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第169回国会 衆議院会議録
2008(平成20)年02月22日午後
 
 


第169回 衆議院 「国土交通委員会」3号(2)

 

内閣総理大臣 福田 康夫

 

 

高木(陽)委員

 公明党の高木陽介でございます。
 きょうは、道路財源の特例法の審議ということで、総理に御出席をいただきまして、ありがとうございます。時間が限られておりますので、総理にお話をお伺いしたいと思うんです。
 まず、今回の道路財源の問題で、特定財源なのか一般財源なのか、こういった議論がなされております。野党の皆さん方は、一般財源化するべきだ、そういった御意見だと思うんですが、私も、公明党の国土交通部会長をやらせていただいて、昨年そして一昨年、特に一昨年のとき、政府・与党で合意をして、閣議決定をいたしました。
 その経緯に携わった人間として、この一般財源化論というのは、財政が厳しいという観点からいうと、なるほど、それはそれで必要かもしれない、こういうふうに思われるんですが、やはり道路財源の問題というのは、そもそものスタート、昭和二十九年に特定財源化されて、五十年間ずっと続いてきている中にあって、受益者負担の考え方がございました。
 今、この税金を納めていただいている、まさにこの揮発油税、自動車のエンドユーザーですね、この方々が税金を納めていただいているわけでありますけれども、実際問題、それは地域によってかなり差がある。例えば、これは昨日の予算委員会でも出ていたと思うんですけれども、東京の区部、二十三区、中野区が一番一世帯当たりの保有台数が少ない、こういう現状がございます。〇・三台を切っている。一方で、多い地域では、一世帯当たり三台ぐらいの自動車の保有台数を持っている地域もある。そうなりますと、保有台数だけでいいますと、十倍の差がある。
 さらに、まさに走行距離も違いますけれども、いわゆる税金、単純に考えてみて、ガソリン税を、中野区の住民が払っているものの十倍を地方で払っている方々がいる。その地方のその道路を整備してもらいたいということで、その地域の方々も、この暫定税率を含めて納税をしていただいているという受益者負担の考え方からいきますと、もちろん財政が厳しいからさまざまなバランスをとりながらやっていかなければいけないという観点があるんですけれども、一概に一般財源化、一律にしていくというのは、この受益者負担の観点から、どうなっているんだろうか、こういうふうな疑問を呈することができると思うんです。
 その点について、総理は、この一般財源化、単に一般財源化するという主張に対してどのようにお考えか、その御認識を伺いたいと思います。

 


福田内閣総理大臣

 道路特定財源につきましては、ユーザーの理解を得て一般財源化する、こういうことになっております。ですから、一般財源化というふうに簡単におっしゃるけれども、それは今の段階ではそう簡単なものではないんだ、まずユーザーの理解を得るということが必要なんだ。理解を得られなければその分減っちゃうわけですから、払ってくれないわけですからね、そのところはよく認識していただかなければいけないと思います。
 そしてまた、今御指摘のように、自動車の保有率が少ないところもある、高いところもある。特に地方は保有率は高い、そういうことになりますけれども、こういうところは税負担も大きいですよ。大きいですけれども、もし暫定税率がなければ、こういう地方に対するいろいろな課題がございます、例えば地域の自立とか活性化に役立つような道路整備、それから救急病院への安全な道路とかいったような、そういうような交通の利便性の確保とかいったようなこと、こういう対策が地方でできなくなってしまうんですよ。そういうことを一緒に考えていただきたい、このように思っております。

 


高木(陽)委員

 今総理が、そういう地方のさまざまな整備、例えば病院へのアクセスだとか、そういったものがおくれてしまうという、まさにそのとおりだと思うんですね。財源が豊かで、高度経済成長時代のような形で余裕があれば、これは一遍にできるでしょう。でも、なかなか厳しい中、だからこそ優先順位をつけてしっかりやっていかなきゃいけないと思うんです。
 そういった中で、これも野党の皆さん方はこれまで予算委員会を通じていろいろと指摘をしました。無駄な使われ方をしているんじゃないか。まさに国民の感覚からいうと、えっと思うような使われ方をしていた事実はあったと思います。これは、昨日も本会議そして予算委員会で冬柴大臣が、しっかりと、それをさせない、また、改革本部をつくって全部総点検をしていく、こういう言い方をされましたので、それをしっかりやっていただきたいと思うんです。
 無駄な使われ方をするというんですけれども、例えば道路が全国各地、毎年毎年整備をしていく中で、これは実は、毎年シーリングという、キャップをかぶせられて、そしてその中で査定をしている、こういう現実もあると思うんですね。今後もそうだと思うんです。そして、政府が予算案をつくったものをこの国会でまさに審議をしている。予算というものは、もちろん政府が、総理が筆頭になってつくっていくものでありますけれども、最終的には国会が承認をする。
 そういった現実から見ますと、ただ単に、無駄な使われ方をするんだ、今後も無駄なんだというような主張というのは当たらないと思うんですけれども、この点、総理、どうお考えか、伺いたいと思います。

