参考人
国土交通省大臣官房総合観光政策審議官 本保 芳明
国土交通省大臣官房運輸安全政策審議官 福本 秀爾
高木(陽)委員
公明党の高木陽介でございます。
本日は、国交省設置法の改正案ということで、大きなテーマとして観光庁の設置、そしてもう一つが運輸安全委員会の事故調からの改編、こういったテーマだと思います。
まず最初に、観光庁の問題について質問させていただきたいと思います。
この観光ということ、実は、今から五年ほど前ですか、私も国交省の政務官を務めさせていただいて、そのころにビジット・ジャパン・キャンペーンというのがスタートいたしました。二〇一〇年までに外国人の訪日の観光客を一千万人にしよう、そういう流れ、これは着実に進んでいると思うんですけれども、そういった問題をさらに促進していく。さらに、これからの少子高齢社会、このときの日本の経済の基盤をどうしていくかといった問題に立っての観光の位置づけ、これは大変重要な問題だと思います。
これはもういろいろなところでも言われてきたと思うんですけれども、少子高齢社会の中で、特に人口減少社会に突入している。日本のGDPは約五百兆円。この五百兆円の中で六割から七割を占めるのが個人消費である。人口が減るということは個人消費のパイが減るということですね。そうなってくると、今後どうしていくのか。これは本当に政府を挙げて考えなければいけない問題、また、私たち国会議員も真剣に考えなければいけない問題だと思います。
そういった中で、これまでの、物をつくって売る、もちろんこれも大変大きな、中心的な役割を担わなければいけないんですが、まさに個人消費が人口減少とともに減る可能性のある中にあって、交流人口をふやそうというのがこの観光のメーンだと思います。人が移動する、人口は減るけれども、移動する人口がふえることによって、ある定点においての人口は延べ人口でいいますとふえていくということになるわけですから、こういった観点の観光というのは大変に重要である。
その一方、すそ野の広い分野が観光であるとも言われております。これまで、すそ野が広いというと建設関係ですね。建設関係というのが今、中小零細企業も含めて五十万社、そして約五百万人が関連している企業に勤めている、人口の五%弱の人たちがそこに従事している。
観光といいますと、観光業というとすごく限られるんですけれども、交流人口をふやすことによって人がそこに集まってくることによって影響する問題としては、例えば交通の問題、宿泊の問題、飲食、さらには農林水産業、製造業、幅広い分野に影響を及ぼしてくる。例えば、中部地方は産業観光という一つのカテゴリーをつくってやっていますね。こうなってきますと、ただ単に史跡、名所を見るということだけではなくて、さまざまな観点からこの観光というものを広げていく可能性が大であるというふうに思います。
そういったことを踏まえて、雇用の誘発効果も大きいと考えるんですけれども、この観光庁設置によって、観光ということで今後どのような効果があるのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
本保政府参考人
お答え申し上げます。
今御指摘いただきましたように、観光は大変広い分野に対して経済上の波及効果を持っております。狭義の観光関連産業であります旅行業や運輸業に加えまして、農林水産業とか商工業などに対してもその効果があるわけでございます。
これを具体的に経済効果の数値として把握する観点で、国土交通省では、旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究というものを実施しているところでございますが、これによりますと、十八年度の我が国の国内旅行消費額は二十三・五兆円になっておりまして、この旅行消費がもたらします生産波及効果は五十二・九兆円、雇用誘発効果は四百四十二万人と推計されております。これはそれぞれ、我が国の国内生産額につきましては五・六%、総就業者数につきましては六・九%に相当する数字かと思います。
これを産業別に見ますと、農林水産業に対しましては五十一万人、製造業につきましては四十六万人の雇用誘発効果があると推計されておりまして、相当大きなインパクトを持っている、こういうふうに言えるのではないかと思っております。
高木(陽)委員
