連載22 医療費、税金・・・少子化社会むかえ高齢者の負担増 批判たやすいが・・・


 
医療費、税金…
少子化社会むかえ高齢者の負担増 批判たやすいが…
 
 
 
 
 
 
 
「高福祉・低負担」の良薬ない
 
 
 帰宅途中の電車の中で、もしくは自宅でビール(いや、発泡酒か…)を一杯 飲みながら、このコラムを読んでいるサラリーマン諸氏にも考えていただきたい。

 7月6日の朝日新聞朝刊に次のような見出しが躍った。「お年寄り、生活限界―負担増、特に深刻」
 
 記事の内容はこうだ。2004年度税制改正で65歳以上で所得1000万円以下の高齢者に一律48万円の老年者控除が廃止された。兵庫の71歳で一人暮らしの男性は、年間360万円の年金暮らし。それが税制改正で、前年ゼロだった所得税と住民税はそれぞれ年間9万円、6万2000円にアップするという。
 
 同じく朝日の8月10日朝刊。「医療費の窓口支払い」「『現役並み』高齢者負担3倍に」の見出し。
 
 医療制度改革で70歳以上の「現役並み」所得(夫婦2人で年収520万円以上)の高齢者が窓口で支払う医療費が3割負担になるという記事。例にあげたのは東京・足立区の男性(76)。年金収入は妻とあわせて560万円だ。
 
 朝日新聞では「負担増」をテーマに6月後半から何度も記事や、その反響を「声」の欄で掲載している。
 
 もちろん、負担は増えるより減らした方がいいに決まっている。だが、わが国の社会保障を取り巻く環境はというと、いよいよ「団塊の世代」が定年を迎え、世界に例を見ないスピードで高齢化が加速する。一方で少子化が進み、昨年から人口減少に転じた。しかも、わが国の財政は、毎年30兆円近い国債を発行し、国債の発行残高は今年3月末で約527兆円にのぼっている。(政治の責任が大きいのは確かだが)
 
 今後、大事なことは、このコラムを読んでいるサラリーマン世代の人たちが、高齢者となったとき、この社会保障制度が維持できるかどうかだ。さらに、それを支える現役世代(私たちの子、孫)の負担を可能にしなければならない。
 
 理想は「高福祉・低負担」だが、そんな良薬はない。そこで、今回の「負担増」で、高齢者の方でも、負担能力のある方にお願いすることになった。
 
 国税庁によると、平成16年度の給与所得者数は4453万人。その平均給与は439万円という。この平均値の人は家族を養いながら、医療費の窓口負担は3割だし、当然ながら所得税、住民税を払っている。
 
 「世代間の公平」を考えて行われた改革だが、読者はどう考えるだろう。
 もちろん、ムダをはぶいていくことに不断の努力を続けていくことは、いうまでもない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成18年8月29日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日