 


福田内閣総理大臣

 道路予算は平成十年度にピークでありましたけれども、平成十九年度におきましては、そのピークに比べて四割縮小しているんですね。一方、社会保障費といったら、これは年々増大しているわけですからね。そういう比較もしてもいいと思います。
 さらに、今回の法案によりまして、道路特定財源は、税収の全額を道路整備に充てることを義務づけている今までの仕組みを変えまして、真に必要な道路整備を上回る税収については一般財源として活用することができるということであります。特定財源のままでは無駄な使われ方をするということではありません。そういうように本当に必要な部分に限って、これは国土交通大臣は、これから目を厳しく光らせてやる、こういう決意を述べられておりますので、そういうような中で無駄をする余裕はないというふうに私どもは考えております。

 


高木(陽)委員

 総理中心に、そして冬柴大臣、チェックをしっかりしていただきたい。まさにチェックをした後再チェックをするのが私たち議員の役割でございますので、それも私たち国会の責務として取り組んでまいりたいと思います。
 次に、道路、社会資本でございますけれども、社会資本整備というのは日本の場合にはどうなっているのか、なかなかその実態というのがわからない。国際比較をよくするわけですね。
 これも私、あるテレビ討論番組に出たときに、民主党の方がフリップを使って、日本の道路は欧米、特にヨーロッパと比べた場合にかなりできているんだ、こんなに延長距離があるんだという数字を出したときに、思わず私、そのテレビ番組の中で言いました。それは国道だけじゃないんだ、日本の場合は市町村道が入っている、そのヨーロッパの数字は国道だけで出している。こういった比較を平気でテレビに出して視聴者、全国の方々にアピールをするというやり方はいかがなものかなと思うんですが、そういったこともありました。
 欧米と比較すると、社会資本整備、道路を含めて、どのように認識をしているか、伺いたいと思います。

 


福田内閣総理大臣

 道路整備につきましては、よく、日本は随分よくなった、こういうふうに申しますけれども、しかし実際は、歴史的に見ても、例えばドイツは戦前、第二次大戦前から高速道路がある、アウトバーンがあるということでありますけれども、我が国では二十数年おくれて、ようやく昭和三十八年に高速道路ができた、こういうことがございます。
 今日におきましても、例えば環状道路の整備、それから自動車千台当たりの高速道路延長というのは欧米に比べてかなり見劣りがするということでありますし、また、電線類の地中化とか踏切の数、これは圧倒的に悪いですよ、日本は。そういう現状がありますので、そういうことも考えていただかなければいけないと思います。まだまだそういう面における社会資本整備がおくれているということでありますので、その点についての御理解もいただかなければいけないと思っておるところでございます。

 


高木(陽)委員

 今総理、環状道路の話もされました。まさに首都ですね、東京、ヨーロッパでいえばベルリンまたはロンドン、パリ、それぞれ環状道路があるんです。ただ、日本はまだ環状道路というのは、今三環状を整備していますけれども、六〇%しかできていない、全部できていないんです。こういった現実もまだ多くの国民の方々は知られていないと思います。
 さらに、高速道路でいえば、昭和三十八年、一九六三年に日本はできた、これが第一歩ですね。お隣の中国は、高速道路をつくり始めたのは一九八〇年代ですね。まだ日本の場合には、九三四二、これが全部できていない、こういう現実の中にあって、日本から後発の中国はもう既に二万五千キロつくっている、こういった現実もやはりしっかりと比較をしながら、また認識をしながら道路整備というのはやっていただきたいなと思うんです。
 その中で、我が国がおくれている社会資本整備、道路整備を含めて、ただ、先ほどから何度か申し上げた、財政が厳しい中にあって、特に社会保障、さらにこれからの未来を担う教育または安全保障、さまざまなやらなければいけないことがたくさんあって、バランスをとらなければいけないと思うんです。何も道路だけ足りないからつくれという話じゃありません。バランスをとっていくということを考えた中での道路中期計画をどのように位置づけているか、これを伺いたいと思います。