雇用誘発効果で四百四十二万人、農林水産業で五十万人強等々、今お話がありました。
これは、本当にそうなるといいなと思うんですね。なかなか役所の出している数字というのは、予想と実態というのが数年たってみるとかなり乖離がある、こういう部分がございまして、ここのところは、二十一世紀における日本の産業分野として観光というのを位置づけるのであれば、本当にしっかりとチェックをするというか、見続けていかなきゃいけない。結果的にできませんでしたとなると、冒頭に申し上げました、GDPが五百兆、しかも個人消費が減る可能性がある中で、これは大変な痛手となる。まさにここに、ある意味では突破口を切り開いていかなきゃいけないという状況だと思うんですね。
そういうような状況の中にあって、観光の施策というのは、これは何も国交省だけじゃなくて各省庁もやっている。今まで国交省の中にあった各部局をしっかり統合しながら観光庁という形にして、各省庁との連携を密にしながら政府としてやっていこう、総合窓口を設ける、そういう考え方だろうと思うんですね。
ただ、これも、マスコミというところはなかなか厳しいところで、ある雑誌には、観光庁をつくるということで逆に焼け太りをしていくんじゃないかだとか、そういった批判もあるわけです。もちろん、人員的な問題でいえば、スクラップ・アンド・ビルドをして観光庁の設置となるんですけれども、結果的には観光庁長官というポストが一つできる。結局、それが、どういう人を人選するかはこれから大臣の最終的な御判断だとは思うんですけれども、そういった中で、官僚の皆様方がそういうところで何か一つのポストを維持していくんだ、こういった批判もあるのは確かなんです。
そういったことから考えますと、観光庁の設置は、各省庁をまとめ上げていく、連携をとっていく、本当に重要なものなんだということだとは思うんですけれども、そこら辺のところをどう実現しようとしているのか、お伺いしたいなと思います。
本保政府参考人
お答え申し上げます。
組織に加えて内実の充実を図れ、こういう御趣旨だと思っております。その一つとして、窓口機能の強化と申しましょうか、関係省庁との調整機能を強化することが必要だ、こういう御指摘と受けとめたところでございます。
確かに、観光に関する施策につきましては、政府部内で大変多くの省庁がこれを担当しているところでございます。このために、政府の観光に関する窓口が少しわかりにくいという御指摘を地域の方々あるいは国民からいただいているところでございます。また、諸外国との関係でも、交渉や協議という面で少し不十分なところがあるというのが現状ではないか、このように認識しているところでございます。
こうした観点から、今般、国土交通省にまさに観光という名前を冠した組織である観光庁を設置することといたしまして、これによりまして、どこが地域あるいは国民の皆様に対して政府の窓口になっているかということを明らかにできると思っております。これに加えまして、関係省庁との連携、調整機能を実質的に強化するということで、ぜひ地域、国民の皆様の御期待にこたえたい、このように考えているところでございます。
また、長官という非常にわかりやすいポストができますので、これによりまして、外国政府との交渉、協議を効果的かつ円滑に行わせることが可能になるものと考えております。
観光立国は地域活性化の目玉でありますので、観光庁の設置によりまして、各省庁をリードしながら観光立国の推進のため全力を尽くしたい、このように考えております。
高木(陽)委員
観光庁自体は私も大賛成なんですけれども、大体、行政がやるいろいろな観光の問題、どうしてもお上発想というか、民間から比べると、どうも何かかたい、なかなか柔軟性のない、そういう場面があると思うんですね。
例えば、観光、ある意味では、旅行をする、移動をしていく、そのためにはやはり日数が必要になる、宿泊ということを考えた場合には一日じゃだめだ、二日、三日欲しいな。そうなると、やはり休日の問題もあると思うわけですね。日本というのはなかなか働き過ぎというふうに言われる中で、特に役所の皆さん方もよく働いておられると思うんですね。
