企業庁が前年の売り上げ等々と比較をしながらやっているということもあったんですけれども、やはりきめ細かさが必要だということで、今後も実態をしっかりと把握しながらやっていただきたいと思います。
 そういった中で、これはまさに国土交通省だけの問題じゃなくなってきている。今言ったように、中小企業庁、そういった資金繰りの問題もかかわってくるでしょうし、今後も、この問題について政府が一丸となって、本当に完璧になるまで取り組んでいっていただかなければいけないと思うんですが、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

 

冬柴国務大臣

 今の十五業種では足らないという高木委員からの御指摘もいただきまして、早速に調査をいたしまして二十業種の追加ということが行われるようになったわけでありまして、業種を追加するということは、財務省ともしまして、保証料というものが随分ディスカウントされるわけですね。そういう意味で、財務手当てが要るものですからいたしましたが、現在は三十五業種、ほとんど網羅的に、枠外、すなわち、今まで二億円の保証以外に今回の問題でもう二億円の保証枠を非常に低率の保証料でやっていただく、そういうことを中小企業庁とともにやらせていただきました。
 そのように、お説のとおり、これは国土交通省だけでは対処できない部分もたくさんあります。そういう意味から、十二月十四日でございますが、関係省庁による連絡会議というものを設置していただきました。そして、第一回を開催したところでございますが、改正法の施行に伴う建築活動、経済への影響を一時的なものにとどめようという目的のために、引き続き、政府全体、とりわけ国土交通省でありますが、この問題には全力を挙げて取り組まなければならない、そのような決意をいたしているところでございます。

 

高木(陽)委員

 冒頭に大臣の方が、結果責任という言葉、そして謝罪のお言葉もございましたけれども、それはそれとして、やはり大切なことは、今現場でどうなっているかということで、さらに追加の手、いわゆる二の矢、三の矢を撃っていくということですので、その点、建築確認問題については今後もしっかりと取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 時間も迫ってまいりましたので、もう一つ、冒頭に申し上げました、これも独立行政法人の改革の問題でございます。特に、マスコミ的にもクローズアップされましたのが都市再生機構の問題。これは、独法を無駄を省いていく、天下り先を廃止していく、こういった考え方は、これはこれで大切なことで、政府一丸となって取り組んでいただきたいと思います。
 その一方で、都市再生機構、これは昔の住宅公団、まさに七十七万戸の賃貸住宅を抱えて実際運営している。七十七万世帯の人たちが住んでいるわけですね。しかも、その方々、高度経済成長期にこの公団住宅がどんどん建っていった、そのころは元気なサラリーマンの方々だったんですが、それが今は高齢者になられる。高齢化率もかなり高くなっている。年金生活です。しかも、そういった中で、昨年議員立法でつくらせていただいた住宅セーフティーネット法では、この公団住宅、UR住宅というのもセーフティーネットの位置づけをしっかりしています。
 にもかかわらず、これを一方的に民営化する。民営化するというのは聞こえはいいんですけれども、民営化するということは利益を出さなければいけない。利益を出すためには、家賃を上げる、または無駄なところを全部廃止していく。セーフティーネットというのは、民間ではできないから、ある意味では公的なお金も入れて、しっかりとそういった方々を守っていこうという考え方に立っているわけですね。
 ここら辺のところを考えると、今回、結論はこれからさらに検討をしてやるというふうになったということで、これはこれで評価をしたいと思うんですが、今後のこのURを含めた賃貸住宅、七十七万戸の問題も含めて、大臣、どのようにお考えか伺いたいと思います。

 

