連載95 政治家は言葉が命


 
 
政治家は言葉が命
 
 
 
 
高速道路無料化に反対だった前原国交相
 
 「公明党さんが言っておられるドクターヘリ。これらの予算は道路をつくるよりかなり安く済みますよ」
 
 衆議院の第18委員室。18日に開かれた衆院国土交通委員会での前原誠司国交相の答弁だ。
 
 鳥取選出の自民党議員が、道路整備の必要性を訴えて、「命の道」という言葉を発した。その後の答弁で「命の道」と言うなら道路整備よりドクターヘリが大事だと冒頭の発言があった。
 
 私は耳を疑うとともに、「ドクターヘリの予算を民主党は削ったぞー」と野次を飛ばした。前原国交相はその野次にキョトンとした顔をした。
 
 公明党は与党時代、ドクターヘリを提唱し、法律を作って全国配備を推進してきた。今年6月の補正予算では地域医療臨時特例交付金3000億円を計上。それぞれの地域で医療体制の拡充を図ることになっていた。
 
 ところが、鳩山内閣の発足直後、補正予算の2兆9000億円の執行停止を決めたが、その中にこの特例交付金が含まれていた。その結果、この交付金でドクターヘリの配備を計画していた北海道、秋田、三重、徳島、岐阜、宮崎では、大変な混乱が生じている。
 
 大臣として答弁するなら、現状についてしっかり認識をしてもらいたいものだ。

与党も野党もない

 また、衆院国交委員会で私も質問に立ち、高速道路料金の無料化についてたずねた。
 
 実は今年の5月、週刊東洋経済のインタビューに前原国交相はこう答えていた。
 
 「私自身は無料化に反対だ。料金を半分とか3分の1にするのはいいが、受益者負担で債務を返済していく仕組みを壊すのはよくない。(中略)私は党代表の時代から無料化はいい案だと思っておらず、見直しを進めようとした」
 
 この記事について、前原国交相は、「そういう考え方を持っていた」と認めたうえで、「社会実験をして国民に理解してもらう」と答弁した。無料化はよくないけどやるのか、無料化はいいのか、本心については明らかにしなかった。
 
 公になった自らの言葉は否定しようがない。さらに社民党のマニフェストでは無料化に「問題がある」と記している。社民党出身の辻元国交副大臣にも質問した。すると「社民党は非常に慎重な立場です」。
 
 野党時代は責任もなく自由に発言していたようだが、政治家にとって「言葉は命」。そこには与党も野党もないはずだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成21年11月25日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日