これも私が政務官時代だったんですけれども、ある省議で、ちょうど年末年始の前でありました。皆さん、年末年始の休みをとられるという。そのときに、局が十三局ありますから、局長級の方々が大体二十人ぐらいで省議をやっていました。私が質問したんですね、この年末年始の休みで旅行へ行く人というふうに。そうしたら、局長の方々はだれ一人いなかった。国土交通省という、観光の推進をしよう、ビジット・ジャパン・キャンペーンをやっているんだ、こういうような役所の中心的な、トップを占める方々が、まさに仕事に追われる中で観光のカの字もないわけですね。これが現実なんですよ。
じゃ旅行に行けという話じゃないんですけれども、やはりそういった観点、これをやはり実感していないとわからないと思うんですね。それは、役所の皆さんがみんな旅行へ行っていいか、こういう話もあると思うんですが、まさに観光というのを国を挙げてやっていくんだ、そのためには休みもしっかりとれるようにしなきゃいけない、労働問題にもなるでしょう、そういったところも視点として僕は持っていただきたいと思うんです。
ただ単に、観光庁として、宿泊施設の問題、交通の問題、それだけをやるんじゃなくて、どんどん広がってくると思うんですね。まさに観光に携わるというか、その当事者である一人一人の国民または訪日をする外国人、その人たちの立場に立って、何が必要なんだ、何が足りないんだ、こういう観点を観光庁として持っていかないと、ただ単に役所として、その行政組織が変わりましたね、システムは全く変わっていませんね、こういうふうになりがちだなということで、よろしくお願い申し上げたいと思います。
そういった観点も踏まえていただいた上で、観光立国推進基本計画、これは二〇一〇年までに一千万人の訪日の外国人旅行者をふやす。順調に伸びている。特にことしは北京オリンピックもありまして、欧米からもかなり来る。これは冬柴大臣もいろいろと御尽力をいただいて、北京との直行もできる。こういうのをうまく利用しながら、ただ単に日本から北京オリンピックに行くんじゃなくて、北京オリンピックを見に来た人がそのまま日本に来る、こういうようなシステムもつくらなきゃいけない、まさにそういった、まずは日本に入ってくるシステム。
もう一つは、来てからの交通移動機関。外国人の方が、例えば成田におり立ちました。どうやって東京まで行くか。遠いわけですね、これがまた。関空におり立ちました。そこからどうやって大阪、京都に行くのか。ガイドブックを手にいろいろと移動すると思うんですけれども、そういった観光案内の件も含めて、外国人の訪日観光客をふやしていくという観点からどうやってこれを拡充していくのか、その点について伺いたいと思います。
本保政府参考人
利用者、消費者の目線に立った行政システムを持て、こういう御指摘だったと思っておりますが、外国人のお客様の誘致に関しては、まことにそれは重要なポイントだと思っております。
委員御指摘のとおり、どうしたら外国人が本当に旅行しやすい環境をつくっていくかということが非常に重要だということで、特に案内標識というところが重要でございますので、日本語、英語あるいは案内図の記号によります表示を基本といたします観光案内標識の指針を策定いたしまして、地方公共団体にこれの周知を図っております。また、外客来訪促進法に基づきまして、公共交通機関に対しましては、英語がベースでございますが、外国語による案内表示などの計画の策定を義務づけまして、その実施も促進をしております。
特に、主要な空港等での案内などが非常に重要でありますので、これは実際に外国人の方に見ていただくのがいいということで、ひとり歩き点検隊と名づけておりますが、こういうグループを派遣いたしまして、状況を見ていただいて、改善策をいただいて、具体的な対応をする、こんなこともやっているところでございます。
また、外国人観光客に対応可能な案内所でございますビジット・ジャパン案内所というのがございますが、これにつきましては、平成十八年度末時点の百五十五カ所から、平成二十二年度までに三百カ所に増加させる、こういう目標を立てまして、関係者と協力してその増加に取り組んでいるところでございます。
今後とも、観光立国の推進のため、二〇一〇年の一千万人という目標を目指しまして、外国人が旅行しやすい環境の整備ということで頑張ってまいりたいと思っております。
高木(陽)委員
そういう外国人訪日客のいわゆる拡充ですね、ふやしていくということに対する手当て、これはしっかりやってもらいたいと思うんです。
