連載68 「首相辞任」 一連の報道に物申す!!


 
 
「首相辞任」一連の報道に物申す!!
 
 
 「突然の辞任表明で驚いている」。1日夜、福田首相が辞任を表明。直後に公明党本部で開かれた会見で、太田代表は厳しい表情で語った。
 
 翌日の朝刊各紙は「首相辞任」で一色。「公明離反で孤立感」(産経)、「公明と亀裂深め」(毎日)と、公明が退陣の背中を押したとの報道が目立った。
 
 福田首相は公明との溝ができたので辞任したのか。一方の当事者として一連の報道に反論したい。
 
 連立政権を組む自公。政党として生まれも育ちも違う両党はそれぞれの政策がある。自民の笹川総務会長も、同席したテレビ番組で「違う政党だから、意見がぶつかりあうのは当然。今まで(公明は)言わなすぎた」と話した。
 
 わが党が自民の主張をのむと「ゲタの雪」と揶揄し、逆にわが党が主張すると「亀裂」と書き立てるマスコミ。もう少し複眼的に見て書いてもらいたい。
 
 公明の“福田離れ”として報道された具体例は、①臨時国会の召集日②定額減税③補給支援法の取り扱い―の3点だ。
 
 国会招集日の問題は当初は「8月下旬」と「9月下旬」と意見はくい違った。しかし、最終的に互いが譲り合って、9月12日と合意。これまでも、日程などの協議で自公間はもちろん、自民党内で意見が割れたことは多々あった。
 
 2番目の定額減税。先月29日に決定した緊急総合経済対策に盛り込まれた。
 
 朝日は「公明党に押し切られて定額減税をやらなければならなくなった。それがこたえたのだろう」と自民党4役の声を載せていた。また、4日付の日経夕刊の記者座談会。「定額減税を公明党の言うがまま対策に盛り込んだことが引き金になったんだろう」と分析。しかし、いずれも「だろう」という第三者の推測だ。むしろ、29日の福田・太田会談で、定額減税実施の前に物価高の実態を見るため、商店街の視察に行こうと話し合っていた。
 
 3つ目の補給支援法は公明が反対しているかのような論調が目立った。同法についてわが党は今年1月、賛成している。同法は1年の時限立法で、自衛隊の海外派遣を国会がしっかり関与しようということだ。それを60日の見なし否決のルールを適用して再可決することを、最初から主張すれば、野党と協議できるものもできなくなる。公明党の主張は良識的と思うのだが。
 
 だが、メディアを通じて今回の辞任劇に触れた国民は、「公明の福田降ろし」というイメージを持ったのは確かだ。今後、公明の主張について、「なぜそのように主張しているか」を常に発信をしていかねばならないと痛感した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成20年9月10日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日