 


福田内閣総理大臣

 道路整備の話ばかりしていますけれども、実際は、日本の全体を考えた場合に、いろいろな支出項目があるわけですね。手当てしていかなければいけないことがある。そういう部分とのバランスを見るということは極めて大事なことであります。
 そういう中でもって道路整備をどのように位置づけていくかということであります。道路整備につきましては、やはり経済にも関係しますので、ただ単に道路をつくって、そしてユーザーが便利になるというだけの話ではない。そしてまた、地方の活性化の問題もあるということでありますから、いろいろなことを考えていかなければいけない。
 しかし、今我が国が一番お金を使っているのは社会保障ですよ。これは毎年ふえるんです、高齢化時代に。それから、あとふえているのは科学技術の予算です。これも我が国の成長の源泉だということで、これは毎年ふやしております。その他は全部減らしているんですよ。そういう状況の中で、厳しい状況の中でどの予算も減らしている、こういうことであります。
 しかし、これはとても大事なインフラ整備だということを考えれば、全体とのバランスの中で考えるということはとても大事なことだと思っております。

 


高木(陽)委員

 今、バランスの中でやるのが大切だとお話がありました。これも、今回五十九兆円という数字が出て、年間、ならしますと五兆九千億になりますけれども、例えば社会保障が年間どれぐらい使われているか、二十兆円使われているわけですね。十年間でいきますと二百兆円になるわけです。そういったところを、なかなか光が当たらない中で、五十九兆円という道路というのは何か使い過ぎなんじゃないかみたいな風潮またイメージづくり、これは結構野党の方々はやられているんじゃないかなと思うんですが、そういう全体のバランスの中からしっかりと位置づけをする、これをどうかこれからの議論の一つの糧にしていただきたいなと思います。
 最後に、冒頭にも申し上げましたが、地方との格差なんですね。負担が多い地方の中にあって、今格差の問題というのが昨年来からずっと言われていて、特に地方と都市の格差というのがいろいろと言われています。私は東京なんですけれども、やはり地方に行った場合に、なかなか経済的にも大変だなと。そういった観点からいいますと、道路をめぐる格差というのがさらにほかの格差以上に顕著なのではないかなと思うんですけれども、最後に、この点について総理の認識をお伺いしたいと思います。

 


福田内閣総理大臣

 自動車を保有するための負担に限って見ますると、それは、自動車保有の実態、公共交通のあり方などから、自動車利用への依存度が高い地方、これは先ほど申し上げましたけれども、地方の自動車ユーザーの負担が都市より大きいことは、これはみんなの認識しているところでございます。
 そういうような実態を踏まえて、地域の自立、活性化に役立つ道路整備とか、また災害に耐えられるような橋梁の維持補修、救急病院への交通の利便性の確保といったような、地方における課題を早期に解消するための対策、これは、受益と負担という今お願いをしているその関係から考えても急務であるというふうに思っております。
 現行の道路特定財源は、地方の生活に根差したニーズに対応した道路整備を行うために、特定財源の約四割を地方分といたしておりますほかに、国の特定財源であります揮発油税の四分の一を地方道路整備臨時交付金として、地方の使い勝手のよい交付金としているといったような配慮も行っております。
 いずれにしましても、重点化、効率化を図りながら、真に必要な道路施策は計画的に進めていく考えでございます。

 


高木(陽)委員

 これで時間が参りました。
 きょうはわずかな時間でございましたけれども、やはり、どうしても多くの国民は、この道路の問題というのはイメージで判断をしているというふうに思わざるを得ません。本当に必要なもの、なぜ暫定税率をお願いするのかといったこと、これをやはり発信力を強めていただきたいと思うんです。
 そうしないと、無駄なものは絶対やめさせなければいけないんですが、どうしてもそれだけをもって何かすべて道路財源が悪者なんだみたいな、こういったイメージを払拭できるように政府を挙げてしっかりと発信を強めていただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

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