例えばフランスなどはまさに観光立国で、フランスに訪れる外国人の方というのはフランスの人口より多い。日本で考えますと、一億二千万人以上の人が日本に来る、これは大変なことだと思うんですね。もしそこまで来れば、本当に観光産業だけで日本の国というのは成り立っていくんだろうな。一遍にはいかないまでも、逆にそれぐらいの意識を持つ。
ただ、フランスの場合には、大陸で、国境が陸地でつながっている、鉄道でも道路でも自動車を使ってでも行ける。こういった利点はあるにしろ、やはりここのところは、観光庁を設置するのであれば、ただ単に二〇一〇年の一千万人でとどまることなく、その先をどうするんだということまでしっかりとビジョンを持ってやっていただきたいなと思います。
もう一つ、観光立国の実現のために、観光分野の、ある意味ではソフトの部分ですね。
どうしても、今までの観光というと、観光地をどう整備するか、まさにまちづくりなんです。これはこれで重要だと思うんです。ハードの部分というのはすぐ思いついて、道路をやります、バリアフリーにします、こういう発想でどんどんやっていく。交通網にしても、それをもっと便利にしましょう。
ところが、やはり重要なのはソフトの部分、そのソフトを担う人ですね。この人材という観点で充実させなければいけないと考えるんですけれども、この人材、これは、新たにつくるということもありますし、今いる方々をどう活用していくのか、こういった点もあると思うんですが、この取り組みについてはどのようにお考えでしょうか。
本保政府参考人
お答え申し上げます。
御指摘のとおり、長期にわたって観光立国の推進をしていく、こういう観点からは、人がその基盤になると思っております。したがいまして、さまざまな人材を育成し、またその活用を図っていくということがまことに重要だと思っております。
そうした観点からは、特に大学を中心とする高等教育段階における観光関係の人材の育成というものが大事だと思っております。幸い、近年、大学などにおける観光関係の学部・学科の設置がふえておりまして、先ほども申し上げましたが、平成十九年度には三十三の大学に観光関連の学部・学科が設置されるというところまで来ております。
その意味で、数あるいは量の方は相当充実がされてきておりますけれども、まだ教育内容とかカリキュラム、あるいは卒業後の進路、こういった面では課題を残している、こういうふうに認識をしておりまして、産業界など現場のニーズをよく踏まえた教育の充実というものが重要だと思っております。このため、観光関連の人材育成のための産学官の連携検討会議というものを持ちまして、こういうものを通じて、インターンシップに関する枠組みをつくるなどの施策を推進しているところでございます。
また、先生からも御指摘がありましたように、育てるだけではなくて、今ある人材を活用するということも大変重要だと思っております。こうした観点から、観光振興を通じまして地域の活性化などに成功されたり貢献されている方々をリーダーとして活用し、観光立国を支える人の輪を広げていく、こういう取り組みもしているところでございます。
このために、例えば、観光地づくりに実績を上げた方々を観光カリスマとして、また、訪日外国人観光客の誘致に成功されている方々につきましては、ようこそジャパン大使という形で、それぞれ任命をさせていただいております。また、地域の観光振興の牽引役となる方々につきましては、観光地域プロデューサーというものを設けまして、これに選定し、任命をさせていただいております。
その活用の仕方でございますけれども、観光カリスマの方々については、直接講義を受ける機会をつくるということで、観光カリスマ塾というものを全国各地で開催しております。ようこそジャパン大使の方々についても、その活動を広める機会をつくるということで今努めているところでございます。また、観光地域プロデューサーにつきましては、これはまだスタートでありますので、モデル事業を展開するということで国が間に入りまして、人材が不足する地域に観光に関する知識経験を有する方々を派遣するということで、この方々に観光振興のための牽引役になっていただいている、こんな取り組みをしているところでございます。
高木(陽)委員
今、さまざまな形で人材の育成そして活用ということでお話をいただきました。