冬柴国務大臣

 これまでも、この国土交通委員会においては多くの委員から同趣旨の質問をちょうだいして、私の考え方は明確に答弁してきたところでございます。
 昨年十二月二十四日に閣議決定されました独立行政法人整理合理化計画におきまして、都市再生機構の賃貸住宅事業につきましては、高齢者世帯や子育て世帯への供給に重点化するなど役割を明確化するとともに、居住の安定を確保しつつ賃貸住宅ストックの再編を図るということを決定したところでございます。
 機構の賃貸住宅に入居されている方は、現状におきましても、委員も御指摘のように、既に六十五歳以上の高齢世帯が三割三分、三分の一がそうです。そしてまた、二五%は子育て世帯であります。したがいまして、収入は下から二〇%という世帯が過半数を占めている、この事実がございます。
 都市再生機構法の附帯決議や、あるいは住宅セーフティーネット法などを制定いただいたときの衆参の附帯決議におきましても、都市再生機構の果たすべき役割は非常に大きいということも御指摘をいただいております。
 一方で、都市再生機構の賃貸住宅の中には、老朽化が進行しております。昭和の三十年代、四十年代、五十年代に建てられたものが多くて、方形で五階建てでエレベーターがありません。そういうものを、我が国の将来人口や世帯数の減少等も考慮をいたしますと、建てかえ、改善、規模縮小など賃貸住宅の再編は避けられませんが、賃貸住宅の再編を行うに当たっては、居住者の居住の安定ということが大前提であります。したがいまして、居住者を一方的に追い出すようなことは毛頭考えておりません。
 このために、再編に伴い移転が必要となる低所得の高齢者等の方々に対する家賃の事実上の減額を行うというために、平成二十年度予算におきましても、新たな出資金制度四百億円を創設、確保するとともに、厚生労働省と連携をいたしまして、安心住空間創出プロジェクトとして、団地のバリアフリー化や介護、医療、子育ての支援施設等の誘致を促進いたしまして地域の福祉拠点とする。いわゆる建てかえたときに出てくる空き地をそのような形で利用するということを行っているわけでございます。こうした政策の塊のような事業は、民営化された場合には非常に困難である、御指摘のとおりでございます。
 また、整理合理化計画においては、都市再生機構の業務に即した組織形態について検討し三年後に結論を得ることとされておりますが、その検討に当たりましても住宅セーフティーネット対策など政策目的をきちんと果たすことが必要であり、それを前提として今後検討していかなければならない、このように考えております。

 

高木(陽)委員

 時間が参りましたけれども、最後にここで申し上げたいのは、今の都市再生機構の問題でございますけれども、多くの国民は独法は改革しろと思っています。その組織形態については、先ほど申し上げました、官僚が天下る、またはそこでいい思いをしているんじゃないか、こういったものについてはしっかりとメスを入れていただきたいと思うんです。
 一方で、今大臣もお話しになられた、住んでいる方々の生活をどう守るかということ、これはこれでしっかりやっていく。ですから、この三年間の議論の中で、例えばこれを公営住宅に移行していくという発想もあるかもしれません。逆に言ったらこの機構自体はなくすかもしれないけれども、住んでいる方を守るという方策はないのか、そういった多角的な検討をお願いしたいと思います。
 そして、最後にもう一点だけ申し上げたいのは、これも冒頭の質問のときに申し上げました、今大きな壁が三つある。暫定税率の問題、そして今の独法の問題、建築確認の問題。いずれも、多くの国民の方々はその本質をなかなか理解されていない部分があると思います。
 特にマスコミの報道というのは、白か黒か、百かゼロか、そういった二元的な見方しかしていません。しかしながら、その問題というのはさまざまな角度があるということで、そこをしっかりとお伝えいただきたいと思うんですね。
 大臣が独法問題のときにテレビのニュースに出ました。これは何度も言われて、私どもの方からもお願い申し上げたんですけれども、テレビというのは一つの断面しか切りません。今大臣が答弁されたような内容をずっと述べられて、その内容というのは報道されずに、最後の、民営化すればいいというものじゃありませんというその言葉だけを切り取って、何か大臣は守旧派みたいに印象づける、そういった報道がなされました。
 この点についても、いわゆるテレビを批判しても始まりません。メディアというのはそういうものだと思います。ですから、そのメディアがそういう報道をするのであれば、ではどうやれば真実が伝えられるか。これは大臣お一人が考えるのじゃなくて、国土交通省のスタッフがしっかりとその点を考えて、国民が本質を理解していただかなければ改革というものは進みません。そういったことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

第168回

INDEX

総合

INDEX

映像はこちらから

     
このページの上へ
 
オフィス メルマガ受付 お問合せ
Copyright(c) 2005 Takagi Yousuke. All rights reserved.