今お話のありました観光カリスマですね、これもいろいろな方々を任命されてやっていると思うんですが、大分にある湯布院で有名な玉の湯の溝口さんですね、この人が観光カリスマになられて、私も行って、お話を伺ったことがあります。
この溝口さんがお話しされていたのは、終戦直後からこの湯布院という町をつくり始めたと。その当時というか、江戸時代から明治維新以降も、別府の方はすごくメジャーなところで、結局、江戸時代に隠れキリシタンの里だったのだ、そういう部分では、いわゆるお上から全く無視をされ続けてきたところだ。そして、そういう歴史と伝統がある中で、昭和二十年以降、終戦後に、あそこで亀の井別荘の社長と二人でつくり始めた。例えば、竹を植え始めた。竹は一年、二年で育たなかった。これが三十年、四十年たったら見事な竹林になっている。自分たちで外国の、例えばドイツだとかに行って、連泊という考え方を取り入れてきた。それでリピーターをつくっていく。まさに、あそこの町というのは行政がタッチしなかった、行政がタッチしなかったから発展した、いわゆる見事な観光地となった、こういう視点なんですね。
これはどういうことを意味しているかというと、本当にまちづくりもそうなんですが、一年、二年じゃそう簡単にいかないですよ。やはり十年、二十年、もっと言ったら三十年、五十年かけて、そうやって一つの流れというものをつくってきているんですよというお話だったと私はとらえました。
本保審議官も観光のことでずっと今タッチをされているんですが、どうしても行政というのは、人事異動がありますから、観光をずっとやっている人というのは少ないんですね。旧運輸省の中にあって観光の分野に行った人もいるけれども、また次の人事異動では全く別の、自動車交通局に行っているだとか海事局に行っているだとか、それをまた生かして観光をやっていけばいいんでしょうけれども、なかなかそういう中長期でずっと見ている人がいないというのもこれは大きな問題があるかなと。では、その人はずっとそのままいろということじゃないんですけれども、その点も、大臣、戻ってこられましたから、人事のときには考えてもらいたいなということを一つ要望しておきたいと思います。
さて、時間も限られてまいりました。あとわずかしかなくなったんですが、運輸安全委員会のことをちょっとお話を伺いたいと思います。
これまで事故調査委員会、航空事故、鉄道事故ということで、今度は海難も加わって原因究明を行う、この改編の背景、意義、これはいろいろあると思うんですけれども、お伺いしたい。
もう一つは、平成十八年、この委員会の附帯決議で体制の機能強化、こういうことがありましたね。今回の運輸安全委員会の設置で、具体的にどのような体制強化が図られるのか、この点を伺いたいと思います。
福本政府参考人
お答え申し上げます。
運輸安全委員会への改編の背景につきまして御質問がございました。
現行の海難審判庁におきましては、海難に係ります原因究明というものと、船員に対します責任追及というものの双方を行っておったところでございますが、船舶交通の安全の向上を図っていく、このためには、これらを分離いたしまして、事故の再発防止に向けた事故調査、原因究明機能の強化を図る、こういったことが実は国際的な大きな流れでございます。この夏にも国際海事機関、IMOにおきまして関係の条約が採択をされ、二〇一〇年の一月からは発効をするという状況になってございまして、いわば待ったなしの状況になってございました。既に先進海運国におきましては、このような体制が構築をされておるということでございます。
一方で、航空・鉄道事故調査委員会につきましては、今委員御指摘いただきましたように、これまでの国会審議や附帯決議等におきまして、事故調査を迅速かつ適切に行うための調査体制の一層の充実ということが求められておったわけでございます。
こういうことを踏まえまして、今般、海難審判庁と航空・鉄道事故調査委員会を改組いたしまして、海難、航空事故や鉄道事故を対象としまして、多様化、複雑化いたします事故の原因究明機能の高度化、あるいは原因関係者に対します勧告制度の創設といったことによりまして、事故再発防止機能の強化を図るということで、運輸安全委員会の設置をお願いいたしておるところでございます。
これによりまして、意義といいますか、効果といいますか、陸海空におきます事故の要因に共通をいたしております知見、いわばヒューマンエラーでございましたり、金属疲労の問題、さらには気象、海象、こういった問題につきまして共有化、有効利用化が図られるということによりまして、背景要因まで含めた徹底した事故原因究明が図られていくものと期待をいたしてございます。
あわせまして、運輸安全委員会の体制の強化でございますが、今般、航空・鉄道事故調査委員会との統合ということでございますので、事務局の職員が五十四名から百八十一名ということに拡充をさせていただきます。あわせまして、事故調査官の調査業務の後方支援を行うための専門の組織でございましたり、データの蓄積あるいは再発防止に寄与する情報の分析、提供等を行うための専門の組織、こういったものもつくらせていただくということで、大幅な事故調査体制の拡充強化が図られるものと期待をいたしておるところでございます。
高木(陽)委員
もう時間が参りましたが、大臣が戻ってきたので、通告はしていないので、これはちょっと意見として聞いていただきたいということで、お願い申し上げたいと思います。
先ほどから各委員も、国交省設置法の質疑なんですけれども、道路の問題も触れられました。この道路の問題は、今、参議院の方でこれから審議がさらに深まっていくと思うんですが、この委員会で前も言ったんですけれども、どうしてもテレビでの発言というのが、結構イメージづくりをされてしまうというような中で、実は、日曜日に民主党の小沢代表がテレビの討論番組に出られて、いろいろと発言されております。
その中で、例えばこういうのがあるんですね。NHKの「日曜討論」、これはテープを起こしてみました。外国と比較しますと、日本はイギリスとフランスの道路密度の倍です、アメリカと比較すると三・五倍です、だから日本の道路はかなりできているんです、こういう話がありました。
これを聞いていたキャスターの方は、それについてはさらっと行っちゃったから、多くの視聴者の方は、道路密度は日本の方が稠密にできているのでもう要らないんじゃないかというイメージがある。
この委員会でも質問させていただいたのは、これは国交省の外郭団体でもある道路協会が出した数字をベースにして、そういうのは違いますよというのがあって、これは大臣が、そういったことをちゃんとさせていきますと。つまり、日本の場合には国道そして県道、市町村道まで入れた数字です、欧米の場合は国道だけなので、密度からいうと日本の方が濃くなる、こういうのは当たり前ですね、こういう話だったんです。
もちろん、ここでの委員会の審議について小沢代表が全部細かくチェックをしているわけではないので、こういうことをテレビで言ってしまわれたと思うんですけれども、この点、やはり数字の部分というのは、今後もしっかりと国交省、また指導していただく中で出していただきたいなと思います。
もう一つは、これはキャスターの方が、暫定税率がなくなると必要な道路整備ができなくなるということではないんでしょうかと質問すると、小沢代表が言うには、それは全然違いますと。年度が新しくなったので、今までのあり方を前提で予算を組んでしまっているので、ここは何とかしてくれとなります。暫定税率のうち九千億円が地方に行くと言われている。三千億円が市町村、六千億円は都道府県。だから、市町村に行く三千億円を手当てしてあげれば事実上大丈夫。道路特会には資産で七兆円、現金で一兆円近い金がある、一般会計でも一兆円以上繰越金が残っている。ですから、そこの分から三千億円市町村の財源に充てれば済む話というふうに、結構乱暴な話かなと私は聞いていて思いました。
というのは、二兆六千億円が、このまま暫定税率が下がったままいきますと、なくなってしまう。その中で、九千億円は地方税ですから、これはこれで手当てしなきゃいけない。これについては直轄負担金を減らせばいいという民主党の主張でありますけれども、一方で、臨時交付金として交付している金、これが七千億円あります。これについては触れていないわけですね。要は、二兆六千億円なくなった大もとの、その歳入欠陥については言われていないわけです、地方に迷惑をかけないという話だけで。
だから、ここら辺のところも、これは参議院でこれから法案の審議、または税制の審議等をやられる中でまた出てくると思いますので、ここは国交省として、また大臣として、明確に数字を挙げながら答弁をしていただきたいということをお願い申し上げまして、質疑を終わりたいと